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転入生
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休み明けに感じた違和感に僕はやっと気づいた。
「ダイスくん、あの子って前からこのクラスにいたっけ?」
僕はダイスくんに聞く
「エルク、今頃かよ。今期から、転入してきたんだよ。この時期としては珍しいな」
「そうだったんだ。全然気づかなかったよ」
「まあ、紹介とか特になかったからな。あの子も自分から周りに自己アピールするようなタイプじゃないみたいだし、同じタイプのエルクとは接点が出来にくいから気づかないのもわからなくはないか。普通はすぐに気づくと思うけどな」
最近はアイテムボックスの事で頭がいっぱいだったからしょうがない、と自分に言い訳をしておく
「そうだね。ダイスくんもだけど、ローザとかラクネも僕から話しかけて仲良くなったわけじゃないからね。話しかけてくれてありがとね」
僕はダイスくんに今更になってしまったけどお礼を言う。
僕がこのクラスに入った時に、すぐ話しかけてくれたのはダイスくんだけだった
「……ああ」
ダイスくんはなぜだか複雑そうな顔をした
「その転入生の子ってどんな子なの?」
僕はダイスくんに聞く
「エルクが同級生の事を気にするなんて珍しいな。いつも話すメンバー以外、実は名前も知らないだろ?」
図星である。話したことある人以外名前は知らない。
忘れたとかではなくて、聞いてないので知らないのだ
「……そんなことないよ。それよりもあの子のこと教えてよ?」
都合が悪いので、僕は話を変える
「それじゃあ、あそこの窓際に座ってる男の子の名前は?」
変えてはくれないようだ
「……知らないよ。もう、分かってて聞いてるでしょ。僕もバレてるとわかってて話を変えようとしてるんだから察してよ」
「ははは、まあ確かに分かってたな。だけど、エルクが嘘を言ったのが悪いんだからな」
「それは分かってるよ。ダイスくんの言う通り、本当はクラスの半分くらいは名前も知らないよ」
「……いや、そこまでとは知らなかったよ。さすがにそんなに周りに興味がないとは思わなかった」
ダイスくんは少し引いている。僕のことをわかっているようで、わかっていなかったようだ。
「……内気なだけだよ。人見知りしてるんだ」
本当は貴族が多いから話しかけてづらいだけなんだけど…。どの人が貴族かも知らないし……
「そうか?あんまり内気って感じはしないけどな。まあ、エルクから誰かに話しかけてるのを見たことないしそうなのか…?そんなエルクが何で転入生の事は気にしてるんだ?」
ダイスくんは僕のことをよく見ている気がする。さっきの名前の件もそうだし。
「さっきまで気づいてなかったからいつからかはわからないけど、なんだかチラチラと見られてるんだよね。僕は会ったことないと思うんだけど、向こうは僕のこと知ってるのかなって」
僕が違和感に気づいた理由もこれだ。誰かに見られている気がして、振り向いたら視線が合った。
向こうは視線を逸らしたけど、確かに僕の方を見ていたと思う。
そして、よく考えたらこの人を見たことがない事に気づいたのだ。
僕は違和感を感じてはいたけど、同級生が1人増えている事には気づいていなかった。
「彼女はアンジェリーナだ。辺境の村に住んでたらしいけど、珍しいスキルを持ってたとかで転入してきたらしいな。それ以外は俺も知らない」
「そうなんだ。珍しいスキルって?」
「それも知らないな。向こうもエルクが気になっているようだし話しかけてみろよ」
「う、うん」
気にはなるし、勇気を出して話しかけてみよう
放課後、僕はアンジェリーナに話しかける
「はじめましてだよね?エルクだよ」
とりあえず自己紹介だよね…
「うん、話すのは初めてね。アンジェリーナよ。アンジェでいいわ」
やっぱり僕が忘れているだけというわけではないようだ
「違ってたらごめんね。僕の方見てた気がしたからどうしたのかなって思ったんだけど……?」
僕は意を決してアンジェに聞く
「あ……うん。それは…………なんでこんな子供がいるのか不思議で見てただけよ」
少し挙動不審に見えたけど、いきなり話しかけたからかな。言われた理由に僕は納得する。
入学してすぐの頃は、教室でも廊下でも色んな人にチラチラと見られて、ヒソヒソと話をされてたんだから、少し考えればわかる事だった
「そっか。僕、スキルがいくつか使えるって理由で飛び級してるんだよ。実力で飛び級しているわけじゃないから期待しないでね」
ガタン!
バン!
アンジェが急に立ち上がって机を叩いた
「そんなこっ…………いえ、なんでもないわ。驚かせてごめんなさい」
どうしたんだろうか、すごく動揺している
「びっくりしたよ。何か気になることがあるなら気にせずに言ってね」
「気にしないで…。この学院で飛び級は珍しいって聞いたけど、スキルを複数もってるだけで飛び級できるのね」
「僕も聞いた話だけど、初等部はスキルを獲得するのを目標に訓練するらしいんだよ。だから入学時にスキルを複数持ってた僕は飛び級になったみたい」
「そ、そうなのね。なんのスキル持ってるか聞いてもいいかな?」
「えっと、水と土、風、火の属性魔法と回復魔法、後は身体強化魔法とかかな」
「そんなに使えて羨ましいわ」
「アンジェも珍しいスキル持ってるって聞いたけど?」
「……そうね。珍しいスキルだったみたいね。実戦には全く使えないスキルだけどね……」
「そうなんだ…。でも実戦で使えなくても、他で使えればいいと思うけど、なんてスキル?」
「…………」
アンジェは考え込む。あまり言いたくないのかもしれない
「無理して言わなくてもいいよ」
言いたくない事を無理に聞く必要はない
「ありがとう……ごめんなさい」
スキルを聞かなかっただけなのにものすごく申し訳なさそうに謝られた
「気にしないでね。誰にでも人には言えない秘密はあるものだよ。アンジェは村からきたって聞いたけどどんな所だったの?僕も村から来たんだよ」
僕にも言えない秘密はいっぱいある。転生したことはもちろん言えないし、創造のスキルの事も言えない。浄化魔法や結界のスキルも隠しているし、他にも秘密にしているスキルはたくさんある。
だから僕は話を変える
「村には家と畑くらいしかなかったわ。少し行った所に小さいダンジョンはあったけどね。家族は1年前に死んじゃったから、私は1人で畑を耕してたけど全然育たなくて……毎日空腹で死にそうだったわ」
話を変える為に聞いたのに、想像を絶する答えが返ってきた。
僕も創造スキルが使えるようになるまでは空腹で辛かったけど、アンジェ程辛くはなかった。
「…………ごめんね」
僕は他に言う言葉がなかった
「ダイスくん、あの子って前からこのクラスにいたっけ?」
僕はダイスくんに聞く
「エルク、今頃かよ。今期から、転入してきたんだよ。この時期としては珍しいな」
「そうだったんだ。全然気づかなかったよ」
「まあ、紹介とか特になかったからな。あの子も自分から周りに自己アピールするようなタイプじゃないみたいだし、同じタイプのエルクとは接点が出来にくいから気づかないのもわからなくはないか。普通はすぐに気づくと思うけどな」
最近はアイテムボックスの事で頭がいっぱいだったからしょうがない、と自分に言い訳をしておく
「そうだね。ダイスくんもだけど、ローザとかラクネも僕から話しかけて仲良くなったわけじゃないからね。話しかけてくれてありがとね」
僕はダイスくんに今更になってしまったけどお礼を言う。
僕がこのクラスに入った時に、すぐ話しかけてくれたのはダイスくんだけだった
「……ああ」
ダイスくんはなぜだか複雑そうな顔をした
「その転入生の子ってどんな子なの?」
僕はダイスくんに聞く
「エルクが同級生の事を気にするなんて珍しいな。いつも話すメンバー以外、実は名前も知らないだろ?」
図星である。話したことある人以外名前は知らない。
忘れたとかではなくて、聞いてないので知らないのだ
「……そんなことないよ。それよりもあの子のこと教えてよ?」
都合が悪いので、僕は話を変える
「それじゃあ、あそこの窓際に座ってる男の子の名前は?」
変えてはくれないようだ
「……知らないよ。もう、分かってて聞いてるでしょ。僕もバレてるとわかってて話を変えようとしてるんだから察してよ」
「ははは、まあ確かに分かってたな。だけど、エルクが嘘を言ったのが悪いんだからな」
「それは分かってるよ。ダイスくんの言う通り、本当はクラスの半分くらいは名前も知らないよ」
「……いや、そこまでとは知らなかったよ。さすがにそんなに周りに興味がないとは思わなかった」
ダイスくんは少し引いている。僕のことをわかっているようで、わかっていなかったようだ。
「……内気なだけだよ。人見知りしてるんだ」
本当は貴族が多いから話しかけてづらいだけなんだけど…。どの人が貴族かも知らないし……
「そうか?あんまり内気って感じはしないけどな。まあ、エルクから誰かに話しかけてるのを見たことないしそうなのか…?そんなエルクが何で転入生の事は気にしてるんだ?」
ダイスくんは僕のことをよく見ている気がする。さっきの名前の件もそうだし。
「さっきまで気づいてなかったからいつからかはわからないけど、なんだかチラチラと見られてるんだよね。僕は会ったことないと思うんだけど、向こうは僕のこと知ってるのかなって」
僕が違和感に気づいた理由もこれだ。誰かに見られている気がして、振り向いたら視線が合った。
向こうは視線を逸らしたけど、確かに僕の方を見ていたと思う。
そして、よく考えたらこの人を見たことがない事に気づいたのだ。
僕は違和感を感じてはいたけど、同級生が1人増えている事には気づいていなかった。
「彼女はアンジェリーナだ。辺境の村に住んでたらしいけど、珍しいスキルを持ってたとかで転入してきたらしいな。それ以外は俺も知らない」
「そうなんだ。珍しいスキルって?」
「それも知らないな。向こうもエルクが気になっているようだし話しかけてみろよ」
「う、うん」
気にはなるし、勇気を出して話しかけてみよう
放課後、僕はアンジェリーナに話しかける
「はじめましてだよね?エルクだよ」
とりあえず自己紹介だよね…
「うん、話すのは初めてね。アンジェリーナよ。アンジェでいいわ」
やっぱり僕が忘れているだけというわけではないようだ
「違ってたらごめんね。僕の方見てた気がしたからどうしたのかなって思ったんだけど……?」
僕は意を決してアンジェに聞く
「あ……うん。それは…………なんでこんな子供がいるのか不思議で見てただけよ」
少し挙動不審に見えたけど、いきなり話しかけたからかな。言われた理由に僕は納得する。
入学してすぐの頃は、教室でも廊下でも色んな人にチラチラと見られて、ヒソヒソと話をされてたんだから、少し考えればわかる事だった
「そっか。僕、スキルがいくつか使えるって理由で飛び級してるんだよ。実力で飛び級しているわけじゃないから期待しないでね」
ガタン!
バン!
アンジェが急に立ち上がって机を叩いた
「そんなこっ…………いえ、なんでもないわ。驚かせてごめんなさい」
どうしたんだろうか、すごく動揺している
「びっくりしたよ。何か気になることがあるなら気にせずに言ってね」
「気にしないで…。この学院で飛び級は珍しいって聞いたけど、スキルを複数もってるだけで飛び級できるのね」
「僕も聞いた話だけど、初等部はスキルを獲得するのを目標に訓練するらしいんだよ。だから入学時にスキルを複数持ってた僕は飛び級になったみたい」
「そ、そうなのね。なんのスキル持ってるか聞いてもいいかな?」
「えっと、水と土、風、火の属性魔法と回復魔法、後は身体強化魔法とかかな」
「そんなに使えて羨ましいわ」
「アンジェも珍しいスキル持ってるって聞いたけど?」
「……そうね。珍しいスキルだったみたいね。実戦には全く使えないスキルだけどね……」
「そうなんだ…。でも実戦で使えなくても、他で使えればいいと思うけど、なんてスキル?」
「…………」
アンジェは考え込む。あまり言いたくないのかもしれない
「無理して言わなくてもいいよ」
言いたくない事を無理に聞く必要はない
「ありがとう……ごめんなさい」
スキルを聞かなかっただけなのにものすごく申し訳なさそうに謝られた
「気にしないでね。誰にでも人には言えない秘密はあるものだよ。アンジェは村からきたって聞いたけどどんな所だったの?僕も村から来たんだよ」
僕にも言えない秘密はいっぱいある。転生したことはもちろん言えないし、創造のスキルの事も言えない。浄化魔法や結界のスキルも隠しているし、他にも秘密にしているスキルはたくさんある。
だから僕は話を変える
「村には家と畑くらいしかなかったわ。少し行った所に小さいダンジョンはあったけどね。家族は1年前に死んじゃったから、私は1人で畑を耕してたけど全然育たなくて……毎日空腹で死にそうだったわ」
話を変える為に聞いたのに、想像を絶する答えが返ってきた。
僕も創造スキルが使えるようになるまでは空腹で辛かったけど、アンジェ程辛くはなかった。
「…………ごめんね」
僕は他に言う言葉がなかった
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