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プロローグ
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木造の真新しい建物。
中に入ると鼻腔をくすぐるのは温もりを感じる木材の香り。
この真新しい建物に明日から通うことになる少女は、大きく深呼吸をして身も心も感動に打ち震わせていた。
「ここが、私の職場になるんだ!」
腰まで伸びた銀髪がサラリと揺れ、希望に満ち溢れた大きな瞳が建物内を何度も行き来する。
新人のダンジョン管理組合職員――アヤ・プレシアスは後方を振り返ると同じ青と白を基調とした制服を身に纏った男性職員を見つめてニコリと微笑んだ。
「……何が楽しいんだか」
壁にもたれながら気だるく呟いた長身痩躯で金髪の男性職員――ヴィル・バレーロは天上を見上げた。
「……なんで俺がこんな辺境に」
「何か言いましたか?」
建物の中央に立っていたアヤはヴィルが気づかないうちに目の前へ移動して上目遣いで問い掛ける。
「……何も言ってねえよ」
「そうですか? ヴィル先輩、明日からよろしくお願いします!」
「……おう」
元気よく口を開いたアヤの近い顔から視線を逸らしつつ、ヴィルは照れ隠しで気の抜けたような返事をした。
中に入ると鼻腔をくすぐるのは温もりを感じる木材の香り。
この真新しい建物に明日から通うことになる少女は、大きく深呼吸をして身も心も感動に打ち震わせていた。
「ここが、私の職場になるんだ!」
腰まで伸びた銀髪がサラリと揺れ、希望に満ち溢れた大きな瞳が建物内を何度も行き来する。
新人のダンジョン管理組合職員――アヤ・プレシアスは後方を振り返ると同じ青と白を基調とした制服を身に纏った男性職員を見つめてニコリと微笑んだ。
「……何が楽しいんだか」
壁にもたれながら気だるく呟いた長身痩躯で金髪の男性職員――ヴィル・バレーロは天上を見上げた。
「……なんで俺がこんな辺境に」
「何か言いましたか?」
建物の中央に立っていたアヤはヴィルが気づかないうちに目の前へ移動して上目遣いで問い掛ける。
「……何も言ってねえよ」
「そうですか? ヴィル先輩、明日からよろしくお願いします!」
「……おう」
元気よく口を開いたアヤの近い顔から視線を逸らしつつ、ヴィルは照れ隠しで気の抜けたような返事をした。
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