彼氏の家族がヤバいですわ!

ぬこまる

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「結婚しよう!」

 眉目秀麗な男ケイトからのプロポーズ。
 ふかふかな高級ソファに座るアリスは、ぎゅっとケイトの厚い胸板に抱きついた。ほどよく筋肉があって気持ちが良い。思わず、「うふふふ」と笑ってしまう。

「おいおい、なぜ笑ってる?」
「嬉しくて笑っているのですわ」
「ふっ、アリスは可愛いな……で、答えは?」
「私も結婚したいのですが、はたしてケイトさんのご両親が許してくれるでしょうか?」
「大丈夫さ、なぜ心配をする?」
「私たちの出会いはマッチングアプリですわ。どうやって説明を?」
「SNSで知り合ったと言えばいい。今どき不思議じゃないだろう」
「……それに心配事は他にもありますわ」
「ん?」
「私は貧乏人。生まれは名家ですが、両親が離婚しアル中の母とワンルーム生活……とほほ、ですわ」

 ケイトはアリスの頭を優しくなでる。
 彼女を幸せにしてみせると言った眼差し、櫛のような美しい男の指が、さらさらと髪をとかす。

「アリス、それは過去の話だろ? 今は東京で独り暮らし。もう何年になる?」
「4年ですわ。高校を卒業してすぐ、逃げるように上京しましたの。夜行バスの椅子が硬くて痛かったのですが、これで母と別れて生活できる思うと、もう嬉しくて嬉しくて……」
「立派に自立してるな」
「いえ、立派ではありませんわ。ころころ転職を繰り返し、今はペットショップで働く見習いトリマーですわ」
「ああ、知ってる。動物好きならきっと俺の実家を気にいるぜ」
「ケイトさんの実家はたしか?」
「神奈川の田舎、野生動物の楽園さ! あたりは山と森しかない。電波もない。携帯電話は使えない。隣の家は3キロある」
「それって隣の家とは言えませんわ」

 あはは、とケイトは笑う。
 爽やかな白い歯。アリスの心配は飛んでしまった。

「実家に遊びに行こう。二連休、とれるだろ?」
「私は大丈夫ですが、ケイトさんは?」
「ぼくはIT企業の社長だぞ、休みは自分で決められる」
「あらそう、じゃあ休みがとれたら教えますわ」
「たのむ」

 ケイトは笑顔をみせる。
 ソファにもたれていたアリスの生足を持って、ぐいっと引き寄せた。
 くびれたウェスト、ぱつんとしたヒップが艶かしい。
 アリスは強く抱きしめられ、うっとりとした表情を浮かべていた。
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