243 / 247
番外編
夜更けの散歩は死の谷へ
しおりを挟む
翌朝、まだシンとした空気の中ロウソクの灯りの中で何とか着替えを済ませて部屋を出る。
こんな時間にウロウロしていたら咎められるのではとヒヤヒヤしたが誰にも出会うことなく中庭へとやって来た。
どこで待てとも言われていないけどあの人ならどこにいようと現れるだろうし。
外はヒンヤリと寒く目の前は暗い上に霞んでいて自分の鼻先すら見えない。
帝国は過ごしやすい気候な割りに夜は冷え込み霧に満ちていることが多く到着したばかりの頃はその寒暖差と怪しげな景色にゾッとしていた。
豪華な1人部屋は暖かく過ごしやすいが必要以上に関わらないと言わんばかりの使用人たちはいつも姿が見えず世界にひとりぼっちになったような気がしたものだ。
他の同行者たちは皆短い滞在期間を有効に使おうと慌ただしくしているらしくあまり姿を見ないし。
「まぁ、もう慣れたけど。」
ポツリと呟いた時、ゆっくりと近づいてくる灯りと人の気配を感じた。
「おはようございます。」
居場所を知らせるためにも心持ち大きめの声を出す。
しかし、ゆるやかに滲み出るように現れた姿は想像していた人物ではなかった。
「おはようハフス嬢。迎えにきたよ。」
当たり前のように向けられる笑顔に一瞬見入ってしまってそんな自分に呆れて顔に熱が集まってくる。
「わざわざありがとうございます…殿下。」
「殿下は堅苦しいな。ソーマでいいよ。」
一国の皇子を呼び捨てにできるわけがないのに当たり前のようにそんなことを言ってくる。
まぁちょっと前の私だったら躊躇なく呼び捨てにしていただろうけど…
「では、ソーマ様と…」
苦肉の策でそう提案すると、ソーマ皇子は何故か驚いたように目を見開いてからニカっとまさに太陽のように明るく笑顔を浮かべた。
「いいね。では参りましょうか、ロベリア・ハフス嬢。」
そう言って片腕を差し出す。
私はそっとその太い腕に手をかけながら
「どうぞロベリアとお呼びください。」
と、なんだか覇気のない声を出してしまった。
こんな肌寒く濃い霧の中でも彼の笑顔は間近で見るにはまぶしすぎる。
なんだか居心地の悪さを感じている私とは違いソーマ皇子は小さく鼻歌を歌いながらスイスイと私をエスコートして中庭の開けた場所まで連れて行ってくれた。
彼が掲げる明かりがキラキラとしたものを照らし出したと思ったら、そこにアロイス様がいて私たちに向かって大きく何回か手を振ってくる。
すると急に視界がぐるりと反転したような感覚に陥り、後ろに倒れそうになった。
アッと思った時にはがっしりとした手が背中を支えていて驚いて見上げるとまたあの笑顔がさっきより近くにある。
「大丈夫か?アロイス殿は少し強引だからな。」
私は慌てて体勢を整えてお礼を言うが、それを遮るように声がかけられる。
「少し早めに着いたからまだ日の出まで時間があるね、見てみなよロベリア嬢。すごい景色だろう?」
私はソーマ皇子から急いで離れると辺りを見回した。
先ほどから感じていたことだが、すごい熱気だ。
そして、普通の令嬢なら即、気絶するであろう光景が広がっている。
辺りは煤だらけで真っ黒。風が強く吹く崖っぷちには霧ではなく煙がもうもうと崖下から上がり、その先端で嬉しそうにアロイス様が下を手で指し示していて、その顔は鮮やかな朱色の光に照らされている。
私は恐る恐るアロイス様の隣に立ち下を覗き込んだ。
痛いほど熱い熱気が顔を直撃し、目を開けていられない。吹き上がる熱気と風が私の髪を舞い上がらせる。
慌てて防御魔法をかけ、少し慣れてからゆっくりと目を開くと、赤々と燃える谷底が目に入った。
まるで、火山を上から覗き込んでいるようだが、炎の感覚がまるで違う。
爆破するような力強さではなくひたすらに長く燃え続けることを楽しんでいるかのようなまるでダンスを踊っているような炎の大群がそこにはあった。
じっと暖炉の炎に見入るようにしばらくその場から動けない。
「ここは…一体…」
ようやくそう言葉にすると、アロイス様とソーマ皇子がいつの間にか私を挟むように隣に立っていた。
「炎の谷、バラの雫と呼ばれる希少な宝石が産出される場所だよ。死の谷とも呼ばれてるけどね。」
バラの雫…聞いたことがある。
まるで血を固めたような鮮やかな赤色のその石は研磨するにも高い技術が必要で、小さなかけらだとしても驚くような高値がつくと言われている。
『この地は父上が私に下賜してくださった。バラの雫を狙う輩が多いからな。あれは副産物でしかないというのに。
ここは精霊たちの領域だ。不用意に近づいては命を落とす。今は我々が厳しく見張っている。』
なんとかソーマ皇子の言葉を理解し終えた時アロイス様がこちらに顔を向けてきた。
「君なら感じとれるんじゃない?ロベリア嬢。この地に溢れる力をさ。」
彼の言葉に私は即座に頷いていた。
突然連れてこられた瞬間から感じていたことだ。
熱い熱風に負けない位強く感じられる炎の力。精霊たちの活気溢れるこの谷はまるで炎の精霊たちの小さな村みたいだ。
彼らが笑い、怒り、悲しみ、楽しんでいるのがこの谷の空気全体から感じられる。
谷間をずっと覗き込んでいた体制から姿勢を立て直し、防御魔法を外す。隣に立っていた二人も示し合わせたように離れていく。
そうするとますます彼らの力と声のようなものがワッと押し寄せてくる。
《見せて見せて、あなたも私たちの仲間に加わろうよ》
誘いかけてくるそれが身体中を駆け巡り胸が高鳴る。
瞳を閉じて、すっと息を吸い込みあふれ出しそうな胸の高まりを絡めるように呪文を紡ぐ。
体からたくさんの魔力が抜け出すとともに、この地に溢れる魔力が入れ替わるように入ってくる。
それは全く不快ではなく、まるで綺麗な空気に体が満たされるような。自分の部屋で思う存分くつろいでいるようなひどく満たされた気持ちになる。
そうかと思うと今まで感じたことがないような、足先から頭のてっぺんまで暖かく心地よい魔力に満たされて、今ならものすごく大きな魔法もやすやすと扱うことができそうな力に満ち溢れた気持ちになった。
大きく息を吐いてゆっくりと目を開ける。
ちょうど太陽が昇り始め辺りは薔薇色に包まれている。あまりに美しい風景に涙が溢れてきた。
今までこんなにも自分を受け入れてくれる場所があっただろうか…
こんなにも満たされた気持ちになれるところがあっただろうか…
呆然と炎の力に酔いしれていた私の肩にトンと手が置かれて、アロイス様が唐突に現実に引き戻してきた。
「はい、そこまでね。
このまま彼らの中に溶け込んじゃうんじゃないかと思ったよ。まぁ君ほどの魔力持ちなら自我を保つことはできるだろうけど、初めてのことだしあまり長く彼らとつながるのも危ないからね。」
ハッとして振り返ると少し離れた場所からソーマ皇子がジッとこちらを見つめていた。
笑顔ではない真剣な眼差しにドキッとして落ち着かない気持ちになる。
相変わらずの熱風に髪を流されながら、それでも何故か視線を逸らすことはできなかった。
こんな時間にウロウロしていたら咎められるのではとヒヤヒヤしたが誰にも出会うことなく中庭へとやって来た。
どこで待てとも言われていないけどあの人ならどこにいようと現れるだろうし。
外はヒンヤリと寒く目の前は暗い上に霞んでいて自分の鼻先すら見えない。
帝国は過ごしやすい気候な割りに夜は冷え込み霧に満ちていることが多く到着したばかりの頃はその寒暖差と怪しげな景色にゾッとしていた。
豪華な1人部屋は暖かく過ごしやすいが必要以上に関わらないと言わんばかりの使用人たちはいつも姿が見えず世界にひとりぼっちになったような気がしたものだ。
他の同行者たちは皆短い滞在期間を有効に使おうと慌ただしくしているらしくあまり姿を見ないし。
「まぁ、もう慣れたけど。」
ポツリと呟いた時、ゆっくりと近づいてくる灯りと人の気配を感じた。
「おはようございます。」
居場所を知らせるためにも心持ち大きめの声を出す。
しかし、ゆるやかに滲み出るように現れた姿は想像していた人物ではなかった。
「おはようハフス嬢。迎えにきたよ。」
当たり前のように向けられる笑顔に一瞬見入ってしまってそんな自分に呆れて顔に熱が集まってくる。
「わざわざありがとうございます…殿下。」
「殿下は堅苦しいな。ソーマでいいよ。」
一国の皇子を呼び捨てにできるわけがないのに当たり前のようにそんなことを言ってくる。
まぁちょっと前の私だったら躊躇なく呼び捨てにしていただろうけど…
「では、ソーマ様と…」
苦肉の策でそう提案すると、ソーマ皇子は何故か驚いたように目を見開いてからニカっとまさに太陽のように明るく笑顔を浮かべた。
「いいね。では参りましょうか、ロベリア・ハフス嬢。」
そう言って片腕を差し出す。
私はそっとその太い腕に手をかけながら
「どうぞロベリアとお呼びください。」
と、なんだか覇気のない声を出してしまった。
こんな肌寒く濃い霧の中でも彼の笑顔は間近で見るにはまぶしすぎる。
なんだか居心地の悪さを感じている私とは違いソーマ皇子は小さく鼻歌を歌いながらスイスイと私をエスコートして中庭の開けた場所まで連れて行ってくれた。
彼が掲げる明かりがキラキラとしたものを照らし出したと思ったら、そこにアロイス様がいて私たちに向かって大きく何回か手を振ってくる。
すると急に視界がぐるりと反転したような感覚に陥り、後ろに倒れそうになった。
アッと思った時にはがっしりとした手が背中を支えていて驚いて見上げるとまたあの笑顔がさっきより近くにある。
「大丈夫か?アロイス殿は少し強引だからな。」
私は慌てて体勢を整えてお礼を言うが、それを遮るように声がかけられる。
「少し早めに着いたからまだ日の出まで時間があるね、見てみなよロベリア嬢。すごい景色だろう?」
私はソーマ皇子から急いで離れると辺りを見回した。
先ほどから感じていたことだが、すごい熱気だ。
そして、普通の令嬢なら即、気絶するであろう光景が広がっている。
辺りは煤だらけで真っ黒。風が強く吹く崖っぷちには霧ではなく煙がもうもうと崖下から上がり、その先端で嬉しそうにアロイス様が下を手で指し示していて、その顔は鮮やかな朱色の光に照らされている。
私は恐る恐るアロイス様の隣に立ち下を覗き込んだ。
痛いほど熱い熱気が顔を直撃し、目を開けていられない。吹き上がる熱気と風が私の髪を舞い上がらせる。
慌てて防御魔法をかけ、少し慣れてからゆっくりと目を開くと、赤々と燃える谷底が目に入った。
まるで、火山を上から覗き込んでいるようだが、炎の感覚がまるで違う。
爆破するような力強さではなくひたすらに長く燃え続けることを楽しんでいるかのようなまるでダンスを踊っているような炎の大群がそこにはあった。
じっと暖炉の炎に見入るようにしばらくその場から動けない。
「ここは…一体…」
ようやくそう言葉にすると、アロイス様とソーマ皇子がいつの間にか私を挟むように隣に立っていた。
「炎の谷、バラの雫と呼ばれる希少な宝石が産出される場所だよ。死の谷とも呼ばれてるけどね。」
バラの雫…聞いたことがある。
まるで血を固めたような鮮やかな赤色のその石は研磨するにも高い技術が必要で、小さなかけらだとしても驚くような高値がつくと言われている。
『この地は父上が私に下賜してくださった。バラの雫を狙う輩が多いからな。あれは副産物でしかないというのに。
ここは精霊たちの領域だ。不用意に近づいては命を落とす。今は我々が厳しく見張っている。』
なんとかソーマ皇子の言葉を理解し終えた時アロイス様がこちらに顔を向けてきた。
「君なら感じとれるんじゃない?ロベリア嬢。この地に溢れる力をさ。」
彼の言葉に私は即座に頷いていた。
突然連れてこられた瞬間から感じていたことだ。
熱い熱風に負けない位強く感じられる炎の力。精霊たちの活気溢れるこの谷はまるで炎の精霊たちの小さな村みたいだ。
彼らが笑い、怒り、悲しみ、楽しんでいるのがこの谷の空気全体から感じられる。
谷間をずっと覗き込んでいた体制から姿勢を立て直し、防御魔法を外す。隣に立っていた二人も示し合わせたように離れていく。
そうするとますます彼らの力と声のようなものがワッと押し寄せてくる。
《見せて見せて、あなたも私たちの仲間に加わろうよ》
誘いかけてくるそれが身体中を駆け巡り胸が高鳴る。
瞳を閉じて、すっと息を吸い込みあふれ出しそうな胸の高まりを絡めるように呪文を紡ぐ。
体からたくさんの魔力が抜け出すとともに、この地に溢れる魔力が入れ替わるように入ってくる。
それは全く不快ではなく、まるで綺麗な空気に体が満たされるような。自分の部屋で思う存分くつろいでいるようなひどく満たされた気持ちになる。
そうかと思うと今まで感じたことがないような、足先から頭のてっぺんまで暖かく心地よい魔力に満たされて、今ならものすごく大きな魔法もやすやすと扱うことができそうな力に満ち溢れた気持ちになった。
大きく息を吐いてゆっくりと目を開ける。
ちょうど太陽が昇り始め辺りは薔薇色に包まれている。あまりに美しい風景に涙が溢れてきた。
今までこんなにも自分を受け入れてくれる場所があっただろうか…
こんなにも満たされた気持ちになれるところがあっただろうか…
呆然と炎の力に酔いしれていた私の肩にトンと手が置かれて、アロイス様が唐突に現実に引き戻してきた。
「はい、そこまでね。
このまま彼らの中に溶け込んじゃうんじゃないかと思ったよ。まぁ君ほどの魔力持ちなら自我を保つことはできるだろうけど、初めてのことだしあまり長く彼らとつながるのも危ないからね。」
ハッとして振り返ると少し離れた場所からソーマ皇子がジッとこちらを見つめていた。
笑顔ではない真剣な眼差しにドキッとして落ち着かない気持ちになる。
相変わらずの熱風に髪を流されながら、それでも何故か視線を逸らすことはできなかった。
0
あなたにおすすめの小説
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
転生賢妻は最高のスパダリ辺境伯の愛を独占し、やがて王国を救う〜現代知識で悪女と王都の陰謀を打ち砕く溺愛新婚記〜
紅葉山参
恋愛
ブラック企業から辺境伯夫人アナスタシアとして転生した私は、愛する完璧な夫マクナル様と溺愛の新婚生活を送っていた。私は前世の「合理的常識」と「科学知識」を駆使し、元公爵令嬢ローナのあらゆる悪意を打ち破り、彼女を辺境の落ちぶれた貴族の元へ追放した。
第一の試練を乗り越えた辺境伯領は、私の導入した投資戦略とシンプルな経営手法により、瞬く間に王国一の経済力を確立する。この成功は、王都の中央貴族、特に王弟公爵とその腹心である奸猾な財務大臣の強烈な嫉妬と警戒を引き寄せる。彼らは、辺境伯領の富を「危険な独立勢力」と見なし、マクナル様を王都へ召喚し、アナスタシアを孤立させる第二の試練を仕掛けてきた。
夫が不在となる中、アナスタシアは辺境領の全ての重責を一人で背負うことになる。王都からの横暴な監査団の干渉、領地の資源を狙う裏切り者、そして辺境ならではの飢饉と疫病の発生。アナスタシアは「現代のインフラ技術」と「危機管理広報」を駆使し、夫の留守を完璧に守り抜くだけでなく、王都の監査団を論破し、辺境領の半独立的な経済圏を確立する。
第三の試練として、隣国との緊張が高まり、王国全体が未曽有の財政危機に瀕する。マクナル様は王国の窮地を救うため王都へ戻るが、保守派の貴族に阻まれ無力化される。この時、アナスタシアは辺境伯夫人として王都へ乗り込むことを決意する。彼女は前世の「国家予算の再建理論」や「国際金融の知識」を武器に、王国の経済再建計画を提案する。
最終的に、アナスタシアとマクナル様は、王国の腐敗した権力構造と対峙し、愛と知恵、そして辺境の強大な経済力を背景に、全ての敵対勢力を打ち砕く。王国の危機を救った二人は、辺境伯としての地位を王国の基盤として確立し、二人の愛の結晶と共に、永遠に続く溺愛と繁栄の歴史を築き上げる。 予定です……
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる