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解散
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神下さんに依頼を受けるように任せた後、ヨツバとイロハが泊まっている宿屋に行く。
コンコン!
「はい」
ドアをノックすると、ドア越しに返事がある。
「クオンだけど、入れてくれる?」
「クオン君、早かったね。もう魔石集めは終わったの?」
ドアを開けたイロハに聞かれる。
「ロンデル子爵の方が片付いたから一旦戻ってきたんだ。伝えないといけないこともあったからね」
「私達もクオン君に聞きたいことがあったからちょうどよかったよ。とりあえず入って」
イロハの対応に違和感を覚えつつも部屋に入る。
部屋にはヨツバもいて、変わった様子はないように思える。
「それで、聞きたいことって?」
僕はイロハに確認する。
「ギルドに預けていたお金が引き出せなくなってたんだけど、クオン君は何か知らない?」
「その件ね。その話をしようと思っていたんだよ。スカルタにオアシスをつくる話はしたよね?作れなかったらお金で賠償するって話になって、預けているお金は担保としてギルドに預けることになっちゃったんだ。オアシスをつくれば返ってくるんだけど、それまでは引き出せないから、お金は各自でなんとかしてくれるかな」
「私達はもう手持ちがほとんどないんだけど、クオン君は預けてなかったよね?持ってないの?」
「僕が預けずに持ってた分も担保として渡したから持ってないよ。サラボナさんに神下さんのギルドカードも作ってもらっておいたから、3人で簡単な依頼でも受けて生活費を稼いでよ」
「クオン君はロンデル子爵って人の所に行ってたのよね?前から決まってたこと?スカルタには行ってないよね?」
「イロハには言ってなかったっけ?僕は行ったことのある街になら一瞬で移動出来るんだよ。僕しか移動出来ないから、あまり使うことはなかったけど……」
「聞いてないよ。四葉ちゃんは知ってた?」
「私は少し前に聞いたよ」
「まあ、そういうことだから、しばらくの間お金は自分でなんとかしてね。僕も持ってないから渡すことは出来ないからね」
「わかったよ」
「そういえば、前にイロハは元の世界に帰るなら、ヨツバと神下さんと一緒がいいって言ってたよね?神下さんも見つかったことだし、神下さんは元の世界に帰る方法を知ってはいるみたいだから、教えてくれたら帰るってことでいいのかな?」
イロハに聞く。
「……そうだね。元の世界に無事帰りたいね」
イロハが躊躇しながら答える。
その様子を見て違和感の正体がわかった。
ヨツバか委員長のどちらかが話したのだろうが、イロハも僕がみんなを殺したことに確信を持ったのだろう。
すっと部屋に入れたことを考えると、話したのはヨツバかな。
ただ、死んだら帰れるということには疑いというか、不安があるといったところだろう。
以前は疑いの目を向けていたけど、それがなくなったのを違和感として感じたようだ。
「ヨツバもそれでいいのかな?」
一応ヨツバにも聞いておく。
「うん……」
ヨツバは小さく首を縦に振る。
「わかったよ。元々は用件はこれだけだったんだけど、ヨツバには言わないといけないことがあるね」
「なに?」
「僕の秘密をバラしたね?」
「……話したわよ。私が話さなくても、もう知ってたから。それに、クオンは私が話すことで見極める時間がなくなるって言ってたけど、もう私達以外は死んでしまったのだから関係ないよね?」
「確かにヨツバの言う通りかもしれないね。だけど、秘密を話したヨツバは僕の敵だ。約束の内容がどうこうではなくて、約束を破って話してしまうヨツバを信用出来ないからね。残念だけどお別れ。最後に僕は約束を守って教えるよ。次はイロハとヨツバと神下さんを殺すから、覚悟しておいてね。それじゃあ」
僕は言いたいことだけ言って部屋を出る。
さて、勢いで言ってしまったけどどうしようか……。
元々何かしら理由を付けて、ヨツバを殺すことにしたと言うつもりではあったけど、このタイミングではなかった。
これだと、余程神下さんが上手くやらない限りはさっき見せた依頼を受けはしないだろうし、殺す方法を変えた方がいいな。
ネロ君の占いで衛兵が1番いいって言ってた理由はこういうことだったってことかな。
前もって準備しておいた場所に誘導出来なければ、関係ない人まで巻き込む可能性があるからね。
ヨツバ達を魔物に食わせるつもりでいたけど、その魔物達が街の人を襲えば、それは満足のいく結果ではない。
部屋を出た僕は予定を変更することにしたので、再度神下さんのところへと向かう。
「どうしたの?何か忘れ物でもした?」
神下さんに聞かれる。
「今、ヨツバとイロハと話をしてきたんだけど、ヨツバがイロハに僕がみんなを殺していることを話したみたいで、状況が変わっていたから、さっきの依頼の話は無しってことで忘れてもらえるかな」
「四葉ちゃん達と依頼を受けなければいいってこと?」
「それはどっちでもいいよ。さっき見せた依頼は探してもないよってだけ。2人のお金は凍結したままにはなってるけど、2人が神下さんを誘いにくるかはわからないね。誘いに来たら一緒に依頼を受けに行ってもいいし、行かなくてもいいよ」
2人にとって、神下さんの立ち位置はどうなっているのだろうか……?
「好きにしていいってこと?」
「そう。それから、合図は送るから、その時になったらこれをヨツバの荷物の中に隠しておいて欲しいんだけど、頼めるかな?」
神下さんに3本の瓶を渡す。
「これは何?」
知らないということは、この瓶を使った所を見られてなかったということか。
それなら、教えない方が都合がいいかな。
「ヨツバを死なせるために必要なものだよ。今はヨツバもイロハも警戒しているし、僕の方にももう少し遅らせたい理由があるから、しばらくは持ってて。その時になった時に、神下さんに渡せるかどうかわからないからね」
「わかった。合図っていうのは?」
「見れば分かると思うよ。状況によってやり方が違うと思うから、どれが合図だって決めない方がいいと思う。合図はちゃんとわかるようにだすから安心して」
「わかった。その時になったら入れておくね」
「よろしく」
コンコン!
「はい」
ドアをノックすると、ドア越しに返事がある。
「クオンだけど、入れてくれる?」
「クオン君、早かったね。もう魔石集めは終わったの?」
ドアを開けたイロハに聞かれる。
「ロンデル子爵の方が片付いたから一旦戻ってきたんだ。伝えないといけないこともあったからね」
「私達もクオン君に聞きたいことがあったからちょうどよかったよ。とりあえず入って」
イロハの対応に違和感を覚えつつも部屋に入る。
部屋にはヨツバもいて、変わった様子はないように思える。
「それで、聞きたいことって?」
僕はイロハに確認する。
「ギルドに預けていたお金が引き出せなくなってたんだけど、クオン君は何か知らない?」
「その件ね。その話をしようと思っていたんだよ。スカルタにオアシスをつくる話はしたよね?作れなかったらお金で賠償するって話になって、預けているお金は担保としてギルドに預けることになっちゃったんだ。オアシスをつくれば返ってくるんだけど、それまでは引き出せないから、お金は各自でなんとかしてくれるかな」
「私達はもう手持ちがほとんどないんだけど、クオン君は預けてなかったよね?持ってないの?」
「僕が預けずに持ってた分も担保として渡したから持ってないよ。サラボナさんに神下さんのギルドカードも作ってもらっておいたから、3人で簡単な依頼でも受けて生活費を稼いでよ」
「クオン君はロンデル子爵って人の所に行ってたのよね?前から決まってたこと?スカルタには行ってないよね?」
「イロハには言ってなかったっけ?僕は行ったことのある街になら一瞬で移動出来るんだよ。僕しか移動出来ないから、あまり使うことはなかったけど……」
「聞いてないよ。四葉ちゃんは知ってた?」
「私は少し前に聞いたよ」
「まあ、そういうことだから、しばらくの間お金は自分でなんとかしてね。僕も持ってないから渡すことは出来ないからね」
「わかったよ」
「そういえば、前にイロハは元の世界に帰るなら、ヨツバと神下さんと一緒がいいって言ってたよね?神下さんも見つかったことだし、神下さんは元の世界に帰る方法を知ってはいるみたいだから、教えてくれたら帰るってことでいいのかな?」
イロハに聞く。
「……そうだね。元の世界に無事帰りたいね」
イロハが躊躇しながら答える。
その様子を見て違和感の正体がわかった。
ヨツバか委員長のどちらかが話したのだろうが、イロハも僕がみんなを殺したことに確信を持ったのだろう。
すっと部屋に入れたことを考えると、話したのはヨツバかな。
ただ、死んだら帰れるということには疑いというか、不安があるといったところだろう。
以前は疑いの目を向けていたけど、それがなくなったのを違和感として感じたようだ。
「ヨツバもそれでいいのかな?」
一応ヨツバにも聞いておく。
「うん……」
ヨツバは小さく首を縦に振る。
「わかったよ。元々は用件はこれだけだったんだけど、ヨツバには言わないといけないことがあるね」
「なに?」
「僕の秘密をバラしたね?」
「……話したわよ。私が話さなくても、もう知ってたから。それに、クオンは私が話すことで見極める時間がなくなるって言ってたけど、もう私達以外は死んでしまったのだから関係ないよね?」
「確かにヨツバの言う通りかもしれないね。だけど、秘密を話したヨツバは僕の敵だ。約束の内容がどうこうではなくて、約束を破って話してしまうヨツバを信用出来ないからね。残念だけどお別れ。最後に僕は約束を守って教えるよ。次はイロハとヨツバと神下さんを殺すから、覚悟しておいてね。それじゃあ」
僕は言いたいことだけ言って部屋を出る。
さて、勢いで言ってしまったけどどうしようか……。
元々何かしら理由を付けて、ヨツバを殺すことにしたと言うつもりではあったけど、このタイミングではなかった。
これだと、余程神下さんが上手くやらない限りはさっき見せた依頼を受けはしないだろうし、殺す方法を変えた方がいいな。
ネロ君の占いで衛兵が1番いいって言ってた理由はこういうことだったってことかな。
前もって準備しておいた場所に誘導出来なければ、関係ない人まで巻き込む可能性があるからね。
ヨツバ達を魔物に食わせるつもりでいたけど、その魔物達が街の人を襲えば、それは満足のいく結果ではない。
部屋を出た僕は予定を変更することにしたので、再度神下さんのところへと向かう。
「どうしたの?何か忘れ物でもした?」
神下さんに聞かれる。
「今、ヨツバとイロハと話をしてきたんだけど、ヨツバがイロハに僕がみんなを殺していることを話したみたいで、状況が変わっていたから、さっきの依頼の話は無しってことで忘れてもらえるかな」
「四葉ちゃん達と依頼を受けなければいいってこと?」
「それはどっちでもいいよ。さっき見せた依頼は探してもないよってだけ。2人のお金は凍結したままにはなってるけど、2人が神下さんを誘いにくるかはわからないね。誘いに来たら一緒に依頼を受けに行ってもいいし、行かなくてもいいよ」
2人にとって、神下さんの立ち位置はどうなっているのだろうか……?
「好きにしていいってこと?」
「そう。それから、合図は送るから、その時になったらこれをヨツバの荷物の中に隠しておいて欲しいんだけど、頼めるかな?」
神下さんに3本の瓶を渡す。
「これは何?」
知らないということは、この瓶を使った所を見られてなかったということか。
それなら、教えない方が都合がいいかな。
「ヨツバを死なせるために必要なものだよ。今はヨツバもイロハも警戒しているし、僕の方にももう少し遅らせたい理由があるから、しばらくは持ってて。その時になった時に、神下さんに渡せるかどうかわからないからね」
「わかった。合図っていうのは?」
「見れば分かると思うよ。状況によってやり方が違うと思うから、どれが合図だって決めない方がいいと思う。合図はちゃんとわかるようにだすから安心して」
「わかった。その時になったら入れておくね」
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