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79. 最悪とか、それ以下とか
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あたしはひたすら歩いた。
ドアをノックする、開ける、中を確認する、隣のドアをノックする。
ずらりと並んだ客室のフロアは、そのほとんどが無人のようだった。
いくつめの部屋だろうか、ドアを閉めようとした時にふと横にかけられた鏡が視界に飛び込んできた。真っ青な顔の自分と見つめ合って、やっとマスクをしてないことに気づいた。さっきのもみ合いの時に落っことしてしまったらしい。
それどころか、作業服の胸元もボタンは弾け飛んで、かなり派手に破れていた。妙にすうすうすると思ったけど、気が付く余裕がなかった。
「最悪……あいつ、馬鹿力過ぎ」
裂けた布地の間から下着が見えてしまっている。何とかしようにも着替えもない。
仕方なく手で掻き合わせた時に、ひやりと冷たいものが背筋を駆け抜けた。
ペンダントの感触がない。
「やだ、ウソッ……な、なんで!?」
慌てて服をはたいたけど、ペンダントはどこにもなかった。さっき、服と一緒に掴まれて鎖の部分が引きちぎれたのだろう。
「さっきのとこに落ちてるかも! すぐ戻らないと……」
ミカの丸まった背中が浮かんで、引き返しかけた足が止まった。
あそこには戻れない。少なくとも、今は。
あたしはその場に立ちすくんだ。まだチェックしてない部屋はたくさんある。それなのに、足が動かない。指が何度も、何もない胸元を探った。
「朱虎……」
ペンダントをなくしたって朱虎が知ったら、どんな反応をするだろうか。
『そんなこったろうと思いました』とかなんとか皮肉っぽいことを言って肩をすくめるかもしれない。
でもその前に、マフィアを怒鳴りつけたことを叱られそう。『いい加減、周りを見られるようになりなさい』って怖い顔で言われるだろう。
ていうか、そもそもこんなところに忍び込んでるあたしを見て、朱虎は何て言うだろう?
絶対呆れた顔をする。何なら『呆れました』って言う。
「……誰のせいでこんなとこにいると思ってんのよ、バカ」
空想の朱虎に呟いたら不意に泣きそうになった。
慌ててぎゅっと顔に力を込めた時、どこかでドアが開く音がした。
思わずドキッとしたけど、どうやらドアの音は角を曲がった先からのようだ。
「誰かいる……?」
そろっと角から覗いて、もう一度ドキッとした。
大きく開いたドアにさっと入っていったのは、あの美少女だったからだ。
「来たわよ! 具合はどう、アケトラ?」
赤い髪が翻り、バタン! と大きな音を立ててドアが閉まる。あたしはぽかんとしてドアを見つめた。
聞き間違いじゃなければ、今、確かに美少女は「アケトラ」と言った。
「あそこに……朱虎がいるかも」
急に緊張してきた。あたしはぎくしゃくと壁に貼り付いて角を曲がった。
近づいてみると、ドアはほんの少しだけ開いていた。勢いよく閉めすぎて、反動で逆に開いちゃったらしい。
「……ええい、イチかバチか!」
あたしは覚悟を決めて、そーっとドアを開けた。よく手入れされているらしいドアは軋みもせず滑らかに開く。
中からはふわりと消毒液の匂いがした。部屋の奥に置かれたベッドは天蓋付きで、カーテンは閉められている。
どうやら美少女はベッドに登っているようで、ベッド脇にミュールが転がっていた。
胸の奥がざわざわと波立つ。あたしは知らず知らずのうちに部屋の中に踏み込んでいた。
「ジーノ、来たの?」
不意に人影が動き、カーテンが揺れた。カーテンが持ち上げられる前に、あたしはとっさにクローゼットの影に飛び込んだ。
「あら? 気のせいかしら」
どうやら見つからずに済んだらしい。思わずほーっ、と息をついた時、もう一人の声がした。
「そんなに身を乗り出したらベッドから落ちますよ」
危うく声が出そうになって、あたしは慌てて口を押えた。
低い、少しかすれたような声は聞き間違いようもない。朱虎の声だ。
「そんなドジしないわよ、あなたの前で」
「どうでしょうね。……まあ、落ちたところで怪我はしないでしょうが」
朱虎だ。ちゃんといた。
割と元気そうだけど、怪我の具合はどうなんだろうか。
嫌なことをされてないだろうか。
今すぐ叫んで駆け寄りたい。でも、喉が震えて声が出ない。
とにかく落ち着こうと深呼吸した時、美少女が甘えるような声を出した。
「怪我したらアケトラが手当てしてくれるでしょ? 今までさんざんやってあげたんだから」
「……もちろん、喜んでやらせていただきますよ」
「ふふっ、そうでなくちゃ。……ねえ、キスして」
「キッ……!?」
またしても声が出かけた。
今、何て言った?
