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132 ダルクダンション11階

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マヤを引き連れ、ダルクダンジョンの11階。フロアボス部屋を目指すことにした。

その前に20メートル大蛇を倒したんだけど、お腹の中に良い物が入っていた。

ドロップアイテム?

「マヤ、新しい装備があったよ。状態にも問題はないと思う」

私達より前に来たと思われる冒険者が、大蛇に食べられたようだ。

最初の「スライムパンチ」胃が裂けた。

胃液とともに、ミスリルの男性用防具が3組、ミスリルソードが3本。

そして収納指輪が1個出てきた。

「さすがは特級ダンジョン。ドロップアイテムもハイレベルだね」

「ユリナさん、これは例外中の例外では・・」

私は「等価交換」に使う大量の肉として、大蛇の残骸をもらった。

ミスリルセット2組防具も私のものにした。

防具と武器は、闇属性の誰かにあげよう。

20メートル収納指輪はマヤへ。

「ユリナさん、私の方は大量の食料と予備の武器が入った収納指輪ですよ」

「やったね、マヤ」

「いやいや。武器も武器もミスリル製品。金額を考えても、ちょっともらえませんよ」

「なら「暁の光」の財産にしてもいいし、私からのお土産と思ってあとで4人で話し合ってよ。だけど収納指輪はマヤがもらって」

収納指輪の物資の中に上級ポーションが10本も入っていた。

いざというとき、私の回復が遅れたときは、それで延命してもらえる。


買った地図を見て、11階に降りる階段に向かう。久々の渓谷型のフィールドを歩いた。

道中は、マヤのレベリング。

「マヤには会ったばかりなのに、色々と見せたわ」
「ドラゴニュート変身、信じられないほど効果がある回復術と破壊術で驚いています」

「ドラゴニュート変身も爆発する破壊術も知る人が少ないから黙っていてね」

「・・そうなんですか」
「うん、リュウと離れたあとに編み出した技術なの」

「・・それがあれば、ユリナさんはリュウちゃんと一緒に・・」

「そういえば今、疲れは感じる?」

「あれ?もうダルクダンジョンに入って戦いも入れて8時間くらい経っているのに疲れてません。気持ちは張り詰めているけど」

「その体力回復も私の気功術の効果なんだ」
「すごい。それなら何日でも戦えますね」

「そう思うだろうけど、落とし穴があるの。精神疲労のようなものは取れないの。休息は必要よ」

「ユリナさんは?」

「私は慣れがあるから、80時間くらいは大丈夫。フロアボス部屋を見つけたら、その前で10時間くらい休ませてもらうから」

岩の窪みの横で、最初の休憩を取った。そしてエールを2杯だけ飲んだ。

階段を見つけた。

階段は出口から6キロほどの場所にあり、かなり蛇行した。

その間に2メートルオオカミ4匹、10メートル大蛇3匹を討伐した。

推測としては敵の推定レベルは80手前。

ダメージは私のスキルで半分、マヤの攻撃で半分くらい入れている計算だ。

だからダンジョンに入る前がレベル22だったマヤはレベル35前後だと思う。

私のスキルが絡むと、計算しにくい。

私のスキルは敵1匹の出現という状況にもってこい。だからマヤの強化もしやすい。

一度11階に降りて転移装置を使えるようにしたあと、魔物50匹を目安にマヤと2人で倒す。

◆◆
ゴゴゴゴゴ!

ボス部屋前で休んだあと、レベル85ハイオーガに挑んだ。

私が攻略した上級ダンジョンボス。あのオークジェネラルなら、レベル90に匹敵する強さだという。

私は身長を130センチに縮めている。

「ユ、ユ、ユリナさん。マッチョのオーグさんが子供に見えるくらい大きな2本角が睨んでますよ」

「そりゃ、私達を捕まえて食べるのが目的だからね」

私はマヤにオーガの目が向かないよう、先に走り出した。

がっ。2・5メートルの鬼に簡単に肩を捕まれた。

そして持ち上げられ、首に力一杯、噛みつかれた。

「超回復&等価交換」ばちぃ!

手と牙を干からびさせて使い物にならなくした。

今度はパターンが決まっているように、踏みつけ攻撃に切り替えてきた。

ドガドガドガドガ!

『超回復』「等価交換」『超回復』「等価交換」『超回復』「等価交換」

パヂパヂッ!数回の基本セットを繰り返す。

オーガが足の裏を干からびさせて倒れた。

マヤにハイオーガの経験値を多く取らせるため、機動力は奪ったが彼女のレベルはまだ推定35程度。

ミスリル装備でガチガチに固めて攻撃。けど一度は、オーガのクロスカウンターがヒット。

マヤは大きく飛んだ。

ドサッ。「ぐうう!」

「マヤ!」

だけど彼女は私が『超回復』をかけると、休まずオーガに向かって行った。

小さく震えていた。

恐怖心はある。それ以上にリュウと並ぶために頑張っている。

1時間後。ダルクダンジョン11階フロアボスの討伐に成功した。

私はミスリルワンピース1枚に着替えている。


「ありがとうございますユリナさん。お陰ですごい討伐履歴がつきました」
「いや。手助けはしたけど、あんたも頑張ったよ」

このチャンスを逃さないため必死なマヤ。すごく、いじらしい。

「さ、ハイオーガの遺体も回収したし、前のセーフティーゾーンでしばらく休もうか」
「はい。興奮しまくってる神経を静めるんですね」

可愛い。タイプはまったく違うけど、ミールみたいだ。

私が好きになったのはミシェルとリュウ。

ミシェルはミールとくっつくだろう。

そしてリュウは、これだけ必死に愛してくれるマヤと幸せになって欲しい。

ミールとマヤ、2人の妹分が幸せになってくれる。

「それはすごく、喜ばしことだよね」


完全に注意力散漫でボス部屋を出たら、そこには5人の男性挑戦者がいた。

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