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勉強会

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卒業するまでにどうしても、やっておきたいことがあった。

1番日本料理がきちんとしたい。
全然自分が納得できなかった。
他の料理も納得はいかないけど、
霧矢くんに食べてもらいたい日本料理が一番うまくいかなかった。


だから、1週間の講習会に参加した。
朝から夜まで、みっちり。
家に帰るとクタクタだった。
帰ってからも復習をしてた。
どんなに頑張っても納得ができない。
答えが見つからない。
もうすぐ卒業なのに、、、焦る。

何が足りないのかが、全くわからなかった。

やればやるほどわからなくなり、悔しかった。

霧矢くんは、優しく見守ってくれた。
苦戦することも大事だから、
それを超えたら、答えが出る。
でも、今は、超えれるかわからない。



「瑞希。味噌汁作ってくれる?飲みたい。」

霧矢くんに1番最初に作った料理だった。
味噌汁とおにぎりと切り干し大根を作った。

「霧矢くんおまたせ。」

「ありがとう。頂きます。」

すごくいい顔で食べてくれた。

「ご馳走様。」

全部綺麗に食べてくれた。

「美味しい。瑞希が作る料理は美味しいよ。俺は幸せだな。」

その一言だけで、私は、悩んでた心がスッキリした。

そう。私はこの言葉欲しくて、学校に行くことに決めたんだ。

残りの実習は、リラックスしてできた。

先生に、
「その気持ちだよ。気負い過ぎたんだよ。良かったよ。」と言ってくれた。


やっぱり霧矢くんがいてくれないと私はダメだな。いつもそっと答えをくれる。
私は本当に幸せだなぁ。

それを言っても霧矢くんは
「俺は味噌汁が飲みたかっただけ」っていうんだろうな。

毎日霧矢くんと一緒に食事ができるのって嬉しいな。
私の作ったものを美味しいって。



本当は専門学校を2年行くつもりだった。でも、みっちり1年で単位を取ってしまった。
それに早く霧矢くんの仕事を手伝いたいと思った。

「瑞希。来年何習うの?」

「あのね。実は、2年分の単位を一年で取っちゃった。」

「え?」

「結構みんなゆるりと単位を取るらしいの。それは飲食店に就職しながらとか、実績がいるからとかで2年かけて単位とるんだって。
でも私は、ゆっくりする必要はないし、学びたかったから、目一杯取っちゃったら、一年で終わったよ。」

「そうなんだ。」

「それでね。早く霧矢くんの仕事が手伝いたいの。だめかな?」

「こっちとしてはありがたいけど、この一年頑張ったんだね。」

「あのね。全然大変じゃなかったよ。楽しかったよ。」

流石に今回、そんなにハードにしてるとは思わなかったな。
疲れた様子はなかったもんな。
瑞希はすごいな。あそこの専門学校、、そんなに簡単じゃないんだけどな、、、







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