166 / 177
【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(番外編) 】
12: 夜の底を走る。京都から大阪へ。
しおりを挟む
これはアンがまだ、男の姿でいる事が多かった頃の昔の話。
京都方面で、飲んで飲んでベロンベロンになって、それでも帰巣本能が働くのか、大阪に向かいました。
飲み始める前に、『加藤登紀子云々、関係なしに、ホントにここは美味しいよ』と言う話を聞きながらボルシチを食べた覚えがあるので多分、四条・京都祗園のキエフ辺りを、うろついていたんだと思います。
私鉄に乗り込むも、これが最終で、大阪市内に入った時点で、とうとう帰宅の足がなくなりました。
その日は所持金が乏しく、タクシーも無理、これは自力で帰るしかないと決意したのです。
今だから言っちゃいますけど、良心回路がメルトダウンしたアンは、道ばたの無施錠置き去りチャリを無断レンタルして、距離を稼ぐものの、さすが道ばたロンリーチャリだけあって、直ぐにチェーンが外れ、放棄。
酔った勢いで、環状線沿いに歩く走る、走る歩く、、、しかし何時になっても、どこかに店の明かりがあるのには驚きましたし、それと同じ数だけ、夜の底には正体不明の人影がうじゃうじゃと、、一体これは?、、、時刻は夜中も夜中、どちらかと言うと、夜明けの方が近い筈なのに。
都市って妖しい、、街って生きてる、、その猥雑で根太くひめやかなエネルギーを、改めて強く意識したのがこの日でした。
阪神淡路震災の時の街の破壊ぶりは凄かったけれど、この「根」みたいなものは、まだ密かに微かに、どの街の地中にも残っていたような気もします。
東日本のは、その「根」も含めて、洗いざらい持って行った感じがあるんだけど、、。
・・でももうよそう、そういう感じ方するのは。
「街」を作るのは、やっぱり人なんだから。
ところで最近、下らない夢を見ました。
超強力な霊能者と、かなり出来の悪いその弟子の話です。
ある時、彼らが住んでいる世界に、大変な震災が起こって、その影響で様々な悪念や悪霊が世界に噴出してしまいます。
みんなが困り果てている時に、この霊能者が「しからば、私が助けて進ぜよう」と言って、弟子に何個かの大きな茹で蛸を用意させて念を唱え始めました。
すると驚いたことに、世界に蔓延っていた悪しきモノが、全てこの茹で蛸に吸い寄せられるではありませんか。
こうやって霊能者は、悪しきモノを茹で蛸に封印したわけです。
すると側にいた弟子が、「この茹で蛸は食べられるのですか?」と見当違いのことを訪ねます。
「そうさな、悪念だとか悪霊の類は、精神的なものであって、物理界には直接的な影響を起こさないものだ。従ってこの茹で蛸は食べられると言う事になるな。」とニヤリと笑いながら霊能者は答えました。
さらに霊能者はこういいました。
「どうだ?オマエ、喰ってみるか?」
弟子はこの問いに、顔を真っ青にして沈黙してしまいました。
夢ですからこの話にオチはありません。
そしてもちろん、この茹で蛸は、夢に登場したのですから何かのメタファーである可能性は大いにあります。
京都方面で、飲んで飲んでベロンベロンになって、それでも帰巣本能が働くのか、大阪に向かいました。
飲み始める前に、『加藤登紀子云々、関係なしに、ホントにここは美味しいよ』と言う話を聞きながらボルシチを食べた覚えがあるので多分、四条・京都祗園のキエフ辺りを、うろついていたんだと思います。
私鉄に乗り込むも、これが最終で、大阪市内に入った時点で、とうとう帰宅の足がなくなりました。
その日は所持金が乏しく、タクシーも無理、これは自力で帰るしかないと決意したのです。
今だから言っちゃいますけど、良心回路がメルトダウンしたアンは、道ばたの無施錠置き去りチャリを無断レンタルして、距離を稼ぐものの、さすが道ばたロンリーチャリだけあって、直ぐにチェーンが外れ、放棄。
酔った勢いで、環状線沿いに歩く走る、走る歩く、、、しかし何時になっても、どこかに店の明かりがあるのには驚きましたし、それと同じ数だけ、夜の底には正体不明の人影がうじゃうじゃと、、一体これは?、、、時刻は夜中も夜中、どちらかと言うと、夜明けの方が近い筈なのに。
都市って妖しい、、街って生きてる、、その猥雑で根太くひめやかなエネルギーを、改めて強く意識したのがこの日でした。
阪神淡路震災の時の街の破壊ぶりは凄かったけれど、この「根」みたいなものは、まだ密かに微かに、どの街の地中にも残っていたような気もします。
東日本のは、その「根」も含めて、洗いざらい持って行った感じがあるんだけど、、。
・・でももうよそう、そういう感じ方するのは。
「街」を作るのは、やっぱり人なんだから。
ところで最近、下らない夢を見ました。
超強力な霊能者と、かなり出来の悪いその弟子の話です。
ある時、彼らが住んでいる世界に、大変な震災が起こって、その影響で様々な悪念や悪霊が世界に噴出してしまいます。
みんなが困り果てている時に、この霊能者が「しからば、私が助けて進ぜよう」と言って、弟子に何個かの大きな茹で蛸を用意させて念を唱え始めました。
すると驚いたことに、世界に蔓延っていた悪しきモノが、全てこの茹で蛸に吸い寄せられるではありませんか。
こうやって霊能者は、悪しきモノを茹で蛸に封印したわけです。
すると側にいた弟子が、「この茹で蛸は食べられるのですか?」と見当違いのことを訪ねます。
「そうさな、悪念だとか悪霊の類は、精神的なものであって、物理界には直接的な影響を起こさないものだ。従ってこの茹で蛸は食べられると言う事になるな。」とニヤリと笑いながら霊能者は答えました。
さらに霊能者はこういいました。
「どうだ?オマエ、喰ってみるか?」
弟子はこの問いに、顔を真っ青にして沈黙してしまいました。
夢ですからこの話にオチはありません。
そしてもちろん、この茹で蛸は、夢に登場したのですから何かのメタファーである可能性は大いにあります。
0

お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ふと思ったこと
マー坊
エッセイ・ノンフィクション
たまにはのんびり考えるのも癒しになりますね。
頭を使うけど頭を休める運動です(笑)
「そうかもしれないね」という納得感。
「どうなんだろうね?」という疑問符。
日記の中からつまみ食いをしてみました(笑)
「世界平和とお金のない世界」
https://plaza.rakuten.co.jp/chienowa/
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる