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三章・金の亡者
砦で一泊
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「てか、副団長は?」
僕はさっきから副団長がいないことに疑問を覚えた。
いや、なんでいないのかな?ってずっと気になってたよ。
「団員を見に行くと言ってました。」
「ああ、あのボロボロの死体ね。」
あんな酷い死体が、仲間であることを彼は受け入れられるのだろうか?
さっき話した感じ、精神は安定しているように見えたけど、実際はどうであろうか。
「あ、そうだ、なんでさっき副団長に話しかけようとしたら止めてきたの?」
しっかりと謎は解かなければ。
しかも、止め方が口を押さえると言う強引な方法だったしね。もう少し、僕に遠慮をしてくれてもいいんだよ?
「あれは、ラント様が余計なことを言いそうでしたので、無礼は承知で妨害しました。」
「余計なこと?僕は良識ある精霊だよ。余計なことなんて言わない言わない。」
ウンウン。僕は良い子だからね。
「、、、、、。」
え?そうだよね?
なんか、ジークハルトが無言で意味ありげに見てくるんだが?
「もし、ラント様があの副団長に砦を吹き飛ばした程度の魔術はいくらでも使えるとおっしゃっていたら、、、」
「いたら?」
「ラント様は捕まります。」
「、、はぁ?何言ってるんだ、、冗談はよしてよ。」
え?冗談だよね?
いや、ジークハルトが冗談を言ったことなんてあっただろうか?
「理由を聞いても?」
冗談であると断定できる自信がなくなった。だから、理由を聞くことにする。
「あの大きさの砦を破壊できる魔術を、躊躇いもなく壊せる、それだけで脅威です。それに、その魔術よりも、より強力な魔術を使えるとなったら、人類の脅威とされ、警戒対象になります。捕まるのは大袈裟でしたが、可能性もないとは言い切れません。」
「なるほど。うん、確かにそんな気がするよ。」
「いや、気がするとかじゃなくて。」
ってことは、好き勝手魔術を使うことができないではないか。悲しみである。
「ジークハルト殿!こちらの確認は終わった。そちらはどうだろうか?」
副団長が話しかけてきた。
僕たちも、ちょうど一区切りついたところだ。
副団長は、手にたくさんのネックレスを持っている。なんだろうか?もしや、金目の物か?
「ボルド殿、こちらは問題ありません。もう一人生き残りを確認したので、簡単な治療をしたところです。」
この副団長、意外とちゃっかりしている。この短期間に、しかも僕が見ていない時に金目の物を集めるとは。油断ならないヤツである。
「あ、あの、、、」
副団長は僕の恨むような目線に戸惑っているようだ。
「ああ、その手に持っている物が気になるようです?それは、ネックレスですか?」
おお、ジークハルトがナイスタイミングで聞いてくれた。
もし、この副団長の持っているネックレスが効果であった場合、コイツをここで殺してさっさと換金するとしよう。
外では兵士が何十人と死んでいたのだ。今更一人増えたところで変わらないだろう。
副団長には、出会った相手が悪かったと思ってもらおう。
「これか?これは、うちの隊員たちの遺言書だな。このネックレスの中に紙が入ってるんだ。騎士団はいつ死ぬか分からないから、いつでも遺書を身につけているんだ。」
うん、すまん。金目の物なら奪ってやろうとか思って。
「そうですか、、。そうだ、私たち街までの方向が分からないので、教えていただけるとありがたいのですが。」
「ああ、それなら問題ない。さっき伝令の魔術で応援を読んだ。超特急で来るよう頼んだから、一日程度でくるだろう。君たちも、その者たちに送らせるとしよう。それで大丈夫か?」
「ええ、お気遣い感謝します。」
「そうか、良かった。私は一足先に帰らせてもらう。閣下に現状を報告しないといけないのでな。」
「分かりました。私たちは森で一夜を過ごすことにします。」
ジークハルトの了承を聞くと、副団長はいそいそと森へ向かった。結構なスピードだね。やっぱり、隊員が殺された報告は急いでするべきだよね。
「さて、問題があります。」
「財宝がなくなったとかですか?それなら、諦めるしかないですよ。」
いや、違うよ。違うからね。そりゃ、消し飛ばしてしまったことは悲しいけど、結局財宝は見ることなく終わったからね。実際にあるかも分からなかったし、あんまり後悔はしてない。だって実物見たことないんだもん、後悔のしようがないわ。
「じゃなくて、僕たちの話聞かれてたよ。あの副隊長に。」
「、、消しますか?」
それも選択肢の一つだと思う。ただ、あの副団長は既に仲間に連絡を取ったと言っていた。ここで殺せば、僕たちが殺害したと疑われる可能性がある。
まあ、僕たちの顔が騎士団に割れる前に副団長を殺して逃亡すれば、何の問題もない。が、そうすると、報奨金が貰えなくなる。
「ノンノン、ナンセンスだよ。報奨金のためだ、ここは我慢しよう。」
「応援である騎士達に拘束されるかもしれませんよ?」
その時はその時だ。
「実力の差を見せればいいだけ、もしもの時はね。」
「かしこまりました。」
まあ、僕たちの今後の動きはあの副団長にかかっていると言うことだね。
僕たちを脅威と見做して扱うか、または利用しようとしたら、遠慮なく牙を向くけど、それ相応のいい対応をしてもらえたら、手助けぐらいはするかもしれない。
まあ、基本僕の気分次第だから分からないけど。
そんなことよりも、僕のモフモフを何とかしなければ。
「ジーク、この獣人くん担いで、異空間に行くよ。元気になってもらわないと、モフらせてもらわないと。」
「これですか?なんか、虫の息なんですけど、大丈夫なんですか?」
ジークハルトにそう言われて、獣人くんをよく見てみる。確かに、呼吸も浅いし、死にそうだ。
いや、人間ってしぶといし、獣人くんも持ち直すと思う。
一応、最悪の場合はある方法を考えてはいるんだけどね。あまりやりたくは無いが。
僕はさっきから副団長がいないことに疑問を覚えた。
いや、なんでいないのかな?ってずっと気になってたよ。
「団員を見に行くと言ってました。」
「ああ、あのボロボロの死体ね。」
あんな酷い死体が、仲間であることを彼は受け入れられるのだろうか?
さっき話した感じ、精神は安定しているように見えたけど、実際はどうであろうか。
「あ、そうだ、なんでさっき副団長に話しかけようとしたら止めてきたの?」
しっかりと謎は解かなければ。
しかも、止め方が口を押さえると言う強引な方法だったしね。もう少し、僕に遠慮をしてくれてもいいんだよ?
「あれは、ラント様が余計なことを言いそうでしたので、無礼は承知で妨害しました。」
「余計なこと?僕は良識ある精霊だよ。余計なことなんて言わない言わない。」
ウンウン。僕は良い子だからね。
「、、、、、。」
え?そうだよね?
なんか、ジークハルトが無言で意味ありげに見てくるんだが?
「もし、ラント様があの副団長に砦を吹き飛ばした程度の魔術はいくらでも使えるとおっしゃっていたら、、、」
「いたら?」
「ラント様は捕まります。」
「、、はぁ?何言ってるんだ、、冗談はよしてよ。」
え?冗談だよね?
いや、ジークハルトが冗談を言ったことなんてあっただろうか?
「理由を聞いても?」
冗談であると断定できる自信がなくなった。だから、理由を聞くことにする。
「あの大きさの砦を破壊できる魔術を、躊躇いもなく壊せる、それだけで脅威です。それに、その魔術よりも、より強力な魔術を使えるとなったら、人類の脅威とされ、警戒対象になります。捕まるのは大袈裟でしたが、可能性もないとは言い切れません。」
「なるほど。うん、確かにそんな気がするよ。」
「いや、気がするとかじゃなくて。」
ってことは、好き勝手魔術を使うことができないではないか。悲しみである。
「ジークハルト殿!こちらの確認は終わった。そちらはどうだろうか?」
副団長が話しかけてきた。
僕たちも、ちょうど一区切りついたところだ。
副団長は、手にたくさんのネックレスを持っている。なんだろうか?もしや、金目の物か?
「ボルド殿、こちらは問題ありません。もう一人生き残りを確認したので、簡単な治療をしたところです。」
この副団長、意外とちゃっかりしている。この短期間に、しかも僕が見ていない時に金目の物を集めるとは。油断ならないヤツである。
「あ、あの、、、」
副団長は僕の恨むような目線に戸惑っているようだ。
「ああ、その手に持っている物が気になるようです?それは、ネックレスですか?」
おお、ジークハルトがナイスタイミングで聞いてくれた。
もし、この副団長の持っているネックレスが効果であった場合、コイツをここで殺してさっさと換金するとしよう。
外では兵士が何十人と死んでいたのだ。今更一人増えたところで変わらないだろう。
副団長には、出会った相手が悪かったと思ってもらおう。
「これか?これは、うちの隊員たちの遺言書だな。このネックレスの中に紙が入ってるんだ。騎士団はいつ死ぬか分からないから、いつでも遺書を身につけているんだ。」
うん、すまん。金目の物なら奪ってやろうとか思って。
「そうですか、、。そうだ、私たち街までの方向が分からないので、教えていただけるとありがたいのですが。」
「ああ、それなら問題ない。さっき伝令の魔術で応援を読んだ。超特急で来るよう頼んだから、一日程度でくるだろう。君たちも、その者たちに送らせるとしよう。それで大丈夫か?」
「ええ、お気遣い感謝します。」
「そうか、良かった。私は一足先に帰らせてもらう。閣下に現状を報告しないといけないのでな。」
「分かりました。私たちは森で一夜を過ごすことにします。」
ジークハルトの了承を聞くと、副団長はいそいそと森へ向かった。結構なスピードだね。やっぱり、隊員が殺された報告は急いでするべきだよね。
「さて、問題があります。」
「財宝がなくなったとかですか?それなら、諦めるしかないですよ。」
いや、違うよ。違うからね。そりゃ、消し飛ばしてしまったことは悲しいけど、結局財宝は見ることなく終わったからね。実際にあるかも分からなかったし、あんまり後悔はしてない。だって実物見たことないんだもん、後悔のしようがないわ。
「じゃなくて、僕たちの話聞かれてたよ。あの副隊長に。」
「、、消しますか?」
それも選択肢の一つだと思う。ただ、あの副団長は既に仲間に連絡を取ったと言っていた。ここで殺せば、僕たちが殺害したと疑われる可能性がある。
まあ、僕たちの顔が騎士団に割れる前に副団長を殺して逃亡すれば、何の問題もない。が、そうすると、報奨金が貰えなくなる。
「ノンノン、ナンセンスだよ。報奨金のためだ、ここは我慢しよう。」
「応援である騎士達に拘束されるかもしれませんよ?」
その時はその時だ。
「実力の差を見せればいいだけ、もしもの時はね。」
「かしこまりました。」
まあ、僕たちの今後の動きはあの副団長にかかっていると言うことだね。
僕たちを脅威と見做して扱うか、または利用しようとしたら、遠慮なく牙を向くけど、それ相応のいい対応をしてもらえたら、手助けぐらいはするかもしれない。
まあ、基本僕の気分次第だから分からないけど。
そんなことよりも、僕のモフモフを何とかしなければ。
「ジーク、この獣人くん担いで、異空間に行くよ。元気になってもらわないと、モフらせてもらわないと。」
「これですか?なんか、虫の息なんですけど、大丈夫なんですか?」
ジークハルトにそう言われて、獣人くんをよく見てみる。確かに、呼吸も浅いし、死にそうだ。
いや、人間ってしぶといし、獣人くんも持ち直すと思う。
一応、最悪の場合はある方法を考えてはいるんだけどね。あまりやりたくは無いが。
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