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帰還方法
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「大事な話って?フランちゃんはもう寝たの?」
今日も書斎にいた委員長に真剣な顔で大事な話があると言われたので、椅子に座り、最近はこの時間でもまだ起きていたフランちゃんの姿がないことも確認する。
「2人で話をしたかったから、騎士の方達に面倒をお願いしたわ」
三日前に第1騎士団から騎士が4人派遣されてきた。
いつものエドガードさん、ケルトさん、ルイスさんの3人に加えて、ルージュという女性の騎士も来ている。
ルージュさんはレイハルトさんが騎士団の中で一番信頼を置いている騎士で、華麗な剣技だけでなく頭が切れることからレイハルトさんの相談役となるほどに評価されている。
そして、騎士らしくない僕の戦い方を否定した騎士の中の1人でもある。
もちろん僕への嫌がらせなんてことはなく、それだけレイハルトさんがここにある資料に重きを置いているということだ。
そもそも、ルージュさんとは騎士道という一点で否定されただけで、それ以外ではお互い認め合った仲だ。
騎士でなければということを踏まえれば僕の戦い方も評価されている。
「騎士団の人達に子守をさせてしまって悪いね。大事な話っていうのはそれほど重要なことなの?」
調べ事とフランちゃんの世話を任せっきりにしてたことを怒ってたら嫌だなと思いながら聞く。
「本題に入る前に聞きたいのだけれど、クオン君が最近全然こっちに来ないのには何か理由でもあるの?それとも、この世界には飽きたってこと?」
やっぱり怒っているようだ。
しかし、本題ではないという点で少し安心する。
「正直に答えると、異世界に飽きたかと聞かれればそんなことはないよ。まだ行ってないところもたくさんあるからね。でも、この異世界をゲームのように楽しむことに飽きたかと聞かれれば飽きたと答えることになるよ」
いつでも来れる旅行先と考えれば、異世界は良いところだ。
「想像していたよりはマシな答えだけど、この後の話から考えると都合がいいとも言えるかな。このまま少しずつ来なくなるつもりだった?」
「全く来なくなるつもりはないけど、そうならないとは言えないね。まあ、委員長は取り残されているわけだし、この世界に来たくない訳ではないから、やることさえあれば毎日でも来るよ。飽きたかどうかというのとは別として、委員長が僕に何かやって欲しいなら力になるつもりではいるからね。最近だって、顔だけ出してすぐに帰っていると言っても、帰る前に手が必要かは聞いてるでしょ?」
なんでも1人で出来てしまう委員長は、手が必要か聞いても「大丈夫」と返事が返ってくる。
無理している様子もないからその言葉を鵜呑みにして帰っていただけで、放置することに決めたわけではない。
「そうね。それじゃあ力を貸してもらってもいいかな?」
「何をするかによるけど、委員長はおかしな事は言わないだろうし、手を貸すと言ったばかりだからね。力になるよ」
本当に無理なことは僕の意思に関わらず無理なので、よく話を聞かずに返事をしてしまってもいいだろう。
「ありがとう。順番が前後したけど、ここからが本題ね。まず、ルージュさんに私達がフランちゃんに召喚された異世界人だってことがバレたわ」
「バレたってことは、委員長は話すつもりはなかったってことだね」
フランちゃんが発動した召喚の魔術の資料もあっただろうし、遅かれ早かれルージュさんには知られたことだろう。
僕まで異世界人だとバレたということは、以前に僕がルージュさんの前で異世界人だと繋がる何かをやらかしていたのかもしれない。
「そう。ルージュさんが地球のことを聞きたがるくらいで困ったことにはなっていないけど、報告はしておかないといけないなって」
「ルージュさんは第1騎士団で参謀の立ち位置の人だから、話してしまった方が色々と相談も出来るし、結果的にはよかったんじゃない?」
アリオスさんが団長の頃からずっとレイハルトさんが指揮をしていたみたいだけど、頭の回転だけならルージュさんの方が指揮官に適していると前にレイハルトさん本人が言っていた。
謙遜が含まれているかもしれないので実際にどちらが上なのかはわからないけど、ルージュさんがそれほど優れているというのはわかる。
「クオン君の言うとおりで、召喚に関しては騎士の方達には見せないようにしていたのだけれど、ルージュさんにバレたことで相談に乗ってもらったら、するすると糸が解けるみたいに謎が解けていったのよ。私にはこっちの世界の知識が足りていなかったのだと痛感したわ。同じ文を読むにも解釈が異なっていたもの」
天才が2人合わされば、謎なんて必要なピースさえあれば初めから無いようなものなのだろう。
「それで何か重要なことがわかったってこと?」
「確たる証拠があるわけではないけど、帰還方法がわかったわ。方法はいくつか見つけたけど、多分どれでも帰還は叶うと思う。その中の一つを実行に移すつもりだからクオン君も協力して欲しいって話ね」
一つではなくいくつも見つけたらしい。
「それは朗報だね。何をして欲しいのか聞きたいけど、その前にいくつか見つけたっていう帰還方法を教えてもらっていいかな?」
神様は4つ帰還方法があると言っていた。
口調から察するに1つは無理難題のような内容で、実際には3つだろうと僕は考えている。
「まず一つ目は術者のフランちゃんが命を落とすこと。これは前から話には出ていたけど、召喚の魔術について書かれた本にも記載があったわ」
「これは新たな発見ではなくて、実行に移した時の可能性が上がったってことだね」
「選択肢には入れてないけどね。それから二つ目、クオン君は認めないと思うけど、死んだら帰れるわね。今までのことを一旦忘れて、ここにある資料に書かれていることだけで判断しても死ねば帰れる可能性は高いわ。この本に書いてあることを要約すると、他の世界から召喚を行うには管理者に捧げ物をする必要があることと、管理者はその対価として召喚された者の命を保証することが書かれているわ」
委員長が分厚い本を取り出して説明する。
「そうなんだね」
認めることは出来ないし、委員長も今回は僕が認めることを目的として話しているわけではないので軽い返事だけ返しておく。
「三つ目に神の力を奪うこと。本には管理者と書かれていたけど、神のことだと思うわ。救済措置としての役割のようだけど、狩谷君が言っていたとおり召喚された者同士で殺し合うとスキルの交換が可能みたいね。そこには管理者も含まれているみたい。挑戦者を待っているみたいな挑発的なことまで書かれていたわ」
僕はすでに帰れるわけだから、委員長が神を殺せば問題ない話だ。
殺せればの話だけど。
「交換出来るのは間違い無いよ。僕がみんなを殺した時も選択を迫られたからね。それよりも、なんでそんなことまでこの資料を残した人はわかるのかな?」
真意は置いておいて、通常知り得ないようなことまで書かれているというのはおかしい。
「召喚の魔術だけでなく、魔法やスキルは元々この世界の管理者が授けたもので、私の見解だとこれらを書き残したのは管理者自身じゃないかと思うわ」
召喚の魔術の創作者が書き記したのなら、普通なら知り得ないことまで書かれていても不思議ではないな。
「試しに僕が持ってる神の像を壊してみる?委員長に貫通の付与魔法でバフを掛ければ壊せるかもしれないよ」
神というのがあの子供なのか、それとも呪われて石になっている方かはわからない。
「何が起きるかわからないから少なくとも今はやめておくわ」
「そう。やりたくなったら言ってね」
「話を戻すけど、仮定を総合するなら私がクオン君を殺せばクオン君は死んで元の世界に帰り、私はクオン君のスキルと交換して元の世界に帰ることが出来るわね」
「そうなるね。委員長の推測が正しければ僕は生き返るみたいだし、僕は僕の理由でたくさんの人を殺したのだから、委員長の推測が間違っていて死んだままでも恨みはしないよ。以前に僕を殺せば帰れるよっていうのは僕が言ったことだしね。もちろん生き返るかもしれないと言われたところで死にたくはないから抵抗するけど」
本気で委員長が僕を殺そうとしたならやられてあげよう。
この世界に委員長の覚悟を不意にする程の未練はない。
心配なのは僕を殺したことで委員長が殺人鬼扱いされる可能性があることだけだ。
「そんなつもりはないから安心して。ここまでが実行に移す予定ではない帰還方法で、次の四つ目が実行に移すつもりの方法ね」
ピッタリ4つか。
合ってるのかは不明だけど、神を殺すというのは無理難題なので、実質3つという意味でも数は同じだ。
「次のが現実的に可能なやつってことだね」
「召喚の目的を叶えれば役目を終えたということで帰れるみたいね」
僕が思っていた帰還方法の1つは、委員長が言った4つの中にはないか……。
委員長が言った中の全てが合っているという保証はないけど、出来れば僕の考えは外れていて欲しいものだ。
そもそも、あの神が言ったことが本当かどうか確かめる術もない。
「召喚の目的っていうと国王が力を得るためだっけ?魔王を復活させればいいの?」
「それは国王の目的であって、フランちゃんは国を豊かにする為に召喚の魔術を発動したわ。だから国を豊かにすれば目的は達したということで帰れると思う」
そうか……騙されていただけで、フランちゃんが召喚した目的は国を豊かにすることか。
「国を豊かにするってなにをするの?何をするにしても随分と時間が掛かる気がするけど、委員長はおばあちゃんになってから元の世界に帰るつもりなの?」
地球の知識も使えば国を豊かにすることもそこまで難しいことではないかもしれない。
でも、豊かになった基準はどこだろうか?
「希望的観測も含まれてはいるけど、フランちゃんが国が豊かになったと本心から感じれば目的は達したことになるのではないかと思ってるわ。すぐにってわけにはいかないけど、他の方法に比べれば現実的だと思う」
「フランちゃんの主観という話なら、フランちゃんが見える範囲だけでもなんとかすればいいってことかな」
「その可能性は十分にあると思うわ」
「それで、僕には何をして欲しいの?」
「国王を断罪してほしいわ」
今日も書斎にいた委員長に真剣な顔で大事な話があると言われたので、椅子に座り、最近はこの時間でもまだ起きていたフランちゃんの姿がないことも確認する。
「2人で話をしたかったから、騎士の方達に面倒をお願いしたわ」
三日前に第1騎士団から騎士が4人派遣されてきた。
いつものエドガードさん、ケルトさん、ルイスさんの3人に加えて、ルージュという女性の騎士も来ている。
ルージュさんはレイハルトさんが騎士団の中で一番信頼を置いている騎士で、華麗な剣技だけでなく頭が切れることからレイハルトさんの相談役となるほどに評価されている。
そして、騎士らしくない僕の戦い方を否定した騎士の中の1人でもある。
もちろん僕への嫌がらせなんてことはなく、それだけレイハルトさんがここにある資料に重きを置いているということだ。
そもそも、ルージュさんとは騎士道という一点で否定されただけで、それ以外ではお互い認め合った仲だ。
騎士でなければということを踏まえれば僕の戦い方も評価されている。
「騎士団の人達に子守をさせてしまって悪いね。大事な話っていうのはそれほど重要なことなの?」
調べ事とフランちゃんの世話を任せっきりにしてたことを怒ってたら嫌だなと思いながら聞く。
「本題に入る前に聞きたいのだけれど、クオン君が最近全然こっちに来ないのには何か理由でもあるの?それとも、この世界には飽きたってこと?」
やっぱり怒っているようだ。
しかし、本題ではないという点で少し安心する。
「正直に答えると、異世界に飽きたかと聞かれればそんなことはないよ。まだ行ってないところもたくさんあるからね。でも、この異世界をゲームのように楽しむことに飽きたかと聞かれれば飽きたと答えることになるよ」
いつでも来れる旅行先と考えれば、異世界は良いところだ。
「想像していたよりはマシな答えだけど、この後の話から考えると都合がいいとも言えるかな。このまま少しずつ来なくなるつもりだった?」
「全く来なくなるつもりはないけど、そうならないとは言えないね。まあ、委員長は取り残されているわけだし、この世界に来たくない訳ではないから、やることさえあれば毎日でも来るよ。飽きたかどうかというのとは別として、委員長が僕に何かやって欲しいなら力になるつもりではいるからね。最近だって、顔だけ出してすぐに帰っていると言っても、帰る前に手が必要かは聞いてるでしょ?」
なんでも1人で出来てしまう委員長は、手が必要か聞いても「大丈夫」と返事が返ってくる。
無理している様子もないからその言葉を鵜呑みにして帰っていただけで、放置することに決めたわけではない。
「そうね。それじゃあ力を貸してもらってもいいかな?」
「何をするかによるけど、委員長はおかしな事は言わないだろうし、手を貸すと言ったばかりだからね。力になるよ」
本当に無理なことは僕の意思に関わらず無理なので、よく話を聞かずに返事をしてしまってもいいだろう。
「ありがとう。順番が前後したけど、ここからが本題ね。まず、ルージュさんに私達がフランちゃんに召喚された異世界人だってことがバレたわ」
「バレたってことは、委員長は話すつもりはなかったってことだね」
フランちゃんが発動した召喚の魔術の資料もあっただろうし、遅かれ早かれルージュさんには知られたことだろう。
僕まで異世界人だとバレたということは、以前に僕がルージュさんの前で異世界人だと繋がる何かをやらかしていたのかもしれない。
「そう。ルージュさんが地球のことを聞きたがるくらいで困ったことにはなっていないけど、報告はしておかないといけないなって」
「ルージュさんは第1騎士団で参謀の立ち位置の人だから、話してしまった方が色々と相談も出来るし、結果的にはよかったんじゃない?」
アリオスさんが団長の頃からずっとレイハルトさんが指揮をしていたみたいだけど、頭の回転だけならルージュさんの方が指揮官に適していると前にレイハルトさん本人が言っていた。
謙遜が含まれているかもしれないので実際にどちらが上なのかはわからないけど、ルージュさんがそれほど優れているというのはわかる。
「クオン君の言うとおりで、召喚に関しては騎士の方達には見せないようにしていたのだけれど、ルージュさんにバレたことで相談に乗ってもらったら、するすると糸が解けるみたいに謎が解けていったのよ。私にはこっちの世界の知識が足りていなかったのだと痛感したわ。同じ文を読むにも解釈が異なっていたもの」
天才が2人合わされば、謎なんて必要なピースさえあれば初めから無いようなものなのだろう。
「それで何か重要なことがわかったってこと?」
「確たる証拠があるわけではないけど、帰還方法がわかったわ。方法はいくつか見つけたけど、多分どれでも帰還は叶うと思う。その中の一つを実行に移すつもりだからクオン君も協力して欲しいって話ね」
一つではなくいくつも見つけたらしい。
「それは朗報だね。何をして欲しいのか聞きたいけど、その前にいくつか見つけたっていう帰還方法を教えてもらっていいかな?」
神様は4つ帰還方法があると言っていた。
口調から察するに1つは無理難題のような内容で、実際には3つだろうと僕は考えている。
「まず一つ目は術者のフランちゃんが命を落とすこと。これは前から話には出ていたけど、召喚の魔術について書かれた本にも記載があったわ」
「これは新たな発見ではなくて、実行に移した時の可能性が上がったってことだね」
「選択肢には入れてないけどね。それから二つ目、クオン君は認めないと思うけど、死んだら帰れるわね。今までのことを一旦忘れて、ここにある資料に書かれていることだけで判断しても死ねば帰れる可能性は高いわ。この本に書いてあることを要約すると、他の世界から召喚を行うには管理者に捧げ物をする必要があることと、管理者はその対価として召喚された者の命を保証することが書かれているわ」
委員長が分厚い本を取り出して説明する。
「そうなんだね」
認めることは出来ないし、委員長も今回は僕が認めることを目的として話しているわけではないので軽い返事だけ返しておく。
