170 / 177
【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(番外編) 】
15: 犬と散歩する③
しおりを挟む
雨が降っていて、妙に空気がひんやりとしてしてる。
アンは、なんだかこんな天候が好きだなぁ、、。
アンって変?
変と言えば今朝、カラスに包囲されてる猫ちゃんを見たよ。
場所は公営の小さな野球グラウンドなんだけどね。
ホームベースよりの地面の上に、黒い影が5体ほどあるわけ。
カラスの方はすぐに判ったんだけど、彼らに取り囲まれてうずくまっている黒いものが、猫だなんてしばらく判らなかった。
カラスの方は鳴き喚くわけでもなく、羽ばたくわけでもなく、ただじっとその猫ちゃんを中心にして、まさに「包囲」してるって感じ、、。
ちょっと遠くから見ていると、鬼気迫るものがあって「猫ちゃんをいじめるのはやめなさい」って思わずいってしまいそうな感じ。
大きさはカラスも猫もみんな同じぐらいなんだけど、カラスは高さがあるでしょう。
カラスの方がすごく大きく見えるのね。
見るからに凶暴って感じだし、それにカラスってとっても頭が良さそう。
聞いた話だと、遊びを作り出せる能力もあるそうだし。
奴ら、チームを組んで「猫いじめ」ゲームでも開発したのかしらん。
アンも一部始終を見届ける訳にはいかないから、その場を離れたんだけど、とっても心配。
遠くからだから判らなかっただけで、もしかしたら猫が何かを食べていて、それをカラスが横取りのチャンスを狙ってたって事くらいならいいんだけど、、、。
なんだかT・J・マクレガーの「繭」を思い出しちゃった。
久しぶりに実家でくつろいでいる。
室内で飼っているラブラドール君におやつをあげる。
骨を一度粉砕して固め直したものだ。
結構、固くてカチンとした手触りがある。
このラブ君に限らず、大体の犬達は喰いしん坊だから、「よし」と許可を与えてやると餌に飛びついて食べ始める。
ラブ君があまりに勢い良く牙を当てたものだから、おやつが欠けて、その破片が遠くへ飛んで行ってしまった。
ラブ君はその破片の行き先を目で追いながら一瞬考えたようだ。
おやつは全部食べたい、今、飛んでいった欠片を追いかけていくべきか、それとも自分の口の中のものを先に平らげるか。
どうやらラブ君は、飛んでいったおやつの欠片を後で探すつもりになったらしい。
口にほおばったおやつをガリガリとやり始める。
アンはこのラブ君の様子を、はらはらしながら見ていた。
果たして犬の記憶力って、どれぐらいあるんだろう?
おやつを食べ終わったらそれに満足して、後回しにしたおやつの破片の事を忘れてしまうのではないかと。
結果はこちらの心配しすぎだった。
我が家のラブ君、口にくわえたおやつを食べ終わると、実にしっかりした足取りで、飛んでいった破片を探し出し、これも綺麗に平らげたのだった。
生き物が生きるための知恵の構造と記憶の持続時間は密接な関係があると思う。
単純な生命体になるほど長い記憶がないけれど、それは彼らの知能が劣っているという見方よりも、生き延びる為の「必要性」の問題のような気がする。
人間の記憶はずば抜けて長い。
更に、個人の記憶を人類全体の「歴史」に編纂しなおす能力さえ持っている。
さて我が家のラブ君は破片の行方を忘れなかったが、歴史上に刻まれた戦争の過去を、人は思い出す事が出来るのだろうか、、、。
アンは、なんだかこんな天候が好きだなぁ、、。
アンって変?
変と言えば今朝、カラスに包囲されてる猫ちゃんを見たよ。
場所は公営の小さな野球グラウンドなんだけどね。
ホームベースよりの地面の上に、黒い影が5体ほどあるわけ。
カラスの方はすぐに判ったんだけど、彼らに取り囲まれてうずくまっている黒いものが、猫だなんてしばらく判らなかった。
カラスの方は鳴き喚くわけでもなく、羽ばたくわけでもなく、ただじっとその猫ちゃんを中心にして、まさに「包囲」してるって感じ、、。
ちょっと遠くから見ていると、鬼気迫るものがあって「猫ちゃんをいじめるのはやめなさい」って思わずいってしまいそうな感じ。
大きさはカラスも猫もみんな同じぐらいなんだけど、カラスは高さがあるでしょう。
カラスの方がすごく大きく見えるのね。
見るからに凶暴って感じだし、それにカラスってとっても頭が良さそう。
聞いた話だと、遊びを作り出せる能力もあるそうだし。
奴ら、チームを組んで「猫いじめ」ゲームでも開発したのかしらん。
アンも一部始終を見届ける訳にはいかないから、その場を離れたんだけど、とっても心配。
遠くからだから判らなかっただけで、もしかしたら猫が何かを食べていて、それをカラスが横取りのチャンスを狙ってたって事くらいならいいんだけど、、、。
なんだかT・J・マクレガーの「繭」を思い出しちゃった。
久しぶりに実家でくつろいでいる。
室内で飼っているラブラドール君におやつをあげる。
骨を一度粉砕して固め直したものだ。
結構、固くてカチンとした手触りがある。
このラブ君に限らず、大体の犬達は喰いしん坊だから、「よし」と許可を与えてやると餌に飛びついて食べ始める。
ラブ君があまりに勢い良く牙を当てたものだから、おやつが欠けて、その破片が遠くへ飛んで行ってしまった。
ラブ君はその破片の行き先を目で追いながら一瞬考えたようだ。
おやつは全部食べたい、今、飛んでいった欠片を追いかけていくべきか、それとも自分の口の中のものを先に平らげるか。
どうやらラブ君は、飛んでいったおやつの欠片を後で探すつもりになったらしい。
口にほおばったおやつをガリガリとやり始める。
アンはこのラブ君の様子を、はらはらしながら見ていた。
果たして犬の記憶力って、どれぐらいあるんだろう?
おやつを食べ終わったらそれに満足して、後回しにしたおやつの破片の事を忘れてしまうのではないかと。
結果はこちらの心配しすぎだった。
我が家のラブ君、口にくわえたおやつを食べ終わると、実にしっかりした足取りで、飛んでいった破片を探し出し、これも綺麗に平らげたのだった。
生き物が生きるための知恵の構造と記憶の持続時間は密接な関係があると思う。
単純な生命体になるほど長い記憶がないけれど、それは彼らの知能が劣っているという見方よりも、生き延びる為の「必要性」の問題のような気がする。
人間の記憶はずば抜けて長い。
更に、個人の記憶を人類全体の「歴史」に編纂しなおす能力さえ持っている。
さて我が家のラブ君は破片の行方を忘れなかったが、歴史上に刻まれた戦争の過去を、人は思い出す事が出来るのだろうか、、、。
0

お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる