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DAY 2.
白鳥の浮気
しおりを挟むッゼーーーーーー!! ハァーーー!!
ッぜーーーーーーーーー!!
「大橋君!お水です!!」
名前で呼ぶ事にしたコトを
すっかり忘れたあかりが
持っていた水のボトルを俺に手渡してくれた。
ーーーあれから15分
鈴木さん達を振り切って、
神殿に行く時にも乗った
ヘーニーを捕まえて乗り込んだ。
ッゼーーーーーー!! ハァーーー!!
「『・・・』」
ヘーニーの中では全力疾走で走った
俺の荒い息の音だけが響く。
「・・ッハー・・マジで・・ッハー・・
トニに・・聞きたいこと・・
あんだけど・・」
ぐったりした俺に、トニが困ったように聞く。
『どの件でしょうか?』
・・まぁ、確かに色々とあり過ぎた。
「ハァーーー・・えと、とりあえず、あの、
・・ハァ・・海の・・えっちなハァーーー」
なかなか、呼吸が整わない。
『『性交場』ですか?』
確認するトニに頷く。
『基本的にはベルトを着けていない
人間達の為の無料の交尾場所です。
殆どが屋内にありますが、
稀にああして屋外で区画を
決められている場所がありまして・・
屋内同様、注意標識があるんですが、
屋外は標識を見逃しやすいんです。
今回は気付けなくて申し訳ないです。』
トニは本当に申し訳ないようで
しょんぼりしてみせた。
「あ・・あの、
標識の見方をおしえてください。
トニさんだけに頼っている
私達も悪いんですから」
あかりがそう言うと、
携帯水槽がホログラムディスプレイで
座る赤ちゃんの背中を描いた絵を
表示する。
『この世界で各国共通の性交場を示す標識です。
大抵この絵の下に矢印が
描かれていて、矢印方向に
性交場があります。
矢印なしでこの絵だけがある場合は、
そこが性交場という事です。』
「・・今回みたいに間違えて・・
性交場に入り込んだところが見つかったら
どうなるんだ?」
ようやっと息が整ってきた俺が聞く。
『法律違反ではありません。
法律上、性交場は誰でも利用可能です。
ただ、性交場に行って、
他人の交尾を見るだけ・・というのは、
酷いマナー違反です。
番が揃った状態であれば、
あの場で交尾を強要される事があります。』
「「!!」」
それは、見つからなくてマジで良かった
・・ような・・
見つかってしまいたかったような・・
『因みに、ベルトをした者が
1人で迷い込んだ場合は、
謝って目を伏せて、耳を塞いで、
あの場から出ます。
1人ならば、
強要のしようもありませんから・・』
こう聞くと、ベルトを着けている方が
肩身が狭い気がする。
・・・
「あと・・あの鈴木さん・・だっけ?
他にも今『エロース』をプレイ中の
プレイヤーっていんの?」
『おります。
現時点では、お2人を除いて9名・・
3組のプレイヤーがいらっしゃいます』
「・・ん?3組なら、6人では?」
あかりが首を傾げる。
『このゲームは、
必ずしも2人で参加するゲームではありません。
メインプレイヤーの愛の希望によって、
共同プレイヤーは異なります。』
「ハーレム希望とか?」
俺が茶化して言うと、
トニはヒレをパタパタと動かした。
『申し訳ありません。
個別の他プレイヤー様の情報や
ミッション・クリア条件などを
お話しする事ができません。』
・・という事は鈴木さんの事も
これ以上聞けないという事か・・
もうあまり会いたくないから、
住んでるトコとか知りたかったんだけど・・
『道哉さんやあかりさんの
情報も、お2人がお話にならなければ、
他プレイヤーに知られる事もありません。』
・・それは、ありがたい・・かも。
「あ・・あの・・
話を変えてしまって申し訳ないですが・・
鈴木さん・・が仰っていた・・
スワンベルトを外したら、
番以外とも・・えっち・・
できるってどういう意味でしょう?」
そこまで言ってあかりが一瞬、
不安そうに俺を見た。
・・いやいやいや・・ないない。
浮気とかあり得ないし!!
俺もあの性交場とか・・怖いし・・。
鈴木さんみたいなコトしないけど・・?
『スワンベルトは装着している者の
意思で着脱可能です。
装着中は番以外の人間と
挿入行為できません。
・・ここまでは昨日、お話しした通りです。
では、スワンベルトを外した状態での
挿入行為は?・・と言いますと、
処罰の対象になりません。』
「そうなんですか・・」
あかりは結構、ショックなようで、
しょんぼりした声を出す。
浮気する気ないんだが・・
コレ、浮気防止装置みたいに
見えてたのかもしれない。
『ただし、
スワンベルトを外した状態で
番以外と挿入行為があった場合、
2度とスワンベルトは装着できなくなります。』
「「?」」
『スワンベルトは、
番の相手に誠実である事を誓う証でも
ありますから・・
装着時に本人の記憶を確認し、
不貞が確認されればベルトが装着を
拒絶します。』
浮気防止の役割はある様だ。
・・とりあえず、安心したかな?と、
あかりを見る。
あかりは、引っかかったようで
更にトニに尋ねる。
「・・記憶を確認し・・ということは、
ベルトを外した状態で
意識がなければ・・?
例えば、眠っている・・とか」
『本人に挿入の記憶がなければ、
スワンベルトは再装着可能でしょうね・・』
「大丈夫だよ。
家の中以外では、
ベルト着けてればいいんだから。」
俺が言うと、あかりは少し考えながら言う。
「あ・・いえ、
極端な話なので、
私も心配しているわけではないんです。
ただ・・・」
「ただ・・?」
「鈴木さんが意味深に、
スワンベルトを外した時の話をして
いらっしゃったのが気になって・・」
「・・とりあえず、もう会いたくないなぁ・・
鈴木さん・・」
俺は、鈴木さんの妙に色気たっぷりの
ニヤニヤ顔と、
性交場での怖い体験を思い出して、
仰向けに倒れた。
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