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7
ヒュシャンは制服に身を包み、会議室の扉を開けた。
すでに他の三人は彼の下に揃っている。
「遅かったわね」ミィパが言った。
それからフレーシが、
「報告を受けた。ヴァンダル0型が生きていたって?」
と言う。
ブレイレムがぼやいた。
「忌々しい地上人どもだ。ロフトフの塔の被害も甚大らしいではないか」
ブライレムは一番奥で背を向けている黒服の男を見た。
「やはり拠点を地上に置くのは尚早だったのでは?」
「……不手際だったな、ヒュシャン」黒服が姿勢を変えず言う。
「申し訳ありません」
「おまえは仲間内で<火炎嬢>と呼ばれているだろう? 研究と新技術開発に向ける情熱がまるで火炎のようだと……。それがどうだ? ロフトフの塔が炎上してしまっているではないか。なにかの冗談のつもりかね?」
「……返す言葉もございません。ですが、ブレシッドの兄妹の血液サンプルは無事です。あれを解析し、必ずやヴァンダルを完成させてみせます」
「当然だ。いま一度、無能ではないことを我々に示してみせろ」
黒服はそう言い、顔に手を当て、わずかにうつむいた。
ミィパはヒュシャンに笑いながら言う。
「今度こそ、ランダウルさまを満足させなさいよ」
「言われずともそのつもりです。では、失礼します」
ヒュシャンは扉の方を向いた。そのときランダウルが言う。
「……ヒュシャン」
「なんでしょう?」
「おまえと血液サンプルが無事であったことがせめてもの救いだ……失望させるでないぞ」
「……はい」
ヒュシャンは答えてから、会議室を去った。
◇
雨脚が強まったころ、アリテームとキャリー・プレイトは洞穴の中で雨宿りをしていた。焚き火を挟んで向かい合い、濡れた服を乾かしながら体を温める。
ロフトフの塔を出てから、二人はずっと静かだった。
アリテームは火の向こうのキャリー・プレイトを見る。それに気づいたのか、彼女は顔を上げた。
「あ、すみません……」
「いや……いいんだ……。訊きたいことがあるはずだろう」
「……はい。あるにはあるんですが……」
「ちょうどいい機会だ。でもまず、きみに謝らせてくれ」
「謝るって、何を――?」
「私は……きみらに嘘をついていた。隠し事も――」
彼女は、アリテームに真実を話し始めた。
◇
マーシャは兄の寝顔を見つめる。落ち着いていて、安らかな表情だった。それを見ていると嬉しい半面、どこかこそばゆい気持ちだ。本来なら妹の自分が兄にこうやって寝顔を見られるはずなのに。
いずれにしてもジェラはもう大丈夫だろう。
あとは骨がくっつくのを待つだけだ。
そう思いながらマーシャは立ち上がる。
ふと、ヴァンダルが目に入った。薬で眠っている上、錨鎖さながらの頑丈な鎖で手足を拘束されている。
彼女はまたヴァンダルの顔を覗き込んだ。やはり眠ったままだ。だが、その顔色はまるで血の気がない。
恐る恐る、頬に触れてみた。頬はひんやりとしている。指先がかすかに鼻息を感じたが、死んでいるのではないかと錯覚するほどだ。
マーシャは心音を聞こうと、ヴァンダルの胸に耳を当て、驚いた。
その時だった。
「なにをしているの?」
ぎくりとしてマーシャは上体を跳ね上げた。
「あ、アノットさん?!」
風呂上がりのアノットが近づいてきた。
怒っている様子は無いが、マーシャは慌てて弁明する。
「こ、この人すっごい顔色白かったから、死んでんじゃないのって思ってつい……」
「で、心音を? ……驚いたでしょう?」
「はい……」
二人はヴァンダルを見下ろす。
「心臓の音が……二重に聞こえました」
「ヴァンダルの身体的特徴のひとつよ。超人的な体力を発揮するために、ヒト時代の主心臓のすぐ近くに、副心臓ができているの」
「そうなんだ……他にも特徴はあるんですか?」
「肌が白いのもそうかもね。だけど日光にはむしろ強くなってる。どういう原理なのかしらね……」
「あ、そうだったんだ……」
「あとね、服の上からじゃあわからないけれど、ヴァンダルには性別が無いのよ。生殖器が消えてしまって、子は成せない」
「一代限りってことですね……」
「そうね……お気の毒に……」
「……まさかとは思いますけど……もしかしてアノットさんも……」
マーシャが向き直ると、アノットは微笑みを浮かべる。淋しげな笑みだった。
彼女は、マーシャを抱き寄せると、顔を胸にうずめた。
「え……? この音……」
「二重に聞こえるでしょ……?」
アノットは言った。
「……私もヴァンダルなの」
彼女はしばらくマーシャを抱きしめ、放すと同時にこう語る。
「……昔、私は母と婚約者と、三人で暮らしていたの。幸せな毎日だったわ……けれどある日、彼と二人で出かけていると、古代文明の人間に襲われた。私たちは抵抗して、彼は殺された……。私は古代文明の実験場に連れて行かれて、そこでヴァンダルに。だけどその直後、私はちょうどこの人と同じように暴走したわ」
眠るヴァンダルを見て、アノットは続ける。
「しばらく金属の壁を殴り続けてた。その様子を、窓越しにヒュシャンが食い入るように見ていたわ……。すると急に息ができなくなって、心肺停止状態になったの。今思えば仮死状態だったのだろうけど、そこでヒュシャンは失敗と判断したんでしょうね。次に目が覚めた時、私はゴミ山に埋もれてた」
「……自我を取り戻したのもその時……?」
「ええ。長かったわ……。……病床の母が独りで死ぬくらいに」
「……心中、お察しします……」
「……古代文明の連中は私からいくつも大切なものを奪っていった。命も夢も、居場所も……。だから報復を誓い、古代文明を調べて、今に至るの。私を動かしているのは怨恨なのよ……」
「でも、あたしたちを助けてくれた」
「あいつらに得をさせたくなかっただけよ」
「ならあたしたちを殺すとか、他に楽な方法はあったはずでしょ? なのにこうやって良くしてくれて、お兄ちゃんも治療してくれた」
「けどお友達の二人は見捨てたわよ」
「それは……そうだけど……でもその二人も無事だって連絡が来たし……」
マーシャが口ごもると、アノットは微笑んだ。
「ありがとう。そう言ってくれて素直に嬉しいわ」
温かみのある笑みだった。
◇
その部屋は壁も扉も天井も、分厚い金属で構成されていた。充分すぎるほどの広さを持ち、壁の一角にはスピーカーと監視カメラ、それに頑丈な強化ガラスを嵌め込んだ窓がある。窓の向こうは監視室だ。
テストフロアである。そして今、この大部屋の中央には成人男性一人が入れるだけの大きさのカプセルが設置してあった。
監視室にはヒュシャンのほかに、ミィパ、ブライレムがいる。
ヒュシャンは窓際で端末を操作している。
近くでミィパは壁に寄りかかり、薄ら笑いを浮かべている。ブライレムは備え付けの椅子に座って目を閉じていた。
ヒュシャンは言う。
「さあ、いきますよ」
エンターキーを押すとカプセルは音を立てて開き、フレーシが出てきた。
マイク越しにヒュシャンが言う。
「おはようございます。ヴァンダルになった気分はどうですか?」
「……視界がクリアだ。結構な距離があるのに、あんたの顔立ちがはっきりと見える。――ミィパ、いまウインクしたろう?」
「あら、すごい視力ね」とミィパ。
「目だけではありません。じつは現在、スピーカーの音量は最小に設定しています」
「そうなのか? それはすごい。……ところで、嗅覚も強化されているよな?」
「ええ。何かにおいますか?」
「……扉の向こうからな。うっすらと垢臭いニオイがする」
「それはそうでしょうね。フレーシ、あなたはこれから戦闘テストを行ってもらいます。相手はオウガ、オーク、ゴブリン」
「了解した。いつでもいいぞ」
フレーシが言うと、ヒュシャンは扉を開ける。
シリアルナンバー入りの怪物兵器たちが姿を現し、フレーシの姿を見るやいなや飛びかかってきた。
オウガの巨体が迫る。フレーシはそれを裏拳で弾き飛ばした。
腕だけの動作だったが、オウガは吹き飛んで壁に叩きつけられて崩れる。
続けてオークが食らいつこうとするが、その顎を蹴り飛ばすと首がちぎれ飛んだ。
数にものをいわせて襲いかかるゴブリンに至っては、まるで羽虫を振り払うように片付ける。
その最中でフレーシは言った。
「ヒュシャン、こいつらオレをなめてるんじゃなかろうな? 闘っているというよりは作業のような気分だ」
「怪物がそれだけの知能を持っているとお思いですか?」
「確かに」
フレーシは笑って、次々に出てくる怪物兵器を倒していった。
それを観測していると、ランダウルが入ってくる。
三人は姿勢を正して彼を迎えた。
ランダウルは言う。
「どうだ?」
「お喜びくださいランダウルさま」言ったのはミィパだった。「ヒュシャンはやってくれました。ヴァンダル2型、大成功です」
「まだですよミィパ。たしかに従来型と違って精神の安定を確保していますが、今おこなっている戦闘能力の検証以外にも、生殖能力の有無、ヴァンダル因子の遺伝性調査……現時点では人間型怪物兵器以上の評価は下せません」
「それでは困る」ランダウルは言った。「とくに生殖能力は地上の浄化に不可欠な要素だ。ゆくゆくは私やおまえたちもヴァンダルになるのだからな」
「怪物兵器に関してもブレシッドの血で制御面の改善が見込めます」
「ウム。ヒュシャン、おまえは引き続き研究を。ブライレム、おまえはこの後ダシタリズム造船所へ行くのだろう?」
「はい。視察の予定です」とブライレム。
「私も行こう。手筈をしておけ」
「了解いたしました」
「ミィパ。おまえは処刑場へ行け」
「ランダウルさまの仰せのままに。けれどどうして?」
「ロフトフの塔は破棄する」
「承知しました」ミィパは舌なめずりする。「久しぶりに楽しめそう……」
ランダウルはマイクに近づいてフレーシの名を呼んだ。
フレーシはちょうど試験用の怪物兵器たちを全滅させたところだった。
「なんでしょう?」
「テストが終わり次第、部隊を連れて地上へ行け。失敗作どもを殺処分しろ」
「失敗作……0型と1型の二人ですね?」
「他に誰がいる? それからブレシッドの兄妹も生け捕りにするんだ。おまえの試験結果次第ではこちらが最優先事項となりうる」
「わかりました。このフレーシ、必ずやあなたの期待に応えてご覧に入れます」
◇
ロフトフの塔での一件からけっこうな日数が過ぎた。
アリテームは今日も変わらずキャリー・プレイトと丸太小屋で過ごしていた。涼しい風の中で、洗濯を終えてきれいになった服を干す。
体を伸ばし、青天を仰ぐ。青と白と、木々の緑が爽やかだ。
けれど、彼はずっとジェラとマーシャのことが気がかりだった。二人のおおよその現状は把握していたものの、それもだいぶ前のことで、会えないのはやはり心配だ。とくにジェラとは、今すぐにでも会って話がしたかった。
キャリー・プレイトとはいつもどおりに接しているが、洞穴での会話以来ヴァンダルや古代文明について話はしていない。自分を極力巻き込みたくないと考えているのだろう。アリテーム自身は今さら訊くのも気まずいと感じている一方で、キャリー・プレイトの力になりたいと思っていた。
そんな時だった。グリモアにメッセージが届いたのは。マーシャからである。
アリテームはメッセージを読むと、急いで裏に回り、柵の修理をしていたキャリー・プレイトを呼んだ。
二人はメッセージに顔を見合わせる。
そこには、アノットがヴァンダルや古代文明についての情報交換を目的に会いたがっているという旨の文章が綴ってあった。
キャリー・プレイトは言った。
「……罠の可能性はあると思うか?」
「否定はできません。でもあの女の人……たぶん個人か、多くても数人規模で動いてる。あまり手の込んだ罠は張れないかと。それに……」
アリテームは一度うつむいて、それから続ける。
「たぶん、悪い人じゃないと思うんです。何度かマーシャからメッセージを受け取りましたけど、脅されてるような文面じゃなかった……。理屈じゃなくて……ボクの感情がそう判断させてるってわかってますけど――」
「いや、それでいい。私も同じような意見だ。それにヒュシャンたちにも不信感がある」
「じゃあ出発準備を?」
「ああ。幸い弾はたっぷりもらってる。早速行くぞ」
◇
マーシャは隠れ家の周りに広がる枯れた森で、アノットに稽古をつけてもらっていた。
二人は緩衝素材でできた訓練用の剣を握り、打ち合う。
怪物と闘う時と同じ力の入れ方で、マーシャはアノットに斬り込み続けた。
それをアノットは的確に防ぎ、
「踏み込みに乱れが。すこし掛かり気味よ。重心を後ろに寄せて」
と助言する。
「はい!」
マーシャは一度飛び退き、掛け声と共に突進した。
二人の剣がぶつかる。
「いいわよ。その感覚を忘れずにもう一度」
アノットが言うと、マーシャはそれに従い、また突っ込む。
剣の衝突音が響いた。
「よおし今度は当ててみなさい」
そして斬り結ぶ。何度も剣が交差し、アノットの動きも激しさを増す。
アノットの斬撃を前転で躱し、マーシャは彼女の脚を打った。
「いいわよ」
さらに斬り合いが続く。今度は肩口にマーシャの攻撃が当たった。
アノットも攻撃を繰り返すが、マーシャは全て防ぎ、あるいは避けた。
