116 / 159
(115)
しおりを挟む
「アンタさぁ、今後の活動はどうするつもり?今日は無事だったけれど、次も同じとは限らないわよ?」
「そうだな。仮に俺達が真面に動けたとしても、あいつ等には勝てねーだろうからな。残念だが、ここ以外だと……少し前は弦間のダンジョンも他と戦闘していたらしいから、安定している場所。以前護衛で二人を送って行った先、ラスリ王国の縁結びの聖地にできた新しいダンジョンに行ってみるか?」
「それは良いかもしれないわね。何やら噂によれば、一階層が丸々町になっていて好きな家に住めるらしいし、安全だって言うんだからちょっと信じられないけれど、行く価値はあるわね。ひょっとしたら、近くの村でセーギ君やカーリちゃん、イーシャちゃんにプリマちゃんにも会えるかもしれないわ!あの二人、傷は良くなったのかも気になるし、行きましょうよ!」
「お、おう。賛成してくれてよかったぜ。俺としちゃー、移住する勢いなんだが……それでも良いか?」
「大丈夫よ。私達は冒険者。どこでも生活できるでしょ?」
思った以上の勢いに押されているハシムだが、共に移動して活動できる事に安堵している。
当然普通の冒険者なので、荷物も積んで一月以上の馬車の旅を行う事になる。
その原因となった召喚冒険者の吉川と笹岡は……
「笹岡、どうする?あのダンジョン……マスターを仕留められるかもしれないと安易に考えていたけど、あの殺気。ハッキリ言って、俺達の今のレベルじゃ太刀打ちできない」
「確かに、吉川殿の言う通り。何故殺気だけで済んだのかは不明だが、次も無事でいられる保証はない。ここは、移動すべきでは?」
美智や朋美を助けるために、異常に殺気立ったゴースト10体の侵入時の波動を自分達に向けられたものだと勘違いした召喚冒険者の二人も、レベル上げの場所を変える事を決定してしまった。
「そう考えるとそろそろ頃合いかもしれない。あの女もレベル30以降は上昇し辛いと言っていたけど、そこから上昇して今は35もある。これだけあれば、藤代と椎名も始末できるのでは?」
「それは……そうかもしれない。だが、三原に対抗できるかと言われると……正直、不安が残るな」
「大丈夫だよ。あいつは片腕。俺達二人で攻めれば遅れはとらない」
「では、ラスリ王国の今は亡き四宮達がいたダンジョン周辺の魔物を攻めるのか?」
「いや、さっきギルドで噂を聞いたけれど、あの国に何やら新しいダンジョンが二つできて、相当ユルユルらしい。時期的にあの二人、湯原と水元だろうね。あいつ等ダンジョンマスター側だったみたいだよ。丁度良くないか?」
その言葉を聞いて、いやらしい笑みを浮かべる笹岡。
同郷だろうが餌・糧としか見ておらず、自分達が負けるとは爪の先程も思っていない。
「確かに。それで一気にレベル40を超えるわけだ。流石は吉川殿」
この二人も、湯原と水元のダンジョンに向かって移動する事になる……のだが、高レベルの召喚冒険者である為、移住を考えて準備をして馬車で移動するリリアとハシムとかち合う事はなかった。
しかしどこに行っても、ある程度は噂になってしまう召喚冒険者達。
その噂によって、彼ら四人の居場所を察知できている三原。
少し前にダンジョン同士の有りえない戦闘、彼女も地上を移動しているレベルの高い魔物、恐らく眷属と思われる者達やゴーストを発見しており、その姿を見てからは行動を控えて大人しくしていたのだが、騒動も収まり、いつの間にか隣国に逃げていた吉川と笹岡も戻って来るとの情報を掴んで、その行先である湯原と水野のダンジョン方面に移動し始めている。
「フフ、あいつ等は両手を切飛ばして復讐してやる。楽しみだ」
一方自ら裏切って攻撃した三原や、突然豹変した吉川や笹岡に狙われているのは感じながらも、ただひたすらラスリ王国で活動を続けていた藤代と椎名。
味方ですら魔物の影響を受けて裏切る可能性がある事に気が付き、今まで以上に慎重に活動していたのだが……時すでに遅く、召喚冒険者として広く認知されてしまっているので、他の冒険者から同行を求められる事が多くなっている。
持ち上げられて気分が良いのでその申し出を徐々に受けている中で、一時期行方不明になっていた国家所属の召喚冒険者が、縁結びの聖地の出来立てのダンジョンの攻略に向かった事を知る。
そう、ダンジョン間の戦闘に巻き込まれ、半ば強制的に弦間のダンジョンに攻め入った挙句、片腕を失って王城に引きこもっていた岩本だ。
王城に戻った岩本の評判はもちろんすこぶる悪く、最も必要な時に逃げて行った臆病者と揶揄されていたのだが、片腕がなくとも相当強く、このままでは自らの地位も危ういと事態を重く見た国王によって強制的に新たに出来たと言われているダンジョン攻略を命じられたのだ。
この情報を整理している藤代と椎名。
彼女達が知っている新たなダンジョンマスターは四人。
三原に逃げられた場所付近には、できて間もないが既に枯れているダンジョン四つを発見しており、自分達と同時期に召喚された四人の物だと判明している。
そうなると、今有名になっている二つのダンジョンは時期的に湯原と水野のダンジョンであり、結果あの二人はダンジョンマスターであったと理解する。
「あの二人だったら、余裕じゃない?」
「そうだね、彩ぴょん。それに、三階層まではサービス階層らしいよ?やっぱり色々舐めているんじゃないかな?きっと私達みたいに本当の苦労を知らないんだよ。少しお灸をすえる必要があるかもね」
「そうだな。仮に俺達が真面に動けたとしても、あいつ等には勝てねーだろうからな。残念だが、ここ以外だと……少し前は弦間のダンジョンも他と戦闘していたらしいから、安定している場所。以前護衛で二人を送って行った先、ラスリ王国の縁結びの聖地にできた新しいダンジョンに行ってみるか?」
「それは良いかもしれないわね。何やら噂によれば、一階層が丸々町になっていて好きな家に住めるらしいし、安全だって言うんだからちょっと信じられないけれど、行く価値はあるわね。ひょっとしたら、近くの村でセーギ君やカーリちゃん、イーシャちゃんにプリマちゃんにも会えるかもしれないわ!あの二人、傷は良くなったのかも気になるし、行きましょうよ!」
「お、おう。賛成してくれてよかったぜ。俺としちゃー、移住する勢いなんだが……それでも良いか?」
「大丈夫よ。私達は冒険者。どこでも生活できるでしょ?」
思った以上の勢いに押されているハシムだが、共に移動して活動できる事に安堵している。
当然普通の冒険者なので、荷物も積んで一月以上の馬車の旅を行う事になる。
その原因となった召喚冒険者の吉川と笹岡は……
「笹岡、どうする?あのダンジョン……マスターを仕留められるかもしれないと安易に考えていたけど、あの殺気。ハッキリ言って、俺達の今のレベルじゃ太刀打ちできない」
「確かに、吉川殿の言う通り。何故殺気だけで済んだのかは不明だが、次も無事でいられる保証はない。ここは、移動すべきでは?」
美智や朋美を助けるために、異常に殺気立ったゴースト10体の侵入時の波動を自分達に向けられたものだと勘違いした召喚冒険者の二人も、レベル上げの場所を変える事を決定してしまった。
「そう考えるとそろそろ頃合いかもしれない。あの女もレベル30以降は上昇し辛いと言っていたけど、そこから上昇して今は35もある。これだけあれば、藤代と椎名も始末できるのでは?」
「それは……そうかもしれない。だが、三原に対抗できるかと言われると……正直、不安が残るな」
「大丈夫だよ。あいつは片腕。俺達二人で攻めれば遅れはとらない」
「では、ラスリ王国の今は亡き四宮達がいたダンジョン周辺の魔物を攻めるのか?」
「いや、さっきギルドで噂を聞いたけれど、あの国に何やら新しいダンジョンが二つできて、相当ユルユルらしい。時期的にあの二人、湯原と水元だろうね。あいつ等ダンジョンマスター側だったみたいだよ。丁度良くないか?」
その言葉を聞いて、いやらしい笑みを浮かべる笹岡。
同郷だろうが餌・糧としか見ておらず、自分達が負けるとは爪の先程も思っていない。
「確かに。それで一気にレベル40を超えるわけだ。流石は吉川殿」
この二人も、湯原と水元のダンジョンに向かって移動する事になる……のだが、高レベルの召喚冒険者である為、移住を考えて準備をして馬車で移動するリリアとハシムとかち合う事はなかった。
しかしどこに行っても、ある程度は噂になってしまう召喚冒険者達。
その噂によって、彼ら四人の居場所を察知できている三原。
少し前にダンジョン同士の有りえない戦闘、彼女も地上を移動しているレベルの高い魔物、恐らく眷属と思われる者達やゴーストを発見しており、その姿を見てからは行動を控えて大人しくしていたのだが、騒動も収まり、いつの間にか隣国に逃げていた吉川と笹岡も戻って来るとの情報を掴んで、その行先である湯原と水野のダンジョン方面に移動し始めている。
「フフ、あいつ等は両手を切飛ばして復讐してやる。楽しみだ」
一方自ら裏切って攻撃した三原や、突然豹変した吉川や笹岡に狙われているのは感じながらも、ただひたすらラスリ王国で活動を続けていた藤代と椎名。
味方ですら魔物の影響を受けて裏切る可能性がある事に気が付き、今まで以上に慎重に活動していたのだが……時すでに遅く、召喚冒険者として広く認知されてしまっているので、他の冒険者から同行を求められる事が多くなっている。
持ち上げられて気分が良いのでその申し出を徐々に受けている中で、一時期行方不明になっていた国家所属の召喚冒険者が、縁結びの聖地の出来立てのダンジョンの攻略に向かった事を知る。
そう、ダンジョン間の戦闘に巻き込まれ、半ば強制的に弦間のダンジョンに攻め入った挙句、片腕を失って王城に引きこもっていた岩本だ。
王城に戻った岩本の評判はもちろんすこぶる悪く、最も必要な時に逃げて行った臆病者と揶揄されていたのだが、片腕がなくとも相当強く、このままでは自らの地位も危ういと事態を重く見た国王によって強制的に新たに出来たと言われているダンジョン攻略を命じられたのだ。
この情報を整理している藤代と椎名。
彼女達が知っている新たなダンジョンマスターは四人。
三原に逃げられた場所付近には、できて間もないが既に枯れているダンジョン四つを発見しており、自分達と同時期に召喚された四人の物だと判明している。
そうなると、今有名になっている二つのダンジョンは時期的に湯原と水野のダンジョンであり、結果あの二人はダンジョンマスターであったと理解する。
「あの二人だったら、余裕じゃない?」
「そうだね、彩ぴょん。それに、三階層まではサービス階層らしいよ?やっぱり色々舐めているんじゃないかな?きっと私達みたいに本当の苦労を知らないんだよ。少しお灸をすえる必要があるかもね」
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる