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14.冥界
1.水没した雪原
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光に包まれた状態で最初に回復してきたのは聴覚だった。剣戟の音が聞こえてくる。誰かがどこか遠くで戦っているのか。
ボーっとしていた頭が起きていく。聴覚も冴えてくる。遠くに聞こえていた戦闘の音が近くに聞こえてくる。
重たく閉じていた瞼が少しずつ開いていく。ぼやけた視界の中で誰かが武器を振っていた。しばらくの間瞬きをし、もう一度目を開ける。
その瞬間、目の前にはシーサーペントの頭があった。回転しながら向かってくる頭に反応できず、額同士がぶつかり合う。
「がっ!!」
何も理解できないまま、もう一度倒れる。アレンは頭を擦りながら上体を起こす。
「アレンが起きたぞ」
「遅ェぞ!」
怒られたが、完全に起ききっていないアレンにはあまり響かない。
「アレン! パレードだ。どこを潰せばいいのか探してくれ」
「へぇ、あ、はい」
アレンは目元を擦り、頬を張ると、立ち上がろうと手をつく。ぐにゃりと気色悪い感触とともに上体がズレた。目を向けるとシーサーペントの頭があった。手にはべっとりと血や肉がついている。速攻で手を洗いたいが、水場はシーサーペントに支配されている。手を突っ込んだ瞬間なくなってしまうだろう。
アレンは瞳に魔力を集め、必死に止める手段を探す。全力を投じた結果、一瞬で見つけることができた。左前方30mの位置に宝玉が見えた。すぐにアストロに知らせる。
「左前方30mね」
「はい」
「了解」
アストロは一度だけ確認を取ると、宝玉に向けて雷を落とす。シーサーペント達は宝玉を護るように積み重なり、雷を受ける。
雷はシーサーペントに当たり、威力が衰えることなく宝玉まで貫く。電撃は伝播していき、アシドまで食らう。電気の痛みに目玉が飛び出すかと思った。アシドは痺れながらも岸に上がる。
「ア~ス~ト~ロ~‼」
「ごめん。そこまで伝わるとは思わなかった。これはごめん」
アシドがキレているが、アストロは素直に謝っている。正直な話、アレンもアシドが食らうとは思っていなかった。アシドはアストロの肩を掴むと、アストロを支えにして岩に座る。
「残党処理頼んだ」
「お疲れ」
痺れて動けないアシドにコストイラが顔を向けず労いの言葉をかける。宝玉を壊したのでこれ以上新しいのが出なくなったとはいえ、まだシーサーペントは残っている。コストイラとシキ、そしてレイドはひたすらに自分の武器を振った。
「まずは状況を整理しましょう」
アレンは手を洗い、コストイラ達が合流するのを待ち、話を切り出す。コストイラは刀を収め、岩に座る。
「ここはおそらく冥界だな。まぁ、想像していたものとはだいぶ違うけどな」
「確かにそうね」
見つめる先にある光景にコストイラは鼻を鳴らす。同じく外に目を向けるアストロは水に沈んだ景色を見て辟易していた。
「冥界ってもっとおどろおどろしいところだと思っていたけど、結構綺麗よね。一応、人っぽいのもいるし」
先の戦いにおいて、戦っていたのはアレン達だけではなかった。鎧に身を包み、それぞれ手には武器を持っている。しかし、人型であるが、どう贔屓目に見ても肌が透けている。それはまさしく幽霊の特徴だ。
彼らはパレードを乗り切れた喜びを分かち合っていた。数人がこちらをチラチラと見てくる。話しかけたいが、どうすればいいのか分からないようだ。
一人の男が近づいてくる。歴戦の戦士の雰囲気を醸し出しており、それらは顔の傷から感じ取れた。男はにこやかに話しかけてくる。
「先ほどは一緒に戦ってくれて、どうもありがとう。私は自衛隊の総隊長を務めているホキトタシタという者だ」
「自衛隊? あ、僕はアレンです」
「アレン、アレンね。自衛隊というのはこの冥界に起きた事件の解決をしたり、危険生物の駆除をしたりもする。そういう組織だ。えっと、あ、あ、ア?」
「アレンです」
「そうだそうだ、アレンだ。……アレンね」
ホキトタシタは後頭部を掻きながら記憶を託した。人の名前は3回は会わないと覚えられないと自称しているが、大丈夫だろうか。
「なぁ、オレ達は迷子なんだ。ここは具体的にどこなんだい?」
「何? 迷子なのか。ここは冥界の東の奥の方だ。ここは入るのが制限されているはずなんだが、どうやって迷い込んだ」
