チートな親から生まれたのは「規格外」でした

真那月 凜

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127.魚介類のレシピ

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「サラサは確認を怠るからな」
父さんが呆れたように言う
「前に確認したのはお前たちが旅に出る前だ」
「それってずぼらすぎなんじゃ…」
1年以上前ってことだろ?
「シア~?」
「わーごめんって。それよりそんなに売れたのかよ?」
「とんでもない金額が入ってたわ。レシピなんて随分前から落ち着いてたのに…」
まぁそうか
母さんが登録し出したころならともかく今はそんなに更新してないはずだから

「魚介類の全レシピが10セット以上売れたみたいなのよね?」
まじか…
1セットは確実にグースだろう
あとはルワードさん達漁師の関係者と屋台の奴らか?
それに隣町の魚屋も1セットは買ってるかもしれない

「…多分店やってる人と漁師の関係者だと思う。場所を借りて作らせてもらったり、屋台で出すレシピの相談に乗ったりしてたから」
俺はセトイカでのやり取りをある程度説明した
レシピは魔物を材料にしてるけど置き換え可能だと説明したことも含めてだ
「なるほど。ならその置き換えれる物を研究するために揃えたってことかしらね?」
「多分。向こうでも魔物の魚は昔から手に入ってたから味は知ってるっぽいし」
「その味や食感と似た魚介類を見つけるのはお手の物か」
「だとしてもそれで全レシピ買うとか…」
「なかなか豪快な奴らなんだな?俺も行ってみたいかも」
カルムさんとトータさんが言うとアランさんも頷いている

「まぁとにかく、理由は分かったわ」
母さんが納得したように言うのを見てホッとする
「今回の魚介レシピの分はシアの口座に振り替えとくからまた確認しときなさいね」
「は?」
「レシピの存在を明かしたのもその活用方法を示したのもシアなんでしょう?」
だから当然じゃないのと母さんはため息交じりに言う
俺としては別に金に困ってるわけでもないしいらないんだけど?

「いいから受け取っとけ。サラサは元々それで儲ける気はないし、むしろ自分が受け取らない方法を何とか考えようとするからな。一度決めたなら絶対覆らないぞ」
父さんが呆れたように言う
「あ~うん。わかった」
それは俺も知ってる
父さん迄こう言ってる以上覆ることは絶対にない
なら有り難く受け取っとくとしよう

「そういえばみんな揃って出かけるなんて珍しいよな?」
「ん?たまにはいいかと思ってな。チビもお前らが見てくれるなら安心だ」
「ふ~ん?」
「疑ったり心配したりするようなことは無いから安心しろ」
「そうよ。私達もたまには昔に戻りたいと思うってだけなんだもの」
「昔に戻りたい…か」
ナターシャさんの言葉に不思議と納得していた
「ま、そう言うことならいつでも引き受けるよ。レティも楽しんでたみたいだし」
「はい。いつでも言ってください」
「ふふ…ありがとうレティシアナ。その時はお願いね」
メリッサさんが微笑ましそうに笑う
これは本当に心配する必要のない案件か…?
どこかホッとしながらそう思ったことを後悔するなどこの時の俺は知らなかった
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