【何カ所か18禁】鎮守様と異世界に

かんじがしろ

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制覇行進

178 ハカタ湾岬

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 大河の空を覆っていた戦艦から排出された黒い煙も、黒い雲と共に吹き流れてしまっていた。
だけども、天気晴朗となってはいたが、ハカタ港町から吹き降りる風は怒り怨念の風なのか、いまだ大河の波は荒れ狂っていた。

 (注訳  カ、―ー鹿島。 チ、―ー鎮守様。)
カ「天気晴朗なれど波高し。」
チ、「それは戦が始まる前の伝言でしょうに、タローちゃんは名言を残せる詩心がないようね。」
とハカタ湾高台から荒れ狂う大河を見つめている鹿島の脇に、鎮守様が静かに佇んだ。
カ、「援護助力有難う御座いました。」
チ、「タローちゃんたちを援護したのは、私が羽衣姫に宣戦布告したかったからよ。」
カ、「羽衣姫?月の裏側に住んでいるサニーの仇相手?」
チ、「大河向こうの国々では、かぐや姫神らしいわ。」
カ、「本当に月に住む住人の名前だな。」
チ、「かぐや姫神の正体は、タローちゃんの夢に出てきた石化寸前のキノコ化石だわ。」
カ、「あ、そうだ!変な夢だった。」
チ、「私が受けた念力が、タローちゃんにも伝わったようね。」
カ、「随分と地球文明からしたら、煙突から黒い煙を出す動力戦艦など、かなり遅れているな。」
チ、「それは、大河向こうの現時点での技術では、蒸気動力が精いっぱいだからだろうし、だけど
日一日ごとに技術も化学力も高くなり、その内に銀河連合水準以上の化学力を持つわ。」
カ、「失われた文明の化学力は、銀河連合より高かったと?」
チ、「月まで行くのに、未だ解明できない技術の見えないエレベーターを使っているわ。」
カ、「月に帰るかぐや姫物語、そのままじゃん。」
チ、「兎に角、かぐや姫神は妖精の森に、興味があるみたいです。」
カ、「妖精の森樹海に、何かがあると?」
チ、「そうかも知れないが、まだ断定はできない。ので、軍事力はどの辺まで認め使う予定なのかしら?」
カ、「銀河連合軍の力を使う急激な力の変化は、混乱を招くでしょうから、十分な化石燃料を手に入れきれない状態なので、第二次大戦当時までの軍事科学戦闘力を、魔石に頼りたいのですが、どうでしょうか?」
チ、「すべての動力と、武器類や装備品を魔素や魔石に依存した場合は、第二次大戦当時までの戦闘力ではなく、銀河連合軍水準になるでしょうね。」
カ、「確かに、化石燃料や硝石火薬に頼らない武器ならば、二十一世紀の軍事化学よりも、はるかに高い科学水準である超電磁式の魔石銃や魔石砲弾になるだろうし、小火器においては銀河連合軍事力並みの武器類になりますね。」
チ、「ただ魔素や魔石に依存した場合、それだと、大河向こうも同じ武器を持てる可能性があるわ。」
カ、「クロスボウの技術流出で、それは証明されていますしね。」
チ、「模造品を含めて、その対応を工場の化学班と相談します。」
カ、「では私が水準を決めるのではなく、工場の化学班に一任することでよろしいでしょうか?」
チ、「それはできません。タローちゃんが決断すべきです。」
カ、「大量殺人を人に押し付けるなと?」
「です。」と、鎮守様は鹿島を非難する表情でにらみつけた。
「わかりました。」と鹿島は母親に謝る様に微笑んだ。
鎮守様もやはり母親の表情になり微笑みを返した。
けれども、強い悋気を含んだ怒り顔のサニーの視線で、鹿島は罰悪そうに微笑みを消さなければならなかった事で、話を逸らす様に、
「あの戦艦はどうしましょうか?」
「同じ型の戦艦を造船する必要があるので、拿捕しました。」
「外見を真似るためですか?」
「そうよ。魔石と魔素に超電磁式レール砲等々の偽装が必要でしょうし、初戦からこちらの技術を公表すべきではないでしょう。」 
「確かに。」
と鹿島は流石に先見をも備えた鎮守様だと感心した。
「では、サニーちゃん。あの船を起こして頂戴。」
「え、チンジュ様、それは無理でしょう。」
「あの船の下に大きな泡を作りさえすれば、簡単に起き上がるわ。なので、風魔法を込めた魔石を、船の下にただ送るだけでいいでしょう。」
「空間魔法ですね。」
「そうですね。」
「では、ハカタ港町の桟橋に向かいますか。」
と、鹿島は頭上にあるC-003号機を降下させた。
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