キスして!?
誰が誰に!?
「……もうすぐ医者が来ますよ」
「だから何? 見せつけてやればいいじゃない」
いやいやいやいや、何言ってんだ美少女!?
そんなもの、朱虎が応じるわけない……
「……こっちに来てください。そこじゃ遠すぎる」
「ふふっ」
あたしはクローゼットにかじりついた。ベッドを覆うカーテンが少し揺れて、衣擦れの音がする。わずかに見える影が移動するのが見えて、嫌な汗がどっと噴き出した。
嘘。ほんとに? どうしよう、どうする!? どうしたらいい!?
頭の中は忙しく回っているのに体は動かないまま、ものすごく長い時間が流れた気がした。
不意にカーテンが内側からばさりと揺れて、飛び上がりかける。
「もう! おでこにキスなんて、子供扱いはやめて!」
「お気に召しませんでしたか」
「当たり前でしょ」
一気に緊張が解けて、あたしはへなへなとクローゼットにもたれかかった。
良かった、おでこならセーフ。
いや、おでこでも嫌だけど。すごく嫌だけど。
そもそも、カーテン引いたベッドの上に一緒にいるのがもう既にすごいヤなシチュエーションなんだけど。
そうだ、こんなところで脱力してる場合じゃない。ここまで来たんだから、いっそベッドから美少女引きずりおろしてやる!
「まあいいわ、許してあげる。その代わり、イタリアではうんと甘やかしてもらうわよ」
「……ええ、わかりました」
立ち上がりかけた姿勢のまま、あたしはまたしても硬直した。
イタリア?
「何? むっつりしちゃって。やっぱりイタリアに行きたくないとか」
「いえ、そんなことはありません」
ぴしりと胸がひび割れる音がした。
息が詰まる。さっき胸倉をつかまれた時より、もっと苦しい。
さっきから何の話をしてるの?
まるで、朱虎がイタリアに行っちゃうみたいな……。
「あなたは命の恩人です。恩は返しますよ……イタリアでもどこでも、あなたについていく。約束は守ります」
「アハッ、日本のヤクザってホントに義理堅いのね。こっちの組の方は良いの?」
「けじめはつけました、ご心配なく」
お尻に床の感触がして、あたしはハッとした。いつの間にかまたへたり込んでしまっていたらしい。
けじめって――けじめって、あの電話のこと?
あんなの全然けじめになんかなってない。
怒鳴りたいのに、声は出なかった。
それどころか体に力が入らない。
動けないまま、部屋で交わされる会話だけがやけにはっきりと耳に入ってくる。
「ねえ。あたしについてくるのは、義理だけ? はっきり答えて」
「まあ、あなたが恐ろしく美人だからってのもありますよ、もちろん」
うふふ、と喉を鳴らすような笑い声と衣擦れの音。
「ねえ、包帯換えてあげる。あなたの赤い虎を見せて」
あたしはぎゅっと耳をふさいだ。
今までさんざん『朱虎は美少女にほだされちゃったのかも』って騒いでおきながら、どこか本気じゃなかったことを思い知らされた。
朱虎があたしから離れて、どこか遠くに行っちゃうなんて――自分からそれを望むなんて、ホントは全然信じてなかった。だって朱虎は小さなころからうちにいて、おじいちゃんを尊敬してて、ずっとあたしの傍にいるって約束してくれたから。
朱虎は本気なんだ。本当に、本気であたしの傍からいなくなっちゃうんだ。
急に、その場にうずくまっている自分がとんでもなく惨めでいたたまれなくなった。
今すぐここから逃げ出したい。目の前のドアからこっそり出よう。気づかれないうちに、急いで――
次の瞬間、前触れなくドアが開いた。
「ごめん、遅くなった。今……」
部屋に足を踏み入れかけたお医者さんとあたしは、まともに目を合わせた。
お医者さんが固まり、朱虎と同じ色をした瞳が驚愕に見開かれた。
ドアをノックする、開ける、中を確認する、隣のドアをノックする。
ずらりと並んだ客室のフロアは、そのほとんどが無人のようだった。
いくつめの部屋だろうか、ドアを閉めようとした時にふと横にかけられた鏡が視界に飛び込んできた。真っ青な顔の自分と見つめ合って、やっとマスクをしてないことに気づいた。さっきのもみ合いの時に落っことしてしまったらしい。
それどころか、作業服の胸元もボタンは弾け飛んで、かなり派手に破れていた。妙にすうすうすると思ったけど、気が付く余裕がなかった。
「最悪……あいつ、馬鹿力過ぎ」
裂けた布地の間から下着が見えてしまっている。何とかしようにも着替えもない。
仕方なく手で掻き合わせた時に、ひやりと冷たいものが背筋を駆け抜けた。
ペンダントの感触がない。
「やだ、ウソッ……な、なんで!?」
慌てて服をはたいたけど、ペンダントはどこにもなかった。さっき、服と一緒に掴まれて鎖の部分が引きちぎれたのだろう。
「さっきのとこに落ちてるかも! すぐ戻らないと……」
ミカの丸まった背中が浮かんで、引き返しかけた足が止まった。
あそこには戻れない。少なくとも、今は。
あたしはその場に立ちすくんだ。まだチェックしてない部屋はたくさんある。それなのに、足が動かない。指が何度も、何もない胸元を探った。
「朱虎……」
ペンダントをなくしたって朱虎が知ったら、どんな反応をするだろうか。
『そんなこったろうと思いました』とかなんとか皮肉っぽいことを言って肩をすくめるかもしれない。
でもその前に、マフィアを怒鳴りつけたことを叱られそう。『いい加減、周りを見られるようになりなさい』って怖い顔で言われるだろう。
ていうか、そもそもこんなところに忍び込んでるあたしを見て、朱虎は何て言うだろう?
絶対呆れた顔をする。何なら『呆れました』って言う。
「……誰のせいでこんなとこにいると思ってんのよ、バカ」
空想の朱虎に呟いたら不意に泣きそうになった。
慌ててぎゅっと顔に力を込めた時、どこかでドアが開く音がした。
思わずドキッとしたけど、どうやらドアの音は角を曲がった先からのようだ。
「誰かいる……?」
そろっと角から覗いて、もう一度ドキッとした。
大きく開いたドアにさっと入っていったのは、あの美少女だったからだ。
「来たわよ! 具合はどう、アケトラ?」
赤い髪が翻り、バタン! と大きな音を立ててドアが閉まる。あたしはぽかんとしてドアを見つめた。
聞き間違いじゃなければ、今、確かに美少女は「アケトラ」と言った。
「あそこに……朱虎がいるかも」
急に緊張してきた。あたしはぎくしゃくと壁に貼り付いて角を曲がった。
近づいてみると、ドアはほんの少しだけ開いていた。勢いよく閉めすぎて、反動で逆に開いちゃったらしい。
「……ええい、イチかバチか!」
あたしは覚悟を決めて、そーっとドアを開けた。よく手入れされているらしいドアは軋みもせず滑らかに開く。
中からはふわりと消毒液の匂いがした。部屋の奥に置かれたベッドは天蓋付きで、カーテンは閉められている。
どうやら美少女はベッドに登っているようで、ベッド脇にミュールが転がっていた。
胸の奥がざわざわと波立つ。あたしは知らず知らずのうちに部屋の中に踏み込んでいた。
「ジーノ、来たの?」
不意に人影が動き、カーテンが揺れた。カーテンが持ち上げられる前に、あたしはとっさにクローゼットの影に飛び込んだ。
「あら? 気のせいかしら」
どうやら見つからずに済んだらしい。思わずほーっ、と息をついた時、もう一人の声がした。
「そんなに身を乗り出したらベッドから落ちますよ」
危うく声が出そうになって、あたしは慌てて口を押えた。
低い、少しかすれたような声は聞き間違いようもない。朱虎の声だ。
「そんなドジしないわよ、あなたの前で」
「どうでしょうね。……まあ、落ちたところで怪我はしないでしょうが」
朱虎だ。ちゃんといた。
割と元気そうだけど、怪我の具合はどうなんだろうか。
嫌なことをされてないだろうか。
今すぐ叫んで駆け寄りたい。でも、喉が震えて声が出ない。
とにかく落ち着こうと深呼吸した時、美少女が甘えるような声を出した。
「怪我したらアケトラが手当てしてくれるでしょ? 今までさんざんやってあげたんだから」
「……もちろん、喜んでやらせていただきますよ」
「ふふっ、そうでなくちゃ。……ねえ、キスして」
「キッ……!?」
またしても声が出かけた。
今、何て言った?
キスして!?
誰が誰に!?
「……もうすぐ医者が来ますよ」
「だから何? 見せつけてやればいいじゃない」
いやいやいやいや、何言ってんだ美少女!?
そんなもの、朱虎が応じるわけない……
「……こっちに来てください。そこじゃ遠すぎる」
「ふふっ」
あたしはクローゼットにかじりついた。ベッドを覆うカーテンが少し揺れて、衣擦れの音がする。わずかに見える影が移動するのが見えて、嫌な汗がどっと噴き出した。
嘘。ほんとに? どうしよう、どうする!? どうしたらいい!?
頭の中は忙しく回っているのに体は動かないまま、ものすごく長い時間が流れた気がした。
不意にカーテンが内側からばさりと揺れて、飛び上がりかける。
「もう! おでこにキスなんて、子供扱いはやめて!」
「お気に召しませんでしたか」
「当たり前でしょ」
一気に緊張が解けて、あたしはへなへなとクローゼットにもたれかかった。
良かった、おでこならセーフ。
いや、おでこでも嫌だけど。すごく嫌だけど。
そもそも、カーテン引いたベッドの上に一緒にいるのがもう既にすごいヤなシチュエーションなんだけど。
そうだ、こんなところで脱力してる場合じゃない。ここまで来たんだから、いっそベッドから美少女引きずりおろしてやる!
「まあいいわ、許してあげる。その代わり、イタリアではうんと甘やかしてもらうわよ」
「……ええ、わかりました」
立ち上がりかけた姿勢のまま、あたしはまたしても硬直した。
イタリア?
「何? むっつりしちゃって。やっぱりイタリアに行きたくないとか」
「いえ、そんなことはありません」
ぴしりと胸がひび割れる音がした。
息が詰まる。さっき胸倉をつかまれた時より、もっと苦しい。
さっきから何の話をしてるの?
まるで、朱虎がイタリアに行っちゃうみたいな……。
「あなたは命の恩人です。恩は返しますよ……イタリアでもどこでも、あなたについていく。約束は守ります」
「アハッ、日本のヤクザってホントに義理堅いのね。こっちの組の方は良いの?」
「けじめはつけました、ご心配なく」
お尻に床の感触がして、あたしはハッとした。いつの間にかまたへたり込んでしまっていたらしい。
けじめって――けじめって、あの電話のこと?
あんなの全然けじめになんかなってない。
怒鳴りたいのに、声は出なかった。
それどころか体に力が入らない。
動けないまま、部屋で交わされる会話だけがやけにはっきりと耳に入ってくる。
「ねえ。あたしについてくるのは、義理だけ? はっきり答えて」
「まあ、あなたが恐ろしく美人だからってのもありますよ、もちろん」
うふふ、と喉を鳴らすような笑い声と衣擦れの音。
「ねえ、包帯換えてあげる。あなたの赤い虎を見せて」
あたしはぎゅっと耳をふさいだ。
今までさんざん『朱虎は美少女にほだされちゃったのかも』って騒いでおきながら、どこか本気じゃなかったことを思い知らされた。
朱虎があたしから離れて、どこか遠くに行っちゃうなんて――自分からそれを望むなんて、ホントは全然信じてなかった。だって朱虎は小さなころからうちにいて、おじいちゃんを尊敬してて、ずっとあたしの傍にいるって約束してくれたから。
朱虎は本気なんだ。本当に、本気であたしの傍からいなくなっちゃうんだ。
急に、その場にうずくまっている自分がとんでもなく惨めでいたたまれなくなった。
今すぐここから逃げ出したい。目の前のドアからこっそり出よう。気づかれないうちに、急いで――
次の瞬間、前触れなくドアが開いた。
「ごめん、遅くなった。今……」
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