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13 異様なユリナちゃん
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冒険者ギルド一階の飲食スペースでユリナ達が盛り上がっていたとき、ギルマスは1人で唸っていた。
◆
今、ギルマスはユリナが査定を頼んだ高ランクオークを見てきた。
少し前から混乱していた頭の中が、なおさら整理できなくなっている。
ユリナのことは知っていた。別に特徴もないが、スキルなしでもめげず、同じ境遇の仲間3人と頑張っていた。
冒険者になって2年。AからFまである冒険者ランクのEから上がらず苦労していたが、いい先輩冒険者もいて周囲も暖かい目で見守っていた。
しかし、悪い噂もあった先輩冒険者、ジュリアとダンジョンに行って行方不明になった。仲間3人は死んだと報告されている。
低級の冒険者にありがちな話。残念に思っていると、半月以上してユリナだけが帰ってきた。
ソフィーら4人のパーティーに助けられたそうだ。
出会った場所を聞いて驚いた。なんと、高ランクのダルクダンジョン8階。
スキルに目覚めダンジョン10階から8階まで1人で昇ったそうだ。
そのことも驚くべきだが、俺が理解できないのがユリナの回復スキル。
俺もAランクの魔法剣士だ。魔力操作、魔力感知には長けている。
回復スキルを見せてくれたユリナは自分の手首を俺の魔鉄ナイフで切った。
左手首をほぼ切断し、それを一瞬で治した。
彼女は俺が驚いたのを見て、回復力に驚いたと思っている。
それだけじゃない!
ユリナに魔力の揺らぎかゼロだったのだ。
身体強化だろうがなんだろうが、スキルは魔力依存が法則。それが世間の常識だ。
なのに、ユリナが傷を治すときに反応がなかったし、魔力の残滓さえない。
あのハイヒールの10段階も上の治癒力は何をエネルギーにしているのだ。
さらに、気弱だったはずのユリナが、ためらわず自分の手首を切った。
ナイフが切れ過ぎたのを差し引いても、手首の骨まで切るやつなんていない。
簡単に切ったということは、それ以上の怪我を負ってきたということだ。
それも何度も。
でなければ、あんなに冷静に周りを見れない。落ちかけた手首よりも、血で汚れたソファーばかり気にしていた。
おかしな感じばかりして、ユリナがオークを査定に出したことを思い出し、見に行った。
混乱はさらに深まった。
討伐された2匹のオークをくまなく調べた。片方は睾丸や眼球、脳が所々しぼんでいた。もう片方は喉を中心に肉がなくなり、窒息死させられていた。
以前、バンパイアの「吸血スキル」で倒された獲物を見たことがある。キレイに見えても遺体から闇魔法の反応が出た。牙で噛まれた傷もあった。
ユリナが持ち込んだ奴には何もない。外傷ゼロなのだ。
推定レベル50越えオークの首を締めて殺したのか・・。しかし、絞殺特有のうっ血もない。殴ってできる内出血もない。
オークが特殊な攻撃を受けたと思われる場所に魔力の残滓もない。
ないないないだ。
ユリナは、オークは死んだ冒険者から拝借した収納指輪に入っていたと言ったそうだ。
だが、倒したのは間違いなくユリナだ。
初めて冒険者登録をしてから36年。初めて見た現象が幾つもあった。全部がユリナ絡み。それらが別件だと考える方がアホだろう。
ただ、ひとつひとつの事象がどう考えても結び付かない。
冒険者のスキルを探るのはご法度。しかし俺が魔法剣士を極めたのは「魔法マニア」で「スキルオタク」、さらに「武器コレクター」だからだ。
ユリナに失礼な話だか、スキルを見た瞬間は興奮しすぎて、年甲斐もなくギンギンに勃起した。
あの凄まじい回復スキルは他人にも効くのか。何をしたら、戦闘力が低いユリナが高ランクオークを倒せるのか。
知りたくてたまらない。
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今、ギルマスはユリナが査定を頼んだ高ランクオークを見てきた。
少し前から混乱していた頭の中が、なおさら整理できなくなっている。
ユリナのことは知っていた。別に特徴もないが、スキルなしでもめげず、同じ境遇の仲間3人と頑張っていた。
冒険者になって2年。AからFまである冒険者ランクのEから上がらず苦労していたが、いい先輩冒険者もいて周囲も暖かい目で見守っていた。
しかし、悪い噂もあった先輩冒険者、ジュリアとダンジョンに行って行方不明になった。仲間3人は死んだと報告されている。
低級の冒険者にありがちな話。残念に思っていると、半月以上してユリナだけが帰ってきた。
ソフィーら4人のパーティーに助けられたそうだ。
出会った場所を聞いて驚いた。なんと、高ランクのダルクダンジョン8階。
スキルに目覚めダンジョン10階から8階まで1人で昇ったそうだ。
そのことも驚くべきだが、俺が理解できないのがユリナの回復スキル。
俺もAランクの魔法剣士だ。魔力操作、魔力感知には長けている。
回復スキルを見せてくれたユリナは自分の手首を俺の魔鉄ナイフで切った。
左手首をほぼ切断し、それを一瞬で治した。
彼女は俺が驚いたのを見て、回復力に驚いたと思っている。
それだけじゃない!
ユリナに魔力の揺らぎかゼロだったのだ。
身体強化だろうがなんだろうが、スキルは魔力依存が法則。それが世間の常識だ。
なのに、ユリナが傷を治すときに反応がなかったし、魔力の残滓さえない。
あのハイヒールの10段階も上の治癒力は何をエネルギーにしているのだ。
さらに、気弱だったはずのユリナが、ためらわず自分の手首を切った。
ナイフが切れ過ぎたのを差し引いても、手首の骨まで切るやつなんていない。
簡単に切ったということは、それ以上の怪我を負ってきたということだ。
それも何度も。
でなければ、あんなに冷静に周りを見れない。落ちかけた手首よりも、血で汚れたソファーばかり気にしていた。
おかしな感じばかりして、ユリナがオークを査定に出したことを思い出し、見に行った。
混乱はさらに深まった。
討伐された2匹のオークをくまなく調べた。片方は睾丸や眼球、脳が所々しぼんでいた。もう片方は喉を中心に肉がなくなり、窒息死させられていた。
以前、バンパイアの「吸血スキル」で倒された獲物を見たことがある。キレイに見えても遺体から闇魔法の反応が出た。牙で噛まれた傷もあった。
ユリナが持ち込んだ奴には何もない。外傷ゼロなのだ。
推定レベル50越えオークの首を締めて殺したのか・・。しかし、絞殺特有のうっ血もない。殴ってできる内出血もない。
オークが特殊な攻撃を受けたと思われる場所に魔力の残滓もない。
ないないないだ。
ユリナは、オークは死んだ冒険者から拝借した収納指輪に入っていたと言ったそうだ。
だが、倒したのは間違いなくユリナだ。
初めて冒険者登録をしてから36年。初めて見た現象が幾つもあった。全部がユリナ絡み。それらが別件だと考える方がアホだろう。
ただ、ひとつひとつの事象がどう考えても結び付かない。
冒険者のスキルを探るのはご法度。しかし俺が魔法剣士を極めたのは「魔法マニア」で「スキルオタク」、さらに「武器コレクター」だからだ。
ユリナに失礼な話だか、スキルを見た瞬間は興奮しすぎて、年甲斐もなくギンギンに勃起した。
あの凄まじい回復スキルは他人にも効くのか。何をしたら、戦闘力が低いユリナが高ランクオークを倒せるのか。
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