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甘く淫らなラブロマンスの長編版(※短編の続きではありません)

帰りの馬車で

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※予定を変更した内容で番外編を投稿させていただきました。

 こちらの話は現在開催中のBL小説大賞というお祭りを読者様により楽しんでいただけたらという思いから、他の拙作とコラボしています。
 そのためBL小説大賞終了後に削除させていただく可能性が高いです。

 大変申し訳ございませんが、前触れなく削除の可能性があること予めお含みおきくださいませ。

 コラボ先の小説の国を訪れた帰りの馬車でのラッドレン殿下とミーネのお話です。
 R18シーンになりますので閲覧の際は周囲にご注意ください。

 ちなみにこちらの話は、いつか大幅改稿できたら、メイドに変装して視察について行こうとしたミーネがラッドレン殿下にお仕置きされる、という内容に変更して本編へ入れたいと考えております。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 バタン、と馬車の扉の閉まる音。

 グロウドリック王国ジオケイ王弟殿下の仲立ちで訪れた国からの帰り道。
 今、馬車の中は私と殿下のふたりきり。
 心なしか、ピリリと緊張した空気を感じる。

 なぜかしら……。

 膝の上でギュッと手を握りしめる。
 その手に汗が滲んでいるのが自分でも分かった。
 進行方向に向かって座る殿下の隣の席で、私は固まったかのように身体を動かせずに座っている。

「さて、と」

 こっちへおいで、と言いながら隣にいる私の手を軽くひくと、殿下は膝の上に私を座らせた。

「ミーネ、俺の前で他の男性を素敵だなんて褒めたりしてはダメだよ」

 殿下は俯いていた私の顎に指を添えると、クイッと上を向かせた。

「んッ」

 キスをされて、舌がヌルリと絡められる。
 夜の時間に似合うような、深い口付け。
 今は昼間で馬車のカーテンが閉まっていても分かるくらい、外は明るいのに。
 口の中を殿下に貪られて翻弄されて。
 チュ、と音を立てて上唇が吸われた。
 長いキスが終わり、殿下の唇が離れていく。

「んンッ」

 ちぅ……と鎖骨の少し下あたりを殿下に吸われた。
 いつの間にかドレスの背中の釦が外され胸元が広くあいていたらしい。
 痕がつきそうなくらい強く吸われて、でも直後にレロ……と舐められ思わず鼻から抜けるような声が漏れてしまう。
 頭の中がほわほわして、何も考えられない。
 蕩けてだらしなくなっているであろう私の顔を見て、殿下が小さく笑った。

「気持ちよくなるのは我慢して、罰を与えようとしているのだから」

 青いドレスの裾から手を差し込んで、殿下が私の太腿の外側を撫でた。
 ピクッ、と身体が反応して揺れる。
 太腿を触られた事は何度もあるのに、いつになっても慣れなくて。
 毎回ドキドキしてしまうのはどうしてかしら。
 撫でられているだけなのに、もの凄く気持ちよくて意思とは関係なく膝をモゾモゾ擦りあわせてしまう。

「で、んか……やめ、て……くださ……」
「やめないよ」

 スルリとドロワーズを脱がされ、再び太腿を撫でられた。
 今度は腿の内側を。
 脚の付け根にある小さな突起へ触れるか触れないかの所を掠めながら。
 ゾクゾクする快感が背中を駆けていく。

「ッ……ん……っ……」
「もう二度としないように、たくさんお仕置きして覚えてもらわないとね」

 二度としないようにと殿下が言っているのは、向こうの国の宰相のクラウド様と騎士団長のレイン様を素敵だと褒めた事だと思う。
 あちらの王太子妃のネージュ様に、あのふたり素敵でしょう、と話しかけていただいたので、素敵ですね、と返した。

 ラッドレン殿下が気にするから独身の男性を話題にしない方がいいですよ、と事前にベルマリーから言われていたけれど。

 あのおふたりは女性に興味がなく一途に想っている男性のお相手がいると聞いていたから話題にしても大丈夫だと思っていた。

 お仕置き……って、何をされるのかしら……
 ふとそんな事を考えたら、なぜか下腹の奥がヒクッと疼いた。

「顔がすごく赤いな、大丈夫かい?」

 殿下の手がそっと私の頬に触れる。
 そんな些細な刺激だったのに私は、ん、と高い声を上げながら身体をビクリと震わせてしまった。
 殿下にされると、何もかもが気持ちいい。
 身体を強張らせて快楽に耐える。
 でも殿下は、私が何かを怖がっていると誤解したみたいだった。
 眉を寄せ、心配そうな表情で私を見つめている。

