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481:期間限定
しおりを挟む人の気配が無くなって、すぐ外に。
枝が少し燃えただけだ。でも、ごめんよ。
燃えたところは全て切り落とす。
切ったところに光の雫を塗ってみる。元気になってと。
燃えていない木材で、テーブルと椅子づくり。
館の椅子を見本に土下座でお願いした。
今回館の家具は親方の手が入っている。すんばらしいのだ。
そこに白いテーブルクロス。一輪挿しが欲しいが、白磁はダメだ。
おお!ブラス!いいね。花は?ない!造花でございます。
マティスとセサミンはクッキーとパイ、おかきと作っていく。
シフォンケーキとクレープ、タルト。スイートポテトと、ポップコーンもだ。
アイスも出すよ!
チョコが出せないが仕方がない。
アイスティーも出す。アイスコーヒーも。
ストローもつけるよ。
ガラスにコップが欲しいね。
氷の宣伝にもなる。
月が沈む。
一番で親方のところに。
もちろん差し入れ付きだ。甘味のお裾分け。
ホームサウナ!すごい!
説明ももらって、今度はこれの大型化も考えてもらう。
が、その前に樹石箱だ。お願いします。
トックス村ではわたしのできることはフルオープンだ。
もどってすぐにわたし達は、
キトロスジュース、栄養剤入りを飲む。
「これは浄化の時にもらった?だけど、多用はできないと?」
「うん。これより効果があるのが、呪いの森で集めた雫。
いざというときにセサミンはもっておく?」
「!あれですか?持っていると頼ってしまいそうです。姉さんの判断で。」
「うん。そうしよう。」
しばらくして一番馬車が。
ルカリさんだ。
シートが小さくなっている。マティスの弟、領主だと気付いていたが、
いや、違うと、ずっと考えないようにしてたけど、
やっぱり!というところか。
「ルカリ殿!シート!いらっしゃい!
シートは?お仕事おやすみ?よかったら、解体講座のあと
お仕事手伝ってほしいんだけど?
あ、ルカリ殿も!」
だいたいの話を説明する。
「もちろん。しかし、火矢でしたか。卑怯な!」
と、ルカリさん。
「無理無理無理!!!」
「じゃ、黙って、ルカリ殿の横でおいしそうに食べてよ。
それだけで十分。」
ビビるシートをマティスは連れていった。
セサミンとルカリさんも一緒。
わたしはもう少し準備を楽しみたい。
いいな、ガーデンカフェ。
2番手は師匠だ。
「あ!またくつろぎ空間を!しかも焦げ臭い!」
「え?抜けてないですか?しまった。鼻が慣れてたんだ!」
『風よ!この匂いをどこか遠くに運んでおくれ!
ここに漂う風は清々しい樹々の香りのみ!』
うん、OK!
「何があったんです?」
「火矢を放たれました。もうすこしで森が焼けるところでした。」
「だれが?」
「んー、足元を火傷してる人?」
「はー。とにかく無事なんですね?」
「なんかあったら報告しますよ。」
「これが、なんかです!すぐに報告を!離れている方が入ってきますよ?」
「だって、師匠忙しいそうだから。」
「そうですが、報告だけはしてください。心配になります。」
「はい。」
「で?これは?」
「コットワッツの期間限定ガーデンカフェです。」
「・・・。昨日別れたところから、すべて、順序良く、箇条で。」
「はい。」
「下町?いったんですか?そういうのは常に呼びなさい!」
「ルカリ殿?ああ、その話は聞いています。」
「火攻め、人攻め?そうですね、考えられます。
そこから、なにか、失言をとるか、無理難題をいうか。
下手にでするのはいい方法ですね。」
「で?これ?」
「そうです!どうですか?」
「金額設定は?」
「商品は行商で売った時と同じですね。
飲み物と甘味の組み合わせで、1銀貨です。」
「・・・10リングにしなさい。銀貨なんて持ってないですよ?」
「え?ぼったくりですよ?それ?え?100回回数券?」
「100回?1回です。高いほど価値があると思うでしょう。」
「んー、そうか。うん。そうします。
メニュー作らなきゃ!」
プリンアラモード、アイスセット、クレープセット。
お茶と芋菓子、ポップコーンのセット。
「一人で捌くのですか?」
「んー、シート君に手伝ってもらうつもりだったんだけど、遠慮しちゃって。
わたしだけですね。」
「カップたちを付けましょう。もうじき戻ります。」
「すいません。お手数おかけします。」
「その甘味は一通り残してくださいよ?」
「もちろん!」
「では、すぐにカップたちをこちらに。で?マティス君は?」
「台所!ボット捌いてる。」
「覗いて帰りましょう。」
「モウ!これは?」
第3のお客はガイライとニックさんだった。
「いいところに!なんかうれそうなの持ってきてくれた?」
「売る?炭と、籠、孫の手ですね。」
「消臭効果をうたうか?いや、それは実証できない。
籠と孫の手だな。よし、そっち並べて?あ、台所にルカリさんが来てる。
ちょっと話聞いたげて?」
「姉さん?」
「来ないよ?」
「そうですね。」
「台所どうなった?」
「肉を焼いて食べてますよ?わたしはさすがに。」
「え?甘味が煙臭くなる?」
「いえ、それは兄さんがすべて収納しています。
ティーカップとコーヒーカップと皿はコットワッツから取り寄せましたから。」
「あ!そこまで気が廻らなかった!よかった!」
「コーヒーは兄さんが、紅茶はわたしが入れましたから。
そのまま、出せばいいですよ。」
「うん。10リングの価値があるね。師匠が10リング取れって。」
「ええ、聞きました。あと、シートはそれらしく着替えてもらいます。
いま、風呂に入ってますよ。爪先などは兄さんがきれいにしていましたから。」
「あー、意外と指先みるよね、人って。」
「そうですね。飲み方、食べ方も、
軍部でニック殿から簡単に教えてもらっていたようです。」
「そうか、そこもか。」
「ええ。営業の為ですね。」
「愛しい人!来るぞ!3馬車!11人だ。」
「イエス!少ししたら、ルカリ殿登場で!館から出てきて!
中はひどいありさまだって。」
「承知!」
「セサミンはここで、お茶しておこう。
ルカリ殿が来て、中の様子を確認している。
中でお茶はできないので、その準備。
他にもお客が来るので、このように。
その客が自分なのか、ほかの人なのか?
自分ではないことは確かだ。ごいっしょにどうですかと言われれば、
そうですかとなる。
だれも、あなたが呼ばれた客?とは聞かない。」
「それもそうだ!」
カップ君たちは先に出てきた。
中で呼ばれて、お肉も食べたようだ。
「カップ君たちは誰か一人入り口で立って!で、中から注文の品を運ぶ。
いいね!」
「「「お任せを!」」」
「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。」
「セサミナ殿か?これはいったい?」
「ええ、昨日、ボヤ騒ぎがありましてね。
館の中でおもてなしすることが出来ないので、外で。
しかし、良くいらしてくださいました。」
「え、ええ。」
「セサミナ殿!中はひどい有様ですね!」
「ああ、ルカリ殿!あなたは軍部だから中をお見せしましたが、
他のお客様にはとてもお見せできないでしょう?」
「ええ、そのようだ。」
「申し訳ないですね。さ、こちらに。皆さまも。
こうやってコットワッツ領鶏館を訪ねてくださって感謝しております。
ただ、館内は昨夜の火事騒ぎで、すすだらけ。
すぐにでも、改修をしませんと。
それでも無事な商品も多数ありますので、
そのために来てくださったんだ。商品が無事でよかった。
ぜひお手に取ってご購入を。
お茶と甘味もどうぞ、御くつろぎください。
しかし、王都貴族の方々に振舞える物かどうかわかりませんし、
そもそも振舞うなぞ、恐れ多い。どうぞ、お払いくださいませ。
辺境領主の茶と甘味を出されたのでリングを出してやったと、
寛大なお心でお笑いくださいませ。一律10リングです
もちろん出す価値がないとおっしゃるのならそうでしょう。
二度と、お口に入らぬように手配いたしましょう。
どうするかですか?それは簡単。
ご購入のお話があればお断りいたしますし、
その方への土産という話をお聞きすれば、事情を話しましょう。
かの方のお口には合わないと。
これで安心でございます。」
「ははは!なるほど、ではさっそく頂こうかな?
これが?これで選ぶと?うむ、モウ殿?選んでいただけますか?」
「ええ、甘いものばかりでは、ありませんよ?
ハムとチーズを挟んだ、小麦巻きはいかがですか?
もちろん、すこしの甘味も付いてます。
そちらの方はプリンアラモードを。
悩んだ時はこれですね。プリンとアイスが一緒ですから。
お飲み物はルカリ殿はコーヒー、
そちらは?冷たいものもありますよ?それで?」
シートはこくりとかわいいね。
「カップ!コーヒーとクレープのハム巻き、
キトロスの冷たいジュース、プリンアラモードを。」
「お待ちを。」
「どうぞ、こちらに運ぶ間に、商品を。」
「歯ブラシを見たいな。」
「ええ、ブラシの部分をすこし改良してますよ?」
「それはいい!」
ルカリさんはシートを伴って商品を見る。
シートも離れたくないからすぐについていく。
「遅くなりました。いかがいたしましょうか?
お飲み物は温かいコーヒー紅茶、冷たいものもございます。
プリン、アイス、クレープ。おまかせ頂ければ、
こちらでお選びいたします。」
「それはみな甘いのか?」
「ええ。」
「わたしは甘味は好かん。」
「そうでございますか、では、緑茶と、おかきをお持ちしましょう。
お隣の・・・ご息女?いえ、それにしては艶がありすぎる。」
「モウ!失礼だぞ!こちらはトラウト様の奥方だ。」
「え?だって、お若い。」
「いいから、甘味を持っておいで!」
「はい、失礼しました。」
なんで名前を知ってるか?
さすがにセサミンもすべての貴族は把握していない。
師匠とガイライだ。2人が顔と名前を確認、
それをマティスに。マティスがセサミンに。
クレープセットと紅茶、お茶とおかきのセット、
甘くないクッキーを頼む。
チーズと胡椒入りはわたしもお気に入りだ。
ポテチもある。
「ルカリ殿、お待たせしました。」
ルビス君とチュラル君が運んできた。
わたしは入り口に。
シート君はそれはそれはおいしいそうに食べてくれている。
その笑顔プライスレス!
カップ君が運んできたものをそのまま。
わたしも一緒に。
「奥方様、申し訳ありません。」
「いえ、よく言われますの。仕方がありませんわ。」
「ああ、やはり!」
「ほほほほほ!」
「おい!こっちは!」
「失礼します。」
残り2組。商品を見ずに、先に座ってる。
シート君の食べっぷりをずっと見ていたのだ。
「お待たせしました。商品は見ていただけましたでしょうか?」
「何がなにやら。」
「では、お茶と甘味が来るまで御説明を。
お飲み物はコーヒー紅茶、甘味はまた違ったものをお持ちしましょう。
甘味が苦手でしたら別の物を。」
「わたしは問題ない。」
「わたしもだ。どのようなものか、確かめねばならんしな。」
「ええ、もちろんです。紅茶とシフォンケーキ・タルトをお持ちしましょう。
セサミナ様、後はお願いします。」
「ラコル様に、ニッチア様。ようこそ。こんな場所で申し訳ないです。」
「紅茶4とシフォンケーキ2とタルト2」
「承知。」
「ルカリ殿いかがですか?」
「すばらしいな!これで、10リング!もちろん払いますよ!
2人で20ですね。いや、大満足だ!!」
ちょっと棒読みだけど仕方がない。
「ありがとうございます。
あ、ルカリ殿、あとで相談したいことがりますから、
煙臭いですが、中でお待ちねがいますか?」
「ええ。」
そんな感じで商品もぽつぽつ売れる。
大人買いはない。
それでも、タオルは10枚ほど、クッションは人気商品だ。
ここに来たことを知られたくないのか、
次が来たら、では、と帰っていく。
計、36組、62人。従者の方も40人。
この人たちには、内緒だよとクッキーを。
馬たちには、おいしい水とお茶葉を。
800リング超えの売り上げだ。
もうそろそろ半分。
「愛しい人!撤収だ。急げ!」
最後の客を見送り、
ルカリさんにサウナの使い方を説明して、送り出す。
「シート!ありがとうね!」
「こ、こっちこそ!」
「ルカリ殿も!」
「いえ!さっそくこれを使ってみます!」
「感想聞かせて下さい!」
送り出すと同時に撤収。
2組の馬車が来る。これらはさくっと無視だ。
嫌な気をまき散らしている。
『鶏館よ、わたし達の気配を消して?向こうの声は伝ておくれ。
秘儀居留守だよ』
師匠たちは忙しいので甘味をたらふく食べた後帰っていく。
ツイミさんとオート君にタルトを持っていってもらおう。
ガイライ達は軍部の様子を見に行くそうだ。
「ばれない?」
「見抜くようなものがいれば、それこそ軍部は安泰だ。」
「石を使われたら?」
「常に使っているものでもない。怪しいと思うから使うんだよ。
その怪しさがないからな。」
「おお!」
「しかし、下町か!俺の住んでたところもそこなんだ。
また違ったところを案内するよ。」
「王都か、都下に住まなかったの?」
「合わなかったからな。」
「そうか。じゃ、また案内してください。」
「おう。」
「外の。あれが新しい隊長ですね。それと生産副院長だ。」
ドンドン
ドンドン
誰も出ない
先ほどすれ違ったのはルカリだ
ここを訪ねたはず
気配もないな
本当か?
それぐらい私もわかりますよ
さすが軍部隊長だな
ええ、ガイライはなにも気付かなかったとか
らしいな
しかし、どこも燃えていないな
矢が届かなかたんだろう?何人かが火傷だけして帰ってきた
なさけない。鍛練は?
は!軍人は命令できればいい
実際に動くのは下民か、もしくは金で雇った傭兵でいい
我々が鍛錬することはないな
力の強いものが歯向かうのでは?
はは!それこそ銃と糸がある
金が要るな
コットワッツからもらえばいい
あいつも馬鹿なまねをしたもんだ
止めなかたんだろ?
うまくいけばそれで、ダメならあれの金がなくなるだけだったんで
いまどうしてるんだ?
しらんよ
は!戻ろう。中に入るのはいまはいい。中央院に顔をださないと
私も行こう
ご機嫌伺いか?
大事だろう?
そうだな
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