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「ということですね。」
さすがに大声で話はしない。
マティスとガイライが通訳してくれた。
セサミンとわたし、ニックさんは扉に耳を押しつけて聞いていたけど
聞こえなかったのだ。
中に入るのはいまはいいって、誰が入れるか!
「えらい言われようだったね?」
「仕方がありません、聞こえなかったんですから。」
「気配は読んでたんだけどな。
しかし、傭兵か。分隊よりもそっちの方がいいかもしれんな。」
「ああ、まったく。」
「え?お金足りん?今日も孫の手売れまくったよ?
炭も買ってくれるところは押さえた。もっと?」
「ああ、母さん、違いますよ。
金はあるんです。
有事になったら本隊より分隊、それよりも傭兵です。」
「でも、傭兵を命令するって。」
「傭兵より力があればね。分隊でいれば自由です。
が、組み込まれたら弱い。そう考えただけですよ。」
「・・・戦争あるの?嫌だね。」
「そうですね。」
「愛しい人?ここで考え込んでも仕方がない。
まずは、コットワッツの商品の売り込みだろ?」
「そうだ、そうだ。じゃ、どこから廻ろうか?」
「軍部から行きましょう、そして生産院。あの2人と行き違いということに。
あとは研究院、天文院、天秤院と回りましょうか。
資産院にも。」
「うん。」
5人で軍部に移動。
勝手知ったる我が家状態で2人は中に入っていった。
「すっと消えましたね。驚きです。」
「うん。見えてたのにね。これ、わたしもできるかな?」
「はは!死角に入って気配を消しただけだ。」
「「!なんだ!」」
「愛しい人なら完全に消えれるだろ?」
「そうだろうけど、鍛錬で消えるのってかっこいいでしょ?」
「ガイライとニックか。もう少し、もう少し。」
「うん、倒すのね、応援するよ。」
「おう!」
『コットワッツ領のものだ。新しく就任された軍部隊長にお目通り願いたい。
こちらは領主セサミナ様、我らは護衛赤い塊と申す。」
昨日とはまた違う人が入り口に立っている。
そこそこの家柄の人ということか。
「!ただいま隊長は不在で。」
『ルカリ殿は?』
「ルカリは本日は休暇です。」
『ルカリ?副隊長なのでは?』
「今は違います。」
『そうか。他の方々とは面識がないからな。
セサミナ様いかがいたしましょうか?』
「仕方がないですね。守衛殿?申し訳ないが、以前の会合で、
1番隊の方、モウとガイライ殿との手合わせを見学された方で、
コットワッツの甘味を食べたとおっしゃる方、
名前を聞きそびれてしまって。」
「コットワッツの甘味!センター殿かな?よく話してます。うまかったて。」
「ああ、おそらく。あ、これはその甘味です。あとでお食べください。
呼んでいただいてもいいですか?」
「!お待ちください。」
「あの時の者たちか?」
「ええ、姉さんたちが帰った後、残ってる甘味を皆で食べました。
その人たちならいいでしょう。
兄さんにあこがれて軍に入ったそうですよ?」
「噂だけだろ?軍での仮入隊時の私を知っているわけではない。」
「だから憧れなんでしょう。で、実際に強いんですから。」
「そうなるのか?」
「そうでしょ。」
「セサミナ殿?モウ殿も!マティス殿もいらっしゃる!
