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【 旅と温泉グルメ しゃぶれどもしゃぶれども(番外編) 】
12: 夜の底を走る。京都から大阪へ。
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これはアンがまだ、男の姿でいる事が多かった頃の昔の話。
京都方面で、飲んで飲んでベロンベロンになって、それでも帰巣本能が働くのか、大阪に向かいました。
飲み始める前に、『加藤登紀子云々、関係なしに、ホントにここは美味しいよ』と言う話を聞きながらボルシチを食べた覚えがあるので多分、四条・京都祗園のキエフ辺りを、うろついていたんだと思います。
私鉄に乗り込むも、これが最終で、大阪市内に入った時点で、とうとう帰宅の足がなくなりました。
その日は所持金が乏しく、タクシーも無理、これは自力で帰るしかないと決意したのです。
今だから言っちゃいますけど、良心回路がメルトダウンしたアンは、道ばたの無施錠置き去りチャリを無断レンタルして、距離を稼ぐものの、さすが道ばたロンリーチャリだけあって、直ぐにチェーンが外れ、放棄。
酔った勢いで、環状線沿いに歩く走る、走る歩く、、、しかし何時になっても、どこかに店の明かりがあるのには驚きましたし、それと同じ数だけ、夜の底には正体不明の人影がうじゃうじゃと、、一体これは?、、、時刻は夜中も夜中、どちらかと言うと、夜明けの方が近い筈なのに。
都市って妖しい、、街って生きてる、、その猥雑で根太くひめやかなエネルギーを、改めて強く意識したのがこの日でした。
阪神淡路震災の時の街の破壊ぶりは凄かったけれど、この「根」みたいなものは、まだ密かに微かに、どの街の地中にも残っていたような気もします。
東日本のは、その「根」も含めて、洗いざらい持って行った感じがあるんだけど、、。
・・でももうよそう、そういう感じ方するのは。
「街」を作るのは、やっぱり人なんだから。
ところで最近、下らない夢を見ました。
超強力な霊能者と、かなり出来の悪いその弟子の話です。
ある時、彼らが住んでいる世界に、大変な震災が起こって、その影響で様々な悪念や悪霊が世界に噴出してしまいます。
みんなが困り果てている時に、この霊能者が「しからば、私が助けて進ぜよう」と言って、弟子に何個かの大きな茹で蛸を用意させて念を唱え始めました。
すると驚いたことに、世界に蔓延っていた悪しきモノが、全てこの茹で蛸に吸い寄せられるではありませんか。
こうやって霊能者は、悪しきモノを茹で蛸に封印したわけです。
すると側にいた弟子が、「この茹で蛸は食べられるのですか?」と見当違いのことを訪ねます。
「そうさな、悪念だとか悪霊の類は、精神的なものであって、物理界には直接的な影響を起こさないものだ。従ってこの茹で蛸は食べられると言う事になるな。」とニヤリと笑いながら霊能者は答えました。
さらに霊能者はこういいました。
「どうだ?オマエ、喰ってみるか?」
弟子はこの問いに、顔を真っ青にして沈黙してしまいました。
夢ですからこの話にオチはありません。
そしてもちろん、この茹で蛸は、夢に登場したのですから何かのメタファーである可能性は大いにあります。
京都方面で、飲んで飲んでベロンベロンになって、それでも帰巣本能が働くのか、大阪に向かいました。
飲み始める前に、『加藤登紀子云々、関係なしに、ホントにここは美味しいよ』と言う話を聞きながらボルシチを食べた覚えがあるので多分、四条・京都祗園のキエフ辺りを、うろついていたんだと思います。
私鉄に乗り込むも、これが最終で、大阪市内に入った時点で、とうとう帰宅の足がなくなりました。
その日は所持金が乏しく、タクシーも無理、これは自力で帰るしかないと決意したのです。
今だから言っちゃいますけど、良心回路がメルトダウンしたアンは、道ばたの無施錠置き去りチャリを無断レンタルして、距離を稼ぐものの、さすが道ばたロンリーチャリだけあって、直ぐにチェーンが外れ、放棄。
酔った勢いで、環状線沿いに歩く走る、走る歩く、、、しかし何時になっても、どこかに店の明かりがあるのには驚きましたし、それと同じ数だけ、夜の底には正体不明の人影がうじゃうじゃと、、一体これは?、、、時刻は夜中も夜中、どちらかと言うと、夜明けの方が近い筈なのに。
都市って妖しい、、街って生きてる、、その猥雑で根太くひめやかなエネルギーを、改めて強く意識したのがこの日でした。
阪神淡路震災の時の街の破壊ぶりは凄かったけれど、この「根」みたいなものは、まだ密かに微かに、どの街の地中にも残っていたような気もします。
東日本のは、その「根」も含めて、洗いざらい持って行った感じがあるんだけど、、。
・・でももうよそう、そういう感じ方するのは。
「街」を作るのは、やっぱり人なんだから。
ところで最近、下らない夢を見ました。
超強力な霊能者と、かなり出来の悪いその弟子の話です。
ある時、彼らが住んでいる世界に、大変な震災が起こって、その影響で様々な悪念や悪霊が世界に噴出してしまいます。
みんなが困り果てている時に、この霊能者が「しからば、私が助けて進ぜよう」と言って、弟子に何個かの大きな茹で蛸を用意させて念を唱え始めました。
すると驚いたことに、世界に蔓延っていた悪しきモノが、全てこの茹で蛸に吸い寄せられるではありませんか。
こうやって霊能者は、悪しきモノを茹で蛸に封印したわけです。
すると側にいた弟子が、「この茹で蛸は食べられるのですか?」と見当違いのことを訪ねます。
「そうさな、悪念だとか悪霊の類は、精神的なものであって、物理界には直接的な影響を起こさないものだ。従ってこの茹で蛸は食べられると言う事になるな。」とニヤリと笑いながら霊能者は答えました。
さらに霊能者はこういいました。
「どうだ?オマエ、喰ってみるか?」
弟子はこの問いに、顔を真っ青にして沈黙してしまいました。
夢ですからこの話にオチはありません。
そしてもちろん、この茹で蛸は、夢に登場したのですから何かのメタファーである可能性は大いにあります。
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