チャラ男は愛されたい

梅茶

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生徒会

逃げるは恥だが…いや恥だが?

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「…あ、会長たち来たんですね~!!じゃあ会議かなんか始めましょっかぁ!!!」
「おいおい、何勝手に話進めてんだ?」
「ふふ、私たちのことはお構いなく、どうぞ続けてください?」
「気にしないで~!」
「お構いなく~!」


気になるしお構いになるし続けられるわけなくない???どうしてそんなこと言うの????

そして続けてくださいとは言いつつ普通に生徒会室に入り前会議したソファなどに座っていく先輩方。なんでだよ続けさせるならせめて部屋から出ろよ恥ずかしいだろ。いや続ける気もないけど!!

先程は無敵モードであんなに色々言っちゃったが冷静になれば恥ずかしいし千歳の答えを聞くのもなんだか怖くなってきたしもう嫌だ。先輩もいるのだからここは一旦引くべきだろうと茜くんの方を向いてみるが、先輩なんて気にしていないようで千歳の腕に抱きついて「なぁなぁ明日は俺と食べようぜ~!俺たちダチだろ~?」なんて抜かしてやがる。

こ、こいつ…この状況でも引く気がない…だと…ッ!?それではなんだか茜くんの方が、恥ずかしいからと黙ってしまった俺より千歳と仲良し感がある気がしてしまう。うぅ、茜くんに負けた感じになるのは嫌だ…いや、大体俺が先に誘われたのに後から割って入ってくるとかありえなく無い?!

…かといってさっきの続きを会長や先生たちの前で続けられるかと聞かれればそんな度胸もないわけで…と考えている間も二人の会話は続いていく。


「…茜…先に遥を誘ったから…」
「そ、そうだけど…!俺たち友達なんだから、そんな誰かと代わりばんこでご飯食べるなんておかしいだろ!?」
「…でも、茜は遥と一緒嫌なんでしょ?」
「だからあいつと食べないで俺と一緒に食べたらいいだろ!あのな、千歳、喋るのだって誰かと一緒にいるのだって苦手なことを無理してする必要は無いんだぞ?俺はお前の良い所わかってるんだからさ!」
「茜…」


………いや、いやいやいや!!!茜くんいいこと言ったみたいな顔してるけど、なんか俺と食べるのが無理してることになってない!?エッ、そ、そんなことないよねちとせさん!??

もうさっきからどうしたらいいか分からなさすぎて心臓がずっとバクバクと音を立てている。決して自慢な訳では無いが、俺は小学校では優等生でクラスの人気者、中学校ではまぁ、軽いヤツらしかいなかったのでイケメンとなれば基本誰かと誰かに俺をめぐって取り合われる側だった。

あの時は正直何故こんなことでムキになれるのかと不思議で仕方なかったが、今ならあの子たちの気持ちもわかるかもしれない。くそ、こっち向けや千歳さん!!俺は基本チヤホヤされたいタイプなのに!!!

……というか茜くん無敵すぎないか?何言っても反論してくるし、千歳が俺を誘ったって言う入り込む余地がない状況なのにパッションだけで押し切ろうとしてない???勝てる気がしないんだが。千歳も全然言い返してくれないしもしかして茜くんと食べたいってこと??えっこれむしろ俺が悪いまであるの???な訳あるかい。

もうなんか疲れた!!!ネガティブになってきたかもぉッ!!あーー…………というかさ、俺はチャラ男キャラで通ってる訳じゃん?こんながっつくのはさぁ、なんかキャラに合わないしやっぱり大人の余裕見せつけちゃうべきな気がして来たなぁ??


は????決して逃げた訳では無いですけど???????



「…茜、俺は」
「あーー俺もういいや。千歳は茜くんと食べなよ」
「……え」
「えっ、いや、は?!な、なんで、違うだろ…っに、逃げんのかよ!!!」


なんだこれ。文句言ってくるから譲ったのに急にキレられたんだが。茜くんどうした情緒不安定か?千歳と食べたいの食べたくないのどっちだよ。まあもう関係ないからどっちでもいいけど…


「まぁ二人が一緒に食べたいなら俺が割って入るのも良くないしねぇ~。お好きにどうぞぉ?」
「……」
「っ!!?」
「てかさ、今更だけど会議早くしなきゃじゃん。じゃあお先~」


そう告げて千歳と茜くんへの興味を意図的に無くす。俺ってまあ元々奉仕されたい体質というか、自分からグイグイというのがあまり得意でないのでここはもう逃げるが勝ちだろ。…いや逃げてないけどね!??

というか、茜くんはなんで顔青くしてんの?意味わからんだろ喜べよ。こっちは恥を忍んで譲ってやってんのによぉ!!!いや、まあ別に逃げることは恥じゃな…

…いや恥だね!!そして俺は逃げてないからね!!!!!!(3回目)


俺は強引に話を終わらせて会長たちの方へ向かう。何故か会長と伊月先輩が前と同じソファに誰かが座れそうなスペースを開けて笑顔でこちらを見ながら座っていたが、気付かないふりをしてこの前茜くんが座っていた誕生日席に座る。へへっ、早い者勝ちってことよ。

正直何か言われるかなと思ったが、茜くんは顔を青くしたまま会長と伊月先輩の間に収まり、千歳も前と同じ席に座り何事もないまま会議が始まった。


「ふむ、もう終わりか?まだ見ていたかったんだがな…」
「ははは!!会長おもしろ~!!早く会議始めてください」
「そうですねぇ、私もあの終わり方はちょっと納得いかないです」
「映画かなんかの感想ですか???早く会議始めてください」
「「え~~?」」
「待たせてすみませんでしたいいから早く会議始めましょうよぉ…!!!!」


なんだこれ最悪か?何事もなく始めさせてくれよ頼むからよ。


「そんなに会議がしたいのか?仕方の無いヤツめ可愛いな。まあいい、会議を始めてやろう。昨日お前が襲われた件について…」
「やっぱり会議やめません????」


なんだこれ最悪か???????


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