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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)
55【異動編04】2プラス1
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【パラディン大佐隊・第一班第一号待機室】
ハワード
「……ただいま」
班員A
「あ、班長、お帰りな……」
エリゴール
「さすが元ウェーバー大佐隊。行儀がいいな。うちじゃ『おーす』、『うぃーす』だ」
フィリップス
「班長……あんた、ついに親衛隊に入隊しちまったのか……?」
エリゴール
「親衛隊?」
ハワード
「本当に俺が入隊したんなら、親衛隊長がうちに来るはずないだろう」
エリゴール
「親衛隊長?」
ハワード
「まあ、とにかく座ってくれ。あとで全員紹介するが、とりあえず、こいつが副長のフィリップスだ」
エリゴール
「ああ、話したことはないが知っている。初めましてじゃないがエリゴールだ。よろしく頼む」
フィリップス
「あ、ああ、よろしく……って、いったい何事!?」
ハワード
「その説明も今からする。おまえも座れ、フィリップス」
フィリップス
「……何か、ものすごい緊張感が」
エリゴール
「何で?」
フィリップス
「まあ……初めましてじゃないが、直接話すのはこれが初めてだから。で、班長。大佐んとこに訓練申請に行ったはずのあんたが、何で親衛隊長引きつれて戻ってきたんだ?」
エリゴール
「ちょっと待ってくれ。さっきから言ってる〝親衛隊〟とか〝親衛隊長〟ってのはいったい何なんだ?」
ハワード
「申し訳ない。うちではあんたたちを勝手にそう呼んでるんだ。〝元マクスウェル大佐隊〟だと長いし、右翼のそれと区別がつかないから」
フィリップス
「それで、あんたはそこの代表だから〝親衛隊長〟と」
エリゴール
「代表になった覚えはないが、その〝親衛隊〟っていうのはいいな。正式には〝パラディン大佐親衛隊〟ってことになるのか?」
フィリップス
「まあ、そうなるな」
エリゴール
「そうか。じゃあ、今度から俺もそう呼ぶことにしよう。俺ももう〝元マクスウェル大佐隊〟からは卒業したいと思ってた」
フィリップス
「でも、そう言うあんたは、俺たちを〝元ウェーバー大佐隊〟って呼んでるんだな」
エリゴール
「……すまん」
フィリップス
「いや、あんたたちにはそう呼ばれても仕方がない。俺たち、一応同じ〝パラディン大佐隊〟だからな。俺たちにも〝親衛隊〟みたいな別称があればいいんだが」
ハワード
「……フィリップス。おまえ、俺の代わりに親衛隊長と話してくれ」
フィリップス
「班長、何いじけてんだよ。今から説明するんじゃなかったのか?」
エリゴール
「……班長はお疲れのようだから、俺が代わりに説明する。結論から先に言うと、俺が大佐に――悪いが、この名称を使わせてくれ――〝元ウェーバー大佐隊〟に異動させてもらえないかと頼んだ。大佐は渋ってたが、そのとき、班長が大佐の執務室に来て、うやむやのうちに話がまとまった。俺の所属は一応この第一班第一号。もちろん平だから、余計な気遣いは無用だ」
フィリップス
「いや、親衛隊長に気遣いするなっていうほうが無理だって。いったい何でまた? 親衛隊ほったらかしてきていいのか?」
エリゴール
「実はわざとほったらかしてきた。俺がいなくても本当にやっていけるかどうか見てみたくて。あと、今はあんたたちのほうを早急にどうにかしないとまずいと思った」
フィリップス
「自覚はあったが……やっぱりまずいか?」
エリゴール
「自覚はあったのか。でも、どうすればまずくなくなるのか、わからないで悩んでる状態なんじゃないのか?」
フィリップス
「親衛隊長っ!」
エリゴール
「……〝親衛隊〟はいいが〝親衛隊長〟はやめてもらえないか? エリゴールでいい」
フィリップス
「親衛隊長を呼び捨てなんて、恐れ多くてできない。それなら〝元四班長〟でいいか?」
エリゴール
「……どうしても、それからは逃れられないな」
フィリップス
「〝元四班長〟と呼ばれるのも嫌なのか?」
エリゴール
「好きじゃないが、親衛隊でも年下にはそう呼ばれてた。まあ、仕方がない。〝親衛隊長〟よりはましだ」
フィリップス
「なら、改めて元四班長。……そのとおりだ!」
エリゴール
「俺は今まであんたたち、特にこの一班を見ていて、いつも〝惜しい!〟と思っていた。あと少し。あと一歩。それが足りなくて十一班にも負けた」
フィリップス
「そうか……やっぱりな……俺たちもわかってはいたんだ……あんたがそう言うんなら、やっぱりそうだったんだな……」
ハワード
「……頼む。やっぱり班長やめさせてくれ……」
フィリップス
「また始まった……」
エリゴール
「心労がたまりにたまっていそうだな」
フィリップス
「俺も気の毒には思うが、それでも〝元ウェーバー大佐隊〟をまとめられるのはこの男だけなんだ。今は特にやめられちゃ困る」
エリゴール
「……あんたも、副長じゃない副長だな」
フィリップス
「何だそりゃ?」
エリゴール
「とりあえず班長。あんたの副長に、明日からの訓練予定表見せてやれよ。あと、これからすぐに全班招集して訓練の打ち合わせしないと、時間的に間に合わないんじゃないのか?」
ハワード
「やっぱり俺は班長失格だ!」
フィリップス
「自分で合否判定下すなよ。……おい。訓練内容、まったく変わってないか?」
エリゴール
「悪いが、俺が横から口を出した。訓練の目的は、親衛隊に勝つことだ」
フィリップス
「……何?」
エリゴール
「俺はそのために来た。でも、大佐の護衛もしなくちゃならないから、ちょくちょく別行動をとる。それはどうか見逃してくれ」
フィリップス
「……やっぱりあんた、〝親衛隊長〟じゃないか」
ハワード
「……ただいま」
班員A
「あ、班長、お帰りな……」
エリゴール
「さすが元ウェーバー大佐隊。行儀がいいな。うちじゃ『おーす』、『うぃーす』だ」
フィリップス
「班長……あんた、ついに親衛隊に入隊しちまったのか……?」
エリゴール
「親衛隊?」
ハワード
「本当に俺が入隊したんなら、親衛隊長がうちに来るはずないだろう」
エリゴール
「親衛隊長?」
ハワード
「まあ、とにかく座ってくれ。あとで全員紹介するが、とりあえず、こいつが副長のフィリップスだ」
エリゴール
「ああ、話したことはないが知っている。初めましてじゃないがエリゴールだ。よろしく頼む」
フィリップス
「あ、ああ、よろしく……って、いったい何事!?」
ハワード
「その説明も今からする。おまえも座れ、フィリップス」
フィリップス
「……何か、ものすごい緊張感が」
エリゴール
「何で?」
フィリップス
「まあ……初めましてじゃないが、直接話すのはこれが初めてだから。で、班長。大佐んとこに訓練申請に行ったはずのあんたが、何で親衛隊長引きつれて戻ってきたんだ?」
エリゴール
「ちょっと待ってくれ。さっきから言ってる〝親衛隊〟とか〝親衛隊長〟ってのはいったい何なんだ?」
ハワード
「申し訳ない。うちではあんたたちを勝手にそう呼んでるんだ。〝元マクスウェル大佐隊〟だと長いし、右翼のそれと区別がつかないから」
フィリップス
「それで、あんたはそこの代表だから〝親衛隊長〟と」
エリゴール
「代表になった覚えはないが、その〝親衛隊〟っていうのはいいな。正式には〝パラディン大佐親衛隊〟ってことになるのか?」
フィリップス
「まあ、そうなるな」
エリゴール
「そうか。じゃあ、今度から俺もそう呼ぶことにしよう。俺ももう〝元マクスウェル大佐隊〟からは卒業したいと思ってた」
フィリップス
「でも、そう言うあんたは、俺たちを〝元ウェーバー大佐隊〟って呼んでるんだな」
エリゴール
「……すまん」
フィリップス
「いや、あんたたちにはそう呼ばれても仕方がない。俺たち、一応同じ〝パラディン大佐隊〟だからな。俺たちにも〝親衛隊〟みたいな別称があればいいんだが」
ハワード
「……フィリップス。おまえ、俺の代わりに親衛隊長と話してくれ」
フィリップス
「班長、何いじけてんだよ。今から説明するんじゃなかったのか?」
エリゴール
「……班長はお疲れのようだから、俺が代わりに説明する。結論から先に言うと、俺が大佐に――悪いが、この名称を使わせてくれ――〝元ウェーバー大佐隊〟に異動させてもらえないかと頼んだ。大佐は渋ってたが、そのとき、班長が大佐の執務室に来て、うやむやのうちに話がまとまった。俺の所属は一応この第一班第一号。もちろん平だから、余計な気遣いは無用だ」
フィリップス
「いや、親衛隊長に気遣いするなっていうほうが無理だって。いったい何でまた? 親衛隊ほったらかしてきていいのか?」
エリゴール
「実はわざとほったらかしてきた。俺がいなくても本当にやっていけるかどうか見てみたくて。あと、今はあんたたちのほうを早急にどうにかしないとまずいと思った」
フィリップス
「自覚はあったが……やっぱりまずいか?」
エリゴール
「自覚はあったのか。でも、どうすればまずくなくなるのか、わからないで悩んでる状態なんじゃないのか?」
フィリップス
「親衛隊長っ!」
エリゴール
「……〝親衛隊〟はいいが〝親衛隊長〟はやめてもらえないか? エリゴールでいい」
フィリップス
「親衛隊長を呼び捨てなんて、恐れ多くてできない。それなら〝元四班長〟でいいか?」
エリゴール
「……どうしても、それからは逃れられないな」
フィリップス
「〝元四班長〟と呼ばれるのも嫌なのか?」
エリゴール
「好きじゃないが、親衛隊でも年下にはそう呼ばれてた。まあ、仕方がない。〝親衛隊長〟よりはましだ」
フィリップス
「なら、改めて元四班長。……そのとおりだ!」
エリゴール
「俺は今まであんたたち、特にこの一班を見ていて、いつも〝惜しい!〟と思っていた。あと少し。あと一歩。それが足りなくて十一班にも負けた」
フィリップス
「そうか……やっぱりな……俺たちもわかってはいたんだ……あんたがそう言うんなら、やっぱりそうだったんだな……」
ハワード
「……頼む。やっぱり班長やめさせてくれ……」
フィリップス
「また始まった……」
エリゴール
「心労がたまりにたまっていそうだな」
フィリップス
「俺も気の毒には思うが、それでも〝元ウェーバー大佐隊〟をまとめられるのはこの男だけなんだ。今は特にやめられちゃ困る」
エリゴール
「……あんたも、副長じゃない副長だな」
フィリップス
「何だそりゃ?」
エリゴール
「とりあえず班長。あんたの副長に、明日からの訓練予定表見せてやれよ。あと、これからすぐに全班招集して訓練の打ち合わせしないと、時間的に間に合わないんじゃないのか?」
ハワード
「やっぱり俺は班長失格だ!」
フィリップス
「自分で合否判定下すなよ。……おい。訓練内容、まったく変わってないか?」
エリゴール
「悪いが、俺が横から口を出した。訓練の目的は、親衛隊に勝つことだ」
フィリップス
「……何?」
エリゴール
「俺はそのために来た。でも、大佐の護衛もしなくちゃならないから、ちょくちょく別行動をとる。それはどうか見逃してくれ」
フィリップス
「……やっぱりあんた、〝親衛隊長〟じゃないか」
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