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第三部 宰相閣下の婚約者
731 断罪の茶会(7)
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私のいるテーブルは偽の壁、つまりは認識阻害の魔道具が稼働している(はずの)場所のギリギリ近く。
そして私が座っている場所としては右斜め前方に壁がある態、エドヴァルドらがいるテーブルとは真逆になってしまうため、ニセ壁の向こうが気になっていても、ずっと見ていられないと言う非常にもどかしい状況にあった。
何とかチラチラ見ていると、無理矢理引っ張ってこられている面々は、縛られた後ろ手と背中で椅子の背もたれを挟みこむようにして、強引に座らされていた。
「!」
(いや、おかっぱワカメ、いるし……!)
他にも某公爵邸で見た覚えのあるブロッカ商会長の顔もある。
そう言えばエモニエ侯爵令嬢との「真実の愛」云々で、当時温情とも言えた子爵位を持っているんだったか。
あと見覚えのない面子が三人ほどいるのは、どこの関係者なんだろう……投資詐欺ではなく〝痺れ茶〟絡みかボードストレーム商会絡みの貴族とかだろうか。
しかも猿轡を嚙まされているとなれば、ここに来るまでに相当騒いだのかも知れないし、その反動でもあったのか皆一様にぐったりとしている。
料理と水を目の前にしながらも手も口も出せないとか、何の嫌がらせ。
いや、それよりもあれだけ静かなのはもしかして――。
「……あの」
遅れて来た医局長。
果たしてそれは、急患だけが理由だったのか……?
気になった私は、なるべく小声でガールシン医局長に声をかけた。
「医局長が遅れられたのって、急患だけが理由でしたか……?」
対角線上とは言え、同じテーブルを囲んでいる。
医局長にも私の声は聞こえたらしく、ふ……っと書き物をしていた手を止めて顔を上げていた。
「と、言うと……?」
「えーっと……その、たとえば新種の茶葉を王宮内の別の場所で既に振る舞ってこられたりとか……?」
私がまた、チラッとニセの壁がある方を見たせいか、ガールシン医局長も私の言いたいことがどうやらすぐにピンときたみたいだった。
「ああ……ヴェンが席を外したのは、そういう……」
えっ、何か納得してる⁉
「その壁の向こう、招待客が集まったか……静かだが……ふむ、それなりに効き目が出てきているか……? けれど私は壁が取り払われるまではこの場からは動けない。直で見られないのは惜しいな……」
「えっ、あのっ、医局長?」
笑ってる! ブツブツ呟きながらも確実にこのヒト、顔が笑ってる!
やっぱりマッドサイエンティストの要素てんこ盛りだった、このヒト‼
「……ああ、失礼」
私の茫然、シャルリーヌの唖然に、そこでようやく気が付いたらしいガールシン医局長が、軽い咳払いと共に我に返っていた。
「その通り、別室の男性陣と女性陣には、既にその新種の茶葉を味わって貰っている。それぞれに私の部下たちが観察日――んんっ、何かあってもすぐに対応出来るよう経過観察を行っているが、それが?」
「わぁ……」
医局長、今「観察日記」って言いかけましたね。
いっそ絵日記でも書いて陛下に提出するつもりでしたか?
「いや、ヴェンが席を外したのだから、別の部屋に既にお茶を飲んだ連中が連れて来られているのか。なるほど、自力歩行はまだ出来るか……?」
いやいや、自力歩行って!
でも〝痺れ茶〟となれば立って歩けなくても不思議じゃないのか――こちら側の結果が楽しみだとか微笑ってまた何か紙に書き出しているガールシン医局長が怖いんですけど⁉
と言うか、と言うか、やっぱり向こうが比較的静かなのは既に貴族牢で〝痺れ茶〟を盛ってきたからか……!
「タイミングを見計らって、ヴェンが魔道具を一部移動させて『空間を繋ぐ』とか言っていたが……そのあたりは私の守備範囲外だから、よくは知らない。まあ、陛下のご意志とタイミングで何かは起きるんだろう」
そしてガールシン医局長の言葉で、期せずして何故ヴェンツェン管理部長が途中で立ち止まったのかを私も知ることになった。
どうやら部分的に魔道具の稼働を止めて、ニセ壁を無くす準備をしているらしい。
「そ、そうですか……」
(いや、でも、害虫駆除の罠を置きっぱなしだと、壁が欠けたところで移動は――)
そこまで考えた私は、ひとつイヤな可能性に気が付いて、ふるりと身をふるわせてしまった。
つまりは壁を一部取り払って、今拘束されている人間の縄や猿轡をほどいた場合に、何が起きるのかと言うことだ。
親が心配して駆け寄る。
息子が親に助けを求めるべくふらついた足で移動をする。
間には害獣駆除の罠。
「……っ」
場合によっては「軍神の間」で「たーまやー」などとうっかり叫ぶ羽目になるのではないだろうか。
私は思わず片手で額を覆ってしまった。
『レイナ、レイナ、日本語でとりあえずもう一回筋道立てて説明よろしく』
アンジェスの次期聖女(予定者)として、有り余るほどの魔力があるであろうシャルリーヌには、当然、見えているのは認識阻害の魔道具が映し出す「壁」だ。
その向こう側の景色のことなど見通せるはずもなく、とりあえずはと扇を口元にあてながら小声で囁いてきた。
『ああ……うん、さっき話が途中になったしね……』
認可前の品をバリエンダールから密輸入した、存在しない漁場を使っての投資詐欺事件があった、密輸入した品を持っていた家が実は鉱毒の被害も隠蔽していました――では、それはさすがに意味不明だろうと思う。
『陛下の内心までは分からないにしても、とりあえず参加者全員に、どうして呼ばれたのかを理解させるための料理だと思うのよ』
私の説明に、シャルリーヌが扇越しに軽く小首を傾げた。
『水とホタテが?』
『それと多分最後に出て来るお茶とね』
投資詐欺が起きたのは、ジェイの漁場。
葡萄ジュース以外の水は、鉱毒による被害が起きたと思われるアルノシュト伯爵領の水。
最後に出される予定のお茶は、バリエンダールから密輸入された未承認の茶葉。
私が指折り説明するにつれ、シャルリーヌの視線は目の前にある料理に固定された。
『このテーブルには何の小細工もない、とは言われてる』
『え……でも……』
『シャーリーも教科書で習ったとは思うけど、鉱毒被害は長年の摂取によるものであって、今回一杯や二杯グラスで飲んだところで、その水を使ったホタテ料理を一回食べたところで影響はないはず。ただ……鉱毒の概念自体、この国にはなかったみたいだから、一杯水を飲むだけでもプレッシャーをかけていることには違いないのかも』
『お茶の話だけじゃなかったのね……って言うか、いい歳したオジサンたちが痺れ薬入りのお茶で悶えて、罠踏んで吹っ飛ぶのを見せられる絵面だけ耐えればいいのかと思ってたわ……』
『いや……だけ、って……』
『高級レストランの帆立フルコースだけじゃ割にあわないわぁ……』
『まあね……』
『レイナ、どうせならユングベリ商会でさ、帆立含めた今後の海産物取引優遇して貰ったら? 永年無料納入とか……で、定期的にイデオン公爵邸の庭でBBQとかキャンプとかするの』
『…………それ、シャーリーの願望よね?』
『えっ、でも、今回色々と関わっちゃってるわけなんでしょう? レイナ自身にお白洲案件が該当しないのなら、そのくらい交渉してみてもいいんじゃないの?』
――確かに。
こうなっては、コンティオラ公爵あるいはヒース君あたりなら、ジェイの仕入れくらいは優遇してくれそうな気はしないでもない。
私が真面目にその案に傾きかけていたところに、再び静かな部屋にカチャリと食器同士が触れた音が響いた。
「……さて」
私とシャルリーヌも口を閉ざして、声の主に視線を向ける。
「どうやら役者も揃ったようだ。今、皆が抱えているであろう疑問の話をするとしようか――ああ、その前に」
声を発したのは、主催者たる国王陛下。
マクシムかコティペルト支配人か、給仕係を呼ぶ姿勢で、片手を上げていた。
「皆も多少は料理と水を口にしたようだ。引き続き食して欲しいとは思うが……そろそろお茶の方も振る舞うとしよう。そこからが――本当の、始まりだ」
フィルバートの微笑みは、氷の魔王の威圧とは種類の異なる、凄艶と言ってもいい笑みだ。
それはこの瞬間、広間の全員を圧倒していた。
そして私が座っている場所としては右斜め前方に壁がある態、エドヴァルドらがいるテーブルとは真逆になってしまうため、ニセ壁の向こうが気になっていても、ずっと見ていられないと言う非常にもどかしい状況にあった。
何とかチラチラ見ていると、無理矢理引っ張ってこられている面々は、縛られた後ろ手と背中で椅子の背もたれを挟みこむようにして、強引に座らされていた。
「!」
(いや、おかっぱワカメ、いるし……!)
他にも某公爵邸で見た覚えのあるブロッカ商会長の顔もある。
そう言えばエモニエ侯爵令嬢との「真実の愛」云々で、当時温情とも言えた子爵位を持っているんだったか。
あと見覚えのない面子が三人ほどいるのは、どこの関係者なんだろう……投資詐欺ではなく〝痺れ茶〟絡みかボードストレーム商会絡みの貴族とかだろうか。
しかも猿轡を嚙まされているとなれば、ここに来るまでに相当騒いだのかも知れないし、その反動でもあったのか皆一様にぐったりとしている。
料理と水を目の前にしながらも手も口も出せないとか、何の嫌がらせ。
いや、それよりもあれだけ静かなのはもしかして――。
「……あの」
遅れて来た医局長。
果たしてそれは、急患だけが理由だったのか……?
気になった私は、なるべく小声でガールシン医局長に声をかけた。
「医局長が遅れられたのって、急患だけが理由でしたか……?」
対角線上とは言え、同じテーブルを囲んでいる。
医局長にも私の声は聞こえたらしく、ふ……っと書き物をしていた手を止めて顔を上げていた。
「と、言うと……?」
「えーっと……その、たとえば新種の茶葉を王宮内の別の場所で既に振る舞ってこられたりとか……?」
私がまた、チラッとニセの壁がある方を見たせいか、ガールシン医局長も私の言いたいことがどうやらすぐにピンときたみたいだった。
「ああ……ヴェンが席を外したのは、そういう……」
えっ、何か納得してる⁉
「その壁の向こう、招待客が集まったか……静かだが……ふむ、それなりに効き目が出てきているか……? けれど私は壁が取り払われるまではこの場からは動けない。直で見られないのは惜しいな……」
「えっ、あのっ、医局長?」
笑ってる! ブツブツ呟きながらも確実にこのヒト、顔が笑ってる!
やっぱりマッドサイエンティストの要素てんこ盛りだった、このヒト‼
「……ああ、失礼」
私の茫然、シャルリーヌの唖然に、そこでようやく気が付いたらしいガールシン医局長が、軽い咳払いと共に我に返っていた。
「その通り、別室の男性陣と女性陣には、既にその新種の茶葉を味わって貰っている。それぞれに私の部下たちが観察日――んんっ、何かあってもすぐに対応出来るよう経過観察を行っているが、それが?」
「わぁ……」
医局長、今「観察日記」って言いかけましたね。
いっそ絵日記でも書いて陛下に提出するつもりでしたか?
「いや、ヴェンが席を外したのだから、別の部屋に既にお茶を飲んだ連中が連れて来られているのか。なるほど、自力歩行はまだ出来るか……?」
いやいや、自力歩行って!
でも〝痺れ茶〟となれば立って歩けなくても不思議じゃないのか――こちら側の結果が楽しみだとか微笑ってまた何か紙に書き出しているガールシン医局長が怖いんですけど⁉
と言うか、と言うか、やっぱり向こうが比較的静かなのは既に貴族牢で〝痺れ茶〟を盛ってきたからか……!
「タイミングを見計らって、ヴェンが魔道具を一部移動させて『空間を繋ぐ』とか言っていたが……そのあたりは私の守備範囲外だから、よくは知らない。まあ、陛下のご意志とタイミングで何かは起きるんだろう」
そしてガールシン医局長の言葉で、期せずして何故ヴェンツェン管理部長が途中で立ち止まったのかを私も知ることになった。
どうやら部分的に魔道具の稼働を止めて、ニセ壁を無くす準備をしているらしい。
「そ、そうですか……」
(いや、でも、害虫駆除の罠を置きっぱなしだと、壁が欠けたところで移動は――)
そこまで考えた私は、ひとつイヤな可能性に気が付いて、ふるりと身をふるわせてしまった。
つまりは壁を一部取り払って、今拘束されている人間の縄や猿轡をほどいた場合に、何が起きるのかと言うことだ。
親が心配して駆け寄る。
息子が親に助けを求めるべくふらついた足で移動をする。
間には害獣駆除の罠。
「……っ」
場合によっては「軍神の間」で「たーまやー」などとうっかり叫ぶ羽目になるのではないだろうか。
私は思わず片手で額を覆ってしまった。
『レイナ、レイナ、日本語でとりあえずもう一回筋道立てて説明よろしく』
アンジェスの次期聖女(予定者)として、有り余るほどの魔力があるであろうシャルリーヌには、当然、見えているのは認識阻害の魔道具が映し出す「壁」だ。
その向こう側の景色のことなど見通せるはずもなく、とりあえずはと扇を口元にあてながら小声で囁いてきた。
『ああ……うん、さっき話が途中になったしね……』
認可前の品をバリエンダールから密輸入した、存在しない漁場を使っての投資詐欺事件があった、密輸入した品を持っていた家が実は鉱毒の被害も隠蔽していました――では、それはさすがに意味不明だろうと思う。
『陛下の内心までは分からないにしても、とりあえず参加者全員に、どうして呼ばれたのかを理解させるための料理だと思うのよ』
私の説明に、シャルリーヌが扇越しに軽く小首を傾げた。
『水とホタテが?』
『それと多分最後に出て来るお茶とね』
投資詐欺が起きたのは、ジェイの漁場。
葡萄ジュース以外の水は、鉱毒による被害が起きたと思われるアルノシュト伯爵領の水。
最後に出される予定のお茶は、バリエンダールから密輸入された未承認の茶葉。
私が指折り説明するにつれ、シャルリーヌの視線は目の前にある料理に固定された。
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『え……でも……』
『シャーリーも教科書で習ったとは思うけど、鉱毒被害は長年の摂取によるものであって、今回一杯や二杯グラスで飲んだところで、その水を使ったホタテ料理を一回食べたところで影響はないはず。ただ……鉱毒の概念自体、この国にはなかったみたいだから、一杯水を飲むだけでもプレッシャーをかけていることには違いないのかも』
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『いや……だけ、って……』
『高級レストランの帆立フルコースだけじゃ割にあわないわぁ……』
『まあね……』
『レイナ、どうせならユングベリ商会でさ、帆立含めた今後の海産物取引優遇して貰ったら? 永年無料納入とか……で、定期的にイデオン公爵邸の庭でBBQとかキャンプとかするの』
『…………それ、シャーリーの願望よね?』
『えっ、でも、今回色々と関わっちゃってるわけなんでしょう? レイナ自身にお白洲案件が該当しないのなら、そのくらい交渉してみてもいいんじゃないの?』
――確かに。
こうなっては、コンティオラ公爵あるいはヒース君あたりなら、ジェイの仕入れくらいは優遇してくれそうな気はしないでもない。
私が真面目にその案に傾きかけていたところに、再び静かな部屋にカチャリと食器同士が触れた音が響いた。
「……さて」
私とシャルリーヌも口を閉ざして、声の主に視線を向ける。
「どうやら役者も揃ったようだ。今、皆が抱えているであろう疑問の話をするとしようか――ああ、その前に」
声を発したのは、主催者たる国王陛下。
マクシムかコティペルト支配人か、給仕係を呼ぶ姿勢で、片手を上げていた。
「皆も多少は料理と水を口にしたようだ。引き続き食して欲しいとは思うが……そろそろお茶の方も振る舞うとしよう。そこからが――本当の、始まりだ」
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