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みー婆達におしくらまんじゅうされながらレインさんの案内のもと、鍛錬場に向かえばジーク様とシュナイダー様がサッカーコートぐらい広さのある場所で凄いバトルをしてた。
「れ、レインさん。大丈夫なんですかね…あれ。サバスさんも止めなくていいですか?」
「大丈夫ですよジュン様、大旦那様もシュナイダー様も随分と流してらっしゃいますから」
「えぇ、戯れあってるようなものですよ」
サバスさんもレインさんも涼しい顔でお茶の準備を始めてるけど本当にいいんですかね? って周りの騎士さんとかも鍛錬の手を止めてガッツリ観戦してるし!
なんて思って辺りを見渡していれば1人のピカピカ鎧をつけた騎士がガシャンガシャンと音を立てて近づいていた。
「レイン殿、いかが致した? 大勢で鍛錬場まで」
「ランザムですか。シュナイダー様がこちらのみー婆様と手合わせ願いましてお邪魔させてもらいました」
「ほぅ!シュナイダー様とみー婆殿が!それは楽しみですなぁ!」
そう声を上げればランザムさんは『全体集合!!』と声をかけ、本格的に観戦する気満々でいた。そんなに観戦するような手合わせなんてみー婆にできるのかなぁ…みー婆お婆ちゃん猫だし不安だ…
「みー婆、疲れたらすぐに降参するんだよ? お婆ちゃん猫なんだから無理はダメだからね?」
『ナァオン』
わかってるわよ、と鳴くみー婆だが果たして本当にわかってるのかな? 怪我だけはしないでね?よしよし…
もふもふとした首筋に抱きつきながら大きな身体を撫でて言い聞かせていればジーク様とシュナイダー様がこちらに気づいて手を止め近寄って来ていた。
「大丈夫じゃよジュン殿。この筋肉バカはこう見えて手加減が上手い、万が一も心配はいらんよ」
「まぁ、手加減などいらんかもしれんがな!」
口を大きく開けてガッハッハ!と笑うシュナイダーとそれを見て呆れてるジーク様。まぁ戦いのプロって感じだから大丈夫かな…。
『ンナァ!』
「そう言わないでよみー婆」
心配性ね貴方は!と尻尾でペシペシしてくるみー婆に諦めながら、大人しくレインさん達が用意してくれた椅子に腰掛けてお茶をいただく。クオン達もおいで?よしよし…
「それじゃあジュン殿、みー婆殿を借りるぞ!レイン!合図せい!」
シュナイダー様の言葉にこくんと頷きながら、隣にお座りしてるクオン達の頭や首を撫で回す。みー婆にも怒られちゃったし、ここは信頼してしっかりとみー婆の勇姿を眺めよう!みー婆頑張れー!
~~シュナイダー視点~~
レインが合図をしてから儂と目の前の不死山猫はまだ少しも動いてはない。と言うよりも儂が動けんだけじゃな。
魔力バカの身体を治した坊主のジュンが連れとるときはそれこそただの大きな毛玉じゃったが一度離れて対峙すれば恐ろしい他ない。お婆ちゃん猫と坊主はいっとったがホラもええところじゃ。
数多の魔眼を使いこなす魔猫とはよく言ったものじゃな。隙が見当たらんしこちらの動きを全部潰して来おるわ。
こちらが動こうとすれば魔眼で未来を見せて来よる、みー婆からみればこちらがどう動こうとしてるのか手に取るように分かっとるんじゃな。ふー…動けんなぁ。
思わず笑みが溢れてしまうわい。
ちと強引じゃが無理にでも動くか、明日は筋肉痛じゃな!
「シッ!」
老いてなお衰えることを知らない強靭な肉体にありったけの魔力を込めて強化しシュナイダーは超速でみー婆に拳を振るう。
瞬く合間にみー婆との間を詰めるがみー婆はお座りをしたままてしっと長い尻尾を当ててその拳を受け流される…
『ナッ』
と普段と変わらない声で鳴いて猫パンチを繰り出す。
ジュンにする時の猫パンチはフニフニとした肉球を押し付ける猫パンチでジュンははいはいと肉球をむにむにしているが、シュナイダーはといえばまるでドワーフが振るう大槌に殴られたかのようにして吹き飛ぶ。
ドンッ!
そしてシュナイダーが吹き飛んだ後に遅れて低く響くような音が広がり、みー婆のもふもふした毛が生じた衝撃波で少し揺れる。
ジーク達には何が起きたのかしっかりとその目に取られられていたがまだその域に達しないものやジュンはただシュナイダーが消えて吹き飛んだように見えていた。ジュンはジークに説明されてほぇーとしていた。
むぅ…完全に勢いを流されたわい、それにあのパンチ。強化状態の我の肉体を吹き飛ばす程か…単眼巨人に殴られたかと思ったわ!
吹き飛んだ先では土煙が立ち、そこからけろっとした表情でシュナイダーが歩いてくる。
「ガッハッハ!久々に吹き飛ばされたわい!ドウェルグ山国の巨大槌を思い出す!」
『ナァナ?』
あら、頑丈ね?と鳴きながらお座りをやめて臨戦対戦になるみー婆に対してシュナイダーは一撃をもらってすっかり血が騒いでいた。
「サバス、レイン。防護壁を張るぞ、サポートせい」
すっかりスイッチの入ったシュナイダー。
派手な魔法や膨大な魔力は持たずとも、鍛え上げた己の肉体のみでジークと共に戦役当時の戦場を駆け巡ったその姿はまさに一騎当千であり猛将であったという。
そして、猛者たちの戯れは本番を迎えるのだった。
「れ、レインさん。大丈夫なんですかね…あれ。サバスさんも止めなくていいですか?」
「大丈夫ですよジュン様、大旦那様もシュナイダー様も随分と流してらっしゃいますから」
「えぇ、戯れあってるようなものですよ」
サバスさんもレインさんも涼しい顔でお茶の準備を始めてるけど本当にいいんですかね? って周りの騎士さんとかも鍛錬の手を止めてガッツリ観戦してるし!
なんて思って辺りを見渡していれば1人のピカピカ鎧をつけた騎士がガシャンガシャンと音を立てて近づいていた。
「レイン殿、いかが致した? 大勢で鍛錬場まで」
「ランザムですか。シュナイダー様がこちらのみー婆様と手合わせ願いましてお邪魔させてもらいました」
「ほぅ!シュナイダー様とみー婆殿が!それは楽しみですなぁ!」
そう声を上げればランザムさんは『全体集合!!』と声をかけ、本格的に観戦する気満々でいた。そんなに観戦するような手合わせなんてみー婆にできるのかなぁ…みー婆お婆ちゃん猫だし不安だ…
「みー婆、疲れたらすぐに降参するんだよ? お婆ちゃん猫なんだから無理はダメだからね?」
『ナァオン』
わかってるわよ、と鳴くみー婆だが果たして本当にわかってるのかな? 怪我だけはしないでね?よしよし…
もふもふとした首筋に抱きつきながら大きな身体を撫でて言い聞かせていればジーク様とシュナイダー様がこちらに気づいて手を止め近寄って来ていた。
「大丈夫じゃよジュン殿。この筋肉バカはこう見えて手加減が上手い、万が一も心配はいらんよ」
「まぁ、手加減などいらんかもしれんがな!」
口を大きく開けてガッハッハ!と笑うシュナイダーとそれを見て呆れてるジーク様。まぁ戦いのプロって感じだから大丈夫かな…。
『ンナァ!』
「そう言わないでよみー婆」
心配性ね貴方は!と尻尾でペシペシしてくるみー婆に諦めながら、大人しくレインさん達が用意してくれた椅子に腰掛けてお茶をいただく。クオン達もおいで?よしよし…
「それじゃあジュン殿、みー婆殿を借りるぞ!レイン!合図せい!」
シュナイダー様の言葉にこくんと頷きながら、隣にお座りしてるクオン達の頭や首を撫で回す。みー婆にも怒られちゃったし、ここは信頼してしっかりとみー婆の勇姿を眺めよう!みー婆頑張れー!
~~シュナイダー視点~~
レインが合図をしてから儂と目の前の不死山猫はまだ少しも動いてはない。と言うよりも儂が動けんだけじゃな。
魔力バカの身体を治した坊主のジュンが連れとるときはそれこそただの大きな毛玉じゃったが一度離れて対峙すれば恐ろしい他ない。お婆ちゃん猫と坊主はいっとったがホラもええところじゃ。
数多の魔眼を使いこなす魔猫とはよく言ったものじゃな。隙が見当たらんしこちらの動きを全部潰して来おるわ。
こちらが動こうとすれば魔眼で未来を見せて来よる、みー婆からみればこちらがどう動こうとしてるのか手に取るように分かっとるんじゃな。ふー…動けんなぁ。
思わず笑みが溢れてしまうわい。
ちと強引じゃが無理にでも動くか、明日は筋肉痛じゃな!
「シッ!」
老いてなお衰えることを知らない強靭な肉体にありったけの魔力を込めて強化しシュナイダーは超速でみー婆に拳を振るう。
瞬く合間にみー婆との間を詰めるがみー婆はお座りをしたままてしっと長い尻尾を当ててその拳を受け流される…
『ナッ』
と普段と変わらない声で鳴いて猫パンチを繰り出す。
ジュンにする時の猫パンチはフニフニとした肉球を押し付ける猫パンチでジュンははいはいと肉球をむにむにしているが、シュナイダーはといえばまるでドワーフが振るう大槌に殴られたかのようにして吹き飛ぶ。
ドンッ!
そしてシュナイダーが吹き飛んだ後に遅れて低く響くような音が広がり、みー婆のもふもふした毛が生じた衝撃波で少し揺れる。
ジーク達には何が起きたのかしっかりとその目に取られられていたがまだその域に達しないものやジュンはただシュナイダーが消えて吹き飛んだように見えていた。ジュンはジークに説明されてほぇーとしていた。
むぅ…完全に勢いを流されたわい、それにあのパンチ。強化状態の我の肉体を吹き飛ばす程か…単眼巨人に殴られたかと思ったわ!
吹き飛んだ先では土煙が立ち、そこからけろっとした表情でシュナイダーが歩いてくる。
「ガッハッハ!久々に吹き飛ばされたわい!ドウェルグ山国の巨大槌を思い出す!」
『ナァナ?』
あら、頑丈ね?と鳴きながらお座りをやめて臨戦対戦になるみー婆に対してシュナイダーは一撃をもらってすっかり血が騒いでいた。
「サバス、レイン。防護壁を張るぞ、サポートせい」
すっかりスイッチの入ったシュナイダー。
派手な魔法や膨大な魔力は持たずとも、鍛え上げた己の肉体のみでジークと共に戦役当時の戦場を駆け巡ったその姿はまさに一騎当千であり猛将であったという。
そして、猛者たちの戯れは本番を迎えるのだった。
応援ありがとうございます!
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こんばんは\(^▽^)/!
更新されててニヤニヤが止まりません( *ˊᵕˋ*)
みー婆様達の蕩け具合最高でした(*`ω´)b
記念ssも是非見たいですー(っ>ω<c)☆.°
感想ありがとうございます!
まったり更新でお待たせして申し訳ないです。
みー婆はジュン大好きですからね笑もちろんクオン達もですが
SSちょっと考えてみますねー!
面白いです(*´ω`*)
家族という関係性の素晴らしさを感じました。
続きを見たいですが体調等に気をつけてください┏○ペコッ
ステータス等はありますか?
ありがとうございます!
ステータス等は考えてないですがそのうち考えて見たいと思います
ゾウみたいな魔物って…、○ュエルミートの…。又もや○リコ…。
ゾウさんの元ネタは実はド○クエです笑
確かに美食世界にもいますが笑