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2章 村での生活

49話 意外と怖い!? VRゲーム

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 ……うん、思い込みには気を付けないとだな。


《それと恐らく気付いてないと思いますが、リョウさんは少し体調を崩してると思いますよ? ……勿論現実の方で、です》
「え? いやいや、そんなはずは……」


 今日は作業を明日の分まで前倒しでやったくらいだし、そんなに疲れては…………

 って待てよ……?


「あー……そういえば今日はゆっくりゲームしたくて、明日の分の仕事も頑張って終わらせたんだったか……」

《それは……どおりで顔色が悪いはずです。リョウさん、いいですか? こちらでのHPやMPの使いすぎは、僅かに現実の体にも疲労として表れます》
「そうなの!?」

《はい。使いすぎるということは、アバターを酷使していることに他ならないからです。つまり、脳に負担が掛かるのは必然なんですよ》


 そうか……ここにはVRコネクトを使用して接続してるからか……


 普通のテレビゲームならともかく、VRは目と脳にかなりの疲労をもたらす。

 更に、今使用しているVRコネクトはゲーム内でどんなに動き回っても、現実で体を動かすことがないようになっている。

 つまり、脳から手足に行くはずの指示がゲーム内のアバターに反映されるようになってるんだ。

 詳しい仕組みは分からないが、呼吸などは問題ないらしいが。

 そのゲーム内部で激しく動いたりしてHPやMPを酷使しているのは、脳を酷使してるのと同じこと……になる、のか……?


 ……よくよく考えると、結構怖いことでもあるんだな……


《ちなみに以前のように一撃でやられた場合は、ある意味一動作なので酷使したとは言いませんが……意識を失うとなると、やはり脳にも負担がかかるはずです》

「ん? 一撃でって……それは、女将さんの時の?」

《そうです》


 そっか。やられた時は本来、指定した場所で復活する。

 その時プレイヤー自体の意識は残ってて、プレイヤーからしたら視界が切り替わっただけ……

 という感じだったはず。

 改めて考えると、ちょくちょく意識飛んでる俺が異常なんだな。


《どうやら分かってもらえたようですね?》

「俺は、現実にまで悪影響が出ることをしていたんだね……」

《そうです。それを踏まえて、今日はあまり無理のない範囲での行動をおすすめします!》

「了解。この後は錬金術と料理くらいだが、のめり込み過ぎないように……ということだよね?」

《ご理解いただけて良かったです!》


 嬉しそうに頬にすりすりと体を擦り寄せてくるブレンを撫でながら、俺は無茶しないように気を付けようと思ったが──



「悪いんだけど、錬金術をうちの部屋でやるのは勘弁してもらえないかい?」


 そもそも、錬金術は出来ないかも知れない……
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