不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

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63.初めてじゃないんっす 

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「美雨、今日はランチ、外に行こうか。寮長から外出許可は貰ってきてあげるから」

 朝、起きて着替えをしてると、九条先輩に声をかけられる。

 九条先輩も服を脱いでいる最中で、綺麗な顔と割れた腹筋が眩しくて、思わず視線は先輩の体に釘付けに。

「美雨?」
「はっ、はい!行きます!」

 元気な美雨の返事を聞くと、先輩は嬉しそうに頷く。

「じゃあ、今日の11時半に正門のところで待ち合わせね」

 約束の時間に行くと、もう既に先輩は校門の柱のところに寄りかかって待っていた。

 門を通り過ぎる生徒たちは、みんな九条先輩に熱い視線を送っていて、声をかけようかどうしようかと迷うような顔をしている。

 あの視線の中を僕は行くのかと、美雨は一瞬怯んだが、先輩を待たせるわけにもいかなくて、急いで先輩に駆け寄る。 

「お待たせしました!」
「美雨」

 先輩がこっちに気がついて、美雨にヒラヒラと手を振ると、生徒たちは一斉に美雨に羨望と嫉妬の眼差しを送る。

 刺すような痛い視線に耐えながら、先輩の隣に立つと、先輩は

「さぁ、行こうか」

 と、美雨の肩を抱き寄せる。

 その瞬間、背後で発狂するような呻き声があちこちから聞こえてきた。

 街に出ると、九条先輩の歩く速度は速くて、その後ろを美雨は一生懸命について歩く。

 誰もがハンサムな九条先輩の方を振り返り、一緒に歩いていた美雨は、少し得意気な気分になった。

「美雨ここだよ」

 一軒のお洒落なイタリアンカフェの前で先輩は立ち止まり、美雨のためにドアを開けてくれる。

「ほら、遠慮しないで食べて」

 ピッツァにパスタ、シーザーサラダに、炭火焼きチキン、美雨のために先輩は色々とオーダーしてくれて、美雨は次々と美味しい料理を嬉しそうに頬ばる。

 真夏の照りつける日差しの下を歩いてきたせいで、喉が乾いていた美雨は、食べている合間に、ちゅるる とライムスカッシュをストローから吸い込むと、先輩は、ストローを咥えている美雨の口元をじいっと見つめた。

「美雨、あーん♡」

 デザートに頼んだドルチェのティラミスを、先輩はスプーンに取ると、美雨の口元にもってくる。

 ドギマギしながら、ぱくん とそれを口に入れると、九条先輩は嬉しそうに、ニッコリと笑顔を浮かべる。

「ここについてる、美雨」

 先輩はそう言って、美雨の口もとについたマスカルポーネの白いかけらを、そっと指で拭うと、その指をペロリと嘗める。

「美雨のこれ、凄く甘い」

 美形の先輩にそう囁かれて、美雨は顔を真っ赤にして、下を向く。

「先輩……」

 恒星のように、遠く憧れの存在だった九条先輩と一緒に、まるで恋人のように親密な時間を過ごしてる。

 それは真夏の蜃気楼が見せる、儚い幻のようで、夢よ醒めないで、と美雨は願う。

 お昼ゴハンを食べ終わっても、まだ寮に帰りたくないと、そう思っていた美雨の心を読むように、

「この後、映画でも観る?」

 と九条先輩は優しく誘ってくれた。

「はい!」

 目を輝かせて返事をすると、先輩はスマホを取り出し、映画館のスケジュールをチェックする。

 やがて、その整った顔を少し曇らせる。

「うーん、今の時間だと、ホラー映画しかないなぁ」

 正直に言うと、美雨はホラー映画が苦手だった。

 たまに、ルームメイトの悠斗がホラー映画を見始めると、キャーキャー言いながら、美雨は布団を被って枕で頭を押さえて、音が聞こえないようにしていた。

 悠斗はそれを見ると面白がってワザと音量をあげ、それでよくケンカをしていた事を思い出す。

 でも、ここで映画を観たくないと言えば、もう寮に帰らないといけなくなる。せっかくの先輩とのデートをここで終わりにしたくなかった。

「み、観たいです!ホラー映画!」

 美雨は勇気を出して答えると、九条先輩はニッコリと微笑む。

「じゃあ決まりだね」

 お店を出ると、九条先輩は、またスタスタと歩き出し、美雨も必死で後を追いかける。

 足の長さが違うと、こうも歩く速度が違うのかと、美雨は少し凹む。

 映画館に着くと、先輩はポップコーンとドリンクを買ってきてくれて、二人で仲良く並んで席につく。

 映画の内容は、案の定おどろおどろしくて、怖いシーンがある度に、美雨は「ひいっ」とか「ひゃぁぁ」と悲鳴をあげた。

 怖くて肩を震わせている美雨に気がついた九条先輩は、美雨の手を取り、ぎゅっと握っていてくれて、(先輩の手、大きくて温かい……)、包み込むような先輩の優しさに美雨の心臓は高鳴る。


 やっと映画が終わり、脱力したように映画館を出ると、外はもう夕方だった。

「さぁ、そろそろ帰らないとね」

 ぐったりとした表情で美雨が頷くと、九条先輩は帰りは、ゆっくりとした歩幅で歩いてくれた。

 二人で肩を並べて歩きながら、そっと隣の先輩を見上げると、夕日に照らされた先輩の顔は、息をのむほどにハンサムで、美雨は、こっそりと見とれて顔を赤らめる。

「ん?」

 美雨の視線に気がついた先輩が、不意にこちらを向く。先輩の、きらめく星の如く魅惑的な瞳と目があって、美雨の心臓は再びドキンと跳ね上がる。

「な、なんでもないです!」

 美雨は慌てる。

 恥ずかしい!どうか、夕日が僕の顔の赤さを隠してくれていますように!

