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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
04【引っ越しついでに演習編01】どちらもいい性格
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【前パラディン大佐隊・執務室】
パラディン
「人なら簡単に移動できるが、軍艦はそうも行かないな……」
モルトヴァン
「人でも移動できないときはできません。でも、確かに軍艦は難しいですね」
パラディン
「〈オートクレール〉一隻だけならともかく、エリゴール中佐が十一班と十二班は護衛艦のままでいいって言うから……」
モルトヴァン
「どうしてでしょうね。ダーナ大佐の例があるから、砲撃艦二十隻ならすぐに調達できると思うんですが」
パラディン
「その前に、十一班と十二班の転属が完了しないと……」
モルトヴァン
「……あ。転属願のデータ、総務から送信されてきました!」
パラディン
「まさかとは思うが……十一班と十二班の?」
モルトヴァン
「私もまさかとは思いましたが……十一班と十二班です」
パラディン
「総務に出したの、今日の朝一ってエリゴール中佐は言ってなかったか?」
モルトヴァン
「言っていましたね。具体的に何時なのかはわかりませんけれども」
パラディン
「とりあえず、午前中なのは確かだな。……早すぎないか?」
モルトヴァン
「早いですし、全員分、受理していますよ。あの脱字一つで弾く無慈悲な総務が!」
パラディン
「本気で転属を希望しているなら脱字一つしないはずだと総務は考えているんだろう。とにかく、あとは私が承認すれば、彼らはまた私の部下に戻るということだな?」
モルトヴァン
「そういうことになりますね」
パラディン
「よし、モルトヴァン! 今すぐフィリップス副長に電話して、元マクスウェル大佐隊員たちの転属願を明日の朝一に総務に提出させるんだ!」
モルトヴァン
「ええ? 明後日、回収するんじゃなかったんですか?」
パラディン
「そのつもりだったが、十一班と十二班の転属願で確信した! 殿下はドレイク大佐の希望は迅速に叶えようとする! あちらの転属願もどんな不備があろうが受理されて、ダーナ大佐のもとに送られるはずだ!」
モルトヴァン
「大佐の公私混同もひどいけど、殿下のほうがもっとひどい!」
パラディン
「しかし、私にとっては好都合! ドレイク大佐! 殿下に見られる前提のメール、改めてありがとうございました!」
モルトヴァン
「エリゴール中佐には連絡しなくていいんですか?」
パラディン
「もちろんする! 承認し終えたらすぐに!」
モルトヴァン
「ところで、私たちはいつまでこの執務室を使えるんでしょう? 書類上はもうコールタン大佐のものになっていますよね?」
パラディン
「書類上はな。だが、この軍港にはまだ私たちの軍艦がいる! 引っ越しが完全に終了するまではここは私の執務室! コールタン大佐には一歩たりとも足を踏み入れさせない!」
モルトヴァン
「前から思ってましたけど、コールタン大佐相手だと強気ですよね。最近は特に」
パラディン
「モルトヴァン! 電話!」
モルトヴァン
「了解しました! ……とはいうものの、いったいどう言い訳したら……よし! ダーナ大佐に急かされたことにしよう!」
パラディン
「モルトヴァン! 天才か!」
モルトヴァン
「素直に喜べませんが、とりあえず、大佐は早く承認してください……」
パラディン
「人なら簡単に移動できるが、軍艦はそうも行かないな……」
モルトヴァン
「人でも移動できないときはできません。でも、確かに軍艦は難しいですね」
パラディン
「〈オートクレール〉一隻だけならともかく、エリゴール中佐が十一班と十二班は護衛艦のままでいいって言うから……」
モルトヴァン
「どうしてでしょうね。ダーナ大佐の例があるから、砲撃艦二十隻ならすぐに調達できると思うんですが」
パラディン
「その前に、十一班と十二班の転属が完了しないと……」
モルトヴァン
「……あ。転属願のデータ、総務から送信されてきました!」
パラディン
「まさかとは思うが……十一班と十二班の?」
モルトヴァン
「私もまさかとは思いましたが……十一班と十二班です」
パラディン
「総務に出したの、今日の朝一ってエリゴール中佐は言ってなかったか?」
モルトヴァン
「言っていましたね。具体的に何時なのかはわかりませんけれども」
パラディン
「とりあえず、午前中なのは確かだな。……早すぎないか?」
モルトヴァン
「早いですし、全員分、受理していますよ。あの脱字一つで弾く無慈悲な総務が!」
パラディン
「本気で転属を希望しているなら脱字一つしないはずだと総務は考えているんだろう。とにかく、あとは私が承認すれば、彼らはまた私の部下に戻るということだな?」
モルトヴァン
「そういうことになりますね」
パラディン
「よし、モルトヴァン! 今すぐフィリップス副長に電話して、元マクスウェル大佐隊員たちの転属願を明日の朝一に総務に提出させるんだ!」
モルトヴァン
「ええ? 明後日、回収するんじゃなかったんですか?」
パラディン
「そのつもりだったが、十一班と十二班の転属願で確信した! 殿下はドレイク大佐の希望は迅速に叶えようとする! あちらの転属願もどんな不備があろうが受理されて、ダーナ大佐のもとに送られるはずだ!」
モルトヴァン
「大佐の公私混同もひどいけど、殿下のほうがもっとひどい!」
パラディン
「しかし、私にとっては好都合! ドレイク大佐! 殿下に見られる前提のメール、改めてありがとうございました!」
モルトヴァン
「エリゴール中佐には連絡しなくていいんですか?」
パラディン
「もちろんする! 承認し終えたらすぐに!」
モルトヴァン
「ところで、私たちはいつまでこの執務室を使えるんでしょう? 書類上はもうコールタン大佐のものになっていますよね?」
パラディン
「書類上はな。だが、この軍港にはまだ私たちの軍艦がいる! 引っ越しが完全に終了するまではここは私の執務室! コールタン大佐には一歩たりとも足を踏み入れさせない!」
モルトヴァン
「前から思ってましたけど、コールタン大佐相手だと強気ですよね。最近は特に」
パラディン
「モルトヴァン! 電話!」
モルトヴァン
「了解しました! ……とはいうものの、いったいどう言い訳したら……よし! ダーナ大佐に急かされたことにしよう!」
パラディン
「モルトヴァン! 天才か!」
モルトヴァン
「素直に喜べませんが、とりあえず、大佐は早く承認してください……」
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