「三つ目に神の力を奪うこと。本には管理者と書かれていたけど、神のことだと思うわ。救済措置としての役割のようだけど、狩谷君が言っていたとおり召喚された者同士で殺し合うとスキルの交換が可能みたいね。そこには管理者も含まれているみたい。挑戦者を待っているみたいな挑発的なことまで書かれていたわ」
僕はすでに帰れるわけだから、委員長が神を殺せば問題ない話だ。
殺せればの話だけど。
「交換出来るのは間違い無いよ。僕がみんなを殺した時も選択を迫られたからね。それよりも、なんでそんなことまでこの資料を残した人はわかるのかな?」
真意は置いておいて、通常知り得ないようなことまで書かれているというのはおかしい。
「召喚の魔術だけでなく、魔法やスキルは元々この世界の管理者が授けたもので、私の見解だとこれらを書き残したのは管理者自身じゃないかと思うわ」
召喚の魔術の創作者が書き記したのなら、普通なら知り得ないことまで書かれていても不思議ではないな。
「試しに僕が持ってる神の像を壊してみる?委員長に貫通の付与魔法でバフを掛ければ壊せるかもしれないよ」
神というのがあの子供なのか、それとも呪われて石になっている方かはわからない。
「何が起きるかわからないから少なくとも今はやめておくわ」
「そう。やりたくなったら言ってね」
「話を戻すけど、仮定を総合するなら私がクオン君を殺せばクオン君は死んで元の世界に帰り、私はクオン君のスキルと交換して元の世界に帰ることが出来るわね」
「そうなるね。委員長の推測が正しければ僕は生き返るみたいだし、僕は僕の理由でたくさんの人を殺したのだから、委員長の推測が間違っていて死んだままでも恨みはしないよ。以前に僕を殺せば帰れるよっていうのは僕が言ったことだしね。もちろん生き返るかもしれないと言われたところで死にたくはないから抵抗するけど」
本気で委員長が僕を殺そうとしたならやられてあげよう。
この世界に委員長の覚悟を不意にする程の未練はない。
心配なのは僕を殺したことで委員長が殺人鬼扱いされる可能性があることだけだ。
「そんなつもりはないから安心して。ここまでが実行に移す予定ではない帰還方法で、次の四つ目が実行に移すつもりの方法ね」
ピッタリ4つか。
合ってるのかは不明だけど、神を殺すというのは無理難題なので、実質3つという意味でも数は同じだ。
「次のが現実的に可能なやつってことだね」
「召喚の目的を叶えれば役目を終えたということで帰れるみたいね」
僕が思っていた帰還方法の1つは、委員長が言った4つの中にはないか……。
委員長が言った中の全てが合っているという保証はないけど、出来れば僕の考えは外れていて欲しいものだ。
そもそも、あの神が言ったことが本当かどうか確かめる術もない。
「召喚の目的っていうと国王が力を得るためだっけ?魔王を復活させればいいの?」
「それは国王の目的であって、フランちゃんは国を豊かにする為に召喚の魔術を発動したわ。だから国を豊かにすれば目的は達したということで帰れると思う」
そうか……騙されていただけで、フランちゃんが召喚した目的は国を豊かにすることか。
「国を豊かにするってなにをするの?何をするにしても随分と時間が掛かる気がするけど、委員長はおばあちゃんになってから元の世界に帰るつもりなの?」
地球の知識も使えば国を豊かにすることもそこまで難しいことではないかもしれない。
でも、豊かになった基準はどこだろうか?
「希望的観測も含まれてはいるけど、フランちゃんが国が豊かになったと本心から感じれば目的は達したことになるのではないかと思ってるわ。すぐにってわけにはいかないけど、他の方法に比べれば現実的だと思う」
「フランちゃんの主観という話なら、フランちゃんが見える範囲だけでもなんとかすればいいってことかな」
「その可能性は十分にあると思うわ」
「それで、僕には何をして欲しいの?」
「国王を断罪してほしいわ」
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