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友達
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パティが何と答えてよいかモジモジしていると、セーラがパティの手を両手でつかんで言った。
「ねぇ、パティ!私たちお友達になろうよ!私とジェシカのお友達になって?!」
パティはセーラに手をつかまれながらポカンと口を開けたまま固まってしまった。
パティに友達ができる。しかも歳の近い女の子の友達だ。パティはすぐにでも、はいと返事をしたかった。だがそこで止まってしまった。
パティにはマックスたちという頼もしい友達がいる。マックスたちは神さまが与えてくれた友達だ。
マックスたちとパティは心がつながっていて、気持ちも理解しあう事ができる。だが人間同士ではそうはいかない。
パティが育ったドミノ村では、パティは同い年の男の子たちによく石を投げられていた。同い年の女の子たちはパティを無視し、遠くで聞こえるように悪口を言うのが常だった。
女の子たちは、パティを見つけるとヒソヒソとパティの悪口を言ってケラケラ笑うのだ。
その笑い声を思い出すと、パティは今でも背筋が凍りつきそうなほど嫌な気持ちになる。セーラとジェシカと友達になりたい。だけど、彼女たちに悪口を言われて笑われたらどうしようと考えてしまうのだ。
「急すぎるわよ、セーラ。パティが困ってるじゃない。パティと私たちは今日が初対面なのよ?これから知り合って友達になっていけばいいじゃない」
見かねたジェシカがセーラを止める。パティは慌てて否定した。
「ううん、困ってない。私、セーラとジェシカと友達になりたい!」
「本当?!嬉しい!じゃあ私たち友達だよ!よろしくねパティ」
パティの返事にセーラは花が咲いたような笑顔になって言った。ジェシカももじもじしながら答えた。
「私も、パティと友達になれて嬉しいわ。よろしくね、パティ」
パティは嬉しくなって、はいと答えたが、同時に不安にもなった。パティは初めてできた友達に嘘をついたのだから。
パティたちが話していいると、司会者が呼びに来た。どうやら集計が終わったらしい。
パティたちは順番にステージに上がった。観客は盛大な拍手で迎えてくれた。司会者がうやうやしく口を開く。
「では、まず第三位から発表します。パルム服飾店のセーラ!」
観客は盛大な拍手とかっさいを彼女におくった。パティはまたもやポカンとしてしまった。パティは自分が三位になると思っていたからだ。美しいセーラはきっと一位か二位だと思っていた。
セーラはペロリといたずらっぽく舌を出して、おじぎをした。セーラはジェシカとパティの背中に手をそえてうなずいくれる。
司会者は観客が落ち着くのを待ってから言葉を続けた。
「では一位、二位を同時に発表します。一位、冒険者パティ!二位、ゼンダ商店のジェシカ!」
会場は鳴り止まない拍手と歓声に包まれた。パティはぼう然としながら観客を見た。そこには抱き合って喜ぶ姉のデイジーとマイラがいた。その近くにはパティの家族であるトグサとエリオとコジモがいた。
パティは胸がギュッと締めつけられるような気持ちになった。パティの手にフワフワなものが触れた、マックスだ。ドレスのすそがゆれる。チャーミーがすり寄ってきたのだ。肩にはピンキーがとまる。パティはポケットの中のアクアの存在を感じた。
姿は見えないが、パティの友達が側にいてくれている。
ジェシカとセーラがパティの背中に手を置いて、お祝いの言葉を言ってくれた。
パティは皆にありがとうと言って、もう一度デイジーたちを見ようとした途端、目の前が真っ暗になった。
「ねぇ、パティ!私たちお友達になろうよ!私とジェシカのお友達になって?!」
パティはセーラに手をつかまれながらポカンと口を開けたまま固まってしまった。
パティに友達ができる。しかも歳の近い女の子の友達だ。パティはすぐにでも、はいと返事をしたかった。だがそこで止まってしまった。
パティにはマックスたちという頼もしい友達がいる。マックスたちは神さまが与えてくれた友達だ。
マックスたちとパティは心がつながっていて、気持ちも理解しあう事ができる。だが人間同士ではそうはいかない。
パティが育ったドミノ村では、パティは同い年の男の子たちによく石を投げられていた。同い年の女の子たちはパティを無視し、遠くで聞こえるように悪口を言うのが常だった。
女の子たちは、パティを見つけるとヒソヒソとパティの悪口を言ってケラケラ笑うのだ。
その笑い声を思い出すと、パティは今でも背筋が凍りつきそうなほど嫌な気持ちになる。セーラとジェシカと友達になりたい。だけど、彼女たちに悪口を言われて笑われたらどうしようと考えてしまうのだ。
「急すぎるわよ、セーラ。パティが困ってるじゃない。パティと私たちは今日が初対面なのよ?これから知り合って友達になっていけばいいじゃない」
見かねたジェシカがセーラを止める。パティは慌てて否定した。
「ううん、困ってない。私、セーラとジェシカと友達になりたい!」
「本当?!嬉しい!じゃあ私たち友達だよ!よろしくねパティ」
パティの返事にセーラは花が咲いたような笑顔になって言った。ジェシカももじもじしながら答えた。
「私も、パティと友達になれて嬉しいわ。よろしくね、パティ」
パティは嬉しくなって、はいと答えたが、同時に不安にもなった。パティは初めてできた友達に嘘をついたのだから。
パティたちが話していいると、司会者が呼びに来た。どうやら集計が終わったらしい。
パティたちは順番にステージに上がった。観客は盛大な拍手で迎えてくれた。司会者がうやうやしく口を開く。
「では、まず第三位から発表します。パルム服飾店のセーラ!」
観客は盛大な拍手とかっさいを彼女におくった。パティはまたもやポカンとしてしまった。パティは自分が三位になると思っていたからだ。美しいセーラはきっと一位か二位だと思っていた。
セーラはペロリといたずらっぽく舌を出して、おじぎをした。セーラはジェシカとパティの背中に手をそえてうなずいくれる。
司会者は観客が落ち着くのを待ってから言葉を続けた。
「では一位、二位を同時に発表します。一位、冒険者パティ!二位、ゼンダ商店のジェシカ!」
会場は鳴り止まない拍手と歓声に包まれた。パティはぼう然としながら観客を見た。そこには抱き合って喜ぶ姉のデイジーとマイラがいた。その近くにはパティの家族であるトグサとエリオとコジモがいた。
パティは胸がギュッと締めつけられるような気持ちになった。パティの手にフワフワなものが触れた、マックスだ。ドレスのすそがゆれる。チャーミーがすり寄ってきたのだ。肩にはピンキーがとまる。パティはポケットの中のアクアの存在を感じた。
姿は見えないが、パティの友達が側にいてくれている。
ジェシカとセーラがパティの背中に手を置いて、お祝いの言葉を言ってくれた。
パティは皆にありがとうと言って、もう一度デイジーたちを見ようとした途端、目の前が真っ暗になった。
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