「ごめんよミーネ、お仕置きなんて言って怖がらせて。大丈夫、もう何もしないよ」

 ……ぇ、しないの?
 もちろん、しないのが普通ですが……。
 殿下の言葉に落胆している自分に戸惑ってしまう。
 先ほど掠められた脚の付け根が、切なそうにヒクヒク震えているのが自分でも分かった。
 ……殿下、本当に何もしないのですか?
 そう思っていたら、殿下の手で優しく頭を撫でられた。

「酷い事は、何もしない。ね、ハグしよう。俺の方を向いて、両膝を座面にのせられる? 俺の脚を跨ぐようにして。そう、そんな感じ」

 殿下は柔らかく微笑んでいた。
 いつもの優しい殿下で、全く怒っていないと分かりホッとする。
 私は殿下の笑顔が嬉しくて嬉しくて。
 正面から向き合う形で殿下の脚の上に跨って座る。
 すると殿下が私の背中へ腕をまわし、ギュッと抱きしめてくれた。
 幸せな気持ちに包まれる……けど。
 私は先ほどドロワーズを脱がされている。
 馬車が揺れるとドレスの生地に直接お尻を擦られて、ァ、と声を漏らしてしまった。
 そして馬車が大きく揺れた拍子に腰へまわされた殿下の腕でグッと抱きしめられて。
 下着に覆われることなく無防備だった陰核が、ドレスの生地に軽く擦られビクンと身体が跳ねる。

「ア……ッ」

 再び声を上げてしまい、慌てて口を閉じた。
 でも殿下は、何かを察してしまったらしい。
 青いドレスの裾から手を差し込むと、私の脚の付け根を撫でた。

「もうこんなになってしまったのか」

 困ったように微笑む殿下。
 たくさん濡れていたのだと思う。恥ずかしい……。
 顔を見られたくなくて、ポスリと殿下の肩に顔をうずめた。

「淫らだね。どうして欲しい?」

 お尻に何かが触れ、反射的に殿下の肩からバッと顔を上げすぐに下を向く。
 殿下の手が、私の着ているドレスの裾から差し込まれていた。
 向かい合う形で殿下に跨っている私。
 そして青いドレスの中に、殿下の両手が入れられている。
 殿下の手は触れるか触れないかの強さで、私のお尻をそっと撫でた。
 ただそれだけの刺激なのに、身体の奥がゾクゾクッと震えてしまう。
 服を着たままなのに直接お尻を触られているなんて恥ずかしい。
 裸の方がまだマシかもしれない。

「殿下、おやめください……」
「本当にそう思っているのかな?」

 ヌプ……と、脚の付け根にある穴へ何かが入ってきた。

「ひ、ァ、ァアッ!?」

 おそらくこの感触は、殿下の、指。
 青いドレスの中で殿下の手が、くちゅッ、くちゅッ、と音を立てながら私の穴のナカを擦っている。
 親指で陰核をクニクニ押し潰すようにして弄りながら。
 気もち、ぃぃ……
 私のナカに挿れているのとは反対の手で、いつの間にかドレスの釦をすべて外し中の下着もずらしてしまった殿下。
 露わになった私の乳首を、ぱくりと殿下が咥えた。

「んッ!」

 じゅッと胸の先端に吸いつかれ、長く強く吸われている。
 少し、痛いくらい。
 なのに、気持ちいい。
 私を吸う殿下の唇の感触、ゾクゾクする。
 吸われていた乳首が、レロ……と舐められた。

「ゃ、ァッ」

 殿下は唇を胸から離すと、今度は指の腹でスリ……と私の乳首を撫でた。

「ミーネ……もう二度と俺の前で他の男を褒めたりなんてしないと約束してくれ」
「んンっ、するッ、ァ、やくしょ、くしゅる」

 唾液で濡れているからヌルヌル胸の先端を滑る殿下の指。
 しかも脚の付け根に挿し込んだ指も水音を立てながら蠢いている。

「ん、んンっ……ァ、ン……ッ」
「ミーネは俺の妻だよ、俺だけを見て、分かった?」
「ん、ゎかっ、ァ、アッ、れんか、だけっ」

 頭の中……、気持ちいいしか考えられない。
 殿下の手が気もちよすぎて、脳が溶けてしまいそう。

「っ……んァ……んン……」

 胸元から首、首から耳へ、つーっと殿下の舌が這い上がっていく。
 そして私の耳に、くちゅりと舌が挿し込まれた。
 いつの間にか乳首を撫でていた手は、私の腰へとまわされている。

「ぁ、れ、んかッ、ゅび……そこらっ、め」

 私の耳を舌先でクチュクチュ舐りながら、脚の付け根に挿し込まれた殿下の指はナカの気持ちいい所をスリスリ擦り続けた。
 背中を駆け上ってくるような快感から逃れたくて身体を捩る。
 でもナカを虐めるのとは反対の腕で、殿下は私の腰をグッと抱きしめ逃がしてくれない。
 私の耳を嬲っていた殿下の舌が止まり、低くて甘い声で囁かれた。