手加減してもらっているのは承知の上だが、特訓初期に比べると本気に近づいている。
やがて終了時刻となり、二人は汗を拭った。
水筒を呷り、アノットは言う。
「みるみるうちに上達したわね」
「先生が良いからですよ」
「それはどうも。でも正直、教え始めからなかなかのものだったわ」
「故郷で護身術として教わったんです。最初はお兄やんも大剣術のはずだったんですけどね」
「……あなたを護りたい気持ちがあったのね」
「ですね。妹想いのいいお兄やんです」
片付けをして中に戻ると、ジェラが医療機械の近くに立っていた。
ジェラは言う。
「おかえりなさい。ちょうどよかった」
「どうしたの?」
「ちょっと骨の様子を見たくて……」
「骨折は治るまで早くても三ヶ月はかかるわ。でもそうね、どこまで治ったか、途中経過を見てみるのもいいわね」
アノットはそう言ってポータブルレントゲンを動かした。
ジェラは腕をかざす。その腕は古代文明の科学的素材で作られた、骨組みのようなギプスで固定してある。
その腕を透視して、アノットは驚きの表情を浮かべた。
「……もう骨が繋がってる」
「え? そんなまさか」
「ギプスを外してもう一度見てみるわよ」
アノットはギプスを除去して、再度透視してみた。
結果は同じだ。ジェラの骨は元通りに癒合していた。
「……すごいわね」アノットは言う。「若さゆえ……? 本当に驚きだわ」
ジェラは嬉しそうな顔をして、左腕を動かしていた。
マーシャも笑う。
「完治おめでとうお兄やん!」
「ありがとう。アノットさんも」
「そういえば数日前からまったく痛くないって言ってたものね。もうすでに治ってたのかも……いずれにしても、おめでとう。ジェラ」
三人が互いに笑顔を見せていると、マーシャのグリモアからメッセージを受け取る音がした。
マーシャは手帳を開く。
「お、アリちゃんからだ。あさっての昼頃、会いに来てくれるってさ」
「それはよかった。久しぶりに二人を見る気がするよ」
「ねー。プレイトさんも元気してるといいなー」
◇
アリテームとキャリー・プレイトは、メッセージで伝えた日の前日に、すでに約束の場所のほど近くまで来ていた。そこは森林地帯だが古代文明の遺物が目立ち、かつては都市があったと思われる所だ。天然の緑のカーテンに覆われた高層の建物群と、そこを縫うように伸びる広い道に、川へと回帰した水路……。
アリテームはキャリー・プレイトの案で、万一に備えて狙撃に適した地点を特定しておく。そこはずんぐりした長方形の塔の三階で、長らく日陰になっていたためか、内部の状態は比較的良好だった。
専用の特製望遠鏡を下ろし、アリテームは言った。
「ここだけですね。できれば使ってほしくはないな……」
「まあ念の為だ」
キャリー・プレイトは銃にスコープをつけ、照準を調節していた。
「誰も使うまい」
◇
ローハが意識を取り戻して最初に感じたのは、消毒液と甘い香りの入り混じる不思議なにおいだった。それから足音が三つ。ひとつは大人のものだ。
二人の子供の話し声に、成人女性の声が続く。目を開くと、古びた天井と蛍光灯が見えた。
「あたしたちが出てる間にこの人が起きたらどうしよう?」
「何か書き置きが必要でしょうか……?」
「そうねえ……もう薬も必要無いし――あら?」
大人の足音が近づき、白く濁った瞳がこちらを覗き込んだ。
「おはよう。気分はどうかしら?」
すぐには返答できなかった。四肢は鎖で繋がれているのがわかったし、体はまだ重い。首を動かすことさえつらかった。
彼女はこちらの視界から外れると、こう言った。
「脳波は昨日と一緒ね。安定してる」
「ここは……?」声を絞り出す。「わたしはいったい……」
「あなたは我を忘れて大暴れしてた。うっすらと覚えてるでしょう?」
その言葉に答える前に、
「自我を失う前のことを?」
彼女がまた訊いてきた。
「……ヒュシャンという女性に、ダムドガスの耐性をつける実験を……そこでわたしは何かを体内に……」
「そして間もなく激しい苦痛、それが治まると怒りが湧いてきた。そうでしょう?」
「そうだ……それからわたしはロフトフの塔を逃げ出してさまよい――」
意識がはっきりとしてきて、体が軽くなっていく。
同時に、自分が何をしたのか思い出した。
首を横に向けると、二人の子供たちが見ていた。
「――この子たちを傷つけた……」
ヒュシャンは制服に身を包み、会議室の扉を開けた。
すでに他の三人は彼の下に揃っている。
「遅かったわね」ミィパが言った。
それからフレーシが、
「報告を受けた。ヴァンダル0型が生きていたって?」
と言う。
ブレイレムがぼやいた。
「忌々しい地上人どもだ。ロフトフの塔の被害も甚大らしいではないか」
ブライレムは一番奥で背を向けている黒服の男を見た。
「やはり拠点を地上に置くのは尚早だったのでは?」
「……不手際だったな、ヒュシャン」黒服が姿勢を変えず言う。
「申し訳ありません」
「おまえは仲間内で<火炎嬢>と呼ばれているだろう? 研究と新技術開発に向ける情熱がまるで火炎のようだと……。それがどうだ? ロフトフの塔が炎上してしまっているではないか。なにかの冗談のつもりかね?」
「……返す言葉もございません。ですが、ブレシッドの兄妹の血液サンプルは無事です。あれを解析し、必ずやヴァンダルを完成させてみせます」
「当然だ。いま一度、無能ではないことを我々に示してみせろ」
黒服はそう言い、顔に手を当て、わずかにうつむいた。
ミィパはヒュシャンに笑いながら言う。
「今度こそ、ランダウルさまを満足させなさいよ」
「言われずともそのつもりです。では、失礼します」
ヒュシャンは扉の方を向いた。そのときランダウルが言う。
「……ヒュシャン」
「なんでしょう?」
「おまえと血液サンプルが無事であったことがせめてもの救いだ……失望させるでないぞ」
「……はい」
ヒュシャンは答えてから、会議室を去った。
◇
雨脚が強まったころ、アリテームとキャリー・プレイトは洞穴の中で雨宿りをしていた。焚き火を挟んで向かい合い、濡れた服を乾かしながら体を温める。
ロフトフの塔を出てから、二人はずっと静かだった。
アリテームは火の向こうのキャリー・プレイトを見る。それに気づいたのか、彼女は顔を上げた。
「あ、すみません……」
「いや……いいんだ……。訊きたいことがあるはずだろう」
「……はい。あるにはあるんですが……」
「ちょうどいい機会だ。でもまず、きみに謝らせてくれ」
「謝るって、何を――?」
「私は……きみらに嘘をついていた。隠し事も――」
彼女は、アリテームに真実を話し始めた。
◇
マーシャは兄の寝顔を見つめる。落ち着いていて、安らかな表情だった。それを見ていると嬉しい半面、どこかこそばゆい気持ちだ。本来なら妹の自分が兄にこうやって寝顔を見られるはずなのに。
いずれにしてもジェラはもう大丈夫だろう。
あとは骨がくっつくのを待つだけだ。
そう思いながらマーシャは立ち上がる。
ふと、ヴァンダルが目に入った。薬で眠っている上、錨鎖さながらの頑丈な鎖で手足を拘束されている。
彼女はまたヴァンダルの顔を覗き込んだ。やはり眠ったままだ。だが、その顔色はまるで血の気がない。
恐る恐る、頬に触れてみた。頬はひんやりとしている。指先がかすかに鼻息を感じたが、死んでいるのではないかと錯覚するほどだ。
マーシャは心音を聞こうと、ヴァンダルの胸に耳を当て、驚いた。
その時だった。
「なにをしているの?」
ぎくりとしてマーシャは上体を跳ね上げた。
「あ、アノットさん?!」
風呂上がりのアノットが近づいてきた。
怒っている様子は無いが、マーシャは慌てて弁明する。
「こ、この人すっごい顔色白かったから、死んでんじゃないのって思ってつい……」
「で、心音を? ……驚いたでしょう?」
「はい……」
二人はヴァンダルを見下ろす。
「心臓の音が……二重に聞こえました」
「ヴァンダルの身体的特徴のひとつよ。超人的な体力を発揮するために、ヒト時代の主心臓のすぐ近くに、副心臓ができているの」
「そうなんだ……他にも特徴はあるんですか?」
「肌が白いのもそうかもね。だけど日光にはむしろ強くなってる。どういう原理なのかしらね……」
「あ、そうだったんだ……」
「あとね、服の上からじゃあわからないけれど、ヴァンダルには性別が無いのよ。生殖器が消えてしまって、子は成せない」
「一代限りってことですね……」
「そうね……お気の毒に……」
「……まさかとは思いますけど……もしかしてアノットさんも……」
マーシャが向き直ると、アノットは微笑みを浮かべる。淋しげな笑みだった。
彼女は、マーシャを抱き寄せると、顔を胸にうずめた。
「え……? この音……」
「二重に聞こえるでしょ……?」
