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祝いの中の真実に-鍵を守護する者⑥下-
心を決める
しおりを挟む「美都!」
6限目が終わり移動教室から帰ってくる際に4組の教室から不意に名前を呼ばれた。応じるように視線を動かすと後方の扉から凛が周りを気にするようにして走ってくる。そのままグイッと腕を引っ張られ廊下の隅に寄せられた。
「どうしたの?」
「あの子のこと。ちょっとだけ周りから話を聞いたの」
「──! 何か分かった?」
小声で会話する二人を見て、春香から気遣うように「先に戻ってるよ」と声がかかる。彼女らを見送り再び凛と向かい合おうとしたところ、遅れて歩いてきた男子生徒たちの中に四季を見つけ思わず引き留めた。
凛がよそよそしく「あの子」と表現するのは間違いなく衣奈のことだろう。この後HRが終われば下校となる。つまり衣奈と対峙するということだ。その前に少しでも追加の情報があるのならば知っておきたかった。
「あの子塾に行ってるでしょう?」
「うん。春香と同じところだって聞いたよ」
「えぇ。うちのクラスにも同じ塾に通ってる子がいてね。その子は去年も彼女と同じクラスだったらしくて何か変わったことがないか聞いてみたのよ」
「──それで?」
あくまで周囲に配慮しながらの会話だ。ここに四季も加わっているため傍目からは少しだけ目立つ。凛の話に耳を傾けるように彼女の碧い瞳を見つめた。
「今年の1月に塾の模擬試験があったみたいなの。その後ちょっと様子が違ったんだって」
「? 結果が良くなかったってこと?」
模擬試験、という単語は美都にとってあまり親しみがない。学習塾に通ったことがないため、試験と呼ばれるものは学校で受けるものだけだ。想像だけでしかないが恐らくその模試は順位や志望校判定等が出るものなのだろうと思う。
様子が違うと言うことはマイナスの内容だったのかと考え凛に問いかけたところ、否定するように首を横に振った。ではなぜ、と首を傾げる。
「成績はいつも通り申し分なかったって。それどころか他の学校の子を凌ぐぐらいだったって言ってたわ」
「じゃあどうして……」
他校の生徒を圧倒するほどの成績だったのにも関わらず、何が彼女に変化をもたらしたのだろう。眉間にしわを寄せて考えていると、横から四季が口を挟んだ。
「環境の問題じゃないか?」
「環境? ──あ……!」
そう示唆されて一瞬何のことだと考えた後、そう言えばと思い出したことがあった。体育の授業中に春香らと話した内容。プライドの問題もあるのでは、と提言していた。それも彼女自身ではなく、彼女の親の方だと。
衣奈の親は厳しいのだとあやのが言っていた。もしかしたらそのことが関係しているのかもしれないとふと考える。
「でも様子が違ったって──具体的にどんな風に?」
特段仲が良かったわけでもない同級生が気付くほどの変化だということだろう。それが一体前後でどう変わったのか気になるところだった。
「彼女、それまでは塾でも学校でも本当に大人しかったんだって。言い方は良くないけど、能面みたいに感情がなかったって。それがその模試の後をきっかけに一気に表情豊かになったそうよ」
その答えでますます頭を悩ませる。てっきり親と何かしらで衝突したのかと思いきやそうでもないと言うことなのだろうか。表情が明るくなったということは何かしら環境の変化があったからなのではないのか。
「──その頃なんだろうな。宿り魔が憑いたの」
「……!」
「時期的には俺が転校してきたのと差異がないだろ」
確かにそうだ、と四季に言われて納得した。彼は年明けにこの学校に転校してきた。そしてその直後に守護者になっている。彼の言う通りだ。タイミング的にぴたりと合致する。
「じゃあ模試の後に、誰かが衣奈ちゃんに宿り魔を憑けたって言うこと?」
「可能性的にそれが一番有力だろうな」
そうなってくるとまた新たな問題が発生する。一体誰が衣奈に宿り魔を憑けたのかだ。そしてもう一つ。
「四季、さっきの話」
「──あぁ。そう言うことだな」
視線を彼に投げると納得したと言うように頷いた。凛は理由がわからずに首を傾げている。
昼食前に美都自身が考えたことだ。それを空いている時間に四季に共有した。彼は初め怪訝そうに聞いていたが最終的に美都の考えに同意した。
かい摘んで凛に説明をする。初音の話を出すとややこしくなりそうなのでそれをどう割愛するかが問題だがひとまず考えたことを口に出す。
「衣奈ちゃんは自分の意志で宿り魔を受け入れたんだと思う」
「! なんで……」
凛が驚いて目を見開く。当然だ。自分でもこう考えたことに戦慄した。
「たぶんそれが──」
「────何の話?」
「!」
今凛が言っていたことに繋がるのだ、と口にしようとした瞬間。背後から甲高い少女の声が響いてきてバッと振り返る。すぐに美都を庇うようにして四季が間に割って入る。美都の目線の先にはたった今話題に出していた衣奈が佇んでいた。その顔に笑みを浮かべてこちらを見ている。
「放課後、って言う話だったわよね」
「……そうだね」
「HRが終わればすぐよ。どうするの?」
今朝より落ち着きを取り戻したとは言え、やはり焦りが見て取れる。余裕がない。いつもの彼女と違って。それでもこうして自分から話に来るということは奇襲の心配は無くなった。
「どうもしないよ。場所は衣奈ちゃんが指定してくれれば良い。ちゃんとそこに行くから」
衣奈の瞳を真っ直ぐに見据える。こちらの姿勢は変わらない。それを伝えるために美都は怯まず背筋を伸ばした。
すると逆に衣奈が顔を険しくする。口惜しそうに美都を細目で睨んだ。まただ。有利なはずの彼女の方が明らかに苛ついている。
「なら分かりやすく昨日の公園にしましょう。業後すぐ。いいわね?」
「わかった」
連絡事項だけ言うと衣奈はすぐに踵を返し教室へ戻っていった。その姿を見送ると横でやり取りを静観していた凛から心配そうに声がかかる。
「美都……本当に行くの?」
「行くよ。このままにはしておけないもん」
「でも罠なのよ? 絶対的に美都が危険なのに……」
「それはわかってるんだけどね──」
彼女が示唆することももちろん理解できる。それも最初に回答したことが事実だ。現状このままにしておくわけにいかない。衣奈の狙いが自分であるのならば、長引かせることは得策では無い。それにやはり彼女の態度が気にかかる。
苦い顔を浮かべていると今度は自分のクラスがある方面から名前が呼ばれる。声の主は春香だった。呆れ気味に息を吐きながらこちらに歩いてくる。
「まだ話してたの?」
「ごめんごめん。もうHR始まる?」
「先生来てないからまだだけどさ。どうしたのよ、今日」
どうやら彼女は今日一日の自分の挙動を心配して見に来てくれたらしい。この組み合わせも珍しいと思ったのだろう。本来ならば凛は四季を敬遠するからだ。その二人が特に啀み合うわけでもなく、むしろ真面目な雰囲気で会話している。春香にとっては凛とは旧知の仲であり、四季もクラスメイトであるためこの会談に加わることは特に気にすることでもなかったらしい。それよりも物々しい雰囲気の方が気がかりだったようだ。
「ちょっと色々あって……」
「平野さんのこと? やっぱり何かあったの?」
彼女の洞察力は鋭い。先程のやり取りを見ていたのかもしれないが、彼女には今日似たような質問をされている。その時はぼんやりとした独り言のようなもので返答したがさすがに2回目ともなると濁すことは難しい。だが何も知らない彼女に説明することこそ困難だ。どう答えようか口籠もっていたところ、やれやれと肩を落として首を傾げた。
「まぁ何かがあったのは分かったわよ。深くは聞かないでおく」
「ごめん……ありがと春香」
持つべきは物分かりの良い友人だなと思って忍びなく春香に両手を合わせる。
「そう言えば、今そこから見てて思い出したことがあってさ」
言いながら衣奈が去っていった方を眺めている。行間を読まずとも、春香がこれから話そうとしていることが衣奈についてだということが理解できた。
「平野さんって今でさえ美都と良く話すけど、それまではとことん他人と喋んなかったじゃない? でも一度だけ塾の帰り道に誰かと話してる姿を見たことがあるの。1月の下旬くらいだったかな。珍しいなーと思って」
1月の下旬、という具体的な時期を耳して目を見開く。先程話していた、衣奈に宿り魔が憑いた時期に合致するのだ。ハッとして喰らいつくように春香に問いを投げる。
「それ──どんな人だった⁉︎」
「うーん、暗かったし遠目だったから良く分かんないんだよね。あ、でも男だったよ。父親ってわけでもなさそうだったし」
だから不思議だったんだよね、と彼女が付け加える。他者と徹底的に関わりを絶っていた少女が、父親でもない男性と話をすることがあるとは到底思えない。
「もしかして、衣奈ちゃんの性格が変わったのってその後?」
「え? あー、言われてみればそうかも」
思わず四季と目を合わせる。間違いない。恐らくその人物が衣奈に宿り魔を憑けたのだ。そしてそれを彼女も受け入れた。他ならぬ衣奈自身の意志で。
不意に美都は頭の中で考えを巡らせる。衣奈が宿り魔を受け入れたということは、少なからず彼女がその人物に心を許したということだ。それまで他者と関わらなかったのに、一体何故。
(ううん──むしろそれがきっかけなのかもしれない)
そう考えた方がしっくり来る。衣奈に声をかけた人物が、彼女の心の隙に入り込んだのだ。ということは考えられることはただ一つ。
(鍵が欲しいのはその人物だ……)
そして、衣奈が心を寄せるただ一人の人間だということだろう。少しだけ悔しさを感じてしまう。恐らくその人物よりも衣奈と時間を共にしていたはずなのに、結局自分は彼女の心を変えられなかったのだ。それでも、と唇を噛み締める。
全部が無駄だったわけではない。その証拠に、初音として接してきた際も度々自分を気にかける旨の発言をしていた。あれが本当に自分が邪魔だったのであれば、何も言わずにただ攻撃を繰り返しただろう。
(話し合う余地はある)
そこに衣奈の意志があるのならば。
また難しい顔をしていたのか、見兼ねた春香が唐突に額を指で弾いた。
「ぃた⁉︎」
「そんな深刻そうな顔してたら、もっと事態が深刻になっちゃうわよ」
「う……ごめん」
「私に謝られても。どういう話になってんのか知らないんだから」
もう、と呆れ気味に息を吐く。その姿に平伏せざるを得ない。彼女は事情を知らないのにここまで付き合ってくれるのだ。仮に春香が全て今までの事情を知った場合、もっと頼りになる仲間となるだろう。それに甘えたくもなってしまう。しかし巻き込むことは本意ではない。彼女には申し訳ない気持ちでいっぱいだが、現状この関係性が一番良いはずだと己に納得させる。
「ほーら、しっかりしなさい。平野さんと喋れるのは美都だけなんでしょ?」
「! うん……!」
そう言われて思わずハッとした。ただ、忘れていた。そうだ。他の誰でもない、自分だけしか彼女と話し合うことはできない。だから自分が弱気になってはダメなのだ。
表情が引き締まったのを確認すると「じゃあ戻ってるね」と言って春香は再び7組の教室へ戻っていった。彼女には助けられてばかりだなと背中を見送る。
「美都」
再び四季に呼び戻される。
「気負うなよ。そもそもが話し合えるかなんて分からないんだから」
四季は自分の身を案じてそう言ってくれている。彼が言うのももっともだ。衣奈は先程もただ連絡事項のように端的に用件だけを伝えるだけだった。話し合う素振りなど見せていない。美都は苦い顔で小さく頷きながらも、心に決めていた。
「でもわたしがちゃんと話したいの。だから──」
「わかってる。それでもだ」
彼が執拗にこう言うことには理由がある。四季とはこの後の戦いについて既に話していることがあった。強い懇願の末、渋々と四季は了承してくれたのだ。それでも全て納得は出来ていないと言うことらしい。
「あの余裕のなさそうなところを見ると、手段を選ばずにお前に危害を加える可能性がある。いくらお前が話し合いを望んでもだ。いいな?」
「──うん」
守護者として彼はただ正しいことを言っているに過ぎない。所有者である美都を守ることは四季の使命でもある。その使命を果たすことこそが守護者に与えられた力で成し得る。だがそれは美都自身も同じだった。
「ちゃんと──わかってる」
守護者の力が、何のためにあるのか。そしてそれを如何に使うのか。今一度自分に言い聞かせる。大切な人を守る。そのために望んで得た力だ。
「美都、わたしも近くまで行くわ」
今度は凛から声がかかった。その言葉に目を瞬かせる。
「でも……凛はスポットには入れないよ?」
「わかってるわ。それでも遠くで待っているよりマシだもの。なるべく近くに居たいの」
眉を下げながら心底心配そうに呟く。その姿に返答を詰まらせた。本音を言えば、彼女にはこれ以上深入りして欲しくない。スポットに入れないとは言え、危害がないとは言い切れないのだ。知れば知った分だけ危険を伴う。凛には何の力もない。だから逆に美都の方が心配だった。
凛の申し出を聞いて反芻したまま四季に目を向ける。彼はひと息ついた後、半ば諦め気味に言った。
「お前が何言っても退かないと思うぞ」
「当たり前じゃない」
「ま、スポットの外なら大丈夫だろ。たぶんお前以外には眼中にないだろうしな」
冷静に分析する四季に対して、その言葉に重なるように凛の声が響いてくる。この二人は普段決して噛み合わないのに互いの考えていることは把握しているのだなと変なところで感心してしまう。否、四季の汲み取る力が高いのか。彼は彼なりに凛のことを気遣っているらしい。ならば彼の判断に従うべきか。うーんと唸った後観念したように凛を見遣った。
「……いつでも弥生ちゃんと連絡が取れるようにしておいてね」
「えぇ!」
彼女が自分のことを想ってくれているのは知っている。だからこれは最大限の譲歩だ。どのみち弥生にも連絡を入れなければ、と考えていたところだった。
ふぅ、と息を吐き教室の窓越しから衣奈を見つめる。自分の席で一人静かに佇む少女。今朝動揺していた同級生たちも一日過ぎればすぐに慣れたようだ。彼女を見ることもなく、気にすることもない。これがいつものスタイルなのだろう。ガヤガヤと騒がしい教室内にただ一人。確かにそこにいるはずなのに誰の目にも留まらない。
全部が分かったわけじゃない。それでも心は決まった。あとは自分次第だ。
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よろしくお願いします。
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※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
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様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
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