◆完結◆修学旅行……からの異世界転移！不易流行少年少女長編ファンタジー『３年２組 ボクらのクエスト』《全７章》

第３章 エルグレドの旅 編

第３章 まえがき

　妖精王タフカとの戦いとミシュバット遺跡の調査を終えた探索隊一行は『遥はるかがいなくなった家』に戻りひと時の休息を持っていた。
　しかしレイラ、エシャー、スレヤー、篤樹あつきの関心は旅を再開する前に『エルグレドの秘密』を全て聞き出す事に向けられる。
　人間であるエルグレドが２２０歳のエルフ族のレイラよりも『年上』とはどういうことなのか？転生を繰り返し数千年の時を生きて来た妖精王タフカとなぜ『旧知きゅうちの仲なか』なのか？タフカがエルグレドを『イグナの王子様』と呼んだのはなぜか？
　仲間達が抱いだく不審ふしんや疑問ぎもんに対し、秘密にしてきた自分の出生からの『旅』を静かに語り始めるエルグレド。
　想像していた以上に数奇すうきな人生を歩んできたエルグレドの過去に驚きを隠せない一同。そして、エルグレドからの思いもかけなかった情報に驚きの声を上げる篤樹。

「どうしてエルグレドさんが『あいつ』を知ってるんですか！」

　『この世界』の歴史の中に散ちり散ぢりに飛ばされて来た同級生達の情報が少しづつ集められていく中、物語のキーマンである『エグラシス大陸最強の法術士エルグレド』が誕生した背景にある愛と哀しみと決意の旅が語り紡つむがれていく……

　
　スピンオフ要素際立つエルグレドの記憶を辿たどる過去の物語と、現在の探索隊の問答もんどうを織おり交まぜながら展開する『３年２組ボクらのクエスト』第３章～エルグレドの旅編～。前半は中世ヨーロッパの森林地帯を、後半は１９世紀の英国の街並みをイメージしつつお読み下さい。