アノットは言った。
「……私もヴァンダルなの」
彼女はしばらくマーシャを抱きしめ、放すと同時にこう語る。
「……昔、私は母と婚約者と、三人で暮らしていたの。幸せな毎日だったわ……けれどある日、彼と二人で出かけていると、古代文明の人間に襲われた。私たちは抵抗して、彼は殺された……。私は古代文明の実験場に連れて行かれて、そこでヴァンダルに。だけどその直後、私はちょうどこの人と同じように暴走したわ」
眠るヴァンダルを見て、アノットは続ける。
「しばらく金属の壁を殴り続けてた。その様子を、窓越しにヒュシャンが食い入るように見ていたわ……。すると急に息ができなくなって、心肺停止状態になったの。今思えば仮死状態だったのだろうけど、そこでヒュシャンは失敗と判断したんでしょうね。次に目が覚めた時、私はゴミ山に埋もれてた」
「……自我を取り戻したのもその時……?」
「ええ。長かったわ……。……病床の母が独りで死ぬくらいに」
「……心中、お察しします……」
「……古代文明の連中は私からいくつも大切なものを奪っていった。命も夢も、居場所も……。だから報復を誓い、古代文明を調べて、今に至るの。私を動かしているのは怨恨なのよ……」
「でも、あたしたちを助けてくれた」
「あいつらに得をさせたくなかっただけよ」
「ならあたしたちを殺すとか、他に楽な方法はあったはずでしょ? なのにこうやって良くしてくれて、お兄ちゃんも治療してくれた」
「けどお友達の二人は見捨てたわよ」
「それは……そうだけど……でもその二人も無事だって連絡が来たし……」
マーシャが口ごもると、アノットは微笑んだ。
「ありがとう。そう言ってくれて素直に嬉しいわ」
温かみのある笑みだった。
◇
その部屋は壁も扉も天井も、分厚い金属で構成されていた。充分すぎるほどの広さを持ち、壁の一角にはスピーカーと監視カメラ、それに頑丈な強化ガラスを嵌め込んだ窓がある。窓の向こうは監視室だ。
テストフロアである。そして今、この大部屋の中央には成人男性一人が入れるだけの大きさのカプセルが設置してあった。
監視室にはヒュシャンのほかに、ミィパ、ブライレムがいる。
ヒュシャンは窓際で端末を操作している。
近くでミィパは壁に寄りかかり、薄ら笑いを浮かべている。ブライレムは備え付けの椅子に座って目を閉じていた。
ヒュシャンは言う。
「さあ、いきますよ」
エンターキーを押すとカプセルは音を立てて開き、フレーシが出てきた。
マイク越しにヒュシャンが言う。
「おはようございます。ヴァンダルになった気分はどうですか?」
「……視界がクリアだ。結構な距離があるのに、あんたの顔立ちがはっきりと見える。――ミィパ、いまウインクしたろう?」
「あら、すごい視力ね」とミィパ。
「目だけではありません。じつは現在、スピーカーの音量は最小に設定しています」
「そうなのか? それはすごい。……ところで、嗅覚も強化されているよな?」
「ええ。何かにおいますか?」
「……扉の向こうからな。うっすらと垢臭いニオイがする」
「それはそうでしょうね。フレーシ、あなたはこれから戦闘テストを行ってもらいます。相手はオウガ、オーク、ゴブリン」
「了解した。いつでもいいぞ」
フレーシが言うと、ヒュシャンは扉を開ける。
シリアルナンバー入りの怪物兵器たちが姿を現し、フレーシの姿を見るやいなや飛びかかってきた。
オウガの巨体が迫る。フレーシはそれを裏拳で弾き飛ばした。
腕だけの動作だったが、オウガは吹き飛んで壁に叩きつけられて崩れる。
続けてオークが食らいつこうとするが、その顎を蹴り飛ばすと首がちぎれ飛んだ。
数にものをいわせて襲いかかるゴブリンに至っては、まるで羽虫を振り払うように片付ける。
その最中でフレーシは言った。
「ヒュシャン、こいつらオレをなめてるんじゃなかろうな? 闘っているというよりは作業のような気分だ」
「怪物がそれだけの知能を持っているとお思いですか?」
「確かに」
フレーシは笑って、次々に出てくる怪物兵器を倒していった。
それを観測していると、ランダウルが入ってくる。
三人は姿勢を正して彼を迎えた。
ランダウルは言う。
「どうだ?」
「お喜びくださいランダウルさま」言ったのはミィパだった。「ヒュシャンはやってくれました。ヴァンダル2型、大成功です」
「まだですよミィパ。たしかに従来型と違って精神の安定を確保していますが、今おこなっている戦闘能力の検証以外にも、生殖能力の有無、ヴァンダル因子の遺伝性調査……現時点では人間型怪物兵器以上の評価は下せません」
「それでは困る」ランダウルは言った。「とくに生殖能力は地上の浄化に不可欠な要素だ。ゆくゆくは私やおまえたちもヴァンダルになるのだからな」
「怪物兵器に関してもブレシッドの血で制御面の改善が見込めます」
「ウム。ヒュシャン、おまえは引き続き研究を。ブライレム、おまえはこの後ダシタリズム造船所へ行くのだろう?」
「はい。視察の予定です」とブライレム。
「私も行こう。手筈をしておけ」
「了解いたしました」
「ミィパ。おまえは処刑場へ行け」
「ランダウルさまの仰せのままに。けれどどうして?」
「ロフトフの塔は破棄する」
「承知しました」ミィパは舌なめずりする。「久しぶりに楽しめそう……」
ランダウルはマイクに近づいてフレーシの名を呼んだ。
フレーシはちょうど試験用の怪物兵器たちを全滅させたところだった。
「なんでしょう?」
「テストが終わり次第、部隊を連れて地上へ行け。失敗作どもを殺処分しろ」
「失敗作……0型と1型の二人ですね?」
「他に誰がいる? それからブレシッドの兄妹も生け捕りにするんだ。おまえの試験結果次第ではこちらが最優先事項となりうる」
「わかりました。このフレーシ、必ずやあなたの期待に応えてご覧に入れます」
◇
ロフトフの塔での一件からけっこうな日数が過ぎた。
アリテームは今日も変わらずキャリー・プレイトと丸太小屋で過ごしていた。涼しい風の中で、洗濯を終えてきれいになった服を干す。
体を伸ばし、青天を仰ぐ。青と白と、木々の緑が爽やかだ。
けれど、彼はずっとジェラとマーシャのことが気がかりだった。二人のおおよその現状は把握していたものの、それもだいぶ前のことで、会えないのはやはり心配だ。とくにジェラとは、今すぐにでも会って話がしたかった。
キャリー・プレイトとはいつもどおりに接しているが、洞穴での会話以来ヴァンダルや古代文明について話はしていない。自分を極力巻き込みたくないと考えているのだろう。アリテーム自身は今さら訊くのも気まずいと感じている一方で、キャリー・プレイトの力になりたいと思っていた。
そんな時だった。グリモアにメッセージが届いたのは。マーシャからである。
アリテームはメッセージを読むと、急いで裏に回り、柵の修理をしていたキャリー・プレイトを呼んだ。
二人はメッセージに顔を見合わせる。
そこには、アノットがヴァンダルや古代文明についての情報交換を目的に会いたがっているという旨の文章が綴ってあった。
キャリー・プレイトは言った。
「……罠の可能性はあると思うか?」
「否定はできません。でもあの女の人……たぶん個人か、多くても数人規模で動いてる。あまり手の込んだ罠は張れないかと。それに……」
アリテームは一度うつむいて、それから続ける。
「たぶん、悪い人じゃないと思うんです。何度かマーシャからメッセージを受け取りましたけど、脅されてるような文面じゃなかった……。理屈じゃなくて……ボクの感情がそう判断させてるってわかってますけど――」
「いや、それでいい。私も同じような意見だ。それにヒュシャンたちにも不信感がある」
「じゃあ出発準備を?」
「ああ。幸い弾はたっぷりもらってる。早速行くぞ」
◇
マーシャは隠れ家の周りに広がる枯れた森で、アノットに稽古をつけてもらっていた。
二人は緩衝素材でできた訓練用の剣を握り、打ち合う。
怪物と闘う時と同じ力の入れ方で、マーシャはアノットに斬り込み続けた。
それをアノットは的確に防ぎ、
「踏み込みに乱れが。すこし掛かり気味よ。重心を後ろに寄せて」
と助言する。
「はい!」
マーシャは一度飛び退き、掛け声と共に突進した。
二人の剣がぶつかる。
「いいわよ。その感覚を忘れずにもう一度」
アノットが言うと、マーシャはそれに従い、また突っ込む。
剣の衝突音が響いた。
「よおし今度は当ててみなさい」
そして斬り結ぶ。何度も剣が交差し、アノットの動きも激しさを増す。
アノットの斬撃を前転で躱し、マーシャは彼女の脚を打った。
「いいわよ」
さらに斬り合いが続く。今度は肩口にマーシャの攻撃が当たった。
アノットも攻撃を繰り返すが、マーシャは全て防ぎ、あるいは避けた。
手加減してもらっているのは承知の上だが、特訓初期に比べると本気に近づいている。
やがて終了時刻となり、二人は汗を拭った。
水筒を呷り、アノットは言う。
「みるみるうちに上達したわね」
「先生が良いからですよ」
「それはどうも。でも正直、教え始めからなかなかのものだったわ」
「故郷で護身術として教わったんです。最初はお兄やんも大剣術のはずだったんですけどね」
「……あなたを護りたい気持ちがあったのね」
「ですね。妹想いのいいお兄やんです」
片付けをして中に戻ると、ジェラが医療機械の近くに立っていた。
ジェラは言う。
「おかえりなさい。ちょうどよかった」
「どうしたの?」
「ちょっと骨の様子を見たくて……」
「骨折は治るまで早くても三ヶ月はかかるわ。でもそうね、どこまで治ったか、途中経過を見てみるのもいいわね」
アノットはそう言ってポータブルレントゲンを動かした。
ジェラは腕をかざす。その腕は古代文明の科学的素材で作られた、骨組みのようなギプスで固定してある。
その腕を透視して、アノットは驚きの表情を浮かべた。
「……もう骨が繋がってる」
「え? そんなまさか」
「ギプスを外してもう一度見てみるわよ」
アノットはギプスを除去して、再度透視してみた。
結果は同じだ。ジェラの骨は元通りに癒合していた。
「……すごいわね」アノットは言う。「若さゆえ……? 本当に驚きだわ」
ジェラは嬉しそうな顔をして、左腕を動かしていた。
マーシャも笑う。
「完治おめでとうお兄やん!」
「ありがとう。アノットさんも」
「そういえば数日前からまったく痛くないって言ってたものね。もうすでに治ってたのかも……いずれにしても、おめでとう。ジェラ」
三人が互いに笑顔を見せていると、マーシャのグリモアからメッセージを受け取る音がした。
マーシャは手帳を開く。
「お、アリちゃんからだ。あさっての昼頃、会いに来てくれるってさ」
「それはよかった。久しぶりに二人を見る気がするよ」
「ねー。プレイトさんも元気してるといいなー」
◇
アリテームとキャリー・プレイトは、メッセージで伝えた日の前日に、すでに約束の場所のほど近くまで来ていた。そこは森林地帯だが古代文明の遺物が目立ち、かつては都市があったと思われる所だ。天然の緑のカーテンに覆われた高層の建物群と、そこを縫うように伸びる広い道に、川へと回帰した水路……。
アリテームはキャリー・プレイトの案で、万一に備えて狙撃に適した地点を特定しておく。そこはずんぐりした長方形の塔の三階で、長らく日陰になっていたためか、内部の状態は比較的良好だった。
専用の特製望遠鏡を下ろし、アリテームは言った。
「ここだけですね。できれば使ってほしくはないな……」
「まあ念の為だ」
キャリー・プレイトは銃にスコープをつけ、照準を調節していた。
「誰も使うまい」
◇
ローハが意識を取り戻して最初に感じたのは、消毒液と甘い香りの入り混じる不思議なにおいだった。それから足音が三つ。ひとつは大人のものだ。
二人の子供の話し声に、成人女性の声が続く。目を開くと、古びた天井と蛍光灯が見えた。
「あたしたちが出てる間にこの人が起きたらどうしよう?」
「何か書き置きが必要でしょうか……?」
「そうねえ……もう薬も必要無いし――あら?」
大人の足音が近づき、白く濁った瞳がこちらを覗き込んだ。
「おはよう。気分はどうかしら?」
すぐには返答できなかった。四肢は鎖で繋がれているのがわかったし、体はまだ重い。首を動かすことさえつらかった。
彼女はこちらの視界から外れると、こう言った。
「脳波は昨日と一緒ね。安定してる」
「ここは……?」声を絞り出す。「わたしはいったい……」
「あなたは我を忘れて大暴れしてた。うっすらと覚えてるでしょう?」
その言葉に答える前に、
「自我を失う前のことを?」
彼女がまた訊いてきた。
「……ヒュシャンという女性に、ダムドガスの耐性をつける実験を……そこでわたしは何かを体内に……」
「そして間もなく激しい苦痛、それが治まると怒りが湧いてきた。そうでしょう?」
「そうだ……それからわたしはロフトフの塔を逃げ出してさまよい――」
意識がはっきりとしてきて、体が軽くなっていく。
同時に、自分が何をしたのか思い出した。
首を横に向けると、二人の子供たちが見ていた。
「――この子たちを傷つけた……」
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