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3-128.父さんの過去
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「父さんちょっといい?」
旅から戻って3か月、そろそろいいかと父さんに声をかけた
ずっと気になってたことを聞きたくて仕方なかったから
「どうした?」
父さんは読んでた本から目を離して俺を見た
「んー聞きたいことがあってさ」
今いるのはリビングで全員じゃないとはいえ大勢いる
流石にこの場で聞くのはためらわれた
「なら上行くか?」
「うん」
俺が頷くのを確認すると父さんは母さんに何か伝えてから屋上に向かう
レティには父さんと話がしたいからと既に伝えてあるからただ見送ってくれた
「お前から改まって話なんて珍しいな?」
屋上で父さんが座ったベンチの少し離れたベンチに座ると父さんから切り出してくれた
「話っていうか気になってることを聞きたくてさ」
「気になってること?」
「旅に出る前に兄弟で俺だけが違うって…」
「あー…」
父さんは思い出したように頷いた
「まぁ、気になるよな」
苦笑しながら言う父さんを俺はただ見ていた
そこには戸惑いがある様に見える
こんな父さんは珍しい
「そうだな…お前には話しておいた方がいいからちょうどいいか」
「え?」
話しておいたほうがいい?
それにちょうどいいって…
父さんの言葉の一つ一つが俺を混乱の渦に巻き込んでいく
俺はただ気になってたことを聞きたかっただけなのに、何をどうすればそんな話になるのかさっぱりわからない
「俺が昔感情を失っていたことは知ってるな?」
「それは…皆が言ってるから知ってる。でも母さんと出会って変わったんだろ?」
「ああ。表向きにはそうなってるな」
「表向きには?」
意味が分からない
だってここに住んでる中で事実に関して表向きとか裏向きとか、そんな秘密めいたことが出て来るとは思わなかったから
むしろそういう裏表があることを嫌う人たちばかりなはずだしな
「少し重い話になるが…俺はなシア、かつて『レイノスハーン・ミュラーリア・キングストン』と言う名を持っていた」
『ミュラーリア・キングストン』って…
「それって…」
それは王家の名じゃなかったか?
国の名を冠するのは王族もしくはそれに連なる王族に近しい証拠
そしてキングストンは王家の者しか名乗ることができなかったはず
そんな名を持ってたって一体…?
「俺はこの国の第3王子だった」
「…過去形?」
仮にそうだったとして王家を出る事なんて出来るのか?
ルーシーさんは女ならと言っていた
でも男が出る事なんてきっと不可能だ
「今は史実上もその名はなくなってるな」
「ちょっと待って、意味が分からない…」
頭の中が大混乱だ
今はってことは史実が書き変わった?
そんなことあり得るのか?
?マークが大量に浮かんでくきた
そんな俺に気付いてか気付かずか、父さんは話をつづけた
旅から戻って3か月、そろそろいいかと父さんに声をかけた
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「あー…」
父さんは思い出したように頷いた
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「そうだな…お前には話しておいた方がいいからちょうどいいか」
「え?」
話しておいたほうがいい?
それにちょうどいいって…
父さんの言葉の一つ一つが俺を混乱の渦に巻き込んでいく
俺はただ気になってたことを聞きたかっただけなのに、何をどうすればそんな話になるのかさっぱりわからない
「俺が昔感情を失っていたことは知ってるな?」
「それは…皆が言ってるから知ってる。でも母さんと出会って変わったんだろ?」
「ああ。表向きにはそうなってるな」
「表向きには?」
意味が分からない
だってここに住んでる中で事実に関して表向きとか裏向きとか、そんな秘密めいたことが出て来るとは思わなかったから
むしろそういう裏表があることを嫌う人たちばかりなはずだしな
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「それって…」
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頭の中が大混乱だ
今はってことは史実が書き変わった?
そんなことあり得るのか?
?マークが大量に浮かんでくきた
そんな俺に気付いてか気付かずか、父さんは話をつづけた
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