空色の龍の世界で、最下層に生まれた青年は 〜すべてをもっているひと〜

朝子

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第二章 ツル

00.空色の龍02

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 守護の力が尽きてきたことを察する時代にひとつの龍は、その力を使い卵を作り出し、次世代の安寧を自らの卵へと託す。

 空色の龍は卵が孵化し成人するのを見届けると、最期に大きく羽ばたき空を舞い、その身体ごと雲のように溶けていく。


 わたしの守護してきた全てのこの国の子らよ、どうか息災で。


 そうして、わたしの、


 わたしの唯一の者よ。



 その身が、誰よりも幸せで、息災で、安らかでありますように。

 共に消えずとも、いつも意識は。心は。あなたと共にありますように。

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