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2章 村での生活

50話 自業自得

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 宿に戻った俺達は、すぐ女将さんに錬金術の話をしたのだが……

 あっさりと断られてしまった。

 理由は──ある意味当然とも言えるかもしれないが……


「あたしも、あんなに旨い物を貰ったからにはお返しとして貸してあげたいんだがねぇ……以前みたいに強い匂いが出ないとも限らないんだろう?」

「……はい。勿論気を付けるつもりではありますが、錬金術も調合も途中経過がどのようになるのか、全く予想がつかないので……」


 そう──以前セージ君の強壮剤を作った次の日の調合の時に、俺は先日使わせて貰ったからと許可も取らずに調合をやってしまい……

 挙げ句には部屋をとても青臭くしてしまい、このままでは不味いと思ってすぐに窓を開け放ったが、換気だけするとすぐに外出してしまった。

 しかしその匂いは一階にまで及んでいたらしく……

 すぐ異変に気付いた女将さんは、ラベンダーに頼んで魔法で換気をしてもらったらしい……

 つくづく、申し訳ない……!


「その節は、誠に申し訳有りませんでした……!」

「あの日は、あたしが勘違いであんたをぶっ飛ばしちまったこともあるし……それに、直接見てはいないがまたタンジーを守ったんだって? そりゃなんも言わない事に腹は立ったが、あんたがやったことを考えたら文句言う気にもならないよ」


 女将さんに言われて吹っ飛ばされたことを思い出したけど、そういえばあの暴れたプレイヤーの処罰はどうなったのだろうか……?


「あんた、人の話を聞いてんのかい?」


 しまった、つい癖で考え込んでた……!


「すみません! その時のことを思い出してました……」

「はぁ……まあいいけど、とにかく! 今後は緊急時以外の調合とかは遠慮して貰えるかい?」

「はい、分かりました……」




 落ち込みながら宿を出た俺は、村を見て回りながら錬金術をどこでやるか考え込んでいた。

 とりあえず作業台があれば出来るわけだし、どこか村の外れでやるかな?

 いやでも、万が一変な臭いとかが発生したらヤバいよなぁ……


「お兄さんうなってるけど、どうかしたの?」
「えっ!? タンジー!?」


 声をかけられるまで後ろにいることに気付かなかった……


「いつの間に俺の後ろに?」

「ちょっと前だよ? 少しとおくからも声をかけたんだけど、きこえてなかったみたいだから」

「全然聞こえてなかった……」

《私は聞こえてましたよ》

「ブレンちゃん! さっきぶり!」

《タンジーさん、こんにちは》


 ブレンはタンジーの肩に停まると、毛繕いをしながら挨拶をした。
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