転生したらなぜか双子になってたけどそれはそれで便利だし気にせずこの素晴らしき世界を楽しみます

気まぐれ八咫烏

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水の精霊編

クラーケン2

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「なんかやばい!みんな!こっちに集まれ!!」



 俺とユイはライカの前に立つとジーナとリンダに叫ぶ。

 すぐに二人は俺達の後ろに降りて来た。



「「【氷結界アイスバリア】」」

 俺達はどんな攻撃がくるか分からないため、防御結界を強めに張る。





 ピカッ!!!!!











ドオォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!















 一瞬で何も見えないくらい光ったかと思うと凄まじい爆音が聞こえた。

 結界で外とは遮断されているはずなのにここまでの爆音が聞こえるということは外はどうなってしまったのか。



 よく見るとかなり分厚く張っている結界がかなり薄くなっている。

 慌てて魔力を込めて頑丈に補強していく。が、補強してもすぐ薄くなる。

 俺達はひたすらに補強を繰り返す。



 どのくらい補強と格闘していただろうか。

 数秒だったような、数分だったような。時間の感覚が失われてしまったが、光が収まるとそこにクラーケンはいなかった。

 クラーケンだけではない。その周辺を覆っていた氷も、クラーケンがいた場所も、ぽっかりと無くなっていた。

 当然、空白になった部分に海水が押し寄せる!

 俺達も結界ごと一緒に流される!



「うわあああーーー」

 ライカ、ジーナ、リンダの3人が叫ぶ。



 これ、結界を消したら死ぬヤツや!絶対に結界は解けない!



 どこに流れるのかサッパリ分からないけど、とりあえず前後左右上下にもみくちゃにされながら、ただひたすらに結界の維持にだけ集中した。





 さらに数分位は経っただろうか。

 揺れが収まり、海の上にプカプカと浮かんでいる俺達の氷結界。



 波はまだ荒いが、ある程度落ち着いてきた。



 周りを見渡すといつの間にか陽が登り始めていて薄暗い中でも3つの島が確認できた。





 結界の維持はユイに任せ、俺は結界の後ろ側から風魔法で大きな風を作り出すと結界にあてる。

 風を付けた結界が少しずつ前進していく。



 目指すは俺達の部隊があった島だ。

 そういえば風で押さなくても水の精霊がいれば水流を操作してもっと早く進めるんじゃないだろうか。



 そう思って首のチョーカーに手を当てると、水印がなかった。

 最後の爆発に巻き込まれて死んじゃったか?



 ユイが首のチョーカーに手を当てて魔力を込めると、水印が光だしウンディーネが現れた。



『ちょっとちょっと!何事~?』



「あ、無事だったのか」



『せっかく海水を聖水に変えて触手を少しずつ溶かしていたのに、途中ですごい勢いの海水がやってきてもうすごかったんだからね』



「海中を吹っ飛ばされてたのか。よく無事だったな」



『私は精霊様なのよ?少々吹っ飛ばされたくらいじゃなんともありません!というか、召喚している最中に別のところに召喚するって常識はずれじゃない!?』



「それで助かっただろ?」



『まぁそうだけど』



「助けてもらったらなんていうの?」

 まるで子供に言い聞かせるように言う。



『え!……ありが……とう』



「どういたしまして。ウンディーネちゃんはちゃんとお礼が言えて偉いね!」



『ちょ!バカにしてるのー?』



「それでさっそくだけど、海水を操作してこの結界ごと俺達をあの島まで運んでくれないか?」



『そんなの簡単じゃない!それ!いくわよ!』

 というと海水が動き出し、俺達は流されるまま島に辿り着いた



『それにしてもあんな勢いの海水が来たのにあんた達よく無事だったわね』



「まぁ、なんとかな。それよりもお前にもらった水印がひとつ無くなったんだがどうすればいい?」



『それなら簡単よ。私が戻れば二つともチョーカーの飾りとしてちゃんと出てくるわ!私が無事な以上それも無事ってわけだから』



「そういうもんか。無事みたいだし、戻っていいぞ」



『ちゃんと私が合図したら魔力を送る話、覚えているんでしょうね?』



「わかったわかった」



 俺の返事を聞いて納得したのか、体中から光を放ちながら小さくなっていきユイの首元のチョーカーに戻ってきた。ユイのチョーカーに水印が復活したと思ったら俺のチョーカーの方にもいつのまにか水印が復活していた。



「さて、部隊がどうなったのか心配だね。もどろうか」



 ヒュュゥゥゥゥゥゥゥ



「何か聞こえない?」

 ライカの一言。
 


「なんの音だ?」

 俺達にも確かに聞こえる。音のなる方を探してキョロキョロしてみたが分からない。



 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ



「だんだん音が大きくなっていない?」



「上にゃ!」



 俺達は一斉に上を向いた。



 そこには大きさ1メートルくらいはある何か塊が俺達のいるあたりに落ちてきている。



「やばっ!避けろっ!!」



 慌てて落下点から逃げる



 ドォオオオオン!!



「なんだこれ?岩か?」



 落ちて来たものを見てみると、いくつかに割れた岩に見えた。



「これ、もしかして魔石じゃない?」



「てことは、クラーケンの魔石か!?」



「こんなバカでかい魔石初めて見た」



「だとしたら、回収しない手はないな。みんなで持てるだけ持って行こうか」



「ジーナとリンダは魔法鞄持ってる?」



「高台に置いてきたにゃ」



「あ、そうか。俺達の荷物も高台だな。部隊も心配だし高台に行ってみようか」



 というわけで、みんなで高台まで登った。



 高台にある円陣にまで戻ってくると、かがり火は消えていた。

 そしてその中央付近では全員が倒れていた。



「ちょっと!大丈夫ですか!?」

 俺達は駆け寄り声を掛けた。



「ん……」

 よかった、とりあえず息はあるようだ。



「「【小回復ヒール】」」

「「【小回復ヒール】」」

「「【小回復ヒール】」」

「「【小回復ヒール】」」

 俺達はとりあず全員に回復魔法をかけて回った。



「……助かった……のか」

気が付いたカリューさんが呟いていた。



「ええ、みんな無事のようです」



「そうか、よかった」



「どうやらみんなケガよりも体力を使い果たして動けないだけみたいだね」



「じゃあ、みんなをテントに運ぼう」



 というと俺達はみんなをテントに運んだ。

 テントは戦いのせいで一部壊れていたが、なんとか直して組み立てた。



 そして自分たちの荷物を取ると再度海辺に向かった。



 海辺では先ほど見つけた魔石をみんなの魔法鞄に分けて入れた。



 その足で島の反対側に停泊しているはずのギルドの船へと向かった。

 が、船は見当たらなかった。



「最後のあれで流されちゃったのかな」



「そうかもしれないね。だけどどうにもしてあげれないな」



「仕方ない、高台で救助を待つか」



「そうだね。他のみんなも休んでいるだろうから何か温かいものでも作ろうか」



「賛成!俺もお腹すいてきた」



 というわけで、俺達は再び高台にやってきた。



 朝日の中釜土に火を入れ、昨日取っておいたキラーフィッシュを使った鍋を作った。

 作り方は昨日と全く一緒。なんなら昨日一度作っていたので手順とかを考えなくていい分、昨日よりもうまく作れたと思う。



 塩焼きも鍋もいい感じに出来上がり、辺りはいい匂いに満たされてきた。

 少し体力の回復した護衛部隊と弓部隊がバラバラと起き出してきた。



「もう大丈夫なの?」



「ああ、頑丈なのが取り柄だからな」

 ヒゲーズが言う分にはまったく異論はない。



 ただ、魔法使い部隊はまだ起きてこれないみたいだ

「あいつらはもう少し休ませてやってくれ。魔力を使い果たしただろうからな」



「じゃあ、寝てる人は置いといて朝食にしましょうか」



 俺とユイでテントの近くに簡易椅子とテーブルを作り出すとそこに鍋と塩焼きを並べていく。



「君たちも疲れているだろうに、悪いな」

 ラングさんは這うようにして起きて来たかと思ったら、這うようにしてテーブルに着いた。



「ラングさんも無理しないでくださいね。ゆっくり食べてください」



「ああ、ありがとう」



 とりあえず皆に料理を振舞うと俺達も朝食にした。

 冷え切った体に温かいスープが身に染みて旨い!!



「しかし、皆さんよく無事でしたね」



「ああ、俺達は魔法使い部隊が壁を作ってくれてな。それでもすごい威力だったから最後は吹っ飛んでしまったがな」

 カリューさんが苦笑いを浮かべながら話してくれた。



「いや、俺達よりもお前たちのほうがよく無事だったよな。それにどうやって倒したんだ!?」

 ブショウさんが言ってきた



「俺達はあの後、接近して剣撃で攻撃をしていたんです」



「ジーナとリンダなんて、クラーケンの上に乗って頭をガンガン切り落としていったんですよ」



「なんとなくここからもそれは見えた。が、あれお前さん達だったのか」



 ジーナとリンダは目だけで頷くと、キラーフィッシュ鍋に夢中だ。



「そのあと、俺とユイも剣で攻撃しようとすると、さっきまで落雷のショックで気を失っていたクラーケンが気が付いたんですよ」



「なんで分かったんだい?」



「だってそれまで白目だったのが急にギラッて睨んできたんですよ。それから海の中の触手で攻撃しているのか氷を叩く音は始まるし」



「もうチビっちゃうかと思いましたよ。あの至近距離であの顔に睨まれたんだから。だから俺達はまず目を攻撃したんです」



「ああ、それもなんとなくだけどこっちからも見えていたよ。そのあとがこちらからはよく見えなかったんだ」



「ボクがクラーケンの後ろ側に回って魔法で攻撃してたんだ。反対側だから見えなかったのかな」



「おかわり!」

「おかわりにゃ!!」



 ジーナとリンダにそれぞれお代わりをよそってあげる。

 君たち夢中すぎるだろ!



 ジーナとリンダのお代わりコールで熱戦の様子を話していた空気が一段緩んだ。



「まぁ、食事中だしちょっとグロい部分は省いて、最後はライカの【火球ファイアーボール】がトドメになったんです」



「あのクラーケンが【火球ファイアーボール】で倒されたってのか!こりゃすごいな!!」



「だから、ライカを怒らすと怖いですよ~?」



「ちょっと!たまたまそうなっただけでそれまでみんなの攻撃があったからじゃない!」



「「「あはははは」」」

 ちょっとふくれっ面になっていたライカだが、すぐに笑顔になった。



「最後は俺とユイで結界を張って爆発を防いでなんとかここまで戻ってきたってわけです」



「あの爆発を至近距離で防ぎきるって……」

 モウラさんがそんな事を呟いていたが、そっとスルーしておいた。



「そういえば、戻ってくる前にギルド船が停泊してあった場所も行きましたが、流されてしまったようでいませんでした」



「そりゃ、あんなことがあればいくら島の反対側とはいえ流されもするだろうな」



「ということは俺達は帰れないのか?」



「分かりませんが、しばらくは救助を待つほかないのでは?」



「コスィーさん達は大丈夫でしょうかね?」

 ギルド船が行方不明だから心配になる。



「ああ、あいつは大丈夫だ」



「そんなに有能な方なんですか?コスィーさんて」



「ああ、あいつはな。有能とかじゃなくて、悪運だけは強いから大丈夫だろう」



「確かに、悪運だけは強いですもんね」

 大人たちだけに分かるネタなんだろうか。

 ちょっと疎外感もあるが、これだけみんなが大丈夫というならきっと大丈夫なのだろう。



「それとこれを見てください」



 俺は魔法鞄から魔石を一塊取り出した。



「これは?」



「たぶん、クラーケンの魔石だと思うのですが……」



「うっへぇ~!こんなデカいの初めて見た!!」



「あ、いえこれはその一部です。なんか上空に吹き飛ばされていたようで、地面に落ちた衝撃で割れていたんですよ」



「これで一部なのか!?」



「とりあえず全部回収はしておいたんですが、ギルドに戻ってから分配したのでいいですか?」



「バカいうな、倒したのはお前たちなんだから、お前たちが取っとけよ」



「そうだな。俺達はギルドからの報酬で十分だ」



「いやいや、そういう訳にはいきませんよ。あんなの俺達だけじゃ倒せませんでしたから」



「どうするかはお前たちの自由だ。それはお前たちのもので俺達に異論はないからな」



「じゃあ、ギルドに戻って分配するようにしますね」



 なんていうやりとりがあった頃、ジーナとリンダは満腹になったのかやっと会話に加わってきた。



「一緒に来た連中はどうなったかにゃ?」



「ああ、そういえばジーナとリンダはどうやってここまで来たんだ?」



「そりゃ、シーマから船できたにきまってるにゃ」



「シーマからは私たちと他に20人位が増援部隊として遅れて出発しました。この島に来る前にもう一つの島に寄って他の人達はそこで降りましたよ。」



「そのあと、この島に来たにゃ」



「その船はどこ行ったの?」



「なんでも、もう一つの島の裏側で待機するとか言ってましたね」



「ここからは見えそうにないね」



「他の部隊がどうなったのかも気になるね」



「船がないと確認にも行けないな」



 食事が終わると俺達も少し休むことにした。

 何だかんだで俺達は動きっぱなしだったし。それに魔力も結構消費してしまった。

 満腹にもなったのでテントで横になるとすぐに寝入ってしまった。
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