  必死で願いながら平静を装って歩くと、今度は隣に並んで歩く先輩の手の甲と一瞬、触れる。

 美雨の顔はますます赤くなる。

 いつか、先輩と恋人のように手を繋いで歩けたらいいのに…… それは何の取り柄もない平凡な僕には叶わぬ夢だけど……

 美雨は現実を思い出し、少し、しょんぼりとする。

 交差点で信号待ちをしていると、電柱に貼られていた週末の花火大会のポスターが目に入ってきた。

 美雨がそれをじいっと眺めていると、

「一緒に行く?」

 笑顔で優しく先輩が問いかける。

「はい。一緒に行きたいです!」

「じゃあ、美雨のために週末の予定を開けておくよ」

 九条先輩は最高に魅力的な笑顔でウィンクをする。

 先輩の優しさが嬉しくて、美雨は飛び跳ねたいくらいに心が弾んだ。

 部屋に戻ると、先輩はドアを閉めて、後ろ手で鍵をカチャンとかける。


「ねぇ美雨、今日は僕に嘘をついたね」

「え… ?」

「君は本当に悪い子だね」

「先輩?」

「本当はホラー映画、苦手だったのにどうして僕に嘘ついたの?」

「そ、それは……」


 もじもじと下を向いた美雨の腕を取ると、先輩は真っ直ぐにベッドルームに向かい、ドサッとベッドに押し倒す。

「嘘つきの悪い子にはお仕置きをしないとね」

 先輩の手はベルトにかかると、ズボンを下着ごと、ずり下ろす。

「あ!」

「僕がまだ触ってもいないのに、美雨のここはどうして硬くなっているの?」

 先輩に抱きしめられると反応してしまう体に、美雨はいつの間にか、なってしまっていた。


「ううぅぅ… 」

 恥ずかしさで美雨は呻く。

 ぴょん と立ち上がったソレを先輩はじっくりと眺めると、美雨の右手を取り、硬くなったそこに沿わせる。

「見ていてあげるから、今日は自分でやってごらん」

 先輩の声が意地悪く淫らに耳元で響く。

 凄く恥ずかしい姿だけど、先輩の言葉には逆らえない。

 恐る恐る、ぎゅっぎゅっと扱くと、そこはみるみるとパンパンにふくれ上がった。

 あ…ん… もう出ちゃいそう……

 ぎゅっと目を閉じて、思わず手に力を込めると、先輩の声が響く。

「美雨、まだ出しちゃだめだよ」

 九条先輩の命令に、美雨は慌てて握っていた手の力を緩める。

 すると、先輩の長い指が一本、後ろの蕾にズプリと入ってくる。

「?! ひやっあ?!」

 初めての感触に、美雨は思わず声を出してしまう。

「ゆっくり手を動かして、美雨」

 美雨が言われた通りに再び手を動かすと、先輩の指も同じタイミングで、ゆるゆると出入りを繰り返す。

「あっ、ああん… 」
「美雨のここ、凄く熱くて絡みついてくる… 」

 先輩の声は興奮で少しかすれていた。

(あ…ん…気持ちいい……)

 美雨はいつの間にか、汗をかいて、必死に手を動かしていた。

 やがて、中を探っていた先輩の指が、ザラリとした一カ所を見つける。

「っひゃっ!ひゃあんん?!」

 美雨の体内の淫らな突起物を先輩の指が擦ると、ビクンビクン!と美雨は体を震わせる。


「や、やだ!先輩!怖い!なんか来ちゃう…!」

 半泣きになりながら美雨が悲鳴をあげると、


「美雨、イッていいよ」

 優しく耳元で九条先輩は囁く。同時に、先輩の淫らな指先が、美雨の身体の奥の敏感な箇所を強く擦り上げた。

「あああああっ!」


 信じられないほどの強烈な快感。

 美雨は堪えきれず、悲鳴のような声をあげてブルンブルンと体を震わせると、先輩に見守られながら、白い飛沫をシーツの上に放出して達し、気を失った。

 目を覚ますと、先輩は、美雨のクタンと力つきているペニスを口の中に入れて、ちゅうちゅうと残りの汁を吸い取っていた。

「…っああン… 」

 敏感になったそこを舌で弄ばれると、くすぐったくて、思わず声が洩れてしまう。

 九条先輩の舌は、やがて美雨のお腹の上に飛び散った白い蜜へと伸びる。

 お掃除をするように、それも綺麗にぺろりと舐めとると、下着とズボンを履かせてくれた。

 全身に心地よい疲労感が広がっていた美雨は、

 心の中で、(先輩、大好き……)と呟くと、意識を失うようにして、大好きな先輩の腕の中で朝までぐっすりと眠り込んだ。

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