49 / 349
砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
35【リハビリついでに演習編15】パラディン大佐親衛隊的生贄
しおりを挟む
【パラディン大佐隊・執務室】
エリゴール
「大佐殿。昨日も差し入れをありがとうございました。十一班長と十二班長からまた連名の礼状を預かってまいりましたので、よろしかったらお受け取りください」
パラディン
「え、また? ……今度は何かな」
エリゴール
「はい?」
パラディン
「いや、何でもない。しかし、今回もしっかり封をしてあるなあ……」
***
パラディン大佐殿。
昨日も、我々に勝利と差し入れをありがとうございました。
そのお礼と言っては何ですが、今回はエリゴール中佐のスナップ写真を同封いたしました。
撮影したのは昨年ですので、今とさほど変わりはないと思います。
ただし、エリゴール中佐にこの写真の存在が知れますと、あらゆる意味で我々が危険にさらされることになりますので、くれぐれも厳重に保管していただきますようお願いいたします。
十一班、十二班一同、大佐殿のご健闘を心よりお祈り申し上げます。
***
パラディン、また手紙を持ったまま、右手で自分の顔を覆う。
パラディン
「エリゴール中佐……」
エリゴール
「ど、どうしました? 今度こそろくでもない内容でしたか?」
パラディン
「いや……感動しすぎて言葉が出てこない……〝ありがとう! これからもよろしく頼む!〟と二人に伝えてくれないか?」
エリゴール
「は、はい……しかし、いったい何が書いて……?」
パラディン
「それはもう……〝お礼〟だよ」
モルトヴァン
「わー……エリゴール中佐が全開で笑ってる……いったい何のときのスナップ写真……」
パラディン
「それはわからないが、とにかく劣化させたくないから、今すぐスキャンしてバックアップとりまくって、コーティング加工してくれ! 誰にも知られないように!」
モルトヴァン
「誰にも知られないようにって……スキャンはできますけど、コーティング加工は業者に頼まないと……」
パラディン
「じゃあ、パウチでいい! それならここでもできるだろう!」
モルトヴァン
「はい、それならできますが……どうするんですか、その写真……」
パラディン
「もちろん、厳重に保管する。……私の内ポケットの中に!」
モルトヴァン
「せめて、カードケースの中に入れてください……それではすぐに発覚しそうです……」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号待機室】
エリゴールは第一号で仮眠をとっているため不在。
ヴァッサゴは十二班にいるため不在。
ゲアプは非番のため不在。
ザボエス
「〝感動しすぎて言葉が出てこない〟か……俺ら、この読みだけはビンゴだな」
ロノウェ
「去年の飲み会でふざけて撮った写真が、こんなところで役に立つとは……隣にヴァラクがいるから、トリミングに苦労したぜ」
レラージュ
「実際、作業したのは俺ですけどね」
ロノウェ
「しかし、〝これからもよろしく頼む!〟って……また差し入れされたら、今度は何を大佐に差し出せばいいんだ?」
ザボエス
「……いっそ、エリゴール本人を差し出すか」
ロノウェ
「そしたら、次がなくなるぞ?」
ザボエス
「問題ない。それで大佐はもう満足する」
エリゴール
「大佐殿。昨日も差し入れをありがとうございました。十一班長と十二班長からまた連名の礼状を預かってまいりましたので、よろしかったらお受け取りください」
パラディン
「え、また? ……今度は何かな」
エリゴール
「はい?」
パラディン
「いや、何でもない。しかし、今回もしっかり封をしてあるなあ……」
***
パラディン大佐殿。
昨日も、我々に勝利と差し入れをありがとうございました。
そのお礼と言っては何ですが、今回はエリゴール中佐のスナップ写真を同封いたしました。
撮影したのは昨年ですので、今とさほど変わりはないと思います。
ただし、エリゴール中佐にこの写真の存在が知れますと、あらゆる意味で我々が危険にさらされることになりますので、くれぐれも厳重に保管していただきますようお願いいたします。
十一班、十二班一同、大佐殿のご健闘を心よりお祈り申し上げます。
***
パラディン、また手紙を持ったまま、右手で自分の顔を覆う。
パラディン
「エリゴール中佐……」
エリゴール
「ど、どうしました? 今度こそろくでもない内容でしたか?」
パラディン
「いや……感動しすぎて言葉が出てこない……〝ありがとう! これからもよろしく頼む!〟と二人に伝えてくれないか?」
エリゴール
「は、はい……しかし、いったい何が書いて……?」
パラディン
「それはもう……〝お礼〟だよ」
モルトヴァン
「わー……エリゴール中佐が全開で笑ってる……いったい何のときのスナップ写真……」
