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解体所はギルドの裏に併設された建物だった。建物といっても港にある大きな倉庫みたいな形で屋根のついた広場みたいな感じだ。大型の魔物は基本ここに持ち込むらしい。
そこではガタイのいいおっちゃんたちがタンクトップ姿で作業しており今なお作業中の魔物達を解体していた。
「ほぇー…凄いなここ、色んな魔物がいる」
「ジュン様はあまり魔物を詳しく見た事ないのですか??」
「あんまりないですね、基本的にはみー婆が狩ってきたものをしまってる感じなので…」
エリザベートさんが空いてる職員に話に行って、俺達はその話が終わるまで隅っこで待機していた。
するとエリザベートさんと厳ついおっさんが近寄ってきた。
「ご無沙汰ですなぁジャックさん!それと…お前さんは初顔だな」
「ええ、お久しぶりですジキルさん。ジュン様、この方はここの解体所の責任者をしてるジキルさんです」
え?責任者って偉い人じゃないのか?いきなりそんな偉い人と会っていいのかな…陽気そうな人だけどとりあえず挨拶しておこう…
「初めまして、ジュンです。えっと…よろしくお願いします」
「おぅ!俺はジキルだ。なんでも有望な新人らしいな!ここはお前さんら冒険者が狩ってきた獲物を取り扱っとるぞ!それでどうしたい?そっちのおっかねぇ猫が獲ってきたんだろ?どれ見せてみろ」
エリザベートさんがどんな風に話したのかわからないけど俺は有望株にされているらしい…多分勘違いです、それ。
そんなことを思いながら俺は空間収納からみー婆が狩ってきた取り扱いに困ってるもの達を取り出していく。
「えっと…このトカゲみたいなのと鳥とライオンぽい奴ですね。まだありますけど…手頃な大きさじゃないので…」
とりあえず邪魔にならないようなサイズのものを並べていく。鑑定すれば名前わかるんだけどめんどくさいから名前も適当だ、知ったところでどうこうなるってもんでないし。
「がっはっは!また面白えもん出してくるもんだ! ガイアリザードにジャイアントイーグル、最後はアサシンレオか!どれもなかなか見ねぇ代物だぞ!」
「どれも銀級、金級以上の魔物ですね…アサシンレオに至っては金級でもどうか…」
ジキルさんに肩をバシバシと叩かれてジャックさんの呟きが聞こえなかったがどうしたんだろうか?ってか痛いですよ!ジキルさん!
「それにだ!まだ色々持ってんだろ?おじちゃんに見せてみ?んっ?んっ?」
「あ、ありますけど…今出しても邪魔になるだけですよ…めっちゃ大きな四つ目のゾウなんですから」
ジキルさんに肩を組まれてイイ笑顔で言われても怖いだけですよ…なんで急に絡まれてるのかわからないけど…全部みー婆が狩ってきたものですから!ほら!みー婆!そんなところでごろんとしてないで助けてよ!
「四つ目の巨大なゾウ…お前らあんなモンまで狩ってたのか!? ジャックさん、この坊主は今までどちらに?」
「東洋の出身だとの事です。ただ私達が出会ったのは『死の森』のでした」
「なるほどなぁ…よくそんなところにいて生きてたな坊主」
頭をわしゃわしゃと乱暴に撫で回されて慰められるが結構過ごしやすい場所だったと思うんだけどなぁ。面白い木とか生き物いたし…
「悪いな坊主、そのデカいゾウは今は無理だ。また後日持ち込んでくれや。それで…この3匹は買取でいいんだな?」
「お願いします。あ!できれば食べられる部位は欲しいです」
「おう!ガイアリザードとジャイアントイーグルは中々に珍味だぞ、楽しみにしとけ! よっしゃ!テメーら!!デケェ仕事だぜ!!」
そう言ってジキルさんは大声をあげるとテキパキと指示を出して3匹の魔物を運んで行ってしまった。その場に残された俺たちは…いや、俺はぽかーんとしてしまった。
ジャックさんとエリザベートさんはどうやらジキルさんの行動には慣れているらしく通常運転だった、なんだか恥ずかしい…
「申し訳ありません、ジュン様。解体作業と買取代金の査定等でお支払いまでお時間をいただけますか?」
心の中で恥ずかしがっているとエリザベートさんが頭を下げながら時間が欲しいとお願いしてきた。まぁ、仕方ないよね。時間かかりそうだし。
「大丈夫ですよこればっかりは仕方ないです。ただどうしようかな…すぐにお金に変わる素材ってどんなものがありますかね…」
早くみー婆に首輪を買ってやりたいんじゃあ。
「小さい魔物などは解体も早く終わるのでお時間はいただきません。また薬草類や鉱物類も早く買取代金をお渡しできますよ」
「ジュン様、もし入用なら多少ですが旦那様より頂いておりますよ?」
「そうなんですか? でも、みー婆には自分のお金で買いたいですから…その、すいません…」
「いえ、大丈夫ですよ」
ジャックさんの申し出を断りながら考える。薬草類や鉱物類かぁ、薬草類は適当に取ってあるけど鉱物類なぁ…なんかあるかな…最悪コレクションにしてるカッコいい系の素材でも出そうかな。
まぁ、カッコいい系の素材って言っても俺が適当に解体した後に出た魔物の残骸だけど…お粗末すぎてあんまり出したくないんだよね。
何かあるかなぁと考えながら解体所を後にした俺たちはカウンターまで戻ってきて空間収納を漁る。とりあえず適当に出していくか…
「すいません…どれが価値のあるものかわからないんで適当に出しますね…」
「構いませんよ、こちらで査定致しますので」
ありがてぇ…ではお言葉に甘えて…えーっと…
適当に選んでカウンターに置かれてる受け皿にぽんぽんと素材を出していく。魔物の体内にあった石ころとか鑑定してなんかレアっぽい薬草とか歩いてる木から貰った果実とか…
高く売れるといいなぁ…
そこではガタイのいいおっちゃんたちがタンクトップ姿で作業しており今なお作業中の魔物達を解体していた。
「ほぇー…凄いなここ、色んな魔物がいる」
「ジュン様はあまり魔物を詳しく見た事ないのですか??」
「あんまりないですね、基本的にはみー婆が狩ってきたものをしまってる感じなので…」
エリザベートさんが空いてる職員に話に行って、俺達はその話が終わるまで隅っこで待機していた。
するとエリザベートさんと厳ついおっさんが近寄ってきた。
「ご無沙汰ですなぁジャックさん!それと…お前さんは初顔だな」
「ええ、お久しぶりですジキルさん。ジュン様、この方はここの解体所の責任者をしてるジキルさんです」
え?責任者って偉い人じゃないのか?いきなりそんな偉い人と会っていいのかな…陽気そうな人だけどとりあえず挨拶しておこう…
「初めまして、ジュンです。えっと…よろしくお願いします」
「おぅ!俺はジキルだ。なんでも有望な新人らしいな!ここはお前さんら冒険者が狩ってきた獲物を取り扱っとるぞ!それでどうしたい?そっちのおっかねぇ猫が獲ってきたんだろ?どれ見せてみろ」
エリザベートさんがどんな風に話したのかわからないけど俺は有望株にされているらしい…多分勘違いです、それ。
そんなことを思いながら俺は空間収納からみー婆が狩ってきた取り扱いに困ってるもの達を取り出していく。
「えっと…このトカゲみたいなのと鳥とライオンぽい奴ですね。まだありますけど…手頃な大きさじゃないので…」
とりあえず邪魔にならないようなサイズのものを並べていく。鑑定すれば名前わかるんだけどめんどくさいから名前も適当だ、知ったところでどうこうなるってもんでないし。
「がっはっは!また面白えもん出してくるもんだ! ガイアリザードにジャイアントイーグル、最後はアサシンレオか!どれもなかなか見ねぇ代物だぞ!」
「どれも銀級、金級以上の魔物ですね…アサシンレオに至っては金級でもどうか…」
ジキルさんに肩をバシバシと叩かれてジャックさんの呟きが聞こえなかったがどうしたんだろうか?ってか痛いですよ!ジキルさん!
「それにだ!まだ色々持ってんだろ?おじちゃんに見せてみ?んっ?んっ?」
「あ、ありますけど…今出しても邪魔になるだけですよ…めっちゃ大きな四つ目のゾウなんですから」
ジキルさんに肩を組まれてイイ笑顔で言われても怖いだけですよ…なんで急に絡まれてるのかわからないけど…全部みー婆が狩ってきたものですから!ほら!みー婆!そんなところでごろんとしてないで助けてよ!
「四つ目の巨大なゾウ…お前らあんなモンまで狩ってたのか!? ジャックさん、この坊主は今までどちらに?」
「東洋の出身だとの事です。ただ私達が出会ったのは『死の森』のでした」
「なるほどなぁ…よくそんなところにいて生きてたな坊主」
頭をわしゃわしゃと乱暴に撫で回されて慰められるが結構過ごしやすい場所だったと思うんだけどなぁ。面白い木とか生き物いたし…
「悪いな坊主、そのデカいゾウは今は無理だ。また後日持ち込んでくれや。それで…この3匹は買取でいいんだな?」
「お願いします。あ!できれば食べられる部位は欲しいです」
「おう!ガイアリザードとジャイアントイーグルは中々に珍味だぞ、楽しみにしとけ! よっしゃ!テメーら!!デケェ仕事だぜ!!」
そう言ってジキルさんは大声をあげるとテキパキと指示を出して3匹の魔物を運んで行ってしまった。その場に残された俺たちは…いや、俺はぽかーんとしてしまった。
ジャックさんとエリザベートさんはどうやらジキルさんの行動には慣れているらしく通常運転だった、なんだか恥ずかしい…
「申し訳ありません、ジュン様。解体作業と買取代金の査定等でお支払いまでお時間をいただけますか?」
心の中で恥ずかしがっているとエリザベートさんが頭を下げながら時間が欲しいとお願いしてきた。まぁ、仕方ないよね。時間かかりそうだし。
「大丈夫ですよこればっかりは仕方ないです。ただどうしようかな…すぐにお金に変わる素材ってどんなものがありますかね…」
早くみー婆に首輪を買ってやりたいんじゃあ。
「小さい魔物などは解体も早く終わるのでお時間はいただきません。また薬草類や鉱物類も早く買取代金をお渡しできますよ」
「ジュン様、もし入用なら多少ですが旦那様より頂いておりますよ?」
「そうなんですか? でも、みー婆には自分のお金で買いたいですから…その、すいません…」
「いえ、大丈夫ですよ」
ジャックさんの申し出を断りながら考える。薬草類や鉱物類かぁ、薬草類は適当に取ってあるけど鉱物類なぁ…なんかあるかな…最悪コレクションにしてるカッコいい系の素材でも出そうかな。
まぁ、カッコいい系の素材って言っても俺が適当に解体した後に出た魔物の残骸だけど…お粗末すぎてあんまり出したくないんだよね。
何かあるかなぁと考えながら解体所を後にした俺たちはカウンターまで戻ってきて空間収納を漁る。とりあえず適当に出していくか…
「すいません…どれが価値のあるものかわからないんで適当に出しますね…」
「構いませんよ、こちらで査定致しますので」
ありがてぇ…ではお言葉に甘えて…えーっと…
適当に選んでカウンターに置かれてる受け皿にぽんぽんと素材を出していく。魔物の体内にあった石ころとか鑑定してなんかレアっぽい薬草とか歩いてる木から貰った果実とか…
高く売れるといいなぁ…
応援ありがとうございます!
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