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葵ちゃんと怜の尋問
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船が関東エリア・第一港へ到着すると怜と旭は眠そうに船から降りた。柚奈は時雨に言われたことを考えながら降りた。すると三人の後ろから笑顔に手を振りながら時雨が降りてきた。
「おーいなの~。みんな今日で時雨とはお別れなの」
「どうしてですか?」
怜が不思議そうに尋ねた。旭もポカンとまだ眠気が取れていない顔だった。柚奈は『貧民街』のことを知っていたので、何も言わなかった。怜に対し時雨は笑顔で答えた。
「冬風隊員とはまだまだ一緒に居たかったけど~、時雨にも大事なお仕事があるなの」
「そ、そうなんですね。頑張ってください」
グイグイと近づいてくる時雨に対し、怜は顔を引きつらせ、笑顔で対応した。その後時雨は、手を振ってどこかへと去っていった。
「ふー、時雨さん行っちゃったな。俺たちはどこに行くんだ?」
「とりあえず、私達の寮に行くか?」
「いえ、私達はまだやるべきことがあります。本部に行き、紛失してしまった通信機器などを取り揃え、出発します」
「一体どこに行くんだよ。それにニャンコ師匠はどうするんだ?」
「師匠は大丈夫です。あの方こそは回復力は早くすぐにでも戦線に復帰できる方ですから。では、行きましょう先輩、旭ちゃん」
三人は関東エリア・第一港からタクシーを使い、本部まで向かった。本部までの一時間の車内では、怜と旭は爆睡をしていた。柚奈は一人で地図を見ていた。
そして一時間後、タクシーは『関東エリア・日本最高守霊基地本部』についた。
怜と旭はあくびをして車内をでた。柚奈はタクシーの支払機の上に右手をかざし、支払いを済ませた。この世界では手の平に小さなICチップを埋め込むのは普通のことである。しかし、軍に所属している人たちはGPSを確認するため必須である。
「うわ~、でけぇな」
「当たり前です。日本で一番の軍事施設ですから」
怜は辺りを見渡すとそこは高いビルが立ち並び、色合いは蛍光色のピンクや黄緑が目立ち、近未来的なところだった。
「一応昔は旧東京だからな~。建物もそれを利用してるから昔からこんな感じらしいよ。てか、怜! これって訓練生のときに勉強したろ」
「はぁ!? じゃ俺勉強したこと全部忘れたってこと!?」
「オブリドの攻撃を全部一人で受けるからだよ」
「まぁ、そのおかげで私達はこうやって記憶を取り戻せているんですよ旭ちゃん」
落ち込む怜だったが、そのおかげで二人は助かったと怜を褒める柚奈だった。
三人は早速中に入り、本人確認をした。中には軍人の方が身分証明の確認をしていた。
「はい次! 手をかざせ」
次々と中にはいる人たちは手をかざし、ICチップのデーターと本人の確認をしていった。柚奈、旭、怜の順に身元の確認をしていった。
柚奈と旭はすんなり確認に成功し、中に入ることができた。しかし、怜の場合は軍人が激怒し、立ち上がり、銃を構えた。
「貴様! どこのスパイだ! ICチップの情報とお前の霊力が全然違うぞ!」
「はぁ!? な、何かの間違いじゃ」
「惚けるな! 反抗するならここで撃ち殺してもいいんだぞ。こっちへ来い!」
「は、はい!」
「せ、先輩!」
「柚奈、落ち着け。怜は大丈夫だ、帰りを待とう」
怜は堅いのいい軍人に連れ出され、目を覆われるとどこかの部屋へと連れ出された。もちろん柚奈と旭も怜の後を追った。すると二人は怜の部屋にたどり着いたそこは『尋問室』だった。中の音は遮断されており、中の状況は分からなかった。
怜は椅子に座らされ、腕を拘束され、覆っていた布を外されると前には白衣を着た女性がいた。
女性は腰までかかる長い青髪で、身長は百六十くらいだろうか。タレ目で眠そうに椅子に座っていた。すると軍人が敬礼をし、話し出した。
「お忙しいときに申し訳ありません! 身分確認中にICチップの情報と違う内容だったため、スパイの可能性があると考え連れてきました。処分はあなた様にお任せします。これで失礼します」
「ふわ~、はいはい。りょーかい」
女性は怠そうに返事をし、怜の方を向いた。軍人はその後、部屋を後にした。
怜と女性の間には二人を隔てるものはなく、ただ怜が拘束されているだけだった。
(こ、この女性の人は守護霊使いなのか?)
すると女性はペン回しをしながら話し始めた。
「で? 名前、年齢、住所。はやく言え」
「あ、はい。冬風怜、二十一、ここの寮です」
「寮は何号室?」
(やべぇ、何号室とか記憶ないから知らねーよ。てか、俺寮に住んでるって言っても、その記憶ねーし、もう終わったな。さようなら柚奈ちゃん、旭ちゃん)
怜が頭の中で涙を零しながら終わったと妄想していると女性は黒い瞳から青い瞳で怜を見つめた。するとニヤリと笑い、立ち上がった。
「君、面白いね」
(何が!?)
「おーいなの~。みんな今日で時雨とはお別れなの」
「どうしてですか?」
怜が不思議そうに尋ねた。旭もポカンとまだ眠気が取れていない顔だった。柚奈は『貧民街』のことを知っていたので、何も言わなかった。怜に対し時雨は笑顔で答えた。
「冬風隊員とはまだまだ一緒に居たかったけど~、時雨にも大事なお仕事があるなの」
「そ、そうなんですね。頑張ってください」
グイグイと近づいてくる時雨に対し、怜は顔を引きつらせ、笑顔で対応した。その後時雨は、手を振ってどこかへと去っていった。
「ふー、時雨さん行っちゃったな。俺たちはどこに行くんだ?」
「とりあえず、私達の寮に行くか?」
「いえ、私達はまだやるべきことがあります。本部に行き、紛失してしまった通信機器などを取り揃え、出発します」
「一体どこに行くんだよ。それにニャンコ師匠はどうするんだ?」
「師匠は大丈夫です。あの方こそは回復力は早くすぐにでも戦線に復帰できる方ですから。では、行きましょう先輩、旭ちゃん」
三人は関東エリア・第一港からタクシーを使い、本部まで向かった。本部までの一時間の車内では、怜と旭は爆睡をしていた。柚奈は一人で地図を見ていた。
そして一時間後、タクシーは『関東エリア・日本最高守霊基地本部』についた。
怜と旭はあくびをして車内をでた。柚奈はタクシーの支払機の上に右手をかざし、支払いを済ませた。この世界では手の平に小さなICチップを埋め込むのは普通のことである。しかし、軍に所属している人たちはGPSを確認するため必須である。
「うわ~、でけぇな」
「当たり前です。日本で一番の軍事施設ですから」
怜は辺りを見渡すとそこは高いビルが立ち並び、色合いは蛍光色のピンクや黄緑が目立ち、近未来的なところだった。
「一応昔は旧東京だからな~。建物もそれを利用してるから昔からこんな感じらしいよ。てか、怜! これって訓練生のときに勉強したろ」
「はぁ!? じゃ俺勉強したこと全部忘れたってこと!?」
「オブリドの攻撃を全部一人で受けるからだよ」
「まぁ、そのおかげで私達はこうやって記憶を取り戻せているんですよ旭ちゃん」
落ち込む怜だったが、そのおかげで二人は助かったと怜を褒める柚奈だった。
三人は早速中に入り、本人確認をした。中には軍人の方が身分証明の確認をしていた。
「はい次! 手をかざせ」
次々と中にはいる人たちは手をかざし、ICチップのデーターと本人の確認をしていった。柚奈、旭、怜の順に身元の確認をしていった。
柚奈と旭はすんなり確認に成功し、中に入ることができた。しかし、怜の場合は軍人が激怒し、立ち上がり、銃を構えた。
「貴様! どこのスパイだ! ICチップの情報とお前の霊力が全然違うぞ!」
「はぁ!? な、何かの間違いじゃ」
「惚けるな! 反抗するならここで撃ち殺してもいいんだぞ。こっちへ来い!」
「は、はい!」
「せ、先輩!」
「柚奈、落ち着け。怜は大丈夫だ、帰りを待とう」
怜は堅いのいい軍人に連れ出され、目を覆われるとどこかの部屋へと連れ出された。もちろん柚奈と旭も怜の後を追った。すると二人は怜の部屋にたどり着いたそこは『尋問室』だった。中の音は遮断されており、中の状況は分からなかった。
怜は椅子に座らされ、腕を拘束され、覆っていた布を外されると前には白衣を着た女性がいた。
女性は腰までかかる長い青髪で、身長は百六十くらいだろうか。タレ目で眠そうに椅子に座っていた。すると軍人が敬礼をし、話し出した。
「お忙しいときに申し訳ありません! 身分確認中にICチップの情報と違う内容だったため、スパイの可能性があると考え連れてきました。処分はあなた様にお任せします。これで失礼します」
「ふわ~、はいはい。りょーかい」
女性は怠そうに返事をし、怜の方を向いた。軍人はその後、部屋を後にした。
怜と女性の間には二人を隔てるものはなく、ただ怜が拘束されているだけだった。
(こ、この女性の人は守護霊使いなのか?)
すると女性はペン回しをしながら話し始めた。
「で? 名前、年齢、住所。はやく言え」
「あ、はい。冬風怜、二十一、ここの寮です」
「寮は何号室?」
(やべぇ、何号室とか記憶ないから知らねーよ。てか、俺寮に住んでるって言っても、その記憶ねーし、もう終わったな。さようなら柚奈ちゃん、旭ちゃん)
怜が頭の中で涙を零しながら終わったと妄想していると女性は黒い瞳から青い瞳で怜を見つめた。するとニヤリと笑い、立ち上がった。
「君、面白いね」
(何が!?)
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