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【 東南アジアの旅 】
10: 初めてのバリ旅行 ジャランジャランは明日から ④レゴンダンスと無知
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夕食後プリ・サレン王宮の門の前でレゴン・ダンスのチケットを買う。
開演三十分前に来たというのに、地べたのかぶりつき席はもう満員だった。
ホント言うと、アンはレゴン・ダンスに余りいい印象を持っていない。
なんだか小金持ちの家に置いてある趣味の悪い木彫りの布袋さんみたいな感じがするからだ。
踊りを見るなら、ケチャとか他のにしたかったんだけれど、ウブドの何処で公演してるか判らないし、現地ガイドさんにも「夜の十時以降はホテルから出るな」と釘を刺されている。
つまり帰りの足を確保するのが、プリサレン以外では難しいんだよね。
でも半数以上を占めている白人の観客達はどうしてこんなにお行儀がいいんだろう。
レゴンダンスなんて「せっかく海外旅行に来たんだから」って感覚がなければ、とても長時間見れるもんじゃないと思うけどな。
アンなんて、外人キッズブラザーズの退屈してる様子とか(うち一人は男性が踊っていると、よそ見したりするんだけど、女性が登場するときっちり見てるという将来頼もしい子)で、気を紛らわしていたんだけどね。
でもまあ我慢して見ていると、ガムランの中に雅楽の旋律がちらっと聞こえたりして、発見がない訳ではないんだけど。
・・・・・・・・・
現地ガイドのヤナン君は、やけに自分の国の情勢や歴史に詳しい。
だけどあまり遊びには興味がなく、おまけに信仰心については少し冷笑的なところがあるようだ。
シニカルで冷静なガイドというのも珍しい。
ホテルの従業員達は吃驚するほど元気で愛想がいいからこの落差が大きく感じられるわけ。
ヤナン君は日本語がべらぼうに旨い。
まあ現地ガイドの日本語の旨さは、東南アジアの場合どこの国に言っても吃驚させられるんだけど。
結局、彼らが身につけてる言語模倣能力が日本人とは桁違いに違うということなのかなー。
それとも勉学に関するハングリーさ?
ここで相方が昨日、出会った巨大暴走族に対する疑問をヤナン君にぶつけた。
そう今日は、ヤナン君を一日借り切って、ショッピングツアーに出る日なのだ。
(名所巡りなんてアン達にはほとんど関係ない、まあ一応、タナロット寺院はアリバイづくりに押さえといたけど)
「あ、それは違いますね。赤い旗に猛牛のマークでしよ。選挙応援ですよ。それに独立記念日が後一週間後に控えてるし。」
アンも「へっ?」て感じだった。
確かに暴走族の先頭には大きな軍用ジープが走っていて、なんとなく日本の右翼の宣伝カーみたいな雰囲気を放っていたのは確かなんだけど。
あの真っ赤な布の真ん中に黒い牛を描いた旗が、インドネシア大統領であるメガワティ女史(PDI)のシンボルである言う事は日本に帰ってから知った。
メガワティ女史のお祖母さん(スカルノのお母さん)は、バリ島北部シンガラジャの人だと言うことだ。
つまりメガワティ女史にはバリ人の血が流れているということで、バリの人々の80%以上がメガワティ支持らしい。
さらにメガワティ女史が選出されるまでには紆余曲折の政治的なごたつきがあったと言うことだ。
確かにそんな背景があるなら、警察も一般市民も彼らの傍若無人な政治活動?を黙認するのは当たり前なのかも知れない。
ウブドの田舎道を、独立記念日の式典の為にボディコンシャスな制服を身につけて行進練習をする女子高生達を見た時の違和感が、アンから消えたのは、そういった背景を知った帰国後の事だった。
、、やっぱり少しは、政治や社会の事も勉強しなきゃ。
開演三十分前に来たというのに、地べたのかぶりつき席はもう満員だった。
ホント言うと、アンはレゴン・ダンスに余りいい印象を持っていない。
なんだか小金持ちの家に置いてある趣味の悪い木彫りの布袋さんみたいな感じがするからだ。
踊りを見るなら、ケチャとか他のにしたかったんだけれど、ウブドの何処で公演してるか判らないし、現地ガイドさんにも「夜の十時以降はホテルから出るな」と釘を刺されている。
つまり帰りの足を確保するのが、プリサレン以外では難しいんだよね。
でも半数以上を占めている白人の観客達はどうしてこんなにお行儀がいいんだろう。
レゴンダンスなんて「せっかく海外旅行に来たんだから」って感覚がなければ、とても長時間見れるもんじゃないと思うけどな。
アンなんて、外人キッズブラザーズの退屈してる様子とか(うち一人は男性が踊っていると、よそ見したりするんだけど、女性が登場するときっちり見てるという将来頼もしい子)で、気を紛らわしていたんだけどね。
でもまあ我慢して見ていると、ガムランの中に雅楽の旋律がちらっと聞こえたりして、発見がない訳ではないんだけど。
・・・・・・・・・
現地ガイドのヤナン君は、やけに自分の国の情勢や歴史に詳しい。
だけどあまり遊びには興味がなく、おまけに信仰心については少し冷笑的なところがあるようだ。
シニカルで冷静なガイドというのも珍しい。
ホテルの従業員達は吃驚するほど元気で愛想がいいからこの落差が大きく感じられるわけ。
ヤナン君は日本語がべらぼうに旨い。
まあ現地ガイドの日本語の旨さは、東南アジアの場合どこの国に言っても吃驚させられるんだけど。
結局、彼らが身につけてる言語模倣能力が日本人とは桁違いに違うということなのかなー。
それとも勉学に関するハングリーさ?
ここで相方が昨日、出会った巨大暴走族に対する疑問をヤナン君にぶつけた。
そう今日は、ヤナン君を一日借り切って、ショッピングツアーに出る日なのだ。
(名所巡りなんてアン達にはほとんど関係ない、まあ一応、タナロット寺院はアリバイづくりに押さえといたけど)
「あ、それは違いますね。赤い旗に猛牛のマークでしよ。選挙応援ですよ。それに独立記念日が後一週間後に控えてるし。」
アンも「へっ?」て感じだった。
確かに暴走族の先頭には大きな軍用ジープが走っていて、なんとなく日本の右翼の宣伝カーみたいな雰囲気を放っていたのは確かなんだけど。
あの真っ赤な布の真ん中に黒い牛を描いた旗が、インドネシア大統領であるメガワティ女史(PDI)のシンボルである言う事は日本に帰ってから知った。
メガワティ女史のお祖母さん(スカルノのお母さん)は、バリ島北部シンガラジャの人だと言うことだ。
つまりメガワティ女史にはバリ人の血が流れているということで、バリの人々の80%以上がメガワティ支持らしい。
さらにメガワティ女史が選出されるまでには紆余曲折の政治的なごたつきがあったと言うことだ。
確かにそんな背景があるなら、警察も一般市民も彼らの傍若無人な政治活動?を黙認するのは当たり前なのかも知れない。
ウブドの田舎道を、独立記念日の式典の為にボディコンシャスな制服を身につけて行進練習をする女子高生達を見た時の違和感が、アンから消えたのは、そういった背景を知った帰国後の事だった。
、、やっぱり少しは、政治や社会の事も勉強しなきゃ。
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