無冠の皇帝

有喜多亜里

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【03】マクスウェルの悪魔たち(下)

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「左翼は何がしてえんだか、さっぱりわかんねえなあ……」

 相変わらず副長席に居座ったまま、パラディン大佐隊十一班長ロノウェは独り言のようにそう言った。
 パラディン大佐隊十班から本日限定で出向してきたゲアプたちにとっては、やはり以前の〝マクスウェル大佐隊八班長〟のほうがしっくり来るのだが、彼はこちらに転属されてきて〝八班長〟ではなくなり、古巣のマクスウェル大佐隊もダーナ大佐隊に編入されて、形式上は消滅してしまった。今は違和感を覚えてしまう〝十一班長〟という奇妙な呼称も、何度も言っていればそのうち慣れるだろう。たぶん。

「悔しいですけど、同感です」

 その〝十一班長〟の副長レラージュは、彼の左隣に立ったまま淡々と答えた。一応敬語を使ってはいるが、力関係ではレラージュのほうがロノウェより上だ。そんな彼なら、自分の席を我が物顔で占拠しているロノウェに嫌味の一つどころか百は言いそうだったが、それに関しては現在に至るまでまったく触れていない。
 どうやらこの班では、戦闘時には班長は副長席に座るのが〝常識〟のようである。班が変われば常識もまた変わる。ゲアプはこの軍艦の操縦席に座ってからしみじみそう思うようになっていた。

「悔しいって何がだよ」

 レラージュに口でもかなうはずがないともうわかっているはずなのだが、学習能力がないのかそれともわざとなのか、ロノウェは必ずと言っていいほど突っかかる。

「班長と同意見なのが悔しいです」

 そして、ばっさり切られる。

「俺にはわからねえが、おまえにはわかるんじゃねえのか?」

 しかし、もう切られることにも慣れてしまっているらしいロノウェは、たいていはこのように軽く受け流す。何と言うか、この二人の会話を背中で聞いていると――操縦席にいるので、たまに振り返ってチラ見しかできない――〝割れ鍋に綴じ蓋〟という慣用句が頭をかすめる。外見は完全に〝美女と野獣〟(もちろん、レラージュのほうが〝美女〟)なのだが。

「俺にもわかりませんよ。むしろ、わかりたくないです。わかったら、アルスター大佐と同レベルってことですから。それなら、班長のほうがまだわかるんじゃないんですか?」

 婉曲にロノウェは馬鹿だとまた言っている。だが、潔いくらい自分が馬鹿だと認めているロノウェはそれについては突っこまなかった。

「わかるっつーか、まさかなあとは思うが。……『連合』の右翼、囲いこんで潰そうと思ったのか? 自分らは後ろから、元ウェーバー大佐隊と無人艦には左右から」

 ロノウェたちは副官席のモニタを見ながら話しているのだろう。そこでは艦長席とほぼ同じものが見られる。ゲアプのいる操縦席でも今ロノウェが言ったことは確認できるが、得られる情報の量や質はやはり異なる。ロノウェたちには自軍の動きがより詳しく把握できるはずだ。

「たぶん、そうだと思いますよ。……やっぱりわかるじゃないですか」
「それを言うなら、おまえだってわかってんじゃねえか」
「本当に悔しいですけど、俺も〝まさかなあ〟と思ったので。だって、どう考えたって無理でしょう? 今回も突撃艦一二〇〇隻は全艦中央に突撃して自爆しましたから、右翼は七〇〇隻まるまる残っていたんですよ? それを有人艦二〇〇隻、無人砲撃艦四〇〇隻で囲いこむなんて。今日は中央から無人艦が一〇〇隻応援に入りましたから、の数は同じになりましたけど、有人艦が交ざっていたら、無人艦はそっちの護衛もしなくちゃならなくなって、その分、戦力も落ちます。そもそも、後ろは必要ないどころか余計でしょう。全速前進している艦艇に背面攻撃しかけたところで、撃墜できる数はたかが知れてますし、逃れようとしてさらに前進速度を上げられてしまいます。それなら、左右から挟撃したほうがまだましですよ。……ということをアルスター大佐はわからなかったのかと思って〝まさかなあ〟と」

 ――確かに、顔だけじゃなくて、頭もいいんだよな。
 きれいだが無感情な声で紡がれる、レラージュの立て板に水式の説明を聞きながらゲアプは思った。ロノウェが〝自分たちはレラージュの後をついていく〟と言ったのもわかる気がする。何だか自分も一緒に後をついていきたいような気分になってきた。

「だよなあ。……アルスター大佐って、んなに馬鹿だったか?」
「少なくとも、マクスウェル大佐やウェーバー大佐よりは馬鹿ではないと思っていましたが」
「それ、比較対象低すぎだろ」
「そうですね。でも、だから今回、とうとうバレてしまったのかもしれませんよ」
「……元ウェーバー大佐隊が気の毒だなあ……」

 心から同情したようなその声音に、ゲアプは思わずロノウェを顧みる。
 ロノウェは若干短めの両腕を組んで、じっとモニタを見つめていた。そんな彼を傍らからレラージュが見下ろしている。一見、標準状態の無表情のようだが、その口元はわずかにゆるんでいるようにゲアプには見えた。

「うちが左翼だったら、この前の無人護衛艦みたいに応援に行けたんですけどね」
「いや、無理だろそれ」
「それくらいはわかるんですね。安心しました」
「ほんとに毒吐きまくるよな、おまえはよ」

 呆れたようにそう言いはするが、ロノウェはまったく怒っていない。馬鹿だと自認していることも含めて、実は太っ腹――確かに小太りだが――な班長なのかもしれない。

(どうしよう……戦闘状況よりも、この班の内部状況のほうが気になる……)

 そんな自分を変だと思いつつも、聞き耳を立てるのをやめられないゲアプであった。

 * * *

 マクスウェル大佐隊元九班長ムルムスは、ゼロ・アワー前に突然青くなり、立ちくらみでもしたのか艦長席にすがりついた。同隊元十班長で現パラディン大佐隊十二班長ザボエスは、それを見かねて艦長席に座っていろと彼に言った。ムルムスは黙ってうなずき、言われたとおりに艦長席に腰を下ろした。
 この軍艦――パラディン大佐隊所属第十二班第一号の副長プルソンは、それを副長席からひそかに見ていた。
 彼の最大の特徴は、存在感がきわめて薄い――ほとんど〝ない〟に等しいことである。同じ第一号の乗組員にも〝あれ、副長いたんですか?〟とよく驚かれる。
 しかし、プルソンは自分の存在感のなさを嫌だとは思っていない。そこをザボエスに買われて、自身の乗艦の副長に任命してもらったからだ。
 存在感がない。それは裏を返せば、自分がすぐそばにいても人に警戒心を抱かれにくいということである。現に昨日、プルソンがずっとムルムスを観察・監視していても、彼はそのことにまったく気づいていなかった。

「おい。医務室行って寝てたらどうだ?」

 右翼の元マクスウェル大佐隊――〝ヴァラク隊〟だとザボエスは言った――と無人砲撃艦群一〇〇隻以外の有人艦・無人艦が出払った頃、艦長席で深くうなだれているムルムスにザボエスがそう声をかけた。
 ムルムスはのろのろと顔を上げ、艦長席の前に立っているザボエスを見た。もう恐怖することにも疲れてしまったようで、その表情はひどく虚ろである。

「医務室……?」
「俺もだが、おまえはもっと仕事がねえだろ。何だったら、基地に帰るまでずっとそこで寝てりゃいい。体調崩して休んでたことにする」

 まともな精神状態だったら、〝身内の恥〟とまで言った自分に対してザボエスが親切すぎると不審に思ったに違いない。だが、今のムルムスはまともではなかった。もっとも、そうなるようにザボエスが彼を追いこんだのだが。

「医務室に誰かいるのか?」
「いや、いない。人員不足だからな。おまえも誰もいないほうが、かえってゆっくり休めていいんじゃねえのか?」
「……そうだな」

 ムルムスはかすかに苦笑いを浮かべると、大儀そうに艦長席から立ち上がった。

「じゃあ、悪いがそうさせてもらう。医務室は……?」
「通路に案内板がある。それ見て自力で行ってくれ。さすがに付き添いまではしてやれねえ」
「わかった」

 自分の立場を思い出したのか、ムルムスはばつの悪そうな顔をした。壁づたいにゆっくりと歩いていき、自動ドアをくぐってブリッジの外へと出ていく。それを見送ってからプルソンは副長席を離れ、ザボエスのそばに立った。

「ほんとに病人みてえだな」

 自動ドアを見やってザボエスが口角を吊り上げる。プルソンは頭一個分高いザボエスの顔を見上げた。

「うまくいきますかね?」

 このようにプルソンが声をかけると、たいていの人間にひどく驚かれるのだが、ザボエスにそのような反応をされたことは今まで一度もない。このときも彼は悪戯を仕掛けた子供のようにプルソンに笑い返した。

「まあ、今日うまくいったほうが、こっちは都合がいいけどな。別にどうしてもってわけでもねえ。もしうまくいっちまったら、プルソン、偽装頼む。あと、このも交換しねえとな。験がワリィ」
「了解しました」

 茶髪の頭を軽く下げ、生真面目に答える。確かに今回の〝仕掛け〟は運まかせだ。否、運だめしと言ったほうが正確だろう。こう見えてザボエスは遊戯を好む。いま彼が言ったのは虚勢でも何でもなく、むしろ、うまくいかないほうがいいと思っているのかもしれない。少しでも長くこの遊戯を楽しめるように。

「しかしまあ、アルスター大佐は何考えてんのかねえ。次回以降もこんな調子だったら、〝栄転〟も時間の問題だわな」

 前方のスクリーンを見ながら、ザボエスはせせら笑った。
 確かに彼は聡明だった。しかし、予言者ではなかった。左翼のアルスター大佐隊の拙攻が、右翼のパラディン大佐隊に転属されたはずの彼らにとって〝他人事〟でなくなるのもまた時間の問題だったのである。

 * * *

 医務室はひどく暑かった。自動ドアが開いた瞬間、ムルムスは思わず顔をしかめ、すぐに空調の温度設定を確認した。
 案の定、ありえない温度に設定されていて、あわてて適温に設定し直す。突貫整備で医務室の温度設定まで手が回らなかったのだろう。ムルムスは単純にそう考え、改めて医務室内を見回した。
 ムルムスたちが乗っていた砲撃艦内のそれと、広さも設備もほとんど変わらない。右手に通常なら医療資格を持つ隊員が常駐しているはずのデスク。左手に三台の簡易ベッド。ただし、薬品等の備品も変わらずそろっているかは、壁に埋めこまれた薬品棚の扉を開けてみないことにはわからない。

 ――水が飲みたいな。

 ブリッジでは飲食厳禁だ。こうして一人になってから、ムルムスはようやく喉の渇きを覚えた。逆に言うと、それまでそんな余裕もなかった。
 考えなければならないことは山ほどある。その山の頂点にあるのは、今後の自分の身の振り方だ。あのザボエスももう頼れる存在ではなくなってしまった以上、ここを離れることも真剣に検討しなければならない。だが、その前にこの渇きを癒やしたい。そう思って目をやったそこにそれはあった。

 ――よかった。これは使えるようにしてあったか。

 医務室の隅。いちばん手前の簡易ベッドの隣。通常、その場所にウォーターサーバーはある。ムルムスは本当に使えることを確認してから、そのウォーターサーバーの横にセットされている紙コップを引き抜き、そこに適度に冷やされた水を注ぎ入れた。
 すぐに飲みたかったが、ずっと立ちっぱなしで疲れていた。ウォーターサーバーのすぐそばにある簡易ベッド――マットレスは敷かれていたが、枕・シーツ・毛布はビニール袋にくるまれてその上に置かれていた――に腰を下ろしてから、一気にその水をあおる。
 喉が渇いているときに飲む水は最高にうまい。満足の溜め息をついたムルムスはもう一杯飲もうと思い、ベッドから立ち上がろうとした。が、足に力が入らず、ベッドの上に尻を落としてしまう。

 ――何だ?

 最初は疲れのせいだと思った。仮眠はとったがしょせん仮眠である。質・量ともに充分ではない。それで長時間立ち話をしていて、とどめにザボエスのあの一言。自分で思っている以上に、体のほうがまいっているのだろう。
 とりあえず、少し横になろう。ムルムスはそう考え直して、手に持っていたコップをベッドの上に置こうとした。しかし、コップはムルムスの手の中から下へと滑り落ち、床の上をカラカラと転がった。

 ――力が……

 入らない。そう思ったときには上半身を支えることもできなくなっていて、ムルムスは足を床につけたまま、ベッドの上に仰向けになっていた。
 簡易ベッドの真上に照明はない。もともと薄暗かった天井が急速に暗さを増していく。
 いったい何が起こった? 貧血か?
 ムルムスは混乱したが、そう考える意識自体が薄れはじめていた。眠りに落ちるときによく似ているが、つい先ほどまで眠気はまったくなかった。そう、あのウォーターサーバーの水を飲むまでは。

 ――まさか……

 必要以上に室温の上げられた医務室。常駐者はいないのに使用可能な状態にされていたウォーターサーバー。ウォーターサーバーのタンクは、大容量のペットボトルのようなものだ。サーバーにセットする前に、その中に〝何か〟を仕込むことも簡単にできる――
 ムルムスは目を閉じた。もうこれ以上何も見たくなかったし、何も考えたくなかった。
 やはり自分は疲れているのだ。肉体的にも、精神的にも。ダーナ大佐の指揮下に入って以降、いろいろなことがありすぎた。だから、たまたまここで一気に疲れが出て眠くなった、ただそれだけのことだ。別にあの水を飲んだせいではない……あの水に混入されていたのは〝あれ〟ではない……
 同僚が自分をざんげんしたのではないかと疑い、それが原因でダーナ大佐隊にもいられなくなり、ダーナが自分たちに命じた〝上官命令〟を転属先のパラディンに暴露して、ひたすら自己弁護と自己保身を図りつづけていた男は、それでも〝仲間〟を信じていた――否、信じていたかった。
 自分のほうが先にその〝仲間〟を裏切り、それゆえに〝仲間〟から報復されたのだという事実からは目をそむけつづけたまま、やがてムルムスは完全に思考能力を失った。

 * * * 

 パラディンが自艦にエリゴールを同乗(そして艦長席の左隣にキープ)させたのは、間違いなく私情からだが、今回に限っては正しい選択だったかもしれない。
 もしエリゴールがいなかったら、パラディンの機嫌は通常ラインで留まらず、さらに下降しつづけていただろう。

「二〇〇隻は今回が初めてだから……と言ってさしあげたいところだが、それは右翼も同じだからねえ。むしろ、すでに半分元ウェーバー大佐隊がいた左翼のほうが、条件的には右翼よりも有利だったはずだ」

 右手で頬杖をつきながら、柔和な笑顔で艦長席のモニタを眺めてはいるが、その表情ほど内心は穏やかではないことは、モルトヴァンやブリッジクルーたちには痛いほどよくわかる。
 幸い、転属二日目のエリゴールにもそのことはわかったようだ。戦闘が始まってからは、パラディンに対して反抗的な発言はしなくなった。

「端的に言えば、アルスター大佐殿には二〇〇隻の指揮は荷が勝ちすぎたということでしょう」

 反抗的ではなくなったが、批判的なのは相変わらずである。口調はあくまで事務的なのも。だが、そこもまたパラディンにはツボらしい。すぐににこやかに微笑み返した。

「本当に端的だね。でも、そのとおりだ。……大佐会議のとき、アルスター大佐は〝自分は二〇〇隻を指揮することは可能だと思う〟と言っていた。あくまで〝思う〟だが、だからできなくても仕方ないとは言い逃れできないだろう。仮にも〝大佐〟なら」
「……アルスター大佐殿は、そう思われていないかもしれません」

 パラディンは笑みを消すと、自分の左側に立つ部下の端整な横顔を見上げた。

「どういうことだい?」

 自分の上官にはいっさい目もくれず、エリゴールは正面を向いたまま無愛想に答える。

「アルスター大佐殿は、ご自分がきちんと指揮できていると思われているかもしれないということです」

 パラディンだけでなく、二人の会話に聞き耳を立てていたモルトヴァンたちも一様に息を呑んだ。
 アルスターはこの艦隊で最年長の〝大佐〟であり、砲撃の〝プロ〟である。そんな男が戦況を正しく把握できないなどということがありうるのか。
 しかし、パラディンはいち早く笑顔を取り戻すと、再びモニタに目を落とした。

「本当にそう考えていらっしゃるとしたら、それはもう〝末期〟だね。たぶん、今回はドレイク大佐がどうにかしてくれるだろうが、戦闘終了後に殿下がどう判断されるか。あと一、二回は様子見されるかな?」
「様子見されて、今回と変わらず、あるいはもっと悪化したらどうされますか?」

 珍しくエリゴールのほうからそう訊ねられ、一瞬、パラディンは意外そうな顔をしたが、嬉しげに口元をゆるめる。

「それは殿下のみぞ知る、だよ。この艦隊では神は殿下だ。我々はただ、ドレイク大佐が殿下のご判断を正しい方向へ導いてくれるようにと祈るしかない」
「ドレイク大佐殿頼みですか」
「彼の言うことなら、殿下も耳を傾けてくれるからね。むしろ、もっと言ってくれ的な」
「は?」
「いやー、本当にドレイク大佐でよかったよ。基本はまともな人だから」

 一人で勝手に何度もうなずくと、パラディンはまたモニタに目を戻す。
 一方、エリゴールは少々不可解そうな顔をしながらも、ブリッジ前方のスクリーンに向き直った。
 二人の見ている方向は違うが、見ているものは同じだろうとモルトヴァンは思った。
 戦闘前の予想とは正反対な両翼の現状。変化を待っていた者たちと変化についていけなかった者たちの残酷なまでの明暗。
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