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第18話 ザッコ、粛清される。
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「ふう、これで何とかなったッスよね?」
神様の手によって転移したファンロンを見送ってから、自分はホッと息を吐いたッス。
きっと今頃は神様のほうでも送った人と共にヨシュア君を助けて旅立っているに違いないッス。
そう考えると、体が軽くなってきたッスよ。
「何と言うか、今なら空を飛べる様な気がするッスよ~~♪ ふんふふ~ん!」
軽い鼻歌を歌いながら、自分は魔マ王様たちが居る場所へと戻るために歩き出すッス。
そんな自分の姿を通路を歩く侍女たちが微妙な表情で見るのが見えるッスけど、戻ればニコニコの表情をした魔マ王様が居るに違いないッスよ!
そう確信しながら、自分はお茶会会場となってる魔マ王様たちが居る部屋へと戻ったッス。
「ただいま戻りましたッス! どうッスか魔マ王様、ヨシュア君は無事に助かったッスか?」
「……あらぁ、ザッコ君。無事に助かった……ってどう言う意味かしらぁ?」
「いやぁ、実はヨシュア君がピンチだって思ったときに神様が語りかけてきて、自分と神様で援軍を送ったッスよ! どうっすか、無事に助かったッスか?」
「……えぇ、助かったわよぉ。無事に、ねぇ~…………」
ん? 何ッスかねこの違和感は。って、どうして皆は自分を遠ざけていくッスか?
うん? 侍女長、鏡を指差してどうしたんッスか? え、見ろってことッスか?
首を捻りながら、自分は魔マ王様がヨシュア君を見ている鏡のほうへと視線を向けたッス。
そして、自分、固まったッス。
……何でかって? 泣いてるヨシュア君をファンロンが優しく頭を撫でて抱き締めているからッスよ。
え、何でこうなってるッスか!? あと近くに居る女の子の目つき凄く悪いッスね!!
じ、自分……惚れたら駄目って言ったッスよ? 何でファンロン、抱き締めてるッスかヨシュア君を。
「――はっ!? ま、まさかさっきからの魔マ王様の違和感って……」
ようやく自分、気づいたッス。命の危機に……!
だらだらと汗が零れ始める中、魔マ王様はゆっくり、ゆ~っくりと自分のほうに振り返ってきたッス。
「ザッコく~ん。ほんとぉ、どういうことかしらねぇ~~……?」
「い、いや、あの、その……そのッスね。か、かのじょはファンロンといって、風龍の子でですね……」
「そんなことを聞いてるんじゃないのよぉ? どぉして、ヨシュアをこのメ――、アバズ――女の子が抱き締めてるのかしらぁ?」
目! 目がまったく笑っていないッス!! 自分死ぬッスか!? 殺されちゃうッスかぁ!?
あと、抱き締めてるのは多分ッスけど、彼女が拾ってこの館に連れて来たときに侍女長が、一人じゃないって教えるために行ったことッスよねぇ!?
咄嗟にファンロンがああした原因である侍女長を見ると彼女は、サッと目線を外したッス。裏切り者ぉ!?
ゆっくりと近づく魔マ王様に対し、自分は何とか逃れる術を考えるッス。
「ザッコ君、魔マ王からは逃れられないのよぉ?」
「何だか聞いたことがあるような聞いたことが無い台詞ッス! ひ、ひぃ、おたすけぇ!!」
「大丈夫大丈夫、死にかけたら回復してあげて、また死にかけにするだけだから~♪」
「優しく言ってるつもりッスけど、鬼畜の所業ッスよぉ!!」
「魔マ王ですからっ♪」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~~っ!!」
にっこりと微笑む魔マ王様、そんな魔マ王様の手に頭を掴まれて、自分……地獄の幕開けッス。
そして、そんな自分へと侍女の皆が手を合わせるのと、魔マ王様の拳が近づくのが一緒だったッス……。
そして、そして…………。
――ドシャ、グシャ。
「ぶげっ、ぶげぇぇっ!!」
「ほらほらぁ、もっと良い声で鳴きなさいよザッコくぅ~ん」
「ふ、ふげぇぇっ! ごげぇぇぇぇ!!」
「駄目ね~。もっとこうやって――っ、え!!」
――ゴスッ、ベキッ、バゴッ!!
「し、しぬ……しぬッス……」
「大丈夫よぉ、すぐに回復してあげるからぁ♪」
「ひぃぃ、痛みがなくなってるのが怖すぎるッスよぉ!!」
「ほら、元気になった♪ ってことで、行くわよ~♪」
「ぎゃああああああああああああああっ!!」
…………。
………………。
「――――はっ!?」
目を見開き、ガバッと自分は置き上がったッス。
周囲を見、自分の体を見、何とも無いことに安堵し……いっしゅん夢かと思ったッスけど、どう考えても夢じゃ無いッスよね……。
何故なら、今自分が寝ている場所は魔マ王様に殴られていた場所で、破壊の爪痕がバッチリと残っているッスから……。
ああ、これは幾つか修理が必要ッスね……。って、うん?
「これは、手紙ッスか?」
部屋の被害にがっくりと落ち込んでいると、胸の上に紙が張られていることに気づき剥がしてみたッス。
えーっと、何々……。
【ちょっとヨシュアに色々とありすぎて、頭に血が上りすぎていたわ。ごめんなさい。
あと明日、魔王城に行こうと思うので、同行お願いします。】
と、簡単に書かれているッス。
……あ、明日ッスか……。というか、魔王城を魔マ王城になんて変えないでくださいッスね魔マ王様。
神様の手によって転移したファンロンを見送ってから、自分はホッと息を吐いたッス。
きっと今頃は神様のほうでも送った人と共にヨシュア君を助けて旅立っているに違いないッス。
そう考えると、体が軽くなってきたッスよ。
「何と言うか、今なら空を飛べる様な気がするッスよ~~♪ ふんふふ~ん!」
軽い鼻歌を歌いながら、自分は魔マ王様たちが居る場所へと戻るために歩き出すッス。
そんな自分の姿を通路を歩く侍女たちが微妙な表情で見るのが見えるッスけど、戻ればニコニコの表情をした魔マ王様が居るに違いないッスよ!
そう確信しながら、自分はお茶会会場となってる魔マ王様たちが居る部屋へと戻ったッス。
「ただいま戻りましたッス! どうッスか魔マ王様、ヨシュア君は無事に助かったッスか?」
「……あらぁ、ザッコ君。無事に助かった……ってどう言う意味かしらぁ?」
「いやぁ、実はヨシュア君がピンチだって思ったときに神様が語りかけてきて、自分と神様で援軍を送ったッスよ! どうっすか、無事に助かったッスか?」
「……えぇ、助かったわよぉ。無事に、ねぇ~…………」
ん? 何ッスかねこの違和感は。って、どうして皆は自分を遠ざけていくッスか?
うん? 侍女長、鏡を指差してどうしたんッスか? え、見ろってことッスか?
首を捻りながら、自分は魔マ王様がヨシュア君を見ている鏡のほうへと視線を向けたッス。
そして、自分、固まったッス。
……何でかって? 泣いてるヨシュア君をファンロンが優しく頭を撫でて抱き締めているからッスよ。
え、何でこうなってるッスか!? あと近くに居る女の子の目つき凄く悪いッスね!!
じ、自分……惚れたら駄目って言ったッスよ? 何でファンロン、抱き締めてるッスかヨシュア君を。
「――はっ!? ま、まさかさっきからの魔マ王様の違和感って……」
ようやく自分、気づいたッス。命の危機に……!
だらだらと汗が零れ始める中、魔マ王様はゆっくり、ゆ~っくりと自分のほうに振り返ってきたッス。
「ザッコく~ん。ほんとぉ、どういうことかしらねぇ~~……?」
「い、いや、あの、その……そのッスね。か、かのじょはファンロンといって、風龍の子でですね……」
「そんなことを聞いてるんじゃないのよぉ? どぉして、ヨシュアをこのメ――、アバズ――女の子が抱き締めてるのかしらぁ?」
目! 目がまったく笑っていないッス!! 自分死ぬッスか!? 殺されちゃうッスかぁ!?
あと、抱き締めてるのは多分ッスけど、彼女が拾ってこの館に連れて来たときに侍女長が、一人じゃないって教えるために行ったことッスよねぇ!?
咄嗟にファンロンがああした原因である侍女長を見ると彼女は、サッと目線を外したッス。裏切り者ぉ!?
ゆっくりと近づく魔マ王様に対し、自分は何とか逃れる術を考えるッス。
「ザッコ君、魔マ王からは逃れられないのよぉ?」
「何だか聞いたことがあるような聞いたことが無い台詞ッス! ひ、ひぃ、おたすけぇ!!」
「大丈夫大丈夫、死にかけたら回復してあげて、また死にかけにするだけだから~♪」
「優しく言ってるつもりッスけど、鬼畜の所業ッスよぉ!!」
「魔マ王ですからっ♪」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃ~~~~っ!!」
にっこりと微笑む魔マ王様、そんな魔マ王様の手に頭を掴まれて、自分……地獄の幕開けッス。
そして、そんな自分へと侍女の皆が手を合わせるのと、魔マ王様の拳が近づくのが一緒だったッス……。
そして、そして…………。
――ドシャ、グシャ。
「ぶげっ、ぶげぇぇっ!!」
「ほらほらぁ、もっと良い声で鳴きなさいよザッコくぅ~ん」
「ふ、ふげぇぇっ! ごげぇぇぇぇ!!」
「駄目ね~。もっとこうやって――っ、え!!」
――ゴスッ、ベキッ、バゴッ!!
「し、しぬ……しぬッス……」
「大丈夫よぉ、すぐに回復してあげるからぁ♪」
「ひぃぃ、痛みがなくなってるのが怖すぎるッスよぉ!!」
「ほら、元気になった♪ ってことで、行くわよ~♪」
「ぎゃああああああああああああああっ!!」
…………。
………………。
「――――はっ!?」
目を見開き、ガバッと自分は置き上がったッス。
周囲を見、自分の体を見、何とも無いことに安堵し……いっしゅん夢かと思ったッスけど、どう考えても夢じゃ無いッスよね……。
何故なら、今自分が寝ている場所は魔マ王様に殴られていた場所で、破壊の爪痕がバッチリと残っているッスから……。
ああ、これは幾つか修理が必要ッスね……。って、うん?
「これは、手紙ッスか?」
部屋の被害にがっくりと落ち込んでいると、胸の上に紙が張られていることに気づき剥がしてみたッス。
えーっと、何々……。
【ちょっとヨシュアに色々とありすぎて、頭に血が上りすぎていたわ。ごめんなさい。
あと明日、魔王城に行こうと思うので、同行お願いします。】
と、簡単に書かれているッス。
……あ、明日ッスか……。というか、魔王城を魔マ王城になんて変えないでくださいッスね魔マ王様。
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