上 下
83 / 295
冒険と成長の三姉妹

告白されるカルーア

しおりを挟む
【アルバート家の夕方】
アリスがハイラ(ウルフの子供)を連れて風呂場に行った時、ミルが夕飯の片付けをしようとしてくれた

「あっ、ミル。今日は片付けは良いから、サーシャにマッサージしてやってくれないか?」

「よろしい…の…ですか?…」

エルドラ山脈から帰って来てから、サーシャが上手く身体を動かせていないのを、ヒイロは見抜いていた

「ミルってば、マッサージ上手いのですの?」

「3人が居ない時に、マッサージしてもらった事があるんだが…ミルは上手いんだぞ!」

「じゃあ、お願いしますの!」

ミルはタライにお湯を入れ、タオルを持って姉妹の寝室に向かった。ヒイロは1人で食器の片付けをしようとした

「だったら、私が手伝わない訳にはいかないね」

「カルーアもクエストで疲れているだろ?これくらいは任せて良いんだぞ」

「いや、手伝いたいんだ、私が!」
 

上目遣いで微笑みながら、そう言われては断れなかった。カルーアの笑顔に負けた。2人は食器を洗っていた

「今回のクエストはどうだったんだ?シェリー達が居たから、無事に帰って来るのは心配していなかったが…」

「シャルルさんが魔法勝負しよう!とか、言ってくるもんだからさ…七精守護霊(ハーロウィーン)を放ったよ」

「だったら、疲れてるんじゃないか?」

「まーね、でも兄さんと横に並んで何かしてるだけでも、嬉しいんだ、私は……」

カルーアは頬を赤らめて俯(うつむ)いた。その仕草の可愛いらしさは、如何に鈍いヒイロにも恋する乙女を感じさせた


食器の洗いと片付けが終わり、アリスと約束していた、毛布を馬小屋に運ぶ事にした。風邪などひかぬ様に少し多めに運んだ
程なく、アリスがハイラを連れて風呂から出てきた。ハイラの身体を拭いた後、馬小屋に向かったアリス
そのすぐ後にサーシャが、ミルのマッサージが終わり、キッチンにやって来た。風呂に入るように勧めた…2人はそのまま、風呂に行った

「兄さん、私たちはどうしようか?」

「そうだな…!少し外を散歩しないか?」

「……ん?あぁ、良いよ、行こうか!」


【工房裏】
工房の北側に馬小屋がある。ヒイロは反対の南、玄関側にカルーアを連れてやって来た。そして、ベンチに座り紅茶をカルーアに手渡した

「ありがとう、兄さん」

カルーアは柔らかそうな小さな手で、マグカップを受け取り、小さな唇で紅茶を飲みだした

「ん?何だい兄さん、じっと見て…」

先程のキッチンでの仕草もだが、今の仕草も可愛く見えた
(カルーアが俺に、恋心が芽生えている気がしているが…どうやら俺も、カルーアの事が…)

「いや、月明かりに照らされて、今日は一段とカルーアが可愛く見えるなぁ…って」

予想の斜め上の返事が帰ってきて驚くカルーア

「な!?何を言ってるんだい?まさか、からかっているのかい?」

焦って、あたふたしているカルーアの仕草が、また可愛さを増していた

「そう言えばさ、前に3人から…俺は結婚するのは三姉妹から選んでくれないと嫌だ!って…言われてたっけな…」

「あっ!うん、そんな話もしてたねぇ…サーシャは無いにしても…あっ!アリス姉さんが気に入ったのかい?……姉さんは純粋で可愛いよね、分かるよ…」

そう言って、ヒイロから目線を逸らした。カルーアは、有り得る可能性を言ったのだが…もし、そうだったら…と、少し寂しそうな顔をしている

「あははっ!」

何故笑う?と思い振り返ると、カルーアの目の前に、ヒイロの顔があった

「えっ!何だい?」

戸惑いを見せるカルーア
ヒイロが自分を、じっと見つめている

(まさか…兄さんが…結婚相手に、と…思っているのは…私だったり…するのかい?)

「以前にも言ったけど…お前達はまだまだ若い、この先の数年でどう変化するかも分からない。だから…まだ、答えは早い気もするけどな…あえて、今の気持ちを言うのなら俺は…」

カルーアの心音が激しさを増した
ヒイロに聞こえているんじゃないか?
と、心配する程に激しく鳴り始めた

(嘘?まさか、その相手って…もしかして?)

ヒイロはカルーアに笑顔を見せて、そのままキスをした…目を閉じているヒイロを、見開いたカルーアの眼(まなこ)が見つめている
数秒後、唇を離したヒイロ

「今は…カルーアが最高に可愛いと思う!」

「えっ!あの…私を彼女に…してくれる…って…言うのかい…本当に?」

カルーアはヒイロの言葉が、信じられなかった



続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

【R18】突然召喚されて、たくさん吸われました。

茉莉
恋愛
【R18】突然召喚されて巫女姫と呼ばれ、たっぷりと体を弄られてしまうお話。

憧れの童顔巨乳家庭教師といちゃいちゃラブラブにセックスするのは最高に気持ちいい

suna
恋愛
僕の家庭教師は完璧なひとだ。 かわいいと美しいだったらかわいい寄り。 美女か美少女だったら美少女寄り。 明るく元気と知的で真面目だったら後者。 お嬢様という言葉が彼女以上に似合う人間を僕はこれまて見たことがないような女性。 そのうえ、服の上からでもわかる圧倒的な巨乳。 そんな憧れの家庭教師・・・遠野栞といちゃいちゃラブラブにセックスをするだけの話。 ヒロインは丁寧語・敬語、年上家庭教師、お嬢様、ドMなどの属性・要素があります。

処理中です...