優しそうな顔が真顔に変わり、目が細まる。まずい。凄い疑われている。この人は自衛隊、しかもかなり偉い人だ。この人に敵だと認定されたら、冥界では安寧を望むことは不可能だろう。
「ん? あ、何とかの後ろにいるお前、ペンダントつけているな」
名前を覚えてもらえないようだ。呼ばれたコストイラはペンダントを指先で弄びながら、ホキトタシタの胸元に視線を向ける。赤と緑と金と黒の四色のペンダントがつけられている。他の隊員もペンダントを着けているが、一色、白が付け加えられている。
「成る程」
コストイラが何かを答える前にホキトタシタは納得したように頷き、首を捻る。右上の一点を眺めながら固まる。アレン達も釣られてホキトタシタの視線の先を見る。何か特別なものがあるわけではない。
「迷子と言っていたが、どこに向かっていたのだ? 送ってやろうではないか」
「そんな悪いです」
「いやなに。下手に何かされるのが嫌なのでな。いわゆる監視というやつだ」
にこやかに告げるホキトタシタに、苦笑いが出た。しかし、考えてみれば自然な提案だ。思惑まで明かす必要があったのかは分からないが、きっとこれも自衛隊の仕事なのだろう。
「いいんじゃない?私達は道が分からないんだし、利用できるときは利用するべきね。まぁ、お金が発生したり、体の要求をしてくるというなら別だけど」
アレンがアストロ達に視線を移すと、そんなことを言われた。ホキトタシタは肩を竦める。
「こちらが要求するのは2つ。冥界内で悪さをしないことと、その戦闘能力だ」
悪さをするなは分かる。確実に彼らの仕事を増やす結果になるからだ。戦闘能力は何だ? 何かの討伐を手伝ってほしいのだろうか。
「行く場所によっては危ない魔物がいたりするからな。君達を守りながら戦えるほど戦力をこちらには割けない。有事の報せがいつ来るか分からないからな」
「成る程、それはその通りだ。オレ達が向かっているのは奈落なんだ。危険生物はいるのか?」
「奈落だと!? おそらく冥界で1,2を争う危険生物が2体いる。危険どころではないな」
「1,2を争うやつが2体?」
「その2体で最強を争っているんだと言われている。分からんがね。私はまず近づきたくない」
なぜか笑顔のままに告げるホキトタシタに頭を抱える。その姿を見た隊長は口角をさらに上げる。
「私も付いて行こう。心配するな」
『なぜこんなところにいる』
紫色の肌に闇の魔力を纏った男が塔の中で困惑していた。口から出た言葉は疑問というよりは確認だった。男には分かっていた。目の前にいる女は男の見知った人物だった。
『なぜ? 見当はついているんじゃないのかい? ジャバド君?』
『シュルメ……』
目の前にいた女は机に肘をついた状態であり、男は立ち尽くしていた。すると、シュルメの側に立っていた鎧を着た女が怒鳴る。
『貴様! ”様”を付けないか!』
『やめて。話しづらいから』
『ハッ!!』
大きな声を出し、一歩前に出ていた足を戻し、直立不動となる。素人眼に見ても鎧の女は明らかに強い。無意味に抵抗するのはよろしくないだろう。
『ジャバド君は生前親の死をきっかけに悪の道に進み始めました。人のモノを盗み。人のモノを壊し、人の命を奪いました』
女が平坦な声で事実をつらつらと並べていく。ジャバドは何も言い返すことなく聞き続ける。その後もずっとジャバドの悪行が続く。今、客観的に聞いて昔のジャバドは酷いことをしまくっていた。当時のジャバドは育ての親に言われたことに反発していた。
『以上の行いは事実か?』
『……ハイ…………』
シュルメの確認に対し、声を殺して肯定する。感情があまり出なかった。ジャバドはそんな自分に驚いていた。自分は確実に地獄に落ちる。そう思っていたからかもしれない。
シュルメは片目を瞑り、ジャバドを見つめる。ジャバドはピクリとも動かない。大人しく判決を待つ。シュルメは両目を閉じ、小さく息を吐く。手元にある筆を執り、何かをさらさらと書き始める。静かな空間に物を書く音だけが響いている。もうすぐ罪が宣告される。自分の行いに反省もあれば後悔もある。どうして私はあんな行いをしてしまったのだろう。
カタンと筆が置かれる。身が少し強張る。結果が分かっていても心臓は激しく脈打つ。
『シュルメ様!?』
『うるさいよ』
鎧の女がシュルメに口を出そうとするが、シュルメは手をひらひらとさせ中断させる。シュルメは紙を持ち上げ、見せつけながら宣言する。
『そもそも裁判なんて私の仕事じゃないモノを請け負ったのは何でだと思うのさ。ジャバド。天国に行きなさい。私なりの優しさだよ。両親に会いに行きなさい』
ジャバドは驚いた顔でシュルメを見る。
『さぁ、判決は出しました。さっさと行きなさい』
ジャバドが何か言いたそうにするが、外へと連れ出される。ジャバドは天国へと連れていかれた。
ボーっとしていた頭が起きていく。聴覚も冴えてくる。遠くに聞こえていた戦闘の音が近くに聞こえてくる。
重たく閉じていた瞼が少しずつ開いていく。ぼやけた視界の中で誰かが武器を振っていた。しばらくの間瞬きをし、もう一度目を開ける。
その瞬間、目の前にはシーサーペントの頭があった。回転しながら向かってくる頭に反応できず、額同士がぶつかり合う。
「がっ!!」
何も理解できないまま、もう一度倒れる。アレンは頭を擦りながら上体を起こす。
「アレンが起きたぞ」
「遅ェぞ!」
怒られたが、完全に起ききっていないアレンにはあまり響かない。
「アレン! パレードだ。どこを潰せばいいのか探してくれ」
「へぇ、あ、はい」
アレンは目元を擦り、頬を張ると、立ち上がろうと手をつく。ぐにゃりと気色悪い感触とともに上体がズレた。目を向けるとシーサーペントの頭があった。手にはべっとりと血や肉がついている。速攻で手を洗いたいが、水場はシーサーペントに支配されている。手を突っ込んだ瞬間なくなってしまうだろう。
アレンは瞳に魔力を集め、必死に止める手段を探す。全力を投じた結果、一瞬で見つけることができた。左前方30mの位置に宝玉が見えた。すぐにアストロに知らせる。
「左前方30mね」
「はい」
「了解」
アストロは一度だけ確認を取ると、宝玉に向けて雷を落とす。シーサーペント達は宝玉を護るように積み重なり、雷を受ける。
雷はシーサーペントに当たり、威力が衰えることなく宝玉まで貫く。電撃は伝播していき、アシドまで食らう。電気の痛みに目玉が飛び出すかと思った。アシドは痺れながらも岸に上がる。
「ア~ス~ト~ロ~‼」
「ごめん。そこまで伝わるとは思わなかった。これはごめん」
アシドがキレているが、アストロは素直に謝っている。正直な話、アレンもアシドが食らうとは思っていなかった。アシドはアストロの肩を掴むと、アストロを支えにして岩に座る。
「残党処理頼んだ」
「お疲れ」
痺れて動けないアシドにコストイラが顔を向けず労いの言葉をかける。宝玉を壊したのでこれ以上新しいのが出なくなったとはいえ、まだシーサーペントは残っている。コストイラとシキ、そしてレイドはひたすらに自分の武器を振った。
「まずは状況を整理しましょう」
アレンは手を洗い、コストイラ達が合流するのを待ち、話を切り出す。コストイラは刀を収め、岩に座る。
「ここはおそらく冥界だな。まぁ、想像していたものとはだいぶ違うけどな」
「確かにそうね」
見つめる先にある光景にコストイラは鼻を鳴らす。同じく外に目を向けるアストロは水に沈んだ景色を見て辟易していた。
「冥界ってもっとおどろおどろしいところだと思っていたけど、結構綺麗よね。一応、人っぽいのもいるし」
先の戦いにおいて、戦っていたのはアレン達だけではなかった。鎧に身を包み、それぞれ手には武器を持っている。しかし、人型であるが、どう贔屓目に見ても肌が透けている。それはまさしく幽霊の特徴だ。
彼らはパレードを乗り切れた喜びを分かち合っていた。数人がこちらをチラチラと見てくる。話しかけたいが、どうすればいいのか分からないようだ。
一人の男が近づいてくる。歴戦の戦士の雰囲気を醸し出しており、それらは顔の傷から感じ取れた。男はにこやかに話しかけてくる。
「先ほどは一緒に戦ってくれて、どうもありがとう。私は自衛隊の総隊長を務めているホキトタシタという者だ」
「自衛隊? あ、僕はアレンです」
「アレン、アレンね。自衛隊というのはこの冥界に起きた事件の解決をしたり、危険生物の駆除をしたりもする。そういう組織だ。えっと、あ、あ、ア?」
「アレンです」
「そうだそうだ、アレンだ。……アレンね」
ホキトタシタは後頭部を掻きながら記憶を託した。人の名前は3回は会わないと覚えられないと自称しているが、大丈夫だろうか。
「なぁ、オレ達は迷子なんだ。ここは具体的にどこなんだい?」
「何? 迷子なのか。ここは冥界の東の奥の方だ。ここは入るのが制限されているはずなんだが、どうやって迷い込んだ」
優しそうな顔が真顔に変わり、目が細まる。まずい。凄い疑われている。この人は自衛隊、しかもかなり偉い人だ。この人に敵だと認定されたら、冥界では安寧を望むことは不可能だろう。
「ん? あ、何とかの後ろにいるお前、ペンダントつけているな」
