赤いトラロープ〜たぶん、きっと運命の

ようさん

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実家deカオス

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「ご安心ください。清も地獄の果てまでお供致します!坊ちゃんも男なら、覚悟を決めて腹括っておくんなさい」

 っていうか俺も死ぬのかよっ!何で地獄に堕ちる前提なんだよ……

「せめて殺す前に俺の話を聞いてくれーーーーっ!」

「僕の恒星に何て事するんだーーーーっ!」

 自力でどうにか帯紐をふりほどいた玄英が、ベッドの上から清さんに見事なフライングアタックを決めた。

「はっ……?」

 ご無体な状況から助け出したはずの玄英に奇襲された清さんは、押さえ込まれたまま何が何だかわからずしばらく考え込んだ。

「……ええと……あの、すみません、遠山社長。野暮を承知でお聞きしやすが……、するってえとコレはお二方合意の上で……」

「合意!合意に決まってるでしょう!恒星は僕の恋人なんだから!」

「……」

 清さんは戦意喪失して何とも複雑そうな表情だったが、玄英の怒りはおさまらなかった。

「恩人で家族同然なら、恒星が一方的に乱暴するような人じゃないって知ってるはずなのに!話も聞かずにいきなり僕の大事な人を殴っただけでも許せないのに、殺そうとするなんて!酷い!」

「玄英、ストップ!俺なら大丈夫だから!清さんだって本気じゃなかったんだ!」

 今度は俺が頭に血の上った玄英をなだめて、清さんから引き離す番だった。

 言動が読めない奴ではあるが、それも常に(本人の中では)ちゃんと理屈が合っているし、こと対人関係においては感情よりも状況分析や計算を優先するタイプだと思っていたので、その玄英がここまでキレてるのにも驚いた。
 が、玄英の方が若くて体格で勝るとは言え所詮、ルールの中で動くスポーツや屋内ジムのトレーニングで作ったホワイトカラーの筋肉だ。少なくとも大人になってからの人生で、本気の喧嘩(物理的に)をした事があるのかどうかも怪しい。
 危険察知必須の現場作業が日常で、若い頃のヤンチャぶりもシャレにならないレベルだったという清さんに本気で反撃されたらまず無事では済むまい。

「清さん、ごめん……」

 完全にキャパオーバーの放心状態のまま、沈黙を続ける清さんに平謝りする俺。

「ショックだったろうけど、後でちゃんと説明す……」

「とりあえず」

 清さんがこちらを見ないままかすれ声で、やっと口を開いた。

「ズボンくらい履いてくれませんかね」

「?……あ、ああ、それもそうだよな……」

「てめえら、うるせえぞ!今何時だと思ってやがる!」

 この騒ぎに、ついに祖父ちゃんまでもが部屋に乗り込んできたーーもういっそ、今日が人類最後の日だったらいいのに。

「やれやれ、恒星と清かい……久々に派手にやらかしたなぁ」

 不自然なほどぐちゃぐちゃになった浴衣をかき合わせ、事後感満載の裸を隠す玄英に「身内がとんだご迷惑をおかけして……」と謝り倒す祖父ちゃん。

 酔いの残ったザ・昭和の常識人たる祖父ちゃんは、目の前のセッ○スアンドバイオレンスな惨状を「清さんと俺が酔っぱらい同士で喧嘩して、玄英が止めに来て巻き込まれた」と判断したらしい(俺は飲んでないけどな!)

 座り込んだまま黙秘権行使中の清さん、挙動不審な玄英、ひとまず調子を合わせるよう必死にサインを送る俺。

「清と恒星には明日、話を聞く。もう遅いから寝ろ」

 祖父ちゃんはあくび混じりでそう言い捨てると、自分の部屋に戻った。

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