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ギルド職員に勧められても未だに湯原と水野のダンジョンに行こうとしない冒険者は放っておくとして、四階層に侵入して薬草を手にしていた冒険者達は10日ほどで王都に戻ったらしく、多少劣化してしまった薬草を国家に納品していた。
通常はギルド納品だが、初めてのダンジョンで初めての戦利品であり、国家納入の指示が出たのだ。
その薬草を手にしているのは、銀髪をオールバックにして玉座にふんぞり返っているラスリ王国の国王であるミド・ラスリ。
「む?余はこれ程の物は見た事が無いが……鑑定して見たか?」
「はっ、冒険者から納品されて即鑑定いたしましたが、陛下の御指摘の通り、有りえない程の高品質……とは言え、この移動で劣化している状態ではありますが、それでも、恐らく大怪我すら数十分で直せるほどの回復薬を作成する事が出来るでしょう」
「……それほどか。で、確かあの混沌の時代の、縁結びの聖地と呼ばれている枯れたダンジョン跡地に新たに出来たばかりのダンジョン……で正しいか?」
「はっ。召喚冒険者からの情報もありますので、直近で召喚が行われたのは確実です」
「確かこの薬草を発見したのは四階層を少し進んだエリア。それも各層が無駄に広いダンジョン……しかも三階層までは魔物無しの上、三階層では体力気力共に回復できると言う、有りえない程温いダンジョンだったな?であれば、未だ力の無いダンジョンマスターが深く攻め込めないように長く足止めしている状態と見た。これ程の宝を生み出せるのであれば、至急配下に置く必要があろう。直ぐに岩本を呼んでまいれ!」
湯原と水野のダンジョンが存在している場所を統治している国家であるラスリ王国の国王ミド・ラスリが、その無駄に肥えたお腹を揺らしながら欲望にまみれた醜い笑みをこぼしつつ、その銀目で傍に控える騎士に指示を出す。
指示を出された騎士は部屋から退出すると、移動しつつも愚痴をこぼす。
「ちっ、結局召喚者に頼るのかよ。俺達騎士を何だと思っていやがる!」
岩本と言う名前からわかる通り、今国王が呼び出したのは国家に所属するに至った召喚冒険者の岩本 道治《みちはる》だ。
レベルは43であり騎士も直接文句を言う事は出来ないが、仮に戦闘になった場合には、多数の魔道具や人海戦術を持つ国家が勝利を収める事が出来るのは間違いない。
いくらレベルが高くとも不眠で戦える訳はないし、食事や水分摂取も必要になり、どうしても隙ができるのだ。
その岩本がなぜ国家に所属しているかと言うと、とあるダンジョンを攻略してレベルが43になった際、破壊されたコアの破片を納入して国家に認められ、特別待遇の地位を勝ち取ったのだ。
もちろんそれだけでは国家に召し抱えられる可能性は高くないが、この岩本、そのレベルアップによってダンジョン関連を対象とした契約魔法の能力を手に入れていた。
自らのレベル以下であれば、例えダンジョンマスターであろうが配下にする事が出来るのだ。
ダンジョンマスターを配下にする事の証明は直ぐには出来ないが、代わりに複数の魔物を配下にして大人しくして見せてその能力を証明した。
仮にこの力を使ってダンジョンマスターを配下にできれば、他国に侵攻する際の戦力は全てダンジョンの魔物で補えると言う破格のメリットがあるので、高い報酬と立場の保証と言う餌で国家所属とさせていた。
逆に言えば、その力で国家に牙を向ける可能性もあるのだが……
その事も考慮して十分な金銭と立場を与えており、その立場を分かっているのか非常に態度が悪いので、騎士達やメイド、執事、その他の面々からの評判はすこぶる悪い。
その岩本を国家として使う時がようやくやってきたのだ。
騎士が呼びに行った数十分後……本来は数分で謁見の間に到着できるはずなのだが、立場を分からせるつもりか何なのか、予想以上に遅く到着する岩本。
「お待たせしました。俺が思うに、俺の力で攻略すべきダンジョンが見つかった……と言う所ですか?」
「そうだ。実は混沌の時代の原因となったダンジョン、今では縁結びの聖地と呼ばれている場所にあった番のダンジョンだが、どうやら少し前の召喚者によって復活したらしい。情報があるのは四階層までだが、各階層が異常に広く……何と言おうか、侵入者に優しい階層になっておる。四階層で始めてチュートが出てくる位なのだが、そこで得られる報酬、この薬草が非常に高価なのでな」
「俺が思うに、初期のダンマスは力が無いはずです。となると、各階層を大きくする事で侵入者の量を稼ぎ、その分でダンジョンを強化しようとしている……であれば、早めに俺が行けば、容易に配下にできるはずです」
「そうなのだ。そこで岩本の出番と言う訳だ。直ぐにでも発てるか?」
「お任せください。俺が思うに……冒険者が侵入するようになってからそう時間は経っていないのでしょう?であれば、精々一桁の階層のはず。俺自身の侵入によってダンジョンを強化させないように、一気に決めてやりますよ」
「おぉ、頼もしいぞ。岩本であれば、そう待たずに吉報を届けてくれると確信しておる」
「俺が思うに、ここからダンジョンまでは馬車で10日程度だったはず。であれば、一時間程度で到着できるでしょう」
……ザワザワ……
自信満々に、馬車で10日程度の距離を一時間で到着できると言い切った岩本の言葉を聞いて、流石に周囲はざわついてしまう。
「俺が思うに、今から行っても中途半端ですから、明日朝から向かいそのままダンジョンに入り、さっさと攻略して遅くとも明後日には帰ってきますよ。朗報と共に!」