あ、ガイライた、ガイライは分隊所属になったんです。」
「ええ。それは存じてます。
新しい隊長に今回は早めに入都できたのでご挨拶をと。
ルカリ殿は休暇で、ほかに存じ上げているのが、センター殿だけ。
それで、呼んでいただいたんですよ。」
「それは光栄です。どのようなご用向きで。」
「ええ、会合でお披露目する我が領の商品を先に見ていただこうかと。
これは安価な商品ですので、遠慮なくお使いください。」
あれね、粗品だ。
コットワッツ株式会社って入ってるような。
「名前を?コットワッツって?」
「そうそう。プリティーセサミンでもいいよ?タオルの銘柄。」
「ぷりてぃというのが、わかりたくはないのですが、それはダメです。」
「名前大事だもんね。じゃ、コットワッツで。」
「それを配る?ただで?」
「そうだよ?8銀貨のタオルは配れんよ。
5銅貨タオルでも贅沢だ。この手合いは、もうボロボロまで使う。
年末の大掃除の必需品。」
「はぁ。」
「渡すときに雑巾なり何なりとお使いくださいって。
1000枚ほど作っちゃおう。」
「これがタオル?」
「ああ、本来の商品はこちらですよ。
1枚8銀貨です。隊長殿にお渡ししようと思っていたんですが。
センター殿、お受け取りください。
それで、これを皆様にお配りしていただけたらと。」
「あ!まったく違う!なるほど。これは8銀貨。
頂いても?」
「ええ、隊長殿にはまた機会がありましたら。」
「わかりました!お任せください。」
そんな感じで、次は生産院。
院長に面会だ。
「これはコットワッツ殿、最近のご活躍、すばらしいものですな。」
「いえ、まだまだと思っております。」
「何をおしゃいますかコットワッツの隠匿数の多さは他とは群を抜いて多い。
特に、冷凍庫と冷蔵庫。
普及のために是非とも生産院の公開型隠匿に替えてほしいものです。」
「申し訳ないが、まずはコットワッツの生産高を確保しないと。
そのための隠匿ですよね。」
「便利なものは皆で共有するほうがよろしいのでは?」
「あはははは!それを生産院院長がおっしゃいますか!」
「あははは!それはそうですな。
が、次回は生産院を通してお願いしたいものです。」
「ええ。もちろん。食に施さないのがコットワッツ式ですが、
それ以外でぜひ。ここまで潤滑に資産を投資できるのも、
メディング様の資産譲渡があればこそ。
いま、いかがお過ごしでしょうか?」
「あれか?資産が目減りしたんで、相当落ち込んでいたが、
砂漠石が高騰しているだろ?それで、かなりの数を売り払ったようだ。
もちろん高額でな。近いうちに戻ってくるだろう。」
「そうですか。その時はぜひ、コットワッツに招待せねばなりませんね。
よろしくお伝えください。
領民みな、今があるのはメディング様のお陰だと申しておりますので。」
「ははは!うまく使うものがうまくことを運ぶということだな。」
「それは一般論ですね?」
「ああ。このクッションは気に入ったのでな。また、購入させてもらおう。」
「ありがとうございます。」
たぬきときつねだな。
ビャクを使っていた人だ。
悪いとはいわないが、油断ならないね。
いろんなところの情報を集めているんだろうな。
ビャクみたいな子がいっぱいいるんだろうか?
「時に、後ろに控えているのは護衛、赤い塊と?」
「ええ。ご存じだと思いますが、
わたしの兄、マティスと唯一の伴侶モウです。」
「石使い赤い塊との血縁者だとか?」
「ええ。そのように聞いています。」
「大門での話聞いているか?」
「なんでしょうか?」
「ガイライの受けた仕事の金をとりに来たらしい。
その時に当然ひきとめるわな、中央院が出張ったそうだ。
で、断った。提示した金額が気に入らないのか、
国民の為にというのが気に入らないのか?」
「モウ?その話聞いているか?」
「ええ。こちらが探している時には捕まらないのに、
そのような面白話、失礼、なにかありますと向こうから話に。」
「どのように話していたか聞いても良いか?」
「セサミナ様?」
「ああ、かまわない。わたしも聞きたいからな。」
「はい。わたくしの名前はモウと申します。
名前があります。わたくしの一族は赤い塊と呼ばれておりまして、
名前は持っていないのです。
高原の民の方々と同じような服を好んできますので、
同じ一族が分岐したものと。
それで、わたくしは武の才が、石使いよりも優れていると、一族を出ました。
そこで、砂嵐に会い、その、唯一の伴侶、マティスと出会いまして。」
「モウ、それは2人のなれそめだ。その話は何度も兄上から聞いている。」
「え?あ!そうですか。」
「いやいや、かまわんよ。」
「ん、失礼。石使い赤い塊はわたくしの曾祖父にあたります。
もう一人こちらに来ているようですが、それは詳しくはしりません。
じーちゃん、ああ、赤い塊が言うには、年契約で2000、1回100リング出すと。
破格値だろうと言われたそうですが、破格に安い。しかも石はこちらで。
その時点で大笑いだったそうです。その、赤い塊はお金にがめついのです。
そのうえで、国民の為だとおっしゃったとか。
これは赤い塊の共通の認識なのですが、
国が国民の為に石使い、それも1人の石使いに何かを頼むというのは、
すでにその国は破綻していると。
まだ、一個人の願いを言ってくれた方がよかったと。
だって、そのように思うのなら、世界平和を願えばいい。
違うでしょ?しかも全財産をだすどころか、100って。
わたくしも笑ってしまいました。
あと、金額提示後出す条件があるのです。
それを聞くためには返金無しに金額を出さないといけません。
そんな賭け事、一国がするべきではないと。」
「条件?それは?」
「それはその時々だとしか。例えば、1000万受け取って、
条件は顔の好みだ。だからお前ではないと言われたら、
どうしようもない。
条件を出すから、先に金をと言われた時点で断っているということですね。
詐欺ですよ?」
「「あはははははは!!!」」
院長とセサミンが大爆笑だ。
セサミン?ひどくない?
「そ、それは公表したほうがいいのでは?」
「そうなればまた違った手段を取りましょう。
ここは院長殿の胸に収めたほうが?」
「そうですな。もし、わたしがなにか、個人的にお願いすることがあれば、
条件を出すと言った時点で引きましょう。」
「これは本当にご内密に。でないとわたしが叱責されます。」
「ええ、良き話を聞かせてもらえました。」
自分だけ知っている秘密というものは貴重だ。
生産院とはこれからはもっと密に付き合っていかなくてはいけない。
なので、赤い塊のお話を。
5銅貨タオルはメディング様のお言葉で生まれたものですよ、
とも付け加えておく。
目の付け所はいいんだけどな。
それから、天文院。
変動の日付は大幅に違いましたねーと嫌味を。
タオルは贈呈。あと孫の手。
天秤院に行く前に、資産院だ。
「オート院長かツイミ殿に面会を。
お二方お忙しければ、ワイプ、どの。」
マティス、そこは素直に師匠を呼ぼうよ。
入り口付近を歩いていた人に声を掛けたが、サックと無視された。
「興味ないんですね。」
「そうだな。では、次に行こう。」
「ダメですよ。」
「どうやって呼ぶのかな?守衛さんもいないしね。
声かける?」
「いえ、中に入りましょうか。
いつもは誰かと一緒なんで、そのまま中に入ってましたからね。
中に入れば、だれかまた声を掛けましょう。」
と、中に入るが、誰もいない。
「不用心だよね?」
「取られるものもないのだろう。」
「金庫は?」
「それはまた特殊だ。」
とりあえず奥に。
アーケードと噴水と川を見て笑いながら進んでいく。
カップ君たちの気配はするが仕事中なのか?
「お前たち!どこから入った!」
「申し訳ない。入り口に誰もいなかったので、そのまま。」
「だれだ?」
「コットワッツ領の者です。オート院長か、ツイミ殿、
もしくは、ワイプ殿に面会をお願いしたいのですが?」
「・・・いま、3方は会議中だ。わたしが話を聞こう。」
「あ、いえ、それでは、後日改めて伺います。
ああ、申し遅れました、こちらはコットワッツ領、領主、セサミナ様、
わたくし共は護衛赤い塊と名乗るもの。
失礼ですが、そちら様は?お名前をいただけますか?」
「名乗る必要はないだろ?」
「そうでございますか?
ご親切にお話を聞いてくださるとおっしゃっていただいたので、
そのことを
報告をと思ったのですが。
どちらにしろお忙しそうだ。
セサミナ様、引き揚げしょう。」
そういうとその人はこちらを睨みつけて奥に入っていった。
その後をカップ君たちが付いていく。
(誰だろ?)
(院、資産院のものではないな?)
(師匠の気配はするの?)
(するが、弱いな)
(え?)
(あの部屋でないか?かなりの石を使っているから
が、さきっから返事はないんだ、余程の石を使っているな。愛しい人呼んで!)
(師匠!)
(!ちょうどいい時に。あの件お願いします)
(わかりました。お待ちください)
(出よう)
(あの件って?)
(建物内全部、寝てもらう。ばれないように)
(カップたちも中だな)
「では、セサミナ様、天秤院に行きましょうか?」
「天秤院。実は初めてなんですよ。」
「え?どうして?」
「用事がないでしょ?裁判にかけられるようなことしてませんし。」
「なるほど。でも建築的にいいらしいですよ。」
「それは楽しみですね。」
結構離れてから、立ち止まる。
セサミンとマティスがくだらない話をしている。
『資産院ワイプ 我が師匠 何物にもとらわれるな
資産院にいるワイプ以外のものたち、すべて眠れ
ワイプが目覚めろというまで眠り続ける
拘束されたものは聞かれたことをすべてワイプに話せ』
「ん、いいよ。」
「我が師匠という必要があったか?」
「かっこいいでしょ?」
「お間抜けワイプで十分だ。」
「あははは!合図を決めといてよかったね。」
「ほっといても何とかなったんだろ?面倒だから眠らせたんだ。」
「そりゃそうだ。でもこれで、10リング!イエーイ!」
「え?仕事なんですか?しかも10リングって!!」
「そうだろ?おかしいだろ?セサミナ!お前からも言ってくれ!」
「ええ。これは断然抗議しますよ!」
「ほら!愛しい人!おかしいんだ。」
「そうか。やっぱりね。師匠だもの、1リングだね?」
「「違う!!」」
「あははははは!」
けど、なにがあったんだろか?
後で聞けばいい。
天秤院!
すごい!何がすごいか?直線がない!
カサミラ?
何で作ってるんだ?樹石?大理石だ!
「すごーい!」
「これはすごい!あの石でしょうか?」
「そうだね。この白さをどうやって保ってるんだろう?」
天秤院というからには付け届けを断るんじゃなかろうかとおもったけど、
大好評で受け取ってもらえた。
特に孫の手。
院長、副院長と不在。
案内してくれた職員がなぜか、爺たちばかりを集めたのだ。
各院3本ほど用意したけど、もっと欲しいと。
1本3銀貨。100本注文をもらった。
(名前とか入れれるよ?歯ブラシみたいに。
100本買ってもらったからおまけしてもいいかも)
「お買い上げありがとうございます。
100本の大口にはここに名前入れもできますが?
天秤の印でもよろしいかと。」
印を決めて、
マティスが金鏝を作り、樹石で焼きを入れ、印をつける。
その話を進めている間に部屋の中をチェック。
中は四角だ。なので窓は出窓になってデットスペースがある。
人が余裕で通れそうだ。
実際に秘密の通路があるのかもしれない。
いや、石の厚みがあるから無理か?
出窓から考えると大丈夫そうだけど。
「モウ?」
「はい、セサミナ様。」
「どうしました?」
「いえ。その100本は明日おとどけですか?」
「いえ、こちらから取りに伺いますよ?」
「そんな!そんな失礼なことはできません。」
「はははは!話は聞いていますよ?
半分の間に訪れた貴族たちにコットワッツ噂の甘味を販売したとか?」
「ああ、もうお聞き及びでしたか?
実は昨日ボヤ騒ぎがありまして。ええ、もともとの館も
何かしらの火で焼失していましたから、今回は防火対策を。
そのおかげで館は無事なのですが、煙が中に入りまして。
なので、お客様を館内に入れることかなわず、苦肉の策で、外で。
お金をいただきましたのも、辺境領主が振舞うなどおこがましい行為と思い、
お恥ずかしながら頂きました。
皆さま、お心広いかたたちばかりで、十二分に。」
「その甘味。是非とも味わいたい。10人ばかりで伺いたいがよろしいか?
もちろん、外で結構。なにやら、清々しい気分にもなれたとか。
もちろん、お金は払いますよ?でないと公平ではないですから。」
「それは喜んで。では、半分過ぎにお越し下さい。
軽い食事もご用意しましょう。」
「それはいい!明日、必ず伺います。」
あとは研究院、中央院などが残っている。
別に全部廻る必要もないので、今日はここまで。
さすがに大声で話はしない。
マティスとガイライが通訳してくれた。
セサミンとわたし、ニックさんは扉に耳を押しつけて聞いていたけど
聞こえなかったのだ。
中に入るのはいまはいいって、誰が入れるか!
「えらい言われようだったね?」
「仕方がありません、聞こえなかったんですから。」
「気配は読んでたんだけどな。
しかし、傭兵か。分隊よりもそっちの方がいいかもしれんな。」
「ああ、まったく。」
「え?お金足りん?今日も孫の手売れまくったよ?
炭も買ってくれるところは押さえた。もっと?」
「ああ、母さん、違いますよ。
金はあるんです。
有事になったら本隊より分隊、それよりも傭兵です。」
「でも、傭兵を命令するって。」
「傭兵より力があればね。分隊でいれば自由です。
が、組み込まれたら弱い。そう考えただけですよ。」
「・・・戦争あるの?嫌だね。」
「そうですね。」
「愛しい人?ここで考え込んでも仕方がない。
まずは、コットワッツの商品の売り込みだろ?」
「そうだ、そうだ。じゃ、どこから廻ろうか?」
「軍部から行きましょう、そして生産院。あの2人と行き違いということに。
あとは研究院、天文院、天秤院と回りましょうか。
資産院にも。」
「うん。」
5人で軍部に移動。
勝手知ったる我が家状態で2人は中に入っていった。
「すっと消えましたね。驚きです。」
「うん。見えてたのにね。これ、わたしもできるかな?」
「はは!死角に入って気配を消しただけだ。」
「「!なんだ!」」
「愛しい人なら完全に消えれるだろ?」
「そうだろうけど、鍛錬で消えるのってかっこいいでしょ?」
「ガイライとニックか。もう少し、もう少し。」
「うん、倒すのね、応援するよ。」
「おう!」
『コットワッツ領のものだ。新しく就任された軍部隊長にお目通り願いたい。
こちらは領主セサミナ様、我らは護衛赤い塊と申す。」
昨日とはまた違う人が入り口に立っている。
そこそこの家柄の人ということか。
「!ただいま隊長は不在で。」
『ルカリ殿は?』
「ルカリは本日は休暇です。」
『ルカリ?副隊長なのでは?』
「今は違います。」
『そうか。他の方々とは面識がないからな。
セサミナ様いかがいたしましょうか?』
「仕方がないですね。守衛殿?申し訳ないが、以前の会合で、
1番隊の方、モウとガイライ殿との手合わせを見学された方で、
コットワッツの甘味を食べたとおっしゃる方、
名前を聞きそびれてしまって。」
「コットワッツの甘味!センター殿かな?よく話してます。うまかったて。」
「ああ、おそらく。あ、これはその甘味です。あとでお食べください。
呼んでいただいてもいいですか?」
「!お待ちください。」
「あの時の者たちか?」
「ええ、姉さんたちが帰った後、残ってる甘味を皆で食べました。
その人たちならいいでしょう。
兄さんにあこがれて軍に入ったそうですよ?」
「噂だけだろ?軍での仮入隊時の私を知っているわけではない。」
「だから憧れなんでしょう。で、実際に強いんですから。」
「そうなるのか?」
「そうでしょ。」
「セサミナ殿?モウ殿も!マティス殿もいらっしゃる!
あ、ガイライた、ガイライは分隊所属になったんです。」
「ええ。それは存じてます。
新しい隊長に今回は早めに入都できたのでご挨拶をと。
ルカリ殿は休暇で、ほかに存じ上げているのが、センター殿だけ。
それで、呼んでいただいたんですよ。」
「それは光栄です。どのようなご用向きで。」
「ええ、会合でお披露目する我が領の商品を先に見ていただこうかと。
これは安価な商品ですので、遠慮なくお使いください。」
あれね、粗品だ。
コットワッツ株式会社って入ってるような。
「名前を?コットワッツって?」
「そうそう。プリティーセサミンでもいいよ?タオルの銘柄。」
「ぷりてぃというのが、わかりたくはないのですが、それはダメです。」
「名前大事だもんね。じゃ、コットワッツで。」
「それを配る?ただで?」
「そうだよ?8銀貨のタオルは配れんよ。
5銅貨タオルでも贅沢だ。この手合いは、もうボロボロまで使う。
年末の大掃除の必需品。」
「はぁ。」
「渡すときに雑巾なり何なりとお使いくださいって。
1000枚ほど作っちゃおう。」
「これがタオル?」
「ああ、本来の商品はこちらですよ。
1枚8銀貨です。隊長殿にお渡ししようと思っていたんですが。
センター殿、お受け取りください。
それで、これを皆様にお配りしていただけたらと。」
「あ!まったく違う!なるほど。これは8銀貨。
頂いても?」
「ええ、隊長殿にはまた機会がありましたら。」
「わかりました!お任せください。」
そんな感じで、次は生産院。
院長に面会だ。
「これはコットワッツ殿、最近のご活躍、すばらしいものですな。」
「いえ、まだまだと思っております。」
「何をおしゃいますかコットワッツの隠匿数の多さは他とは群を抜いて多い。
特に、冷凍庫と冷蔵庫。
普及のために是非とも生産院の公開型隠匿に替えてほしいものです。」
「申し訳ないが、まずはコットワッツの生産高を確保しないと。
そのための隠匿ですよね。」
「便利なものは皆で共有するほうがよろしいのでは?」
「あはははは!それを生産院院長がおっしゃいますか!」
「あははは!それはそうですな。
が、次回は生産院を通してお願いしたいものです。」
「ええ。もちろん。食に施さないのがコットワッツ式ですが、
それ以外でぜひ。ここまで潤滑に資産を投資できるのも、
メディング様の資産譲渡があればこそ。
いま、いかがお過ごしでしょうか?」
「あれか?資産が目減りしたんで、相当落ち込んでいたが、
砂漠石が高騰しているだろ?それで、かなりの数を売り払ったようだ。
もちろん高額でな。近いうちに戻ってくるだろう。」
「そうですか。その時はぜひ、コットワッツに招待せねばなりませんね。
よろしくお伝えください。
領民みな、今があるのはメディング様のお陰だと申しておりますので。」
「ははは!うまく使うものがうまくことを運ぶということだな。」
「それは一般論ですね?」
「ああ。このクッションは気に入ったのでな。また、購入させてもらおう。」
「ありがとうございます。」
たぬきときつねだな。
ビャクを使っていた人だ。
悪いとはいわないが、油断ならないね。
いろんなところの情報を集めているんだろうな。
ビャクみたいな子がいっぱいいるんだろうか?
「時に、後ろに控えているのは護衛、赤い塊と?」
「ええ。ご存じだと思いますが、
わたしの兄、マティスと唯一の伴侶モウです。」
「石使い赤い塊との血縁者だとか?」
「ええ。そのように聞いています。」
「大門での話聞いているか?」
「なんでしょうか?」
「ガイライの受けた仕事の金をとりに来たらしい。
その時に当然ひきとめるわな、中央院が出張ったそうだ。
で、断った。提示した金額が気に入らないのか、
国民の為にというのが気に入らないのか?」
「モウ?その話聞いているか?」
「ええ。こちらが探している時には捕まらないのに、
そのような面白話、失礼、なにかありますと向こうから話に。」
「どのように話していたか聞いても良いか?」
「セサミナ様?」
「ああ、かまわない。わたしも聞きたいからな。」
「はい。わたくしの名前はモウと申します。
名前があります。わたくしの一族は赤い塊と呼ばれておりまして、
名前は持っていないのです。
高原の民の方々と同じような服を好んできますので、
同じ一族が分岐したものと。
それで、わたくしは武の才が、石使いよりも優れていると、一族を出ました。
そこで、砂嵐に会い、その、唯一の伴侶、マティスと出会いまして。」
「モウ、それは2人のなれそめだ。その話は何度も兄上から聞いている。」
「え?あ!そうですか。」
「いやいや、かまわんよ。」
「ん、失礼。石使い赤い塊はわたくしの曾祖父にあたります。
もう一人こちらに来ているようですが、それは詳しくはしりません。
じーちゃん、ああ、赤い塊が言うには、年契約で2000、1回100リング出すと。
破格値だろうと言われたそうですが、破格に安い。しかも石はこちらで。
その時点で大笑いだったそうです。その、赤い塊はお金にがめついのです。
そのうえで、国民の為だとおっしゃったとか。
これは赤い塊の共通の認識なのですが、
国が国民の為に石使い、それも1人の石使いに何かを頼むというのは、
すでにその国は破綻していると。
まだ、一個人の願いを言ってくれた方がよかったと。
だって、そのように思うのなら、世界平和を願えばいい。
違うでしょ?しかも全財産をだすどころか、100って。
わたくしも笑ってしまいました。
あと、金額提示後出す条件があるのです。
それを聞くためには返金無しに金額を出さないといけません。
そんな賭け事、一国がするべきではないと。」
「条件?それは?」
「それはその時々だとしか。例えば、1000万受け取って、
条件は顔の好みだ。だからお前ではないと言われたら、
どうしようもない。
条件を出すから、先に金をと言われた時点で断っているということですね。
詐欺ですよ?」
「「あはははははは!!!」」
院長とセサミンが大爆笑だ。
セサミン?ひどくない?
「そ、それは公表したほうがいいのでは?」
「そうなればまた違った手段を取りましょう。
ここは院長殿の胸に収めたほうが?」
「そうですな。もし、わたしがなにか、個人的にお願いすることがあれば、
条件を出すと言った時点で引きましょう。」
「これは本当にご内密に。でないとわたしが叱責されます。」
「ええ、良き話を聞かせてもらえました。」
自分だけ知っている秘密というものは貴重だ。
生産院とはこれからはもっと密に付き合っていかなくてはいけない。
なので、赤い塊のお話を。
5銅貨タオルはメディング様のお言葉で生まれたものですよ、
とも付け加えておく。
目の付け所はいいんだけどな。
それから、天文院。
変動の日付は大幅に違いましたねーと嫌味を。
タオルは贈呈。あと孫の手。
天秤院に行く前に、資産院だ。
「オート院長かツイミ殿に面会を。
お二方お忙しければ、ワイプ、どの。」
マティス、そこは素直に師匠を呼ぼうよ。
入り口付近を歩いていた人に声を掛けたが、サックと無視された。
「興味ないんですね。」
「そうだな。では、次に行こう。」
「ダメですよ。」
「どうやって呼ぶのかな?守衛さんもいないしね。
声かける?」
「いえ、中に入りましょうか。
いつもは誰かと一緒なんで、そのまま中に入ってましたからね。
中に入れば、だれかまた声を掛けましょう。」
と、中に入るが、誰もいない。
「不用心だよね?」
「取られるものもないのだろう。」
「金庫は?」
「それはまた特殊だ。」
とりあえず奥に。
アーケードと噴水と川を見て笑いながら進んでいく。
カップ君たちの気配はするが仕事中なのか?
「お前たち!どこから入った!」
「申し訳ない。入り口に誰もいなかったので、そのまま。」
「だれだ?」
「コットワッツ領の者です。オート院長か、ツイミ殿、
もしくは、ワイプ殿に面会をお願いしたいのですが?」
「・・・いま、3方は会議中だ。わたしが話を聞こう。」
「あ、いえ、それでは、後日改めて伺います。
ああ、申し遅れました、こちらはコットワッツ領、領主、セサミナ様、
わたくし共は護衛赤い塊と名乗るもの。
失礼ですが、そちら様は?お名前をいただけますか?」
「名乗る必要はないだろ?」
「そうでございますか?
ご親切にお話を聞いてくださるとおっしゃっていただいたので、
そのことを
報告をと思ったのですが。
どちらにしろお忙しそうだ。
セサミナ様、引き揚げしょう。」
そういうとその人はこちらを睨みつけて奥に入っていった。
その後をカップ君たちが付いていく。
(誰だろ?)
(院、資産院のものではないな?)
(師匠の気配はするの?)
(するが、弱いな)
(え?)
(あの部屋でないか?かなりの石を使っているから
が、さきっから返事はないんだ、余程の石を使っているな。愛しい人呼んで!)
(師匠!)
(!ちょうどいい時に。あの件お願いします)
(わかりました。お待ちください)
(出よう)
(あの件って?)
(建物内全部、寝てもらう。ばれないように)
(カップたちも中だな)
「では、セサミナ様、天秤院に行きましょうか?」
「天秤院。実は初めてなんですよ。」
「え?どうして?」
「用事がないでしょ?裁判にかけられるようなことしてませんし。」
「なるほど。でも建築的にいいらしいですよ。」
「それは楽しみですね。」
結構離れてから、立ち止まる。
セサミンとマティスがくだらない話をしている。
『資産院ワイプ 我が師匠 何物にもとらわれるな
資産院にいるワイプ以外のものたち、すべて眠れ
ワイプが目覚めろというまで眠り続ける
拘束されたものは聞かれたことをすべてワイプに話せ』
「ん、いいよ。」
「我が師匠という必要があったか?」
「かっこいいでしょ?」
「お間抜けワイプで十分だ。」
「あははは!合図を決めといてよかったね。」
「ほっといても何とかなったんだろ?面倒だから眠らせたんだ。」
「そりゃそうだ。でもこれで、10リング!イエーイ!」
「え?仕事なんですか?しかも10リングって!!」
「そうだろ?おかしいだろ?セサミナ!お前からも言ってくれ!」
「ええ。これは断然抗議しますよ!」
「ほら!愛しい人!おかしいんだ。」
「そうか。やっぱりね。師匠だもの、1リングだね?」
「「違う!!」」
「あははははは!」
けど、なにがあったんだろか?
後で聞けばいい。
天秤院!
すごい!何がすごいか?直線がない!
カサミラ?
何で作ってるんだ?樹石?大理石だ!
「すごーい!」
「これはすごい!あの石でしょうか?」
「そうだね。この白さをどうやって保ってるんだろう?」
天秤院というからには付け届けを断るんじゃなかろうかとおもったけど、
大好評で受け取ってもらえた。
特に孫の手。
院長、副院長と不在。
案内してくれた職員がなぜか、爺たちばかりを集めたのだ。
各院3本ほど用意したけど、もっと欲しいと。
1本3銀貨。100本注文をもらった。
(名前とか入れれるよ?歯ブラシみたいに。
100本買ってもらったからおまけしてもいいかも)
「お買い上げありがとうございます。
100本の大口にはここに名前入れもできますが?
天秤の印でもよろしいかと。」
印を決めて、
マティスが金鏝を作り、樹石で焼きを入れ、印をつける。
その話を進めている間に部屋の中をチェック。
中は四角だ。なので窓は出窓になってデットスペースがある。
人が余裕で通れそうだ。
実際に秘密の通路があるのかもしれない。
いや、石の厚みがあるから無理か?
出窓から考えると大丈夫そうだけど。
「モウ?」
「はい、セサミナ様。」
「どうしました?」
「いえ。その100本は明日おとどけですか?」
「いえ、こちらから取りに伺いますよ?」
「そんな!そんな失礼なことはできません。」
「はははは!話は聞いていますよ?
半分の間に訪れた貴族たちにコットワッツ噂の甘味を販売したとか?」
「ああ、もうお聞き及びでしたか?
実は昨日ボヤ騒ぎがありまして。ええ、もともとの館も
何かしらの火で焼失していましたから、今回は防火対策を。
そのおかげで館は無事なのですが、煙が中に入りまして。
なので、お客様を館内に入れることかなわず、苦肉の策で、外で。
お金をいただきましたのも、辺境領主が振舞うなどおこがましい行為と思い、
お恥ずかしながら頂きました。
皆さま、お心広いかたたちばかりで、十二分に。」
「その甘味。是非とも味わいたい。10人ばかりで伺いたいがよろしいか?
もちろん、外で結構。なにやら、清々しい気分にもなれたとか。
もちろん、お金は払いますよ?でないと公平ではないですから。」
「それは喜んで。では、半分過ぎにお越し下さい。
軽い食事もご用意しましょう。」
「それはいい!明日、必ず伺います。」
あとは研究院、中央院などが残っている。
別に全部廻る必要もないので、今日はここまで。
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