異世界転移したら二人の獣人に出会って旅に同行することになりました

hina

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「この辺りでいいか」
「そうだね、森ともだいぶ離れたし」
そう言ってグレンがローブの袖に手を入れると、平原の真ん中にポンっとグリーンのテントが現れた。


「わ、手品?」
「無限収納魔術」
グレンが僕の頭を撫でる。
グレンも身長百八十後半はありそうだ。
俺は百七十二だから、それなりに差がある。

「スバルも荷物に困ったらグレンに預けるといい」
「僕は荷物持ちじゃないけど、スバルの荷物なら喜んで預かるよ」
「あは、持ちきれなくなったらお願いします」
イーサンとグレンの会話に笑いながら、テントの中を覗くと、そこには見た目に反して広い空間になっていた。

「テントの中もグレンの魔術が展開されてるから、広いだろ?」
「グレン凄い……」
「いや、まあ……それほどでもあるんだけどね?」
「座ってもいい?」
「どうぞ」
二人に倣い入口の近くで靴を脱いで中に進み、ふかふかの絨毯が敷かれた床の上に座って、沢山置かれたクッションの一つをぎゅっと抱き締めた。
「疲れたーぁ……」
そのまま寝転がって、抱き締めたのとは違うクッションに頭をのせた。

「ぐっ……」
「やば……」

様子が変なイーサンとグレンに首を傾げて、俺はテントの天井を見上げる。

「あ、ごめんなさい。ついくつろいで……」
「いや、いい。そのままで……」
「そうだよ。ここには僕達しかいないんだから、思うがままに振る舞ってもいいんだよ」
「調子に乗っちゃうからそんなこと言っちゃダメですよ」
俺は起き上がって姿勢良く正座した。

「そういうスバルだから大丈夫だと思うけど、目に余る時はイーサンの教育的指導が入るから」
「それは怖いですね……」
「うん、そうなんだよ……」
「本当にキレたら怖いのは、グレンの方だけどな」
「ううん……それもあり得る……」
俺は唸って、抱き締めたクッションに口元を埋めた。

「今日はこのまま床で寝よっか」
「そうだな。街に着いたら三人で寝られる寝具を揃えよう」
「賛成!」
「え? え?」
急な話題の転換に戸惑っていると、二人が寝方について決めて行ってしまう。

「もちろん、スバルは真ん中で寝てね」
「えぇ!?」

寝相は悪くないと思うけど、イケメン二人に挟まれるのはちょっと……なんて考えは、まだ甘かった。



……寝て起きたら二人の腕が俺の上にあり、二人とも至近距離で寝ていて、目を開けたらイーサンが、首筋の後ろにはグレンの吐息がかかり、俺は思わず驚きの声をあげたのだった。

「ちょ、ちょっと二人とも!?」
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