この話を聞いて喜色満面の国王と、非常に面白くないと言う顔をしている騎士や周囲の貴族達の表情が二極化していた。
通常はギルド納品だが、初めてのダンジョンで初めての戦利品であり、国家納入の指示が出たのだ。
その薬草を手にしているのは、銀髪をオールバックにして玉座にふんぞり返っているラスリ王国の国王であるミド・ラスリ。
「む?余はこれ程の物は見た事が無いが……鑑定して見たか?」
「はっ、冒険者から納品されて即鑑定いたしましたが、陛下の御指摘の通り、有りえない程の高品質……とは言え、この移動で劣化している状態ではありますが、それでも、恐らく大怪我すら数十分で直せるほどの回復薬を作成する事が出来るでしょう」
「……それほどか。で、確かあの混沌の時代の、縁結びの聖地と呼ばれている枯れたダンジョン跡地に新たに出来たばかりのダンジョン……で正しいか?」
「はっ。召喚冒険者からの情報もありますので、直近で召喚が行われたのは確実です」
「確かこの薬草を発見したのは四階層を少し進んだエリア。それも各層が無駄に広いダンジョン……しかも三階層までは魔物無しの上、三階層では体力気力共に回復できると言う、有りえない程温いダンジョンだったな?であれば、未だ力の無いダンジョンマスターが深く攻め込めないように長く足止めしている状態と見た。これ程の宝を生み出せるのであれば、至急配下に置く必要があろう。直ぐに岩本を呼んでまいれ!」
湯原と水野のダンジョンが存在している場所を統治している国家であるラスリ王国の国王ミド・ラスリが、その無駄に肥えたお腹を揺らしながら欲望にまみれた醜い笑みをこぼしつつ、その銀目で傍に控える騎士に指示を出す。
指示を出された騎士は部屋から退出すると、移動しつつも愚痴をこぼす。
「ちっ、結局召喚者に頼るのかよ。俺達騎士を何だと思っていやがる!」
岩本と言う名前からわかる通り、今国王が呼び出したのは国家に所属するに至った召喚冒険者の岩本 道治《みちはる》だ。
レベルは43であり騎士も直接文句を言う事は出来ないが、仮に戦闘になった場合には、多数の魔道具や人海戦術を持つ国家が勝利を収める事が出来るのは間違いない。
いくらレベルが高くとも不眠で戦える訳はないし、食事や水分摂取も必要になり、どうしても隙ができるのだ。
その岩本がなぜ国家に所属しているかと言うと、とあるダンジョンを攻略してレベルが43になった際、破壊されたコアの破片を納入して国家に認められ、特別待遇の地位を勝ち取ったのだ。
もちろんそれだけでは国家に召し抱えられる可能性は高くないが、この岩本、そのレベルアップによってダンジョン関連を対象とした契約魔法の能力を手に入れていた。
自らのレベル以下であれば、例えダンジョンマスターであろうが配下にする事が出来るのだ。
ダンジョンマスターを配下にする事の証明は直ぐには出来ないが、代わりに複数の魔物を配下にして大人しくして見せてその能力を証明した。
仮にこの力を使ってダンジョンマスターを配下にできれば、他国に侵攻する際の戦力は全てダンジョンの魔物で補えると言う破格のメリットがあるので、高い報酬と立場の保証と言う餌で国家所属とさせていた。
逆に言えば、その力で国家に牙を向ける可能性もあるのだが……
その事も考慮して十分な金銭と立場を与えており、その立場を分かっているのか非常に態度が悪いので、騎士達やメイド、執事、その他の面々からの評判はすこぶる悪い。
その岩本を国家として使う時がようやくやってきたのだ。
騎士が呼びに行った数十分後……本来は数分で謁見の間に到着できるはずなのだが、立場を分からせるつもりか何なのか、予想以上に遅く到着する岩本。
「お待たせしました。俺が思うに、俺の力で攻略すべきダンジョンが見つかった……と言う所ですか?」
「そうだ。実は混沌の時代の原因となったダンジョン、今では縁結びの聖地と呼ばれている場所にあった番のダンジョンだが、どうやら少し前の召喚者によって復活したらしい。情報があるのは四階層までだが、各階層が異常に広く……何と言おうか、侵入者に優しい階層になっておる。四階層で始めてチュートが出てくる位なのだが、そこで得られる報酬、この薬草が非常に高価なのでな」
「俺が思うに、初期のダンマスは力が無いはずです。となると、各階層を大きくする事で侵入者の量を稼ぎ、その分でダンジョンを強化しようとしている……であれば、早めに俺が行けば、容易に配下にできるはずです」
「そうなのだ。そこで岩本の出番と言う訳だ。直ぐにでも発てるか?」
「お任せください。俺が思うに……冒険者が侵入するようになってからそう時間は経っていないのでしょう?であれば、精々一桁の階層のはず。俺自身の侵入によってダンジョンを強化させないように、一気に決めてやりますよ」
「おぉ、頼もしいぞ。岩本であれば、そう待たずに吉報を届けてくれると確信しておる」
「俺が思うに、ここからダンジョンまでは馬車で10日程度だったはず。であれば、一時間程度で到着できるでしょう」
……ザワザワ……
自信満々に、馬車で10日程度の距離を一時間で到着できると言い切った岩本の言葉を聞いて、流石に周囲はざわついてしまう。
「俺が思うに、今から行っても中途半端ですから、明日朝から向かいそのままダンジョンに入り、さっさと攻略して遅くとも明後日には帰ってきますよ。朗報と共に!」
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