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第三章 大学生活と再会とオカルト
9.
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9.
―弟不信気味だわぁ
久しぶりの実家のリビング。両親は仕事で不在。ソファーの上でだらけていれば、用意される冷たい麦茶。置かれたのは、私と―無理矢理家によんだ―チサの分。
―おかしい
幸助はこんなに甲斐甲斐しいタイプではなかったはず。そう言えば、去年の夏休みなんて、「大事な試合があるから」と家に帰ってすら来なかったのに。これを弟の成長と喜ぶべきなのか、いや、しかし、
―非常に怪しい
「…」
「…何だよ」
ローテーブルに置かれたお茶。これは、私に用意されたものなのか、それとも、私の分はチサのついでにすぎないのか。ついつい、湿度の高い視線で幸助を見てしまう。
「…お姉ちゃん、部屋に引っ込んでようか?」
「!?うっせ!何だよソレ!」
「あ」
照れなのか何なのか。明らかに顔を赤くした幸助が、私の隣に座るチサを見て、焦ったように部屋を出ていってしまった。
少しからかいすぎたかと反省しつつ、擦れていない弟の様子に安堵していれば、ローテーブルに置いた携帯がメールの受信を知らせて鳴った。
開いてみれば、送信者の欄には、久しぶりに見る名前。
「ん?珍しい。美歌からメールが来た」
「…何て?」
「『久しぶりに会えないか?』って。特に何の用とは書いてないよ。『高校の時は無視してごめんね?』とかかな?」
「無い」
「無いか」
確信ぎみに頷くチサ、私も敢えて反論はすまい。
「…会うの?」
「うーん。断る理由も特にないし、仲直りっていうか、スッキリしたい気もするから会いに行こうかな。チサも、」
「行かない」
「はい」
わかっていた即答を、大人しく受け入れる。
そう、ならば仕方ない―
胸に浮かんだ小さな企みを実行すべく、メールへの返信を打つ。
―弟不信気味だわぁ
久しぶりの実家のリビング。両親は仕事で不在。ソファーの上でだらけていれば、用意される冷たい麦茶。置かれたのは、私と―無理矢理家によんだ―チサの分。
―おかしい
幸助はこんなに甲斐甲斐しいタイプではなかったはず。そう言えば、去年の夏休みなんて、「大事な試合があるから」と家に帰ってすら来なかったのに。これを弟の成長と喜ぶべきなのか、いや、しかし、
―非常に怪しい
「…」
「…何だよ」
ローテーブルに置かれたお茶。これは、私に用意されたものなのか、それとも、私の分はチサのついでにすぎないのか。ついつい、湿度の高い視線で幸助を見てしまう。
「…お姉ちゃん、部屋に引っ込んでようか?」
「!?うっせ!何だよソレ!」
「あ」
照れなのか何なのか。明らかに顔を赤くした幸助が、私の隣に座るチサを見て、焦ったように部屋を出ていってしまった。
少しからかいすぎたかと反省しつつ、擦れていない弟の様子に安堵していれば、ローテーブルに置いた携帯がメールの受信を知らせて鳴った。
開いてみれば、送信者の欄には、久しぶりに見る名前。
「ん?珍しい。美歌からメールが来た」
「…何て?」
「『久しぶりに会えないか?』って。特に何の用とは書いてないよ。『高校の時は無視してごめんね?』とかかな?」
「無い」
「無いか」
確信ぎみに頷くチサ、私も敢えて反論はすまい。
「…会うの?」
「うーん。断る理由も特にないし、仲直りっていうか、スッキリしたい気もするから会いに行こうかな。チサも、」
「行かない」
「はい」
わかっていた即答を、大人しく受け入れる。
そう、ならば仕方ない―
胸に浮かんだ小さな企みを実行すべく、メールへの返信を打つ。
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