シングルマザー 子供と、異世界へ行く!【完結】

チャップスティック

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魔族に産まれた俺は  
その中でも一際、魔力に優れていて、 

父が言うには  

次の魔王は俺だという。


ずいぶん甘やかされて育った、


年頃になると  
魔族の女には飽きて、 

異世界の 

魔力もない、  

魔術の使えない

女を食い荒らしてた。
 






「明仁!!今日もおつかれ~」

この咲はたまたま俺達が 
ライブ帰り 

酔いを求めて通うバーで出会った。

そのまま俺は 
この女の家に棲みついた。   

社会人になってから 
ずっと住んでいるという 
このボロアパート
に俺は毎日、帰っていく 
 



「咲ちゃーん、今日のご飯なに?いつも美味しいご飯に感謝します」
  
玄関脇にあるキッチンに立って 
夕食を作っている彼女を 
後ろから抱き締め、甘えるのが 
たまらなく好きだった
 

彼女の邪魔もしている自覚もあるが 
咲は嫌がる素振りを無く 
受け入れてくれる 

 
近くにいると 
シャンプーの良い香りが  
鼻をくすぐってくる 

一緒に居る時は何もかも忘れて  


この世界に俺と咲しか 


居ないのではないか 
と思うくらい幸せだった。 
    


肌を重ねる度に 
彼女の対する愛情が深くなっていく。
 



目も 
肌も 
爪も 
吐息すらも 

彼女のものなら全てが愛おしい



その日は唐突に言われた 

「…あのね、私は赤ちゃん出来たみたいなの」 

彼女は嬉しそう頰を赤らめてに言っていた


「本当かっ!?ここに俺の子がいるのか?やったな!」 

最高に嬉しかった  


素直に嬉しかった 



この俺が父親になれる
咲との愛の結晶が誕生する 


その日は2人で肩を寄せ合いながら幸せの中、眠りについた


「ま…おう…次期魔王よ…城に帰られよ…現魔王が崩御された」 



ふと起きると今の魔王側近の連絡で 
父が亡くなった事を知って、 
急いで城へと駆けつけた。 


 
即位してまた帰ってくればいい、 

またあの愛のある穏やかな生活を 
続けられると思っていた。
 

魔王に即位して、 
なにかと忙しい日々を送っていても 

咲の事が頭から離れない。 




早く会いたい…  



あの香りを、嗅ぎたい  



彼女の手料理をたべたい 
 


抱き締めて、キスをしたい  


思いが募るばかりだった。


やっと彼女の元に戻ってこれたのに…
 





咲は俺のことが見えなくなっていた。 
 
 




何度も何度も何度も何度も何度も  


 
声をかけても 


叫んでも

俺に気づいてくれない。 

手を伸ばして 

すぐ側に居るのに、 


触れられない。 




咲産んだ俺の子が 

夜泣きで泣いているのに
 

あやしてあげられない。

彼女は産後の睡眠不足で 
今にも倒れそうなのに  

支えてあげられない。
 

悲しくても泣くことが許されない
今の魔王の地位

サミシくて寂しくて
空しい毎日 


そんな中 
咲とカイトが
勇者としてこちらにやって来た 











 

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