パラディン
「それはわからないが、とにかく劣化させたくないから、今すぐスキャンしてバックアップとりまくって、コーティング加工してくれ! 誰にも知られないように!」
モルトヴァン
「誰にも知られないようにって……スキャンはできますけど、コーティング加工は業者に頼まないと……」
パラディン
「じゃあ、パウチでいい! それならここでもできるだろう!」
モルトヴァン
「はい、それならできますが……どうするんですか、その写真……」
パラディン
「もちろん、厳重に保管する。……私の内ポケットの中に!」
モルトヴァン
「せめて、カードケースの中に入れてください……それではすぐに発覚しそうです……」
***
【パラディン大佐隊・第十一班第一号待機室】
エリゴールは第一号で仮眠をとっているため不在。
ヴァッサゴは十二班にいるため不在。
ゲアプは非番のため不在。
ザボエス
「〝感動しすぎて言葉が出てこない〟か……俺ら、この読みだけはビンゴだな」
ロノウェ
「去年の飲み会でふざけて撮った写真が、こんなところで役に立つとは……隣にヴァラクがいるから、トリミングに苦労したぜ」
レラージュ
「実際、作業したのは俺ですけどね」
ロノウェ
「しかし、〝これからもよろしく頼む!〟って……また差し入れされたら、今度は何を大佐に差し出せばいいんだ?」
ザボエス
「……いっそ、エリゴール本人を差し出すか」
ロノウェ
「そしたら、次がなくなるぞ?」
ザボエス
「問題ない。それで大佐はもう満足する」
1
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
BL学園の姫になってしまいました!
内田ぴえろ
BL
人里離れた場所にある全寮制の男子校、私立百華咲学園。
その学園で、姫として生徒から持て囃されているのは、高等部の2年生である白川 雪月(しらかわ ゆづき)。
彼は、前世の記憶を持つ転生者で、前世ではオタクで腐女子だった。
何の因果か、男に生まれ変わって男子校に入学してしまい、同じ転生者&前世の魂の双子であり、今世では黒騎士と呼ばれている、黒瀬 凪(くろせ なぎ)と共に学園生活を送ることに。
歓喜に震えながらも姫としての体裁を守るために腐っていることを隠しつつ、今世で出来たリアルの推しに貢ぐことをやめない、波乱万丈なオタ活BL学園ライフが今始まる!
どうやら生まれる世界を間違えた~異世界で人生やり直し?~
黒飴細工
BL
京 凛太郎は突然異世界に飛ばされたと思ったら、そこで出会った超絶イケメンに「この世界は本来、君が生まれるべき世界だ」と言われ……?どうやら生まれる世界を間違えたらしい。幼い頃よりあまりいい人生を歩んでこれなかった凛太郎は心機一転。人生やり直し、自分探しの旅に出てみることに。しかし、次から次に出会う人々は一癖も二癖もある人物ばかり、それが見た目が良いほど変わった人物が多いのだから困りもの。「でたよ!ファンタジー!」が口癖になってしまう凛太郎がこれまでと違った濃ゆい人生を送っていくことに。
※こちらの作品第10回BL小説大賞にエントリーしてます。応援していただけましたら幸いです。
※こちらの作品は小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しております。
病んでる僕は、
蒼紫
BL
『特に理由もなく、
この世界が嫌になった。
愛されたい
でも、縛られたくない
寂しいのも
めんどくさいのも
全部嫌なんだ。』
特に取り柄もなく、短気で、我儘で、それでいて臆病で繊細。
そんな少年が王道学園に転校してきた5月7日。
彼が転校してきて何もかもが、少しずつ変わっていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初のみ三人称 その後は基本一人称です。
お知らせをお読みください。
エブリスタでも投稿してましたがこちらをメインで活動しようと思います。
(エブリスタには改訂前のものしか載せてません)
BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。
R指定はないけれど、なんでかゲームの攻略対象者になってしまったのだが(しかもBL)
黒崎由希
BL
目覚めたら、姉にゴリ推しされたBLゲームの世界に転生してた。
しかも人気キャラの王子様って…どういうことっ?
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
…ええっと…
もう、アレです。 タイトル通りの内容ですので、ぬるっとご覧いただけましたら幸いです。m(_ _)m
.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる