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アンジェリーナの秘密
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「別に怒ってはないけど、聞きたいことがあるから教えてもらっていい?それから僕がアイテムボックスを使えることは他の人には秘密にしておいてね」
「もちろん話さないわよ。私自身も他の人に、こんなスキルの事を軽々しく話せないもの。それで聞きたいことって?」
「その強奪ってスキルを使ったのはいつ?」
「私が転入した日よ」
やっぱり僕が反省室に入れられたあの日だよね。
「なんで僕にそのスキルを使ったの?手当たり次第に使ってるの?」
僕の知ってる強奪というスキルは1度しか使えない。
アンジェの強奪も同じであれば何故僕に使ったのだろうか?
しかも転入した日なのだとしたら、僕のことを前から知ってたのかな?
「エルク君にしか使ってないわ。そもそも強奪のスキルは1度しか使えないスキルなの。私があの学院に転入するには条件があったの。前に私が村で貧しい生活をしていたっていうのは話したわよね?エルク君に強奪のスキルを使うなら、学院に編入させてくれて、衣食住も全部無料で提供するって言われて欲望に負けたのよ」
「もしかして学院長に言われたの?」
そんな権限を持っているのは学院長だけだろう。
僕達姉弟を利用しようとしていたと聞いているし、これはその時の一部分だったのではと推測できる。
「ええ、そうよ。驚かないのね?」
「学院長から前に僕とお姉ちゃんを利用して何かを成そうとしていたって話は聞いたからね。何をしたかったのかは教えてくれなかったけど、アンジェにそのスキルを使わせて何か企んでたってことは想像出来るから、そこまでは驚かないよ。もう僕達を利用するつもりはないみたいだけど、この話はここだけの話にしておいてね。それと、僕も村の厳しさは知ってるから、欲望に負ける気持ちはわかるよ。アンジェは僕よりも辛かったはずだから」
「そう言ってくれるとありがたいわ」
「アンジェはなんで今になって話そうと思ったの?ずっと謝りたかったというのはわかったけど……」
「少し前までは学院長に口止めされてたのよ。だからすぐには謝れなかったの。……いえ、私に謝る勇気がなかっただけね。今回、ラクネちゃんに誘われてエルク君に謝るチャンスだと思ったのよ」
学院長は僕達を利用する気が無くなったから、アンジェに謝りたいなら謝っていいと言ったのだろう。
「そうだったんだね。元々怒ってもなかったけど、勇気を出して話してくれたことが僕は嬉しいよ。話がこれだけなら、みんなの所に戻ろうか」
声を掛けてはきたけど、あまり遅くなるとみんなが心配するかもしれない。
「ちょっと待って。もう1つ聞きたいことがあるの。本題はさっきの謝りたいってことなんだけど、私の思った通りならこっちの方が重要かもしれない」
本題ではないようだけど、先程までとはまた違う緊張感が漂っている気がする。
「なに?」
「エルク君は日本に心当たりはない?…………あるのね」
日本と言われた瞬間にビクッと体が動いてしまった。
誤魔化し様のない程に……。
「なんでそんな事聞くの?」
認めてしまったようなものだけど、一応認めずに理由を聞く。
「色々と理由はあるけど、1番は焼きそばかな。学院祭で出していたでしょ?似ている料理はあったとしても、名前や味の付け方まで同じっていうのは、元の料理を知ってるとしか思えなかったのよ。後は石鹸とかね……」
日本のことを知ってる人がいたら気づくのは仕方ないか……。
「アンジェはなんで日本を知ってるの?」
「私、生前の記憶があるのよ。生前は日本で暮らしてた。もしかしたらエルク君も私と同じなのかなって」
僕はなんて答えるか迷う。
迷うけど、既にバレているようなものなので、正直に話すことにした。
「僕も同じだよ。生前の記憶がある。バレているようなものだから認めたけど、絶対に誰にも話さないで欲しい。家族にも話してないことだから」
「わかってるわ。私も自分のことを家族にも話さなかったもの。同郷だと思ったから聞いただけよ。知らなそうなら適当に誤魔化すつもりだったわ」
アンジェに生前の記憶があるということを加味して考えると、元々は強奪のスキルを獲得していたことが気になる。
「アンジェはなんで生前の記憶があるの?」
「私ね、事故で死んだの。だけど本当は死ぬのは私じゃなくて、他の人が死ぬはずだったんだって。死神が死ぬ運命だった人を間違えたって言われたわ」
なんだか聞いたことのある話だ。
「誰に言われたの?」
「神様よ」
やっぱりだ。
「神様?」
僕の時と同じクソ野郎だろうか……
「そう。様なんて付けたくないくらいのふざけたジジイだったけどね。本当に殴りたかったわ」
多分僕があった神と同一人物だ。
アンジェは当時の事を思い出してか、少しイラッとしている。
「それで、神が詫びとしてスキルをくれるって言うから選んでたのよ。そしたらら早くしろ、まだか、と焦らされて、怒りが増してきた私は強奪のスキルを選んで神からスキルを奪ってやろうとしたのよ」
僕と全く同じだ。
しかし、それならなんで強奪のスキルが残ったままなんだろうか?
僕のスキルは創造だし、強奪のスキルは消えていた。
「強奪って1回しか使えないんだよね?使わなかったの?」
「使う前にこっちの世界に飛ばされたわ。私、生前からずっと運が悪いというか、要領がよくなくてね。転生するギリギリに強奪してやろうと思ってたら、神に恨み言を言っているうちに転生する時間になっちゃったのよ。強奪なんてスキルを選んできちゃったし、転生したのは貧しい村だし……」
「…………おっちょこちょいなんだね」
おっちょこちょいで済ませて良いレベルじゃないかもしれないけど……。
「そんなかわいいものではないけどね……。その結果、少し前まで貧しい思いをし続けることになったのよ。もっとまともなスキルを選んでおけば良かったとどれだけ後悔したことか……。まあ、私はこんな感じよ。エルク君はなんで生前の記憶があるの?」
「僕もアンジェと同じだよ。違うのは僕は強奪であいつからスキルを1つ奪ったってことだけかな。なんのスキルを奪ったのかは秘密にさせて欲しい」
「私とは違ってちゃんと奪ったのね……。やっぱり神が相手だから奪えなくされたとかじゃなくて、私の方に原因があったってことだったのね」
「そ、そうだね」
「教えてくれてありがとう。知らない世界にずっと1人放り出されていたような気持ちだったけど、そうじゃなかったってわかって嬉しいわ」
「僕も嬉しいよ。言ってくれてありがとね。そろそろ戻ろうか。またみんなのいない所で色々と話そうね」
「ええ」
僕はみんなの所に戻りながら考える。
アンジェの他にも地球から記憶を持ったまま転生した人はいるのだろうか?
それからアンジェと僕とで、神と同じような展開になったのは果たして偶然なのだろうか……
「もちろん話さないわよ。私自身も他の人に、こんなスキルの事を軽々しく話せないもの。それで聞きたいことって?」
「その強奪ってスキルを使ったのはいつ?」
「私が転入した日よ」
やっぱり僕が反省室に入れられたあの日だよね。
「なんで僕にそのスキルを使ったの?手当たり次第に使ってるの?」
僕の知ってる強奪というスキルは1度しか使えない。
アンジェの強奪も同じであれば何故僕に使ったのだろうか?
しかも転入した日なのだとしたら、僕のことを前から知ってたのかな?
「エルク君にしか使ってないわ。そもそも強奪のスキルは1度しか使えないスキルなの。私があの学院に転入するには条件があったの。前に私が村で貧しい生活をしていたっていうのは話したわよね?エルク君に強奪のスキルを使うなら、学院に編入させてくれて、衣食住も全部無料で提供するって言われて欲望に負けたのよ」
「もしかして学院長に言われたの?」
そんな権限を持っているのは学院長だけだろう。
僕達姉弟を利用しようとしていたと聞いているし、これはその時の一部分だったのではと推測できる。
「ええ、そうよ。驚かないのね?」
「学院長から前に僕とお姉ちゃんを利用して何かを成そうとしていたって話は聞いたからね。何をしたかったのかは教えてくれなかったけど、アンジェにそのスキルを使わせて何か企んでたってことは想像出来るから、そこまでは驚かないよ。もう僕達を利用するつもりはないみたいだけど、この話はここだけの話にしておいてね。それと、僕も村の厳しさは知ってるから、欲望に負ける気持ちはわかるよ。アンジェは僕よりも辛かったはずだから」
「そう言ってくれるとありがたいわ」
「アンジェはなんで今になって話そうと思ったの?ずっと謝りたかったというのはわかったけど……」
「少し前までは学院長に口止めされてたのよ。だからすぐには謝れなかったの。……いえ、私に謝る勇気がなかっただけね。今回、ラクネちゃんに誘われてエルク君に謝るチャンスだと思ったのよ」
学院長は僕達を利用する気が無くなったから、アンジェに謝りたいなら謝っていいと言ったのだろう。
「そうだったんだね。元々怒ってもなかったけど、勇気を出して話してくれたことが僕は嬉しいよ。話がこれだけなら、みんなの所に戻ろうか」
声を掛けてはきたけど、あまり遅くなるとみんなが心配するかもしれない。
「ちょっと待って。もう1つ聞きたいことがあるの。本題はさっきの謝りたいってことなんだけど、私の思った通りならこっちの方が重要かもしれない」
本題ではないようだけど、先程までとはまた違う緊張感が漂っている気がする。
「なに?」
「エルク君は日本に心当たりはない?…………あるのね」
日本と言われた瞬間にビクッと体が動いてしまった。
誤魔化し様のない程に……。
「なんでそんな事聞くの?」
認めてしまったようなものだけど、一応認めずに理由を聞く。
「色々と理由はあるけど、1番は焼きそばかな。学院祭で出していたでしょ?似ている料理はあったとしても、名前や味の付け方まで同じっていうのは、元の料理を知ってるとしか思えなかったのよ。後は石鹸とかね……」
日本のことを知ってる人がいたら気づくのは仕方ないか……。
「アンジェはなんで日本を知ってるの?」
「私、生前の記憶があるのよ。生前は日本で暮らしてた。もしかしたらエルク君も私と同じなのかなって」
僕はなんて答えるか迷う。
迷うけど、既にバレているようなものなので、正直に話すことにした。
「僕も同じだよ。生前の記憶がある。バレているようなものだから認めたけど、絶対に誰にも話さないで欲しい。家族にも話してないことだから」
「わかってるわ。私も自分のことを家族にも話さなかったもの。同郷だと思ったから聞いただけよ。知らなそうなら適当に誤魔化すつもりだったわ」
アンジェに生前の記憶があるということを加味して考えると、元々は強奪のスキルを獲得していたことが気になる。
「アンジェはなんで生前の記憶があるの?」
「私ね、事故で死んだの。だけど本当は死ぬのは私じゃなくて、他の人が死ぬはずだったんだって。死神が死ぬ運命だった人を間違えたって言われたわ」
なんだか聞いたことのある話だ。
「誰に言われたの?」
「神様よ」
やっぱりだ。
「神様?」
僕の時と同じクソ野郎だろうか……
「そう。様なんて付けたくないくらいのふざけたジジイだったけどね。本当に殴りたかったわ」
多分僕があった神と同一人物だ。
アンジェは当時の事を思い出してか、少しイラッとしている。
「それで、神が詫びとしてスキルをくれるって言うから選んでたのよ。そしたらら早くしろ、まだか、と焦らされて、怒りが増してきた私は強奪のスキルを選んで神からスキルを奪ってやろうとしたのよ」
僕と全く同じだ。
しかし、それならなんで強奪のスキルが残ったままなんだろうか?
僕のスキルは創造だし、強奪のスキルは消えていた。
「強奪って1回しか使えないんだよね?使わなかったの?」
「使う前にこっちの世界に飛ばされたわ。私、生前からずっと運が悪いというか、要領がよくなくてね。転生するギリギリに強奪してやろうと思ってたら、神に恨み言を言っているうちに転生する時間になっちゃったのよ。強奪なんてスキルを選んできちゃったし、転生したのは貧しい村だし……」
「…………おっちょこちょいなんだね」
おっちょこちょいで済ませて良いレベルじゃないかもしれないけど……。
「そんなかわいいものではないけどね……。その結果、少し前まで貧しい思いをし続けることになったのよ。もっとまともなスキルを選んでおけば良かったとどれだけ後悔したことか……。まあ、私はこんな感じよ。エルク君はなんで生前の記憶があるの?」
「僕もアンジェと同じだよ。違うのは僕は強奪であいつからスキルを1つ奪ったってことだけかな。なんのスキルを奪ったのかは秘密にさせて欲しい」
「私とは違ってちゃんと奪ったのね……。やっぱり神が相手だから奪えなくされたとかじゃなくて、私の方に原因があったってことだったのね」
「そ、そうだね」
「教えてくれてありがとう。知らない世界にずっと1人放り出されていたような気持ちだったけど、そうじゃなかったってわかって嬉しいわ」
「僕も嬉しいよ。言ってくれてありがとね。そろそろ戻ろうか。またみんなのいない所で色々と話そうね」
「ええ」
僕はみんなの所に戻りながら考える。
アンジェの他にも地球から記憶を持ったまま転生した人はいるのだろうか?
それからアンジェと僕とで、神と同じような展開になったのは果たして偶然なのだろうか……
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