「腰、揺れてる」
「っ……」

 殿下に指摘されて恥ずかしいのに、腰が揺れてしまうのを止められない。
 ふ、と小さく笑う殿下の息が耳にかかり、快感でビクッと肩が震えた。

「いやらしいね、可愛いけど」

 可愛いって言われるの、もの凄く恥ずかしい。
 でも私の身体は嬉しそうに、ナカに挿れられた殿下の指をキュゥッと締めつけてしまった。
 それに気付いたのか、私の耳元から顔を離した殿下が私の顔を覗き込む。
 蠱惑的に微笑む殿下と目が合った。

「こんな風に俺の指を締めつけて。イきそうかな、俺の可愛いミーネ」
「ッんン、っ、ァアッんッ」

 ビクンビクンと身体が震える。
 殿下に「俺の可愛いミーネ」と言われた直後に。
 恥ずかしい……
 淫らに喘いでいる姿を、殿下に全部見られている。 
 乱れた呼吸を整えようとしていたら、整わないうちに再び殿下の指が動き始めた。
 しかも私の耳元で、優しく囁きながら。

「可愛いよ」
「っひぅ、んンッ、ん、」
「ぁ、また、きゅぅって締まった」
「んン、ぁ、ッ、ぁ、ぁああっ」

 再び限界が近づいてきている。
 その証拠に私の太腿が、痙攣するように揺れ始めた。

「すごく可愛い」
「イ、くっ、イッちゃ、ぅのっっ、だか、らぁ、らめ」

 酸素が届かず思考もぼんやりしている私の脳。
 なのに、悪魔からの宣告のような囁きだけはハッキリと聞こえてきた。

「イッてはダメだよ。お仕置きだから我慢して」
「ひぅ、がまッ、れき、なッ、ァ、ん」

 気持ち、よすぎ、て。

「まだだよ。我慢できるよね」
「んっ、ァ、ァ、ァ」

 ふふ、と楽しそうに小さく笑う殿下の声が聞こえた。

「あともう少しだけ、我慢できる?」
「ァアッ、もぅ、らめ……っ」
「限界かな、イきたい?」
「ん、も、りゃめ、なの、れんか……ッ」

 器用に指で、クパ、と私の陰核を広げた殿下。
 ぬちゅッぬちゅッと音を立て私の敏感な陰核を擦りながら殿下が少し掠れた声で囁いた。

「いいよミーネ、イッて」
「んっ、ぁッ、っ、ァ、ァ、アアッ」

 喉を反らして嬌声を上げた私の目の前で星が散る。



 気付いたら私は予定されていた宿泊先のベッドで寝ていて、ベルマリーがラッドレン殿下に「明日からは私も同じ馬車に乗りますからね!」とぷんすかしながら言っているところだった。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

※こちらの番外編は、この一話で完結になります。


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みんなの感想(203件)

柚木ゆず
2023.09.10 柚木ゆず

本日、最新話を拝読しました。

最後の、ネイブルさんのつぶやき。
印象的なシーンはいくつもありましたが、自分的にはそちらが、とても印象的でした。




弓はあと様。
いつも楽しく素敵な世界を発表してくださり、本当にありがとうございます。
これまでもこれからも。ずっと、ファンです……!

弓はあと
2023.09.11 弓はあと

柚木ゆず様

今回も感想をくださり本当にありがとうございます!
いつも優しく励ましてくださる柚木ゆず様に、感謝の気持ちでいっぱいです♪
これからも楽しんでいただけるように執筆がんばります♪♪

解除
柚木ゆず
2023.06.21 柚木ゆず

お久しぶりです。

やっとある程度活動が再開できるようになったので、またこちらの世界にお邪魔させていただきました。
もちろん。以前のように明日も、こちらや他の世界に、お邪魔させていただきますね。

弓はあと
2023.06.22 弓はあと

柚木ゆず様

お忙しいなか感想をくださり、本当にありがとうございます!
またお会いできて嬉しいです♪♪

こちらの話は今後も番外編を投稿したいと考えております☆彡
もしよろしければまた遊びにいらしてください♪

解除
ぱら
2023.04.14 ぱら

大人しく寝る…の選択肢は無い。
(*´ 艸`)フフ♡

弓はあと
2023.04.15 弓はあと

ぱら様

こちらの話も読んでくださり本当にありがとうございます!
しかも感想までいただけてすごく嬉しいです♪

ラッドレン殿下、寝てくれませんでした……
おそらく次回、大人しく寝る
……の選択肢は、やはり無さそうです☆彡

解除
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