名前を覚えてもらえないようだ。呼ばれたコストイラはペンダントを指先で弄びながら、ホキトタシタの胸元に視線を向ける。赤と緑と金と黒の四色のペンダントがつけられている。他の隊員もペンダントを着けているが、一色、白が付け加えられている。
「成る程」
コストイラが何かを答える前にホキトタシタは納得したように頷き、首を捻る。右上の一点を眺めながら固まる。アレン達も釣られてホキトタシタの視線の先を見る。何か特別なものがあるわけではない。
「迷子と言っていたが、どこに向かっていたのだ? 送ってやろうではないか」
「そんな悪いです」
「いやなに。下手に何かされるのが嫌なのでな。いわゆる監視というやつだ」
にこやかに告げるホキトタシタに、苦笑いが出た。しかし、考えてみれば自然な提案だ。思惑まで明かす必要があったのかは分からないが、きっとこれも自衛隊の仕事なのだろう。
「いいんじゃない?私達は道が分からないんだし、利用できるときは利用するべきね。まぁ、お金が発生したり、体の要求をしてくるというなら別だけど」
アレンがアストロ達に視線を移すと、そんなことを言われた。ホキトタシタは肩を竦める。
「こちらが要求するのは2つ。冥界内で悪さをしないことと、その戦闘能力だ」
悪さをするなは分かる。確実に彼らの仕事を増やす結果になるからだ。戦闘能力は何だ? 何かの討伐を手伝ってほしいのだろうか。
「行く場所によっては危ない魔物がいたりするからな。君達を守りながら戦えるほど戦力をこちらには割けない。有事の報せがいつ来るか分からないからな」
「成る程、それはその通りだ。オレ達が向かっているのは奈落なんだ。危険生物はいるのか?」
「奈落だと!? おそらく冥界で1,2を争う危険生物が2体いる。危険どころではないな」
「1,2を争うやつが2体?」
「その2体で最強を争っているんだと言われている。分からんがね。私はまず近づきたくない」
なぜか笑顔のままに告げるホキトタシタに頭を抱える。その姿を見た隊長は口角をさらに上げる。
「私も付いて行こう。心配するな」
『なぜこんなところにいる』
紫色の肌に闇の魔力を纏った男が塔の中で困惑していた。口から出た言葉は疑問というよりは確認だった。男には分かっていた。目の前にいる女は男の見知った人物だった。
『なぜ? 見当はついているんじゃないのかい? ジャバド君?』
『シュルメ……』
目の前にいた女は机に肘をついた状態であり、男は立ち尽くしていた。すると、シュルメの側に立っていた鎧を着た女が怒鳴る。
『貴様! ”様”を付けないか!』
『やめて。話しづらいから』
『ハッ!!』
大きな声を出し、一歩前に出ていた足を戻し、直立不動となる。素人眼に見ても鎧の女は明らかに強い。無意味に抵抗するのはよろしくないだろう。
『ジャバド君は生前親の死をきっかけに悪の道に進み始めました。人のモノを盗み。人のモノを壊し、人の命を奪いました』
女が平坦な声で事実をつらつらと並べていく。ジャバドは何も言い返すことなく聞き続ける。その後もずっとジャバドの悪行が続く。今、客観的に聞いて昔のジャバドは酷いことをしまくっていた。当時のジャバドは育ての親に言われたことに反発していた。
『以上の行いは事実か?』
『……ハイ…………』
シュルメの確認に対し、声を殺して肯定する。感情があまり出なかった。ジャバドはそんな自分に驚いていた。自分は確実に地獄に落ちる。そう思っていたからかもしれない。
シュルメは片目を瞑り、ジャバドを見つめる。ジャバドはピクリとも動かない。大人しく判決を待つ。シュルメは両目を閉じ、小さく息を吐く。手元にある筆を執り、何かをさらさらと書き始める。静かな空間に物を書く音だけが響いている。もうすぐ罪が宣告される。自分の行いに反省もあれば後悔もある。どうして私はあんな行いをしてしまったのだろう。
カタンと筆が置かれる。身が少し強張る。結果が分かっていても心臓は激しく脈打つ。
『シュルメ様!?』
『うるさいよ』
鎧の女がシュルメに口を出そうとするが、シュルメは手をひらひらとさせ中断させる。シュルメは紙を持ち上げ、見せつけながら宣言する。
『そもそも裁判なんて私の仕事じゃないモノを請け負ったのは何でだと思うのさ。ジャバド。天国に行きなさい。私なりの優しさだよ。両親に会いに行きなさい』
ジャバドは驚いた顔でシュルメを見る。
『さぁ、判決は出しました。さっさと行きなさい』
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