78 / 143
第四章 Bay City Blues (ベイシティ ブルース)
4. 近接戦闘
しおりを挟む■ 4.4.1
「マサシ、ありました。第八衛星ボシュエテーに幅5km、深さ3km、長さ500kmのクレバスです。どちらかというと、大地溝帯ですね。ボシュエテーには他にも同様のクレバスが沢山あります。」
「都合が良いな。表層物質は何だ?」
「岩石ですが、部分的に数百m程度の水の固体層が認められます。」
「地下に海があるようなことは?」
「そのような情報は得ていません。」
「ニュクス、質問だ。分解フィールドで穴を掘る事は出来るか?」
「もちろん出来るがの。注意せねばならぬぞ。分解フィールドは『分解』しておるだけじゃからの。穴の深さが深くなる程、分解した物質の吹き出しは無視できぬぞえ。」
固体を分解して気体として放出すれば、温度にもよるが約2000倍の体積になる。分解フィールドはさらにその気体原子を素粒子レベルにまで分解する。という事は、より激しいガスの発生が起こる。ほぼ爆発に近い。
分解フィールドを重力シールドの外側に張ればなんとかなりそうな気もしないでも無いが。
しかし出来れば、そんな激しく濃密な素粒子流の中に船体を置いておきたいとは思えない。
この手は無しだな。
腹は決まった。
「今から第六惑星近傍に突入する。相対速度1000km/sec程度で、第六惑星ナバワを高度十万で一周しつつ減速、その後ナバワ第八衛星ボシュエテーに接近。先ほどのクレバスに突入する。」
「クレバスに入って、その後は・・・いや、聞かない事にする。」
ブラソンの半ば呆れた呟きが聞こえた。
その後は完全には決まっていない。まさか軽巡艦隊が後を付けてクレバスに進入してくる程バカだとは思っていないが。
「レジーナ、操縦をこちらに貰う。I have。」
「諒解しました。You have。」
操縦を貰うと言っても、操縦桿を握るわけでは無い。船の操縦に俺の意思が直接反映される様になるだけの話だ。
さて。惑星ナバワがそろそろ肉眼でも視認できているだろう。多少の情報は流しておかないと、いくら何でも不親切というものだ。
船内スピーカーと、ネットワーク上でアナウンスする。
「こちら船長。マサシだ。本船は、国籍不明の軽巡洋艦三隻からなる艦隊に追跡されている。これから第六惑星ナバワ周辺宙域で回避行動を取る。各員は所定の位置に付き、固定具を使用の事。乗客のうちヒューマノイド系生体を持つ者は自室のソファに着席し、固定具を使用の事。イベジュラハイ氏は、個室内の水槽に固定具がある。使用して戴きたい。船長より、以上。」
送信のみの一方的なアナウンスであり、返答や質問は受け付けていない。そんなものに受け答えしていては、こちらの本来の仕事が疎かになる。
ナバワが徐々に大きくなる。未だ数千km/secで接近しているが、周回軌道に入るまではこれ以上減速するつもりは無い。
「軽巡艦隊が距離を詰めてきています。ナバワ軌道上で追いつかれます。」
ナバワに接近し、船のコントロールで多忙になるレジーナに代わり、ルナが軽巡艦隊の監視を引き継いだ様だ。ルナの声で報告を受ける。
レジーナとルナは、当たり前の事だが相互のコミュニケーションの親和性が高く、データなども瞬時に共有されている様なので何の問題も無い。
なるほど。ナバワの周回軌道上であれば、撃破しても多少の時間的余裕がある可能性が高い。
そこで仕掛けるつもりか。
「軌道変更。ナバワ大気圏上層をかすめる。」
「マサシ、1000km/secで突入するとシールドが保ちません。」
電磁シールドは、な。
「分解フィールドなら保つ。だな?」
「全く問題無いじゃろうの。」
「分解フィールドで、レーザー弾けないか?」
「阿呆。フォトンは素粒子じゃろうが。電磁シールド直下に展開したら、多少はマシになるかも知れぬが。微々たるものじゃ。」
「重力レンズで曲げられるか?」
「数万Gの大型船外重力焦点を距離数百kmのところに生成せねばならん。ジェネレータがあと二十基あれば出来そうじゃの。今からではもう遅いわ。」
いや、やる気は無いぞ。やるなよお前。
「分かった。とりあえず連中のレーザーから身を守りつつ最後の減速をするために、ナバワの大気を利用する。雲の下に入らなければ意味が無い。かなり濃密な大気の中に入り込む事になる。ナバワ大気中で十分に減速して、ボシュエテー最近接の場所で飛び出す。連中のジェネレータの応答速度はこっちより遅い。それを狙う。」
あれだけ加減速を繰り返して振り回したが、連中の加速は毎回立ち上がりに随分かかっていた。
パワーコアの立ち上がりが遅いのか、ジェネレータの応答が遅いのかは分からないが、連中がこちらを油断させるためにわざと遅い振りをしていたというのでも無ければ、そこに付け入る隙がある。
そして、さっさとレジーナを追い詰めて、欲しいブツを奪ってしまえば終わりのこの状況で、わざわざ足の遅い振りをしてこちらを油断させる意味など無い。
「ナバワ突入まで一分。」
レジーナの声が静かに響く。
「ナバワ大気圏突入と同時にシールド構成を変更する。最外殻が重力シールド、直下に分解フィールド、最内殻が電磁シールド。」
「諒解。外殻より、重力、分解、電磁。距離は大気圏内用100mに設定。」
ルナの声が右から復唱する。
システムのAARで表示された3D空間にルナやブラソンは表示されていないが、音声などは現実と同方向から聞こえてくる。
AAR画像だけでは、宇宙空間に一人で放り出された様な印象を受けるが、他のクルーの声が現実の方向から聞こえてくる事で、心理的な安心感を得られる。
ブラソンもよく考えて作っている。
惑星ナバワが、自分の進行方向に赤茶けた縞模様の大きな球体となって存在を強く主張し続ける。そこに向かって、真っ直ぐに突っ込んでいく。
分かってはいるのだ。これはAARで脳内に仮想現実の画像が投影されているだけなのだ。
しかしそれでも、絶対に止まり切れないとすぐに分かる速度で、前方に存在する巨大なガス惑星に真っ直ぐに進行し続け、それに応じて巨大なガス惑星が刻々と接近してくるその姿は、凄まじいまでの心理的圧迫感がある。
「軽巡艦隊距離80万kmに接近。中口径レーザー射程内に入りました。本船、惑星ナバワ大気圏突15秒前。10秒前。5秒前、4、3、2、1、惑星ナバワ大気圏上層部に突入しました。」
大気圏、という線が引いてあるわけでは無い。気体分子濃度がある程度以上になる辺りを大気圏と呼んでいるだけだ。大気圏に突入したからと言って、突然大気があるわけでは無い。
逆を言えば、大気圏突入の宣言よりも遙か前から、船の周りの気体分子濃度は増加し続ける。
重力シールドは、高重力で気体分子を「押し退ける」。これは宇宙空間でのデブリに対する挙動と一緒だ。
分解フィールドは、重力シールドで押し退けきれず、重力シールドの内側に潜り込んできた分子を分解する。
重力シールド、分解フィールド共に、対象との間に作用反作用を持たない。
即ち、重力シールドの外側でどれだけ気体分子が押し退けられようと、レジーナの船体のブレーキにはならない。
それとは逆に、さらに内側に展開された電磁シールドは、対象物との間に作用反作用の関係が成り立つ。
そのため、十分に大きな質量の異物を電磁シールドで弾くと、船体は反作用を貰って衝撃を受ける。
だが今回のシールド構成で、電磁シールドまで何かが突き抜けるとは到底思えない。数百万トンあるニュートロンガン弾体を瞬時に分解する分解フィールドを展開しているのだ。重力シールドで防ぎきれなかった気体分子が内部に突き抜けたとしても、そこに待ちかまえている分解フィールドで一瞬のうちに素粒子まで分解されて終わりだ。
ちなみに分解フィールドは、物理運動量を無視できる。だから分解フィールドの容量(キャパシティ)は、極小単位時間当たりの処理量のみに依存する。
レジーナはナバワ大気圏の上層部を通過して、依然1000km/sec以上の速度を保ったままかなり濃密な雲が発生している高度まで降りてきている。
ガス分子はほとんど重力シールドで排斥され、わずかな量が分解フィールドに接触しているのみだ。0.2光速でデブリを排斥する事が出来るシールドだ。大概のものは通しはしない。
「軽巡艦隊追いつきました。本船上空約5000kmに位置しています。」
その位置に着いたところで、こちらを攻撃できるわけでもない。レジーナを撃沈してしまえば、レジーナもデピシャナイトも一緒にメタンの海の底だ。
特に攻撃を受けるわけでもなく、軽巡艦隊を頭上に張り付かせたままでナバワを半周ほどする。
「第八衛星ボシュエテー再近接点まであと30秒。再近接点で、現在高度の本船とボシュエテーとの距離53万kmです。加速減速2500Gにて290秒。」
「290秒、諒解。すれ違いざまに攻撃する。全レーザー砲塔は軽巡A、ミサイルは全弾発射にて軽巡B、分解フィールドは軽巡Cにそれぞれ照準。」
「諒解じゃ。全滅させてもええんかのう?」
相手は軍艦だぞおまえ。出来るわけ無いだろう。レジーナは貨物船だ。機械達の戦艦と同じにするな。
「やれるもんならやってみろ。」
「最近接点まで10秒。リアクタ出力上昇。軽巡艦隊に動き無し。」
「行くぞ。目を回すなよ。」
機械の生義体であるニュクス、船のAIであるレジーナ、そして元々は船のAIであるルナが、少々の高機動で目を回すとは思えなかった。むしろ生身の人間である俺とブラソンが一番その心配がある。
しかしブラソンが俺の無茶な操縦で目を回したりしないのは、すでに証明済みだ。
「最近接点まで5秒、4、3、2、1、ゼロ。」
レジーナのカウントダウンがゼロになるに合わせて、意識を上方に向ける。
大気圏外では軽巡艦隊が衛星軌道をこちらの動きに合わせて遊弋しているのが、三つのマーカーとなって表示されている。相変わらず綺麗な編隊を組んでいる。
レジーナの船体が一瞬で90度向きを変え、空に向かって突き立つ尖塔のように垂直に立ち上がる。
ジェット推進ではないので、派手な噴射など発生しないが、垂直になった槍の穂先のようなレジーナの船体が、一瞬で数十km/secの速度に達し、なおも垂直に加速し続ける。
レジーナが通った後には、押し退けられた大気により発生した衝撃波が渦巻く濃密な雲の中に巨大なトンネルを形作る。
レジーナの真上にいる軽巡艦隊が見る間に近づいてくる。
軽巡Cのすぐ脇に緑色の光点が点り、点滅している。
「ここじゃ。」
ニュクスが耳元で囁いた気がした。
I/F画像の中で見えるとは思えないが、俺は頷き、僅かに軌道修正する。
次の瞬間、軽巡Cにミサイルロックの表示がされ、自分の足下から青い光点が次々と吐き出されて軽巡Cに向かうのが見えた。
さらにレーザー照準のマーカーが二つ軽巡Cに重なり、赤く短い点滅を繰り返して、連続してレーザー照射中であることを知らせる。
軽巡艦隊はまだ回避行動をとっていない。
見る間に巨大化する軽巡Cのシールドに、立て続けにミサイルが着弾して火球を生む。
次々と膨れ上がる火球のすぐ脇をレジーナが数百km/secの相対速度差で垂直に交差して通過する。
明滅する危険通知表示を見ると、軽巡Cとの最接近時距離は僅か300mだった。
目にも留まらない速度で、一瞬で後ろに置き去りにされた軽巡艦隊を観察していると、軽巡Cの脇からチロリと赤い火が見え、次の瞬間軽巡Cの船体が膨れ上がり、二つに折れるようにして爆発した。
一瞬、我を忘れて見入ってしまった。
信じられなかった。この貧弱な武装で、軽巡が撃沈されるなどあり得なかった。
「ふふん。」
今度は確かにニュクスの鼻で笑う声が耳元で聞こえた。
「言うたじゃろうが。分解フィールドは接近戦では最強じゃと。」
俺は元々、軽巡艦隊を攪乱するために奴らの編隊のど真ん中を抜いてやろうと思っていた。さらにニュクスの要請で軽巡Cのすぐ脇を通過するように言われた。その結果、軽巡Cの僅か300m脇をかすめるようにして通過することとなった。
300mなんて、宇宙空間ではほぼぶつかっているようなものだ。こんな状況下でなければ、軽巡艦隊から公式に重大ニアミス事故の申請が出るところだ。
しかし、分解フィールドを最大限有効に使用するには、その距離が必要だったのだ。
確かにニュクスは言った。接舷の為に接近してくる海賊船など一撃だ、と。
分解してしまうのだから、装甲の厚さや材質などほとんど関係ない。それがたとえ戦艦の分厚い装甲であろうが、紙のように薄い貨物船の船殻であろうが。
「しかしここまでじゃ。もう接近することは無いじゃろう?ならば、分解フィールドの出番はもう無いの。こんな貧弱なレーザーとミサイルでは軍艦のシールドは抜けぬわ。」
ニュクスが笑いながら呟く。
十分だろう。
これまで奴らは、レジーナがたかが貨物船と高を括って追跡してきていた。それが思わぬ反撃を喰らい、あまつさえ三隻のうち一隻が撃沈された。
半ば失われた技術である分解フィールドに連中が思い至れば、そのからくりも分かるだろうが、たぶんそれはない。
連中は、レジーナが発射したミサイルの中に強力なものが混ざっていたと考えるか、レジーナが大口径の砲塔を隠し持っていたかと考えるだろう。
すり抜けざまの一撃で軽巡洋艦を沈める、まるで戦艦のような強力な武装があると考えれば、連中はそう簡単に想定される射程距離内に近づいては来ないだろう。
ありがたい。この後の逃走が随分楽になる。
俺は意識を前方に向けなおし、第八衛星ボシュエテーにレジーナの舳先を向けて最大の加速度を出し続ける。
思いも寄らぬところで突然仲間を失った衝撃もあったのだろう。その頃になって残り二隻となった軽巡艦隊はやっと回頭し、レジーナを追いかけて加速を開始した。
加速を始めたとは言え、その加速は鈍い。すでにレジーナとの距離は数万kmも開いてしまっており、さらに徐々に広がりつつある。
「レーザー攻撃来ました。距離45000。0.2秒毎にランダム変位します。」
こちらの変位を軽巡が知るまで0.15秒、照準を変更するのに0.1秒としても、レーザーが到達するまでさらに0.15秒。計0.4秒もあれば、十分に敵の照準を外せる。
軽巡の最高加速力はレジーナよりも高い。しかし、立ち上がりが遅い。結局、レジーナがボシュエテーに到着するまで、軽巡艦隊との距離が50000km以下に縮むことは無かった。
「ボシュエテー地表まで距離十万。目標の地溝帯は正面右ですが、同様の地溝帯は沢山あります。マーキングします。」
ルナの声とともに、前方に大きく広がるボシュエテーの灰白色の地表に緑色のマーキングが多数散った。確かにルナの言うとおり、同程度の地溝帯は表面の至る所にあるようだった。
「ニュクス、ミサイルの充填は出来ているか?」
「出来て居るぞ。通常弾頭10発、反応弾頭10発じゃ。」
どうやらニュクスは、俺が何をするか分かっているようだった。
ボシュエテーの表面に散った緑色のマーキングのうちの一つに5km間隔で10個、赤いマーキングを付ける。
「ニュクス、通常弾頭10発、同時発射。」
「了解じゃ。」
ニュクスの声とともに、足下からミサイルを示す青色のマーキングが10個飛び出す。
ミサイルは見る間にスピードを上げ、全てボシュエテーの表面に置いたマーキングに正確に着弾し、火球を生成する。
爆発によりボシュエテー表面が吹き飛ばされ、火球が収まっても濃密な塵の雲を形成する。
そのままレジーナを進め、地溝帯の中に入り込んでレジーナを停船させる。
レジーナの周りには濃密な塵の雲が浮いており、レーザーは簡単には通らない。ボシュエテーの表面重力は0.1Gに満たないので、この雲は当分晴れることはない。
「で、どうするんだ?」
ブラソンが尋ねてくる。
こうするのさ。
「ニュクス、反応弾頭の全ミサイルをゼロ推力で後方へ投下の準備。投下後2秒で爆発にセット。ルナ、ホールドライヴスタンバイ。レジーナ前方100kmにホール展開する。ホールアウトは現在位置から、太陽系北方に1光日。全力加速開始後1秒でミサイル投下、投下後1秒でホールドライヴを地溝帯内部に展開、突入する。」
「諒解しました。ホールドライヴスタンバイ。リアクタ出力上昇。ジェネレータ出力上昇。ホールドライヴ展開可能。」
「全力加速開始5秒前、4、3、2、1、ゼロ。発進。」
濃密な塵の雲に包まれた地溝帯の底で、レジーナは2500Gで加速を開始した。
両側に壁のようにそびえ立っている地溝帯の岩壁が、飛ぶように後ろに流れていく。速すぎて細部は見えない。
俺もこの地溝帯の中でレジーナを操るのは、ブラソンのこのシステム無しでは無理だ。
「ミサイル投下。」
「ホール形成しました
レジーナから投下されたミサイルは、微弱な引力に引かれて落下していく。
その間にもレジーナは加速し、ミサイルとの距離が開く。
そしてレジーナは、50000m/secという速度で地溝帯の中を疾走し、そしてホールに突入する。
後に残されたのは、レジーナから投下されたミサイルが10発。
それも一瞬の後には、反応弾特有の巨大な火球を形成して爆発した。
火球が消えた後、そこにレジーナの姿はなかった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
静寂の星
naomikoryo
SF
【★★★全7話+エピローグですので軽くお読みいただけます(^^)★★★】
深宇宙探査船《プロメテウス》は、未知の惑星へと不時着した。
そこは、異常なほど静寂に包まれた世界── 風もなく、虫の羽音すら聞こえない、完璧な沈黙の星 だった。
漂流した5人の宇宙飛行士たちは、救助を待ちながら惑星を探索する。
だが、次第に彼らは 「見えない何か」に監視されている という不気味な感覚に襲われる。
そしてある日、クルーのひとりが 跡形もなく消えた。
足跡も争った形跡もない。
ただ静かに、まるで 存在そのものが消されたかのように──。
「この星は“沈黙を守る”ために、我々を排除しているのか?」
音を発する者が次々と消えていく中、残されたクルーたちは 沈黙の星の正体 に迫る。
この惑星の静寂は、ただの自然現象ではなかった。
それは、惑星そのものの意志 だったのだ。
音を立てれば、存在を奪われる。
完全な沈黙の中で、彼らは生き延びることができるのか?
そして、最後に待ち受けるのは── 沈黙を破るか、沈黙に飲まれるかの選択 だった。
極限の静寂と恐怖が支配するSFサスペンス、開幕。


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。
我ら新興文明保護艦隊
ビーデシオン
SF
もしも道行く野良猫が、百戦錬磨の獣戦士だったら?
もしも冴えないサラリーマンが、戦争上がりのアンドロイドだったら?
これは、実際にそんな空想めいた素性をもって、陰ながら地球を守っているエージェントたちのお話。
※表紙絵はひのたけきょー(@HinotakeDaYo